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インタビュー

【Krush】初防衛戦に臨む“KO体質”悠斗「歴史を変える瞬間を見届けてください」「世界中のトップの選手は、競技関係なく結果を出し続ける」

2024/01/23 18:01

いちいち相手に気を取られてたら、孤独な自分の道を進めない


──今挙がった名前って、各種目の英雄たちじゃないですか。悠斗選手もそこに近づこうとしている?

「そういう認識を持っていただきたいですね。そういう人たちって、常に予想の斜め上を行くじゃないですか。1回とかまぐれじゃないんですよ。僕も練習のスパーでも普通にガンガン倒しますし、おそらく実力はそういう領域に入っていて。ただ選手として、安定性というのもすごく大事だと思っていて、世界中のトップの選手は、競技関係なく結果を出し続けるんですよね」

──そうですね。

「結果を出し続ける選手、出し続けられない選手というのは確実に差があって、そこを今回はすごく考えてきたというか。僕はこのK-1ルールでの強さというのは間違いなくあると思うんですけど、例えば人格だとか、そういうものも関係してくるんですよ。絶対王者と言われる人だったり突き抜けてる存在、誰も越えられないような成績を残すような人たち。今まで自分が成し遂げてきたことはそういうところにあると思っていて、やっぱり僕も選手としてもかなり密度が濃いというか、すごく熟してきて、今はそういう戦いをしてるというか。ただのチャンピオンじゃなくて偉大なチャンピオンにふさわしい実力と人格とその発言と見た目だったり思考だったり、そういったところを磨いてきた感じですね」

──なるほど。

「それはもちろん実力の部分をおろそかにしてるわけじゃなくて、それは全て一緒で。やっぱり王者としてのプライドというのは、その団体を背負ってるわけなので、他の団体になめられちゃいけない。K-1、Krushが決めているのは『倒しに行ってくれ』ということなので、そこをやり切る中で俺は自分はトップなんだと。それも1回だけのトップではなくて、トップでい続けられる絶対的な結果を残しつつ、周りにいい影響を与えていくような存在を目指してる感じですね」

──とても試合前のインタビューとは思えない内容になってきました(笑)。

「(笑)。やっぱり普通の格闘家だったら、試合前は相手のこととか話すんでしょうけど、もうそういう感じじゃないっすね。僕に関しては逆というか、試合前ほど自分を高めることに集中しているというか。でも、みんなそうなんじゃないですか。やっぱりチャンピオンって孤独じゃないですか。突き抜けた存在って孤独だと思うんですよ。その人の苦しみとか、誰も分からないと思うんですね。今回だったら、期待されてる僕のプレッシャーは誰にも分からないわけですよ。立ち技三冠、誰もやったことないことをやりましたと。次は何してくれるんだと。そういう孤独の中で、さらに強さを見つけるというか、今はこんなことを考えてます」

──大夢選手のことは、考えてはいないんですか?

「いえいえ、バッチリ考えてますよ。相変わらず試合はまだ1回も見てないですけど。これはもういつものことなので。ただ情報なんかは入ってくるし、代わりにトレーナーが2週間前ぐらいに見てくれるんですけど(笑)」


──それでもその程度なんですね。

「そんなもんですね。結局僕には僕のスタイルがあるので。絶対王者は人に合わせることはしないじゃないですか。井上尚弥は相手によってスタイルを変えないですからね。自分の絶対的なスタイルがあるので。そういう部分も含めて、いちいち相手に気を取られてたら、孤独な自分の道を進めないよねと。よりもっと前に進んでる、強いライバルたちがいるわけで。僕もそういう存在に近づきたいので」

──では先ほど「考えてますよ」とおっしゃったのは、どれぐらいのものなんですか?

「前回は同じ日に試合もしましたし、控室も一緒でしたし、正直、体とか姿勢を見ればだいたい分かるというか。これ以上具体的なことは、試合前は控えておきますけど」

──そうですか。では、今の時点で試合について一番考えていることは何ですか?

「試合については、『勝ちたい』っていう、ただそれだけですね」

──そこは意外とシンプルなんですね。

「シンプルなんですよ。だからもう、シンプルが一番強いんですよ。『シンプル・イズ・ザ・ベスト』って、僕が一番好きな言葉なんです。僕のトレーニングもメンタルも、結局シンプルなんですよ。僕は事業もやってたりしますけど、自分の店とかでシンプルにいかないことがたくさんある中で、僕1人で戦ってるわけじゃないんで。妻とか子供も応援してくれてますし、従業員とかいろいろ背負ってる中でやるんですけど、やっぱりシンプルなんですよね、自分の中では。いかにシンプルにするかっていう。メンタルもいかにシンプルにするか。最終的には『勝ちたい』っていう、そこだけなんですよね。それがあるから、余計なことは後回しでもいいんですよ。試合の前であればあるほど、誰よりも勝ちたいです。勝った後にまた目標ができて、そこへ自分を高めて。だから結局、相手じゃないんですよね」

──では最後に、この試合への“決意”を、改めて教えていただけますか?

「歴史を変える瞬間を見届けてくださいって感じですね。この試合でだいぶ歴史が変わりますから。フライ級という、今まで日の目を見ることがなかったような若い選手、まだ体ができあがってないような選手でもフライ級で活躍して、K-1という偉大なプロモーションの力を借りて、もっともっとやる気を出して階級を上げてもいいと思いますし、フライ級で僕を打ち取ってやろうという強い子が出てきてもいいだろうし。作ってしまいさえすれば変わるんですよ、やっぱり」

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