「僕を見ろ」とは言わない。MMA好きには思う存分、MMAを見てもらえればいい
――現在もMMAの練習も続けているのですか。
「総合の練習も続けています。いまはどちらかというとプロレスの方に重きを置いていますが」
――ここ数年のご自身のMMAの試合をどう捉えていましたか。
「僕は総合格闘技を“楽しいもの”だと捉えているし、それは昔から同じですね」
――MMAの再開の目途は立っていますか。
「引退するわけではないので、それ(再開)もタイミングとご縁次第です。ただ総合は15年やってきたので、いつでもできるという気持ちはあります」
──となると、そのときの階級はさらに変える可能性もありますか。
「MMAではもしかしたら……バンタム級かも。30kgくらい落として」
――えっ、上げるのではなく戻すかもと……。憂流迦選手が主戦場にしていたRIZINはこれから大晦日に向けて盛り上がる時期ですが、その動向が気になることはないですか。
「そういう世間的な流れもあると思うんですけど、それに流されるんじゃなくて、僕の中での流れや導きみたいなものがあって、いまその流れにいるという感じです。僕はその流れを大事にしたいと思います」
──「エキシビションマッチ」ということですが、そこにはMMAファイターとして佐々木選手のエッセンスが組み込まれるのでしょうか。
「格闘技のときの入場や“グラップリングができるから”とか、そこに頼りたくはないです。プロレスが狭くなってしまうので。いちから新人の気持ちでやりたい。プロレスの旅のなかで自身のスタイルを見つけたいと思っています」
──誰と対戦するのか……。
「いままで何カ月も前に対戦相手を言われていたのが、プロレスラーって、こんな“いつなんどきでも”なんですね。試されますね」
──MMAファイターとしての佐々木選手のファンからは、次戦についてどんな反響がありましたか。
「もうちょい批判が出るかなと思ったんですが、結構、“そっちもあってるじゃん”という意見の方が多かったと思います。ファンは温かい人が多かったんですが、家族は『やめろ』と(苦笑)。『これまでやってきたキャリアをいったん置いて、またイチからまったく別モノ、技術のないところに飛び込むのはどうなの?』と正論を言われましたが……俺は聞く耳を持たないです。やりたいんで」
──どんな姿を見せたいですか。
「久々の試合で有明アリーナ大会以来。その意味では“佐々木憂流迦”を楽しんでもらいたいです」
──MMAファンにもメッセージを。
「MMAを好きな人には思う存分、MMAを見てもらえればいい。いまのジャパニーズMMAも楽しんでほしい。いまの選手たち一人ひとりほんとうに死ぬ気で作っているから、ファンもマジで向き合っていただければ。そうすればまだまだ盛り上がる。今は僕はプロレスに行きますが、僕のファンを無理に引っ張ってきて、“僕を見ろ”というのも違うので。ひとつの作品として心に残るものを作りたいと思います。僕のファンも、プロレスファンも納得させるのは、自分の腕次第です」