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レポート

【REBELS】鈴木宙樹が圧巻のTKO勝利で無傷の12連勝、スアレックはダウンを奪って判定勝ち、栗秋祥梧が流血TKO勝ちで那須川天心に対戦アピール

2019/08/10 22:08
REBELS.622019年8月10日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント 第13試合 60kg級 3分3R(延長あり)REBELSルール〇鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺/REBELS 60kg級王者)TKO 1R1分52秒 ※レフェリーストップ×琢磨(東京町田金子ジム/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)  2大会連続でメインを飾る鈴木は往年の名ボクサー・高橋ナオト氏からパンチの指導を受け、右ストレートに必殺の威力を秘めたREBELSが誇るホープ。6月大会で11戦11勝(7KO)無敗のままREBELS 60kg王者となった。  試合前のVTRでは、大月晴明、島野浩太朗、安保璃紅、森井洋介らを戦いたい相手として名前を挙げ、国内の強豪選手を全員倒して国内最強になりたいと言い放った。  対する琢磨はパンチが武器で、2017年2月にNJKFフェザー級王座を獲得。同年11月にはWBCムエタイ日本王座にも就いたが、今年2月に6月大会で鈴木と対戦した葵拳士郎に敗れて王座を失い、6月のビッグバンでは駿太にKO負けと連敗中。しかし、駿太戦では最後のKOパンチをもらうまでは連打で押し気味に試合を進めていた。戦績は鈴木の2倍以上の27戦14勝(4KO)12敗1分。  1R、前に出てパンチを放つ琢磨に鈴木はカウンターのワンツーを狙うが、左ボディが入ったところで流れが変わる。鈴木が顔面へのパンチ、ボディへのパンチとヒザ、そしてローと攻撃を散らしていき、琢磨のパンチに鋭いヒザ蹴りのカウンター。  鈴木がヒザ蹴りとパンチでボディを攻めてラッシュを仕掛け、琢磨を棒立ちにさせてスタンディングダウンを奪う。再開後も鈴木が飛びヒザ蹴りを放つと琢磨は防戦一方となり、レフェリーが試合をストップ。鈴木のTKO圧勝となった。  鈴木はマイクを持つと「面白いこと言おうと思ったんですが、忘れてしまいました。次、必殺技が出せるようにするのでよろしくお願いします。KO勝ちしたので、もしよかったら大月さん、自分とレベルスで試合してください」と、かねてから対戦を熱望している大月晴明との対戦を再度アピールした。 ▼セミファイナル 第12試合 ライト級 3分3R(延長あり)REBELS-MUAYTHAIルール〇スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿/元REBELS-MUAYTHAI スーパーライト級王者)判定3-0 ※30-28、30-27、30-27×翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/INNOVATIONライト級王者)  スアレックはパンチ&ローキックを中心としたアグレッシブなファイトスタイルから「超攻撃型ムエタイ」と呼ばれ、K-1を始めとする日本のリングで活躍し、多くの日本人トップファイターから勝利を収めてきた。4月大会ではSB日本スーパーフェザー級王者・深田一樹を2Rに2度ダウンさせてTKO勝ち。 対する翔は2006年プロデビューのベテラン選手で、60戦以上のキャリアを持つ。ミドル&ハイキック、前蹴り、ヒジ、ヒザを得意としており、これまで5本ものベルトを獲得している。6月の『BOM』ではあのスアキム・PKセンチャイムエタイジムに挑んだが、2RにKO負けを喫した。スアレックの強打を封じ込むことができるか。  1R、序盤はお互いにローとミドルで様子を見る。スアレックが右の強打を出してくると、サウスポーの翔も左ストレートを返す。スアレックの強烈な左ミドルを翔はしっかりとスネでブロック。  2Rは翔が前へ出てくる。スアレックは下がりながらも右の強打を打ち込んでいき、右ローにつなげる。声を上げながら右を何度もヒットさせるスアレックに翔はヒジ打ちで応戦。しかし、左ヒジを出したところへスアレックが右フックを合わせてダウンを奪う。  