RISE 1742023年12月10日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント RISEバンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×鈴木真彦(フリー/王者)判定0-3 ※48-50×2、47-50○大﨑孔稀(OISHI GYM/挑戦者・同級1位)※大﨑が新王座に就く。鈴木は3度目の防衛に失敗。
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。その後、那須川天心との再戦で敗れるが、江幡塁を初回KO、拳剛も初回KO、2022年4月には江幡睦からダウンを奪って判定勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大に判定勝ち、8月には植山征紀に判定勝ちと5連勝を飾ったが、12月に志朗との再戦に敗れて連勝ストップ。2023年3月にはK-1のリングに乗り込むも玖村将史にダウンを奪われて敗れた。8月にイマッド・サヒをKOして再起。戦績は35勝(20KO)7敗。
大﨑はパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザいずれでもKOできる破壊力を持ち、タイ人と渡り合うテクニックも持っている。特にボディブローは強烈。様々な団体で活躍し、これまでにJ-NETWORKスーパーフライ級王座、WMC日本同級王座、BOMバンタム級王座を獲得。RISEには2019年11月から参戦。2022年3月に一気にフェザー級に階級を上げて龍翔に判定勝ち、5月に55.5kgで加藤有吾にTKO勝ち、7月に56kgでJyoseiにKO勝ちと3連勝を飾ったが、10月に志朗と対戦して延長戦で敗れた。12月にはSB王者・植山征紀から勝利を奪って再起、2023年5月は2月に無効試合となった寺山遼冴との再戦を2R KOで制した。8月に加藤有吾から判定勝ちし、挑戦権を得た。戦績は31勝(19KO)7敗1分1無効試合。
1R、鈴木はジャブ、大﨑は左ミドルからスタート。早くも右フックからの左ボディ、叩きつけるような右カーフで仕掛ける鈴木は左フックでの飛び込みも見せる。大﨑はジャブと右カーフを蹴るも、鈴木が飛び込んでの左ボディをさく裂させる。強い右カーフを蹴る鈴木は右クロス、大﨑もすかさずワンツーを打ち返すが、鈴木も左ボディ、右アッパー。鈴木の右を空振りさせた大﨑が左フック。鈴木はジャブを強くボディに打つ。大﨑はボディへの飛びヒザだ。鈴木が打ちに来ると1発目をかわして左フックを打ち込む大﨑。鈴木の積極的な攻撃の姿勢が目立ったが、大﨑の的確な攻撃も光った。オープンスコアは10-10×3。
2R、大﨑の打ち終わりにハリ入り込んで攻撃をまとめる鈴木。大﨑は左ミドル、左ハイ、前蹴りを連続で繰り出す。鈴木は右カーフ、左ボディから左フック。負けじと大﨑も左フックと左ボディを打つ。大﨑が右ロングフックからヒザを突き上げると、鈴木はすぐに左右フックを打ち返す。大﨑の攻撃を受けるとすかさずその倍は攻撃を繰り出して反撃する鈴木。OPスコアはジャッジ1名が大﨑に10-9をつけた。
3R、鈴木の右カーフに右スレートを返す大﨑は、続いて右ストレートを狙い撃ち。左ボディを打つ鈴木に大﨑は左フック、鈴木も左右フックで打ち合う。鈴木のフックをダッキングやウィービングでかわす大﨑、逆に自分の右ストレートはしっかり狙って当てていく。ラウンド終盤、詰めてきた鈴木の連打をかわした大﨑は体を入れ替えると強烈な右フック、左フックを連続ヒット。さらに右ストレートもヒットさせ、明らかなポイントを奪った。OPスコアはジャッジ三者とも10-9で大﨑。
4R、鈴木の右ボディに大﨑が左フックを合わせヒットを奪う。その後の打ち合いでも大﨑は右ストレートをヒット。鈴木は左ボディ、右ボディストレート、ヒザと攻めていくが大﨑のパンチのインパクトが強い。、またもロープ際で体を入れ替えたところで左右フックを見舞う大﨑。しかし、鈴木も負けじと右ストレートから打ち合いを仕掛けていく。OPスコアはジャッジ二者が10-9で大﨑。
5R、もう倒すしかない鈴木だが、大﨑の左フックで大きくバランスを崩す。ワンツーと左ボディの打ち終わりに鈴木へ右ストレートを直撃させる大﨑。積極的に打っていく鈴木だが大きなインパクトはなく、大﨑がかわしての右ストレートをヒットさせる。大﨑の頭を動かすディフェンスに空振りが目立つ鈴木。大﨑はかわして当てるを繰り返し、最後は鈴木のパンチを連続被弾したが優勢のまま試合を終えた。
