(C)Bellator
米国主要ケーブルテレビ局「Showtime」が2023年年末までにボクシング中継を終了。Showtimeスポーツチームを閉鎖することで、MMAを含むコンバットスポーツの「コンテンツを前進させない」ことを発表した。Showtimeの親企業となるパラマウント・グローバル社が廃止を決断した。
Showtimeの親会社であるパラマウント・グローバル社は声明で、「より効率的にリソースを配分し、ビジネス全体で提供するコンテンツを調整する戦略を進化させる中で、SHOWTIMEスポーツチームが制作するボクシングやその他のコンテンツを前進させないという難しい決断を下しました」と発表した。
Bellator売却の噂が絶えないこの時期でのShowtimeボクシング中継終了のリリース。Bellatorを所有するパラマウントは買い手候補を探しており、PFLのレイ・セフォー社長は交渉していることを公にしていた。
現在、Bellatorの公式スケジュールは、11月17日にシカゴで予定されている『Bellator 301: Amosov vs. Jackson』の1大会のみ。既報の通り、ウェルター級とバンタム級の2大王座戦をメインに、惜しげもなく各階級のスター選手が投入されている。
そのなかには「ライト級GP準決勝」として、パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)vs.アレクサンドル・シャブリー(ロシア)の準決勝もラインナップされており、その勝者は王者にして先に決勝進出を決めているウスマン・ヌルマゴメドフ(米国)との「ライト級GP決勝戦」に向かうことになるが、この決勝が、いつ・どこで行われるかは未定だ。
「優勝賞金100万ドル(約1億5千万円)」を掲げて3月に開幕したこのトーナメントの優勝者を決めないことは考えにくく、それはどういう形で行われるか。
PFLがBellatorを買収した場合に考えられることは、一部選手は契約を移管し、しばらくの間、Bellatorブランドを残してライト級GP決勝を含む大会を継続。そのほかの選手はフリーランスとなることが予想されるが、“再契約”は買い手市場となっていくだろう。
そのうちのひとつは日本MMAマーケットになるが、厚遇されてきたBellatorトップファイターのファイトマネーを賄うだけの体力がどれだけあるか。
【写真】フィリピンメディアは「メイウェザーvs.パッキャオ」の再戦が2023年12月、もしくは2024年5月に行われる可能性を報じているが、果たして……。
格闘技に限らず、どのプロスポーツも中継・配信がマネタイズの柱となっており、その配信が過渡期にあるのが格闘技だ。コンテンツとしての格闘技が、ライブやスポーツ観戦などリアルのエンターテインメントとしてとらえられるなか、どれほどの魅力を持って観る者に訴求しているのか。格闘技団体はどこにリソースを割くのか。その最大の価値とは何か。今回のShowtimeの決断は、今後の格闘技界にどのような影響を及ぼすのか、注視が必要だ。