3Rは首相撲勝負が多くなり、スアレックがコカしにいく。翔はヒジと左ストレートを狙うが、スアレックを捉えることができず、スアレックも攻めることなく組み勝負を挑み、試合終了。ダウンを奪ったスアレックの判定勝ちとなった。 ▼第11試合 57kg契約 3分3R(延長あり)REBELS-MUAYTHAIルール〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)TKO 2R48秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ×JOE. TEPPEN GYM(TEPPEN GYM/元ルンピニースタジアム認定9位、サンダー王者) ハードパンチャーの栗秋は近年のREBELSを牽引する存在だが、6月大会で安本晴翔とのREBELS-MUAYTHAIフェザー級王座決定戦に敗れ、ベルトを逃した。今回の復帰戦では、那須川天心が練習するTEPPEN GYMのトレーナーであるジョーと対戦。ジョーは185戦166勝の戦績を持つルンピニースタジアムの元ランカーだ。セコンドには那須川天心が就いた。  1R、栗秋の左ボディにジョーは速く鋭い右ローで対抗。序盤は様子を見ていた栗秋だが、左ボディを効かせると左ボディからの左フック、さらに右へつなぐ連打でダウンを奪う。さらに左ボディ一発で2度目のダウンを追加したところでラウンド終了。  2Rも左ボディを打っていく栗秋に、ジョーは右ハイキックからの右ストレートで逆襲し、前へ出て攻めていくが、そこで栗秋がカウンターの右ヒジ。ジョーの額がばっくりと裂け、ドクターチェックでストップがかかり栗秋のTKO勝ちとなった。  マイクを持った栗秋は「今日のレベルスはKOが多くてちょっと焦っていた自分がいたんですが、無事KO勝ちで来てよかったです。第1試合目に僕に喧嘩打ってきた選手いるんですが、僕はやる気あるので軽く30戦もしたら受けてやるのでいつでもかかってきてください」と、HIROYAの弟子でインパクトのあるKO勝ちをした龍聖に“もっと試合経験を積んだら受けてやる”とアンサー。  さらに栗秋は「大晦日でもそれ以外でもいいので、僕はレベルスを盛り上げていきたいので、天心選手、僕が強くなったらお願いします」と那須川に対戦をアピール。  しかし、通路でそれを見ていた那須川は笑いながら両腕で大きな「×」印を作った。 [nextpage] ▼第10試合 60kg契約 3分3R(延長あり)REBELS-MUAYTHAIルール(ヒジ無し特別ルール)〇遠藤駿平(WSRフェアテックス三ノ輪/MA日本ライト級王者)判定3-0 ※30-27、30-27、30-29×古谷野一樹(クロスポイント古河/元REBELS 57.5kg級王者)  遠藤はJ-NETWORKスーパーフェザー級王座とMA日本ライト級王座の二階級制覇を達成した選手で、戦績は12勝2敗。REBELSには3年ぶりの参戦で、REBELSのタイトルを狙いたいという。迎え撃つ古谷野は伊東伴恭の代打出場となる、元REBELS 57.5kg級王者。戦績は11勝(7KO)6敗というハードパンチャーだ。  1R、サウスポーの遠藤は左ミドルを多用。古谷野は右ローと右ストレートを顔面とボディに打つ。  2R序盤に遠藤の左ハイがヒットすると、古谷野の動きが鈍る。遠藤の左右フック、さらに首相撲からのヒザ蹴りに苦しむ古谷野。  3Rも左ミドルを多用する遠藤。左飛びヒザが顔面に入るとパンチでラッシュを仕掛けて左右フックをヒットさせる。その後は攻め疲れが見えた遠藤に古谷野が右ストレートで反撃に転じるも、首相撲からのヒザ蹴りに捕まって連打できず、遠藤の完封勝利となった。 ▼第9試合 バンタム級 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)TKO 2R1分56秒 ※ドクターストップ×Mr.ハガ(ONE'S GOAL)  工藤はファイヤー原田の弟子としてJ-NETWORKで活躍後、TEAM TEPPENに移籍して2月からREBELSに参戦。Mr.ハガはNJKFのランカーとして活躍し、近年は様々な団体に出場している。  1R、工藤はローを蹴り、ハガがローを蹴ってくるとパンチを合わせに行く。工藤は右ストレートをボディにも打ち込み、ミドルも蹴る。工藤がハガの左ミドルに合わせた右ストレートでダウンを奪った。 