撮影/安村発
RISE 173
2023年11月18日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第11試合)RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級(-53kg)トーナメント 決勝 3分3R延長1R
〇政所 仁(魁塾/同級1位)
判定3-0 ※30-28、30-27×2
×長谷川海翔(誠剛館/同級4位、第4代DEEP☆KICK-53kg王者)
※政所がトーナメント優勝。
政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表を付く技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。2023年7月には風音にリベンジし、8月にはルベン・セオアネをKOした。準決勝では花岡竜をKO。戦績は19勝(6KO)10敗1無効試合。
長谷川は18歳で現在プロ戦績10勝(9KO)1無効試合と負けなしであり、何より特徴的なのは高いKO率。2021年4月にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと破竹の勢いでKO勝利を連発。昨年3月より行われたDEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメントでは準決勝でKING剛を1RでKO、決勝の王座決定戦ではKAZUNORIを相手に3RKOと鋭いパンチ・蹴りに決め所を逃さない嗅覚を存分に発揮して王者となった。6月にはKO勝ちで初防衛に成功すると、7月のRISEでは翼を初回KOに破ってみせた。準決勝ではHIROYUKIにKO勝ち。
1R、サウスポーの長谷川に対して政所は右へ回り込む。互いに前足へのローを放ち、長谷川は強烈な左インロー、左ミドルも蹴る。長谷川の左ミドル2連発に政所も右ミドルを返し、下がった長谷川へ右ボディストレート。政所が右ハイを蹴ると、これは長谷川の首元に引っかかる。右へ右へと動きながら右ミドル、右ストレートをヒットさせる政所。長谷川は左右フックの連打を繰り出すが、政所はブロックした。
2Rは長谷川が先に右回り。政所は左へ回り込んでいく。圧をかける政所が左ローからの左ハイ。さらに右ハイも。長谷川が飛びヒザを出せば、政所も飛びヒザ。左右フックを思い切り振る長谷川に、政所は左フックをヒットさせる。圧をかけて下がらせる政所だが、長谷川も左フックを打ってワンツーの連打で前へ出る。
3R、政所が左フックからの右ストレート、長谷川も左右フックを繰り出す。左ストレートを打った長谷川に政所が前進し、長谷川の左手ブロックが一瞬下がったところへ政所が左ハイキック。鮮やかにダウンを奪う。長谷川のワンツーに大きな右フックを返していく政所。ロープに詰められる長谷川だが、左ストレートからの左ミドルで逆襲。右ストレートを打った政所がまたしても右ハイをヒットさせる。長谷川は右ストレート、左フックで倒し返そうとしたが、かわした政所が右ストレートを入れた。
判定は3-0で政所が勝利。「これでやっと2度目のRISEのタイトルマッチが決まって、ちょっと遠回りだったんですけれど今まで応援してくれた皆さん、ありがとうございました。伊藤代表にひと言だけいいですか。“ほらな”(笑)。今のは冗談で、このトーナメントは正直ムカつきましたけれど、RISEのことも伊藤代表のことも嫌いではないです。ただ、僕はここがゴールだと思っていない。長谷川選手とは練習も何回か一緒にやらせてもらったことがあるんですが、むちゃむちゃ強かったです。僕も危なかったですね。僕しか53kgで大﨑選手に勝てるのはいないと思っているので、大﨑選手、ちょっとプレッシャーかけすぎたかもしれないですけれど、次楽しみにしておいてください」と、タイトル奪取を宣言した。
リングサイドで試合を見ていた大﨑はベルトを持ってリングに上がり、「政所選手、おめでとうございます。準決勝、決勝と近くで見させてもらって、本当に凄く強くてめちゃくちゃ燃えました。僕、次は12月に決まっているんですけれど、前回負けちゃったんですけれどそれまで勝ち続けてこのベルトの価値を高めてきたのは僕なので、12月に勝って政所選手との防衛戦にも勝って次につなげていきたいと思います」と、王座は譲らないと言い放った。