大﨑はジャッジの読み上げを待つ間、すでに勝利を確信して涙を流す。勝ち名乗りを受けると顔をくしゃくしゃにして勝利を喜んだ。
大﨑はマイクを持つと「獲ったぞー!お兄ちゃん、お待たせ! 本当にここまでたどり着くまで時間かかってそれでも頑張ってくれたお兄ちゃん、それと僕を幼稚園の頃から育ててくれた代表、ありがとうございました。ずっと会長にお世話になっていて、僕は会長を信じて、会長も僕を信じてくれてここまで来れました。会長を始めジムのみんなや僕をサポートしてくれるみんながいてここまでたどり着けました。見捨てることなく育ててくれてありがとうございました。鈴木選手が55kgのベルトを引っ張ってくれたから、僕も今日までやってこれました。55kgのベルトの価値を上げていくのでこれからもよろしくお願いします」と語った。
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▼セミファイナル バンタム級(-55kg)3分3R延長1R○加藤有吾(RIKIX/同級3位、WMC日本スーパーバンタム級王者)判定2-0 ※30-29、29-29、29-28×有井渚海(ARROWS GYM/同級9位)
1R、前後にステップを踏む加藤は右カーフ、有井をロープ際まで追い詰めると右ストレート、左フックを打つが目がいい有井はかわす。有井も右カーフと左インロー。加藤は前に出てワンツー、左右フックも有井はかわす。逆に有井は左ボディを命中させていく。さらにジャブも。
2R、加藤は1Rよりも距離を詰めてロープを背負う有井にパンチを当てていく。有井はヒザ、ジャブで応戦。ワンツー、ワンツーの右をボディへ打つ加藤。有井は前へ詰めて来る加藤をヒザで迎え撃ちジャブを打つ。有井がワンツーからヒザ、加藤はすぐに左右を打ち返す。打ちに来る加藤に有井は左ボディ、右フックとヒットを奪った。
3R、ワンツーで前に出る加藤は打ち合いを仕掛ける。手数は加藤の方が出ているが、有井の左フックが強いインパクトで加藤の頭部を捉える。加藤は右カーフに切り替え、左の三日月も突き刺す。加藤の右カーフに足が流れる有井。加藤の右フックに左フックを合わせようとするが、加藤のボディへのヒザで明らかに後退。すかさずボディを集中的に攻める加藤に有井が左フックを見舞う。前に出る加藤は左の三日月。有井は右ストレートを叩き込み、打ち合いとなるが今度は加藤のヒットが上回る。
判定は2-0で加藤が僅差の勝利。上位ランカーの意地を見せた。
加藤はマイクを持つと「今日もちょっとレベルアップしたところを見せたかったんですけれど上手くいかないです。もっと頑張って強くなって帰って来ます。来年はチャンピオン獲れるように頑張ります」と朴訥さ全開のマイクアピールで拍手を受けていた。
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▼第9試合 ウェルター級(-67.5kg)3分3R延長1R○稲井良弥(TARGET/同級1位、第4代DEEP☆KICK-70kg王者)KO 3R 1分07秒 ※左フック×石川泰市(Ten Clover Gym/同級3位、Stand Up King of Rookie 2022 -67.5kg級優勝)
1R、右のパンチを狙う石川に稲井はジャブ。稲井は左ボディを皮切りに打ち合いを仕掛けるが、右フックをヒットさせたのは石川。稲井は右ハイを蹴って展開を変えようとする。
2R、稲井の右ハイでグラつく石川だが、笑みを浮かべてワンツーを打つ。左ボディからの右フックを2度打つ石川。稲井はロープを背負いながらもボディを返す。完全にボディに狙いを絞った石川は被弾しながらも前へ出てボディを叩く。稲井も負けじと左右フックから右ハイ。稲井の左右フックをもらっても前に出る石川は笑みを浮かべて左右ボディ。
3R、互いに左右フックを被弾する中、右フックを空振りした石川へ稲井が左フック。この一発が見事に決まり、石川は大の字に。
KO勝利を飾った稲井は「石川選手が気持ち強くて弱気になるような場面もありました。石川選手が3位でもうウェルター級に戦う相手がいなくなっているのでタイトルに挑戦させてください」とタイトルマッチをアピールした。
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▼第8試合 ミドル級(-70kg)3分3R延長1R○憂也(魁塾/同級4位、第2代DEEP☆KICK-65kg王者)判定3-0 ※30-27×3×フランクちゃん(TRY HARD GYM/ラジャダムナンスタジアムボクシング130P、135P王者)