2R、ハガはヒジでの逆転を狙うが、工藤の右の連打をもらい、パンチの連打からコーナーに詰められ右フックでダウンを奪われる。さらに工藤のパンチで左目じりから流血。ドクターチェック後、飛びヒザ蹴りとヒジで逆転を狙うハガ。しかし流血がひどくなりドクターストップ。工藤がTKO勝ちした。  那須川天心らチームメイトと一緒に記念撮影に収まった工藤は、「これからもっと練習して強くなります。僕は3連敗だったんですよ。ずっと試合に勝てなくて。ここにいるメンバーみんな強いじゃないですか、僕だけ弱くて勝てなくて。今日勝てたから凄い嬉しいです。自分はこれで満足してないで、ベルトを獲るので応援してくれる人はベルト獲るまで応援してください」と泣きながらマイクアピールした。工藤“red”玲央のインタビュー ▼第8試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)判定3-0 ※30-28×3×光成(ROCK ON)  2月からスタートした総当たりリーグ戦が最終戦を迎えた。津崎は勝ち点3、光成は勝ち点0。津崎は4勝(2KO)5敗1分の34歳、光成は4勝6敗の29歳と両者とも黒星が先行しているだけに、ここは落としたくないところ。  1R、序盤はパンチを的確に当てていった光成だが、津崎の右を被弾してグラつく。その後は光成も右の連続攻撃で反撃。  2R、序盤に打ち合いを見せた両者。津崎が右のパンチを当てる場面が目立ち、ボディへのパンチとヒザ蹴りも効果的。タフな光成は右を打ち返す。  3R、お互いに右のパンチを出し、コーナーへ押し込んでいくのは津崎だが疲れが見える。終盤、光成が右ストレートをクリーンヒットさせて逆転を狙ったが、津崎の判定勝ち。勝ち点5で王座決定戦へ進出した。  津崎は「しょっぱい試合でしたがタイトルマッチが決まってよかったです。吉田選手とは3回目で1試合目ドロー、2試合目TKO負けだったのでやり返したいです」とアピール。  先に王座決定戦へ駒を進めていた吉田もリングに上がり、「6月に自分がTKO勝ちしていて、今日KOが多い中で津崎選手は判定なので、次はみんなが分かりやすく倒して勝ちたいと思います」と挑発。津崎も「今度は僕が倒して勝ちます」とKO宣言した。 ▼第7試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇吉田英司(クロスポイント吉祥寺)TKO 1R2分53秒 ※レフェリーストップ×降籏健嗣(士道館 ひばりケ丘道場)  2月からスタートした総当たりリーグ戦が最終戦を迎えた。現在勝ち点5でトップを走る吉田と、勝ち点2の降旗が対戦。吉田は186cmの長身を誇る27歳で、戦績は5勝(4KO)1敗1分とKOが多い。対する降旗は29歳で7勝(2KO)1敗と1度しか負けがない。  1R、ハイキックからパンチにつなげる吉田に、降旗はボディへのストレートで対抗。吉田の右フックがクリーンヒットし、腰が落ちかける降旗。持ち直してパンチで対抗するが、吉田の強烈な右が何度もヒットし、左フックでダウンを奪われる。  吉田のヒザから右の連打が決まったところでレフェリーがストップ。吉田は勝ち点8でリーグ戦をトップで終了し、10月大会はベルトを懸けた戦い(リーグ戦1位と2位が王座決定戦)となる。  吉田はマイクを持つと「リーグ戦最終戦KOできたので、いつもセコンドに就いてくれるT-98さんのベルトを自分が絶対に獲りたいので10月は絶対に勝ちます」と王座獲りを宣言した。 [nextpage] ▼第6試合 80kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇小西拓槙(クロスポイント吉祥寺)TKO 1R2分19秒 ※セコンドからのタオル投入×ナンファーCHU(アントジム)  小西は日本拳法をバックボーンに持ち、2009年8月にプロデビューすると2013年にISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座を獲得。REBELS、シュートボクシング、RISE、KRUSHと様々なリングに上がり、昨年の大晦日には『RIZIN 平成最後のやれんのか!』にも出場を果たしたが、内田雄大に判定負けを喫した。今回が再起戦。ナンファーCHUは15歳からボクシングを始め、網膜裂孔により25歳で断念したが、41歳でムエタイデビューしたアラフォーファイターだ。  1R、両者サウスポー。