2023年10月17日、アラブ首長国連邦アブダビのアルジャジーラ・クラブで開催される『UAE Warriors 45』(UFC Fight Pass配信)に日本から藤田大和(リバーサルジム新宿 Me,We)、吉野光(ALMA FIGHT GYM LIFE)の2選手が出場する。週末に同地で『UFC 294』が控えるなか、強豪を相手にステップアップの絶好の機会となる。
▼フライ級 5分3R藤田大和(リバーサルジム新宿 Me,We)10勝4敗0サンスハル・アディロフ(カザフスタン)11勝1敗1分
藤田は、元アマチュアボクシング5冠王で極真空手もバックボーンに持つ。2017年10月のRIZINでの那須川天心戦でプロMMAデビュー。2021年2月にDEEP暫定王座を獲得すると、同年9月に伊藤裕樹との再戦を判定勝ちで、初防衛に成功。
2022年5月のDEEPフライ級王座統一戦で、正規王者の神龍誠に敗れるも、続く7月のRIZIN沖縄大会で曹竜也に判定勝ちで再起を遂げると、2023年8月の『UAE Warriors 44』に参戦。4連勝中だったフカベク・ヨクボフ(ウズベキスタン)に2R ギロチンチョークで一本勝ちを収めている。
2度目のUAEW出場となる今回は、MMA11勝1敗1分の強豪サンスハル・アディロフ(カザフスタン)とフライ級で対戦する。
アディロフは11勝中2つのKO・TKO、5つの一本勝ち。Eagle FCやNaiza FC、Alash Pride等で現在7連勝中。基本はオーソドックス構えあがらスイッチも使い、シャープな左ジャブとがぶりから首系の技も使うが、スプロールしてのバックテイクからリアネイキドチョークを最も得意とする。
初参戦で一本勝ちした藤田にとって、カウンタータイプのアディロフとは蹴りも交えたスタンドでの攻防と近距離での打撃戦がキーとなるか。アディロフ自ら組むこともあり、バックは譲りたくない相手だ。
12日には実弟の藤田健児(帝拳)が、プロボクシング東洋太平洋同級8位のジョー・サンティシマ(フィリピン)に判定3-0で勝利し、プロ戦績を5戦5勝(3KO)としたばかり。15日には同門のTSUNEが手塚基伸に判定勝ちしており、山﨑剛Me,We代表も現地入りするなか、大和はUAEW2連勝を飾ることができるか。
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吉野光と対戦するハバロフはヌルマゴ門下生、マカチェフとともにアブダビで試合
▼バンタム級 5分3R吉野 光(ALMA FIGHT GYM LIFE)12勝3敗リネット・ハバロフ(ロシア)7勝無敗
バンタム級に参戦する吉野は、UAEW3戦目。高校柔道で総体ベスト4の実績を持ち、アマチュア修斗東海大会で優勝。HEAT、GLADIATOR、Fighting Nexus、DXFC、PFCで活躍後、2019年10月にONE Warriorシリーズでチャン・サマートに判定勝ち。同年2月のアリ・モタメッド戦ではスプリットで判定負けを喫し連勝ストップ。2021年2月のRoad to ONEで野瀬翔平との接戦を制すると、7月のDEEPで原虎徹に判定勝ち。2022年2月にRIZINに初参戦し、遠藤大翼に判定勝ちしている。
2022年10月にUAEWに初参戦し、「UAE Warriors 34」で、6戦無敗だったグレコローマンレスリング出身のジャマル・ラステム(トルコ)に柔道の大外・大内刈り、払い腰で投げて、左ハイも繰り出し判定勝ち。
しかし、2023年3月の2戦目は、当時MMA18勝2敗の強豪ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ(ブラジル)に組みを切られ、左右フックを被弾し、1R TKO負け。その後ラステムは「Contender Series 2023」でメキシコのヴィクトル・ウゴ・マドリガルも1R KOに下してUFCとの規約を勝ち獲っているため、バンタム級における吉野の世界での立ち位置も見える一戦となった。
今回、吉野が対するハバロは7勝無敗のEagle FCバンタム級王者。ハビブ・ヌルマゴメドフのダゲスタンチームに所属し、7勝のうち5つのKO・TKO勝利を誇る。左右どちら構えでも戦い、右でも左でもニータップで力強いテイクダウンを奪っている。打撃でも強いオーバーハンドとともに走り込んでの左右でダウンを奪っており、真っすぐ下がると危険なハードヒッターだ。
ダゲスタンファイターらしくシングル・ダブルレッグでのケージレスリングと押さえ込みも強く、吉野の強みである柔道の足技・腰技、極め技でいかに対抗するか。同じ週のUFCでメインを戦うイスラム・マカチェフとも練習するUAEW初参戦の注目選手を相手に、吉野にとっては真価を見せたい3戦目だ。
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『UAE Warriors 45』カード
アラブ首長国連邦アブダビのアルジャジーラ・クラブ
▼UAEWライト級王座決定戦 5分5Rアムル・マゴメドフ(ロシア)6勝0敗ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)10勝3敗
▼バンタム級 5分3Rティムール・ヴァリエフ(ロシア)ハウリアン・パイヴァ(ロシア)
▼バンタム級 5分3Rラニー・サーデ(ドイツ)ジェニル・フランシスコ(フィリピン)
▼150ポンド契約 5分3Rアリ・アルカイシ(ヨルダン)ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)
▼バンタム級 5分3R吉野 光(ALMA FIGHT GYM LIFE)12勝3敗リネット・ハバロフ(ロシア)7勝無敗
▼フライ級 5分3Rノウラス・アブザク(ヨルダン)ヴィクター・ヌネス(ブラジル)
▼フライ級 5分3R藤田大和(リバーサルジム新宿 Me,We)10勝4敗0サンスハル・アディロフ(カザフスタン)11勝1敗1分
▼ライト級 5分3Rアブダラ・コツァエフ(タジキスタン)ペトル・ブスドゥガン(モルドバ)
▼139ポンド契約 5分3Rマゴメド・アルアブドゥラ(ロシア)ラバザリ・シェイドゥラエフ(キルギス)※※6月の前戦でヤン・ジヨンに1R リアネイキドチョークで一本勝ち
▼女子フライ級 5分3Rアミーナ・ハダーヤ(豪州)ワン・コン(中国)
▼ミドル級 5分3Rハビブ・ナビエフ(ロシア)アディス・タライベク・ウウル(キルギス)
▼ライトヘビー級 5分3R〇バルトズ・シェフチェク(ポーランド)[2R TKO]×アルテム・ゼムリャコフ(ベラルーシ)※右ハイを効かせて右アッパー、パウンド