1R、憂也が右ローを蹴ると、フランクちゃんは左フックでお返し。フランクちゃんは右ロー、右カーフを狙い撃ちにし、フランクちゃんにロープを背負わせると左ボディ。憂也は左のフェイントから右ストレートを打ち、すぐに右ロー。フランクちゃんの左ミドルに憂也も左ミドルを返すが憂也の方が強烈。リーチの長さを活かした憂也が距離を支配して有効な攻撃を当てていった。
2R、フランクちゃんは飛び込んでの左ボディ、左フックを繰り出し、憂也は左ボディからの右カーフ、右ストレート。距離が遠くフランクちゃんの攻撃は空振りになる場面が多く、逆に憂也は強い蹴りとパンチをしっかり当てていく。フックの打ち合いから顔面へ2度ヒザを突き上げる憂也。そこから左右の連打を見舞う。コーナーへ詰めての左フックからの右ローでフランクちゃんは防戦一方に。
3R、フランクちゃんが入ろうとすると左右フックの憂也。フランクちゃんが打ち合いを仕掛けてくると左右フックからヒザを突き上げる。憂也の右ロー、左ボディが何度も決まるがタフなフランクちゃんは耐えて左ミドルを打ち返す。フックを当時に放っても届くのは憂也の方だ。フランクちゃんをコーナーに詰めて左アッパー、右フックを打ったところで試合終了。
ジャッジ三者とも30-27のフルマークで憂也が勝利を収めた。
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▼第7試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R○平野凌我(MTS/同級3位)KO 1R 2分33秒 ※右フック×拳剛(誠剛館/同級9位、第5代王者DEEP☆KICK-55kg王者)
1R、平野は右カーフを狙い撃ち、拳剛は右カーフ、左インローからワンツーを長身から打ち下ろす。平野は組み付くとヒザ蹴り、続く右フックでダウンを奪う。さらに右カーフからの右フックで拳剛は前に崩れ落ち、平野が豪快なKO勝利を飾った。
平野はマイクを持つと「岡山から自分の生徒とスポンサーさんが来てくれたんですけれど早く終わらせすぎてごめんなさい。強すぎました。僕が見ているのはフェザー級のベルトだけなので、1位の魁斗選手、次どうでしょう。僕とやらずに僕より上のランキングにいるのは納得いかないので来年どこかでやらせて欲しいです」とアピールした。
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▼第6試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R×白石 舜(TEAM TEPPEN/同級8位)KO 2R 0分30秒 ※右ハイキック○戸井田大輝(戸井田ジム/同級13位、MA日本スーパーバンタム王者)
▼第5試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/同級11位、SB日本ライト級2位)判定0-3 ※26-30×3陽勇(=ひゅう/TEAM3K/同級14位、Stand Up King of Rookie 2022 -65kg級優勝)
▼第4試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R×清水俊貴(NEXT LEVEL渋谷/初代KROSS×OVER KICKフェザー級王者)KO 2R 1分26秒 ※右フック○牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM)
▼第3試合 フライ級(-51.5kg)3分3R×柊真(新潟誠道館/Stand Up King of Rookie 2022 -51.5kg級優勝)判定0-3 ※29-30、28-30×2○ブラックシーサー颯太朗(TEAM TEPPEN)
▼第2試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R○松山 瞬(TEAM TEPPEN)判定3-0 ※29-28×2、30-28×岩永勝亮(OISHI GYM/第4回W・K・Oジャパンアスリートカップ決勝大会 高校男子の部(65kg未満)優勝)
▼第1試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R×将太(KSS健生館/2022年RISE Nova 全日本大会 -70kg級トーナメント優勝)判定0-3 ※28-29×2、27-29○山﨑一央(TEAM TEPPEN)