新鋭を迎え撃つことになったKANA。自ら第1試合出場を志願した(C)M-1 Sports Media
2019年8月24日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』の第1試合、女子-52kg契約スーパーファイト3分3R・延長1Rで真優(=まひろ/月心会チーム侍)と対戦する第2代・第4代K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
KANAはK-1&KRUSH女子部のエースとして活躍。2017年5月から今年3月まで外国人選手を相手に7連勝を飾っていたが、ヨセフィン・ノットソンとの再戦で敗れ、今回が再起戦となる。
対する真優は大阪出身の19歳。プロ戦績は4勝1敗2分だが、アマチュアで豊富な試合経験があり、K-1甲子園のワンマッチでも勝利したことがある。空手仕込みの蹴り技を武器に、高校生時代の2016年8月には「J-GIRLSフライ級ニューヒロイントーナメント」で優勝を飾った。
なんでこんな選手とやんなきゃいけないのか
──3月『K'FESTA.2』のヨセフィン・ノットソン戦はヨセフィンにリベンジを許すという悔しい結果でした。あの一戦を振り返っていただけますか?
「自分が勝った相手と再戦するのは初めてで、ヨセフィンは自分の研究をして、自分に勝つために焦点を定めてきていたんだなと思いました。逆に自分はヨセフィン戦をちょっと通過点として考えてしまったところがあって…。その差が出たと思うし、何もさせてもらえずに終ったというのが現実です。そこから反省点や見えてきたところが多かったです」
──ヨセフィンとは昨年11月にも対戦していて、短期間で再戦することになりました。気持ちの作り方など難しい部分はありましたか?
「そうですね。一回目にやった時にヨセフィンの強さは分かってたんで、そこに向けて練習はやってたんですけど、今回は相手の方が上だったと感じました」
──ヨセフィン戦後にアメリカにも練習に行ったそうですが、今回はどんなことを目的にしていたのですか?
「どうしても日本にいると同じ階級の女子選手とスパーリングすることが出来ないんですね。やっぱりスパーをしないと試合の動きや課題が見えてこないし、初めてイギリスに行った時に同じ階級の女子選手とスパーリングする必要があると感じました。これからも定期的に続けたいと思います」
──アメリカでは色々なジムで様々な競技の選手と練習されたようですが、どんなことが勉強になりましたか?
「GLORYの元チャンピオンのティファニー(・ヴァンスースト)やムエタイの選手ともスパーリングやらせてもらって、めちゃめちゃ良い練習になりました」
「そうですね。毎年夏に試合をやっていて、夏はけっこう動けるというか調子が良いんで、復帰戦は夏にやりたいと思っていました」
──そして大阪大会では真優選手との試合が決まりました。最初にオファーを受けた時は正直どう思いましたか?
「最初は真優選手のことを知らなくて『誰だよこいつ』って感じでした。なんでこんな選手とやんなきゃいけないのかっていうのは正直思いましたね」
──そこは納得できたかは置いておいて、結果的に試合を受けることになって、どう心境が変わったのですか?
「やるからにはプロのリングだし、色んな人に見てもらうので中途半端な試合はできません。本当に圧倒的な差を見せつけて勝たないと今後にもつながらないと思うので、すぐに気持ちは切り替わりました」
──ぶっちゃけ舐められてるみたいな感じでむかつきましたか?
「めちゃくちゃ思いましたね。舐められてるよなって(苦笑)」
──真優選手はKANA選手と戦うことをチャンスだと思っているでしょうし、記者会見でも比較的ずっとにこやかな様子でした。ずばり見ていてどう思いましたか?
「イライラしました(苦笑)。なんか緩いなと思いましたし、まあ本当に舐めんなよって感じです」
勝ってお客さんに『こいつすげえ!』と思われるような試合を
──その一方でここ2戦はなかなか良い内容が見せられていなかったり、K-1のリングでKOがなかったりと、K-1ではKANA選手が見せたいものを見せられていない状態だと思います。そこへの悔しさはありますか?
「それはやっぱりめちゃめちゃありますね。KOで勝つのが自分の持ち味だと思っているのに、K-1ではまた1回もKO勝ちがなくて…本当にしっかりKOで決めたいという気持ちがめちゃくちゃあります」
──武尊選手などもよく言いますが、KANA選手の場合は女子を引っ張って新しい道を作っていくというテーマがあると思います。ずばり試合への覚悟が感じられない選手には違いを見せたいですか?
「そうですね。K-1の女子では自分に挑んでくる日本人選手がいなかったんで、今回こうやって日本人同士の試合が決まったのは正直嬉しいというか、この大舞台を目指してきてる女子の選手が出てきて嬉しいという気持ちもあります。でもその反面、しっかりK-1の女子を引っ張って行く自分の立場としては、相手にも中途半端な気持ちでやってほしくないし、しっかり作りあげて当日に向かってきてほしいという気持ちがありますね」
──結果・内容も含めて、この試合がどうなるかによってKANA選手が熱望している女子トーナメントが実現するかどうかにもつながると思います。続くと思いますが、そこに向けての想いはいかがですか?
「格下であれ戦績に差がある相手であれ、リングには同じ条件で上がります。本当に1つのミスで自分が負ける可能性だって十分あるんで、そこは本当に気を引き締めて、勝ってお客さんに『こいつすげえ!』と思われるような試合をしたいと思ってます」
──そしてK-1で女子トーナメントを実現させる、と。
「そうですね。自分には今年中に女子トーナメントをやりたいという気持ちあるんで、そこに向けてアピールできるような試合にしたいと思います」