2023年9月24日(日)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.44』が開催され、メインのクレベル・コイケvs.金原正徳、セミファイルの牛久絢太郎vs.萩原京平のほかに、「フェザー級」のサバイバルマッチとして、中原由貴(マッハ道場)vs.白川陸斗(トライフォース赤坂)が行われた。
▼第6試合 フェザー級(66kg)5分3R〇中原由貴(マッハ道場)[判定3-0]×白川陸斗(トライフォース赤坂)
試合の序盤は、サウスポー構えの中原が、オーソの白川の外足を取って立ち合い、シングルレッグを仕掛ける展開。その都度立ち上がる白川だが、ロープ掴みで警告も。
2Rは初回で見せた中原の組みに入りにくくなる白川が、中原が組みで頭を下げて入ってきたところに右ヒザを当てて尻もちを着かせると、腹への蹴りも。しかし中原は組んで寝かせてパスガードからサイドを奪う。ここも白川はロープ掴み、イエローカード。最終回、中原はワンツーの左を当てテイクダウン。がぶりヒザも当てて、優勢のまま試合を終えた。
判定は3-0で中原が勝利。大晦日の鈴木千裕戦を落としてからの復帰戦を勝利で飾った中原は「何とか踏みとどまったので、上位を突き上げにいきたい」と語った。
一方、怪我で約2年ぶりの復帰戦だった白川は、白星を掴めず。「“もっとここで動かないと”と思っているところで身体がついてこないシーンがあった」と振り返り、10月1日の名古屋大会に出場する同門のヒロヤから、『これはもう1人の負けじゃないです、チームの負けだと思っているので。僕が必ず来週勝ちます』とメッセージを受けたことを明かし、「本当に勝って繋げたかったけど、ヒロヤ君に