ボクシングルールでの秒殺KO負けも、急遽のオファーとブランクで本調子ではなかった秋山
2024年1月28日(日)東京・有明アリーナにて『ONE 165: Superlek vs.Takeru』が開催された。
第8試合では秋山成勲(日本)が元GLORY世界ウェルター級王者ニキー・ホルツケン(オランダ)と特別ルール3分3R(1Rボクシング、2Rムエタイ、3R MMA=全てMMAグローブ着用)-85.0kg契約で対戦。1R1分40秒、秋山のKO負けとなった。
試合後インタビューに訪れた秋山は、長い沈黙の後「トシには勝てねえのかな。悔しいね」とつぶやいた。
続いて「ルールが不利だどうだと言われましたが、決めたのは俺だし言い訳するつもりもありません。これがベストな試合だったらとは思いますが、ちょっとカッコ悪いね。かなりカッコ悪いね。カッコよくいきたいね。その中でひとつ、自分の中でカッコいいなと思ったのはこの試合を決めたことかなと自分で自分を元気づけたいです」と、この試合を受けたことだけは自分がカッコよく思えたと語った。以下、記者との一問一答。
「思った以上に来なかったので、行っていいのかなと思いつつも上手くコーナーに詰められた。やはり打撃のスペシャリストを甘く見てはダメだなと通関しました。次はMMAからやらないかって言いたいなと、心のどこかに悪い僕がいます」
――選手キャリアの幕引きも考えている?
「自分で線を決めればそれで終わってしまいますが、やはり50なのでね。いいおっさんじゃん。そこに対しては私自身も有森さんじゃないけれど自分のことをリスペクトしたいと思いますが、まだまだ出来るってことを世界のみんなが見てくれているので、おっさんパワーみたいなものを自分で信じてやってきましたが、弱いところが一番最初のひと言で出たかなと。トシには勝てねえのかなとポロっと言ってしまいましたが、けれどまだまだ自分自身を信じたいかな」
「今回、ONEチャトリ、ABEMA北野のためにやりました。時間がない、それは言い訳にならないので決めた以上は言い訳なんかしないです。準備期間がああだこうだというのは言い訳なので。弱かった俺が悪いし、練習不足の俺が悪いし、仕事とかこつけて練習できなかった俺が悪いし、全て自分の責任だと思っています。なので、ちょっとカッコ悪かったね、秋山成勲。自分の中での秋山成勲はもうちょっと行っていたんじゃないのって思っています」
――ファンにカッコいい姿をもう一回見せたい?
「そうだね、それはありますね、おっさんパワーを見せたいですね」
――同世代の青木真也選手の試合は見た?
「(控室に)帰ってきてちょっとだけやっていたので詳しくは見てないですけれど、勝ったというので。良きライバルでもあり、僕は尊敬している選手なので勝ってよかったなと思います」
「正直言っていいですか。マジで正直言うと1年半くらいスパーリングをやっていなかったので。スパーリングをやったのは20日くらいかな。コンディションで言うと40くらいかな。頑張って2週間で作ってきたつもりではありましたけれど、やっぱりこの2週間の結果、自分でも『ふざけんな、こんなので出来るわけがねえだろ』と自分で自分を怒りたいですね。こんなので出来るわけないし、出来なかったし。もしかしたら出来るんじゃないかなって可能性を自分の中で挑戦したかったんです」
――ファンもいい試合を見たい、次はどうする予定?
「次はちゃんとしたMMAで。ONEが初めて韓国で大会をするためにいろいろ動きたいと思います。プラス、そこで私もできるようにちゃんと調整しながら、言い訳できないように自分の身体を作っていきたいと思います」
――1Rのボクシングルールでシューズを履くのは決まりだった?
「ボクシングルールの時はシューズを履いてもいいですよというのがあり、あれはレスリングシューズなんですけれど履いた方が少しは打撃で何かが出来るかなと思ったんですけれど、やはりGLORYの元王者は強いですね。さすがです」
――ダウンを奪われた時のパンチは見えていた?
「いや、見えなかったですね。右のガードはちゃんと上げて行こうと思っていたんですが、そこはちゃんと見てますね。最初は全然来なかったので行けるかなと思ったんですけれど、気付いたらコーナーを背負わされていたので、さすが打撃の選手だなと思います。これがMMAだったら反対になっていたとも思います」
「そういうつもりで行けたらいいなと思います」
――この試合を受けるべきではなかったか?
「いえ、決めた以上言い訳することはなく負けは負け。打撃のスペシャリストと打撃で戦えた経験は私にとって必ず大きな糧になると信じています」