キックボクシング
レポート

【XSTREAM 1】大﨑孔稀が吉成名高の記録を破る、65歳の元キックボクシング日本王者が奮闘

2023/10/04 18:10
第3回XSTREAM 1アマチュア大会2023年10月1日(日)東京・ゴールドジムサウス東京アネックス  今大会はエントリー数が過去最多の265名。キックボクシング・ムエタイ・空手・マーシャルアーツ、ジェントルマンファイト(※全種目に階級/クラスあり)、全140試合の大規模展開となった。  今大会よりランキング制度を導入したこともあり、選手たちの技術が格段に向上し好試合が続出。各競技、厚い選手層とともに年齢層もキッズから60代までが参加。XSTREAM 1のコンセプトである“誰でも挑戦できる格闘技ステージ”を体現した。 「1分間高速ミドルキック連打」、大﨑孔稀が最高新記録! 【写真】左2番目から雄飛、大﨑孔稀、前田憲作プロデューサー、三留空也、T-98。両サイドには大会に華を添えたX1 VENUS、(左)プロチアリーダー・井上紗奈江、(右)ヒップホップダンサー・加藤瑠香 毎回盛り上がるXSTREAM 1 完全オリジナル競技「1分間高速ミドルキック連打チャレンジ」 には今回も豪華な顔ぶれが並んだ。  中でも注目されたのはRISEからの刺客「デンジャラスボーイ・大﨑孔稀」の登場。試合と同様に華々しい入場曲とともに大崎がリングインすると、会場は一気に盛り上がる。大﨑は「試合並みに緊張しているのですが、精一杯がんばります」と笑顔だったが、いざ競技時間になると表情は一変。開始とともに一糸乱れないフォームで確実に回数を重ね、プロとして一流の証明であるしなやかなで力強い蹴りを見せた。  時間との勝負でもあるこの競技、持ち前のタフさとスタミナでラスト10秒の声でさらに加速、プロの力量を最後まで見せつける。終了と同時に前田プロデューサーも「これはすごい記録が出たんじゃないですか!?」。期待通り、記録は過去最多の113回の記録を樹立。前回、吉成名高が叩き出した110回の記録を塗りかえる新記録を樹立した。  記録を聞いた大﨑は再び笑顔となり、12月10日に行われるRISEバンタム級のタイトルマッチを控えていることをふまえ、「ずっと目指してきたベルトなので、またチャンピオンベルトを持ってXSTREAM1 に帰ってきたい」と熱いコメント。 【写真】しなやかでありながら力強さあふれる大﨑孔稀のキック“1分間ゲストの顔” 元ラジャダムナンスタジアム王者のT-98は「前回100回いけなかったので今回は狙っていきたい」と記録狙いを宣言。重量級ならではの迫力あるキックは健在ながら、一定のリズムを保ち回数を重ねる。結果は89回と目標には達せず悔しそうな表情だったが、前回74回から大きく記録を伸ばした。  テコンドーからは前回の大会MVPの三留空也も参戦。終了間際には華麗なる回転技を織り交ぜながら、記録は109回と100回の大台を突破。学生キック2冠王でプロデビュー戦を勝利で飾った雄飛は「他のゲストのプレッシャーになるようなパフォーマンスと見せたい」との意気込み通り、ラストに胴廻し回転蹴りを放って会場を沸かせ、結果は92回だった。 【1分間チャレンジを終えた各選手のコメント】 ●大﨑孔稀試合とは違った緊張でした。試合は入場前だけですが、今回はリングに上がった時から皆さんの熱い視線にすごく緊張しました。蹴りの連打はいつも練習の締めにするのですが、1分間やってみたところ109回が最高記録でした(本番は113回の新記録)。こういう競技は新しい試みで他にないのと、皆さんが手拍子をしてくれて会場が一体となって盛り上がるので面白いと思いました。またチャレンジしたいです。 ●T-981回目より3 回目の方が良くなっていっていますが、100 の壁が厚いので次は100回を狙おうと思っています。