テイクダウンからもっと殴ったり、ヒザを入れたかった
──以前、佐藤選手と練習したことがあるそうですが、その時の印象とはだいぶ違いましたか?
「いやでも強い選手で、その時よりはちょっと自分がマシだったかなっていう。スプリットになるくらいの内容の試合はできたので。勝てれば本当に良かったのですけど、試合前は本当に一本・KO取るつもりだったんですけど、その時よりはやっぱり僕も成長していますし比べものにならなかったんじゃないかなって。向こうは僕のことを覚えてるかわからないですけど、ちょっと試合前の映像を観て(佐藤選手は)僕の印象が無いと仰っていましたけど、(今回は)しっかり印象は植え付けられたかなと思っています」
──試合直後は涙を流していましたがどのような感情からでしょうか。
「試合前にデカいことを言って、僕がここで勝って、アーチュレッタに宣戦布告して、RIZIN的には朝倉海選手とやらせたいだろうけど、僕がそこを文句ない試合をして奪い取りたいという風に思っていましたけど、負けてしまったので、この1試合、2試合、元谷(友貴)選手に負けてから積み重ねてきたものが、ゼロにはならないかもしれないけど、またイチから始める形になってしまったという気持ちと、対戦相手が直前に変わり、契約体重も変わりましたけど、この10月1日に勝つことを考えて、そのために準備してきたし、いろいろな人に支えてもらったし、その人たちにも申し訳ない気持ちもあったし……いろんな感情ですね」
──太田選手の大一番の前に、朝倉選手とアーチュレッタ選手の試合の話を進めるということを榊原さんが発表しましたが、そのことが何か影響しましたか。
「影響はないですけど、実際ちょっとムっとはしました。まあでも僕がこの試合に勝って、いろいろ言いたいこともあったのですけど。“待った”をかけられればよかったですけど、このまま決まっても、今は何も言えない立場なので。まあ、影響はなかったですね」
──今回対戦相手が直前で変更になりそれでも試合に出るという決断をしたことが結果的に黒星になったことについて、その点に後悔のような思いはありますか。
「……僕は基本的にどんな相手でもどんな条件でもいつでも戦えると思っているので。本当に僕が目標としているところまで行くためにはどんな相手でもどんな条件でも倒さなければいけないと思っているので、今回試合したことに関しての後悔はないですし、勝てばよかっただけの話なので、僕が負けてしまったのが悪いので試合をしたことに対しての後悔は全くないです。負けたことに対しての後悔と言ったらアレですけど、残念な気持ちであったり、悔しい気持ちです」
──対戦相手にがぶりを警戒されて、ひとつの攻め手が封じられましたが、何度かクラッチして投げることができていました。そこで押さえ込んでパウンドできなかった部分は、佐藤選手が巧かったと感じていますか。
「そうですね、巧かったですね。そこでもっと殴ったり、ヒザを入れたりというのは狙っていたのですけど、エスケープされてしまったので、僕の実力不足です」
──今回は相手もスクランブル参戦ですが、太田選手にとっても直前で相手が変更となり、井上直樹対策をしていたところからスライドできた部分もあったとは思いますが、練り直す必要があったかと思います。井上選手とどこかで対戦したいという気持ちはありますか。
「そうですね、チャンスがあれば。僕が上に行くためには、チャンピオンになるためには通らなければいけない道だと思っているので。オファーがあればもちろん受けますし、大晦日スライドって可能性もありますし、全然オファーが来たら僕はやりますし、誰でも井上選手に限らず、強い選手たちを倒して僕はチャンピオンになるという。僕には時間がないと思っているので。このままじゃ本当に終わりたくないので、すぐにでも試合して、全員ブッ倒してチャンピオンになりたいと思っています」