ジャブを突き合う中、ナンファーの左をもらう小西。しかし、左ローを蹴るとナンファーは大きくバランスを崩し、小西は左ローを狙い撃ち。右フックからの左ローでダウンを奪うと、セコンドからタオルが投入され小西のTKO勝ちとなった。  マイクを持った小西は「80kgの階級でREBELSでは最重量階級だったんですが、なかなか日本人で80kgはいないので難しい階級でなかなか試合組めないです。でも僕がこの階級を引っ張っていくので、山口さんぜひREBELSのタイトルマッチを組んでください。80kgでも85kgでも77kgでも何でも大丈夫です」と、REBELS最重量級のタイトルを作ってほしいとアピールした。 ▼第5試合 61kg契約 3分3R(延長なし)REBELSルール×小磯哲史(テッサイジム)TKO 1R1分26秒 ※レフェリーストップ〇恭介(インスパイヤードモーション)  1R序盤に恭介の三日月蹴りが突き刺さると、恭介は前蹴りや後ろ蹴りでボディを攻めていく。小磯はパンチを振るって勢いよく前へ出るが、恭介の左ヒザでダウン。立ち上がるもやはりボディを攻められ、頭を下げたところへ恭介が左ヒザを突き上げてダウン。そこでストップがかかり、小磯は抗議するが恭介のKO勝ちとなった。 ▼第4試合 58kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺)TKO 3R21秒 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ×原島 モルモット 佑治(テッサイジム)  NIIZUMAX!は2004年2月プロデビューで38歳だが、ここ数年は1年に1試合しかやらず戦績は13勝(5KO)12敗。対する原島はレベルスにレギュラー参戦するも、昨年は5戦して1勝4敗。こちらも37歳だ。  NIIZUMAX!はひたすら右ヒジを繰り出し、原島はパンチで前へ出る。攻めては攻められる一進一退の中、NIIZUMAX!の右ヒジで原島は左頭頂部をカット。鮮血がしたたり落ちる。3R開始直後もヒジを連発するNIIZUMAX!に原島は再び流血。レフェリーストップとなった。 ▼第3試合 63kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール×洋介(渡邊ジム)TKO 1R1分18秒 ※セコンドからのタオル投入〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)  鈴木はパンクラスのネオブラッドトーナメント2018フライ級で優勝、MMA戦績5勝(3KO)2敗。6月のシュートボクシングでも勝利を収め、今回がREBELSには初参戦。対する洋介はNKBからの参戦で7勝(3KO)6敗と13戦のキャリアを持つ。  1R開始からパワフルなハイキックとパンチを繰り出した鈴木が、洋介の左ミドルに右ストレートを合わせてダウンを奪う。一気に襲い掛かる鈴木が右のパンチの連打、さらにヒザ蹴り。ヒジ打ちから左アッパーを突き上げ、最後は首相撲からマットに叩きつけて2度目のダウン。セコンドからタオルが投入され、鈴木が鮮烈なREBELSデビュー戦を飾った。 ▼第2試合 スーパーフライ級 3分3R(延長なし) REBELS-MUAYTHAIルール心直(REON Fighting Sports Gym/J-NETWORKフライ級新人王)試合中止渡部ヒロシ(士道館ひばりヶ丘道場/MA日本スーパーフライ級3位)※渡部が左前腕骨折のため ▼第1試合 フェザー級 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール×渉生(=しょうい/アントジム)TKO 2R 53秒 ※セコンドからのタオル投入〇龍聖(TRYHARD GYM)  HIROYAが期待をかける18歳の新鋭・龍聖がREBELS初参戦。今年4月にプロデビューしたばかりで戦績は1戦1勝(1KO)。大学受験のため、今回の試合後は一時活動を休止するという。  2Rが始まると同時に仕掛けた龍聖が蹴りからのワンツーで強烈なダウンを奪う。何とか立ち上がった渉生だが、再び龍聖の矢のような右ストレートで後頭部をマットに打ち付ける壮絶なダウン。セコンドからタオルが投入され、龍聖がインパクトのある初陣を飾った。 龍聖のインタビュー
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