この競技を目指して練習することで基礎体力が上がると思います。蹴り込みはキックボクシングの基本で試合にも生きてくるのでこれからも1分間の顔としてチャレンジしていきます! ●三留空也最後に大技をやったので、それがなければもっと回数はいけたかなと思います。今回マーシャルアーツルールと1分間チャレンジに参加しましたが、次は記録を狙えると思うのでまたやりたいです。 ●雄飛試合より緊張しました。いざプレーヤーとして参加するとこんなにきついんだなと思いました。やる前はラスト10秒がきついのかなと思ったのですが、前半からキツかったです。威力やスピードにこだわるより、同じ速度とリズムを保ち続けるのが大切なのだと学びました。 【写真】キッズから大人まで好記録が続々打ち立てられた 一般部門ではキッズからグラマラス・ウーマン、ジェントルマン・クラスの大人まで17名が参加。35kg部門(幼年・キッズ・ジュニアクラス)に出場した小川大遥は、大崎に並ぶ113回という脅威の記録を出し、本人も驚きの表情に。オリジナル企画としてスタートした「1分間高速ミドルキック連打チャレンジ」は、大方の参加者が前回の自身の記録を塗り替えるなど、ハイレベルな争いが見られた。 [nextpage] 前田プロデューサーが絶賛!プロ選手育成を目的としたAクラスで才能光る選手が多数 【写真】キレの鋭い蹴りで相手を圧倒し、今大会MVPに輝いた岩本元太郎(右) 今大会より各種目Aクラスを対象に「XSTREAM1王者」を決定するランキング制度を新設。来年はランキング上位4名による初代王座トーナメントを開催予定です。その序盤となる今大会で見事MVPに輝いたのは岩本元太郎(IDEAL GYM)。サウスポースタイルから繰り出すパンチと蹴りの攻撃力に、前田プロデューサーも今後の活躍に期待を寄せた。 【各部門トーナメント優勝・準優勝者】 ▼Kids空手トーナメント低学年優勝:塚田祥加(韓道場)準優勝:酒井 琉葵(龍拳會青葉台支部) ▼Kids空手トーナメント中学年優勝:三浦如奈(K-1GYM RING TAIKOH)準優勝:吉村花桜(韓道場) ▼Kids空手トーナメント高学年決優勝:本田望笑(龍拳會青葉台支部)準優勝:石山 詢之助(韓道場) ▼キックボクシング トーメント-55kg優勝:松延聖希(チームドラゴンジム)準優勝:関凪(チームドラゴンジム) ▼キックボクシング トーメント-60kg優勝:本多樹(ReBORN経堂)準優勝:立石真人(ライラプス東京北星ジム) [nextpage] マーシャルアーツルールではテコンドー勢の快進撃が止まらず  ルール・団体の枠を越えて競技の裾野を広げ、各競技の魅力を魅せる「マーシャルアーツルール」は、今回よりルールを改定。・各競技におけるユニフォームの着用・ラウンド時間、加点・減点時にはタイムストップがかかる・試合開始前に互いの前手を出し、塔手(とうしゅ/手を交差する)から試合開始。 【写真】見事な足技を武器に圧倒的な強さのテコンドー三留空也 ブルース・リーが映画で着用していたことで有名な5本指のクンフー用オープンフィンガーグローブを使用。ポイントがミドルキック以上の高い打点を有効とするため、蹴り技に重点が置かれているテコンドーがマーシャルアーツルールに適しているのか、異種格闘技戦の中でもテコンドー勢が優勢に試合を進めた。 【写真】テコンドーvs.截拳道の一戦 中でも前回MVPに輝いた三留空也は、少林寺拳法の選手相手に圧倒的な強さを見せつけた。「全然余裕はありませんでしたが、魅せることができてよかったです。今後、どんな挑戦者が来ても受けて立ちます!挑戦を待ってます!」と今後「XSTREAM1マーシャルアーツ部門の顔」としての活躍が期待される。 【写真】八極拳vs.截拳道(ジークンドー)の対戦 また、他の異種格闘技戦も会場を沸かせた。