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2023年12月31日(日)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.45』のバンタム級(-61.0kg)5分3Rで、芦澤竜誠(フリー)と対戦する太田忍(パラエストラ柏)が11日、都内KIZUNA BASE GYMで公開練習。
芦澤の顔写真を貼り付けたサンドバッグに「だっふんだ」と声を上げながら腰を入れずにパンチ、キックを打ち込んだ。
太田によれば、「いつも通り」の練習とのことで、「面白いシャドーだと思って。どっかで見た事ある人を真似してみました」と芦澤の打撃を模倣した動きであることを示唆した。
2018年の第2代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメント3位の芦澤の打撃について「K-1で活躍してました? 打撃……どうなんですかね」という太田は、「キックボクシング、K-1で通用していたかしていなかったか。いずれにしてもMMAにどれだけ順応しているかは分からない」と疑問符をつけた。
自身の打撃では、2023年4月の 『RIZIN LANDMARK 5』で倉本一真に1R、右フックでKO勝ち。7月の『超RIZIN.2』では、ストライカーの瀧澤謙太にもスタンドバックからのパンチ連打で瀧澤を場外逃避させ、1R TKO勝ちしている。
スタンド面で「成長しているかどうかは自分で評価するものではないですけど、打撃でも倒している」と自信をのぞかせる太田は、芦澤による「太田は背が低い」の言葉に「格闘技なんでリーチの差はアドバンテージになると思いますけど、彼はそれ以外で僕に勝てる要素を挙げられなかったのかなと思います。何をとっても僕が優っている、勝てる要素が無いから、唯一リーチの差を挙げたのかなと」と反論。
「僕は自分より身長やリーチのある選手ともやっています。2戦目の久保選手は彼よりもリーチがあって打撃が強い。瀧澤選手もリーチがあって、佐藤将光選手もそう。初めてそういう選手とやるなら話は変わりますが、しっかり経験しているので、うーん、ちょっと何を言っているか分からなかったですね」と、会見での芦澤の言葉を一蹴した。
前戦では、ONEなど海外でも活躍する佐藤将光に判定負け。周囲から「善戦した」と言われたが、「善戦じゃない、完敗だな。コントロールしてたのは僕、フィニッシュを意識していたのは佐藤選手。あの試合後、壁レスリングでかかと(蹴り)は採り入れました。軽くちょんとやるだけでも相手が嫌がる。それに課題だった、寝かせてからコントロールすることも出来ている。足りないものを補える姿勢になれた試合」と収穫があったとする。
「RIZINの中ではレスリングで僕より強い選手はいない。自分にレスリングのバックボーンがあって、相手は警戒してきてくれるので、何もしなくてもレスリング力がプレッシャーになる。ただ、MMAレスリングという意味ではもっと上を目指していかないといけない」と言う太田が今回、取り組んでいるのは、MMAに置いての「テイクダウン、コントロールの“その先”」だ。
「正直、佐藤選手を極めたりKOするヴィジョンが浮かばなかったので、あのときはあれでいいと思ってやってたんです。終始コントロールするのが目的で、僕もそんなに目に見えるダメージはなかったけど、あれじゃ勝てないと分かったんで、しっかりフィニッシュを狙う姿勢を見せないといけない。RIZINルールで戦うにはそこを理解しておかなくてはいけなかった。改善が必要だと思ったので、いまはそのテイクダウンの先だったり、壁での攻防だったり、フィニッシュを狙うような練習は出来ていると思うので期待してください」
芦澤戦では組んで投げて倒して押さえて削って「極める」。そのフィニッシュ技を「マザーズミルク」と予告した。
「マザーズミルクで極めようと思います。決まり手の名前も屈辱的じゃないですか。あれ、結構極まりますからね。ヤバいですよ。あまりMMAでの決まり手にないので、外国人の骨格の大きな選手がグラップリングで極めていますけど、軽量級でしかも上半身裸の状態で、マザーズミルクが極まったら、ちょっと盛り上がるんじゃないですか」と、マウントから胸で赤子に乳を吸わせるように圧迫して極める、近年、再び流行りだしたグラップリングテクニックでタップを奪いたいと語る。
理想の勝利の形は「一発も被弾しないで1Rで極められればいいかなと。2連勝したときと同じ一方的な展開が理想」だという。
懸念点は、リングでの場外エスケープだ。