レオナ戦を全然超えるんじゃないですか
「けっこうイメージして練習はしています。トレーナーやチームメイトは僕に勝って欲しいから勝つための作戦とか練習を考えてくれるんですけれど、僕はやっぱりどこかで結局打ち合ってしまうんだろうなっていう考えもあるんですよね。だからその技術の練習もしますけれど、結局打ち合った時の練習をメインにやっています」
――試合中に武尊選手が笑うのが先か、ロッタン選手がカモンゼスチャーをするのが先かもこの試合の見どころのひとつだと思います。
「なるほど…同時くらいじゃないですか(笑)。それが何ラウンドに来るかによって試合の盛り上がりも変わって来るでしょうね。僕は…1Rで笑っているかもしれません。それくらい噛み合う試合です。もしかしたら、試合開始のゴングが鳴った瞬間に笑っているかもしれませんよ。そのスイッチが入ったら僕の勝ちです」
――武尊選手が相手だったら、ロッタンはあのカモンゼスチャーをする必要もないかもしれません。
「そうですね。僕が逆にやってやりますよ(笑)」
――ロッタンがどう出てくるか、いろいろな想定はしていますか?
「けっこう考えてはいます。でも、今までの試合を見ていても攻撃パターンだったり、試合の癖は絶対に変わらないと思うので、こう来たらこれ、というのは考えて練習していますね」
――この試合が日本で行われることについてはどうお考えですか?
「ロッタン選手にもONEにも感謝しかないです。コンディション面でもそうなんですけれど、ONEと契約したらもう日本のファンの人たちの前で試合が出来る事はないのかなって思っていたので。日本での最後の試合が負けた試合なので、その最終履歴を今回で勝ちにするチャンスをもらえたのが凄くありがたいです」
――そう考えると、これがもしかしたら武尊選手の日本での最後の試合になる可能性もあるわけですね。
「その可能性はあるかもしれません。チャトリさんからは『次はアメリカだ』とも言われていますし」
――武尊選手は那須川天心戦後、一時は引退も考えたそうですが、今は以前よりも燃えていますか?
「これは本当に、ロッタン選手のおかげで僕はモチベーションを保ててまた現役をやろうと思えて、手術に踏み切るきっかけになったのもロッタン選手でした。目標がなかったら怪我を治そうともしなかっただろうし、手術をしてからのリハビリが一番大変で元の身体に戻すまでが一番キツかったんですが、それを乗り越えられたのもロッタン選手という存在があったからです。その感謝を持ちながら戦おうと思っています」
――武尊選手の最高傑作と言うとレオナ・ペタス戦をあげる人が多いと思いますが、ロッタン戦はあの試合を超えますか?
「全然超えるんじゃないですか(笑)。やってみないと分かりませんが、この2人で面白くない試合になるわけがない。僕が客観的に見てもそう思うし、僕もお客さんとしてこの試合を見たいです」
――先ほどチャトリ代表から「次はアメリカで」と言われたとのお話しがありましたが、ロッタン戦が最後とは決めていないんですよね?
「最後とは決めていませんが、最後のつもりで追い込みをやっています」
――それはいつもと変わらない、この試合で死ぬかもしれないとの心構えですね。
「いや、いつも以上ですね。それこそレオナ戦の時はその先の天心戦があったから、この試合で身体を壊すわけにはいかないっていう気持ちがどこかにあったと思います。天心戦の時もそれくらいの気持ちでしたけれど、あの時は減量のことやコンディションのことなどいろいろ考えることがあったので。でも今回は、全神経を勝つことだけに集中できるというか、これを最後だと思って、1月28日が終わったら次の日はぶっ倒れるくらいの気持ちでやり切ります」