ブルース・リーが生み出した截拳道(ジークンドー)と中国武術・八極拳の対戦という異種交流戦にふさわしいカードにはじまり、截拳道とテコンドー、キックボクシングとテコンドーの対決など見どころ満載。八極拳の使い手でYouTuberの紅ケンは長身の相手にも怯まず、跳びキックや体当たりパンチ、回転蹴りの大技で最後に逆転勝ちを見せるなど会場を沸かせた。  XSTREM1におけるマーシャルアーツルールの現在の戦況はテコンドー勢が強く、今後この牙城をどの競技・どの選手が切り崩していくのか。 [nextpage] 最高年齢65歳のレジェンドも参戦、ジェントルマンファイト 【写真】年齢を重ねても元MAキック王者・飛鳥信也の貫禄と技術が光る戦いに 夜の部は入場曲&リングコール、そしてラウンドガールも華を添えるプロさながらの演出が魅力のジェントルマンファイトを開催。37歳以上を対象としているが、今回は最高年齢65歳で元MA日本キックボクシング連盟ライト級王者・飛鳥信也も参戦。還暦をきっかけに再びリングで戦いはじめ、普段から練習を積んでいるそうだ。年齢にとらわれず挑戦する姿は観客の目を釘づけにし、その勇ましい戦いぶりに歓声も。エネルギッシュなミドル世代だけに、どの試合もお互い一歩も引かない熱い戦いが印象的だった。  勝利者にはプロ選手たちが愛用する、REYES(レイジェス)のグローブが贈られた。 [nextpage] ガダルカナル・タカさんも「XSTREAM 1」に期待を寄せる 【写真】親交のあるガダルカナル・タカさん、橋本志穂さんが応援に 前田憲作くんとは昔から親交があって、彼がこういう新しい試みをしているのをもっと早く知りたかった。プロの試合ももちろんいいけれど、アマチュア大会ならではのガムシャラさのある試合は見ていていいね。それに「XSTREAM 1」は競技の垣根をこえて異種交流ができているのは、前田憲作くんだからこそできることだと思う。  彼のまっすぐな人柄と情熱は昔から知っているから。彼だから実現できているんだろうね。だってマーシャルアーツルールっていう言葉も久しぶりに聞いたもの。ベニー・ユキーデ以来だよね。試合も見ていておもしろいし、これからもっと盛り上がっていくこともすごく楽しみです。応援していきます! ●「XSTREAM 1」総合プロデューサー前田憲作代表より大会総評 今回はかなりレベルの高い試合が多く見られました。すぐにでもプロデビューできそうな選手が集まってくれました。来年開催予定の王座トーナメントに「頑張ります!」とモチベーションにしてくれている選手も多くいましたので、どんな初代XSTREAM1王者が誕生するのか? 今から楽しみです。Bクラス、Rookiesも引き続きトーナメントも開催していくので選手たちがもっと経験を積んで強くなれるように頑張ってもらいたいと思っています。  マーシャルアーツはルールを改定して勝敗が明確でとても良くなりました。3回目にして出場選手が増えてきており、ポイント制なので無差別級でトーナメントを開催しても、面白いのでは? と構想中です。ボクシング 、キックボクシング 、テコンドーや、八極拳、截拳道の団体が出てきてくれたことも嬉しいです。  今後もいろんな競技同士がしのぎを削ってもらえると、もっと話題になっていくのでは?と感じています。今回も強さを魅せつけたテコンドー岡澤道場の三留空也選手、菱伊里緒選手にはエースとして、今後も迎え撃っていって欲しい。大会全体を通して、とにかく良い選手、良い試合がとても多かったです。  次回大会は来年です。XSTREAM1は来年も更に進化していきます。他にはない唯一無二の、進化系立ち技総合アマチュア大会「XSTREAM1」に期待をお寄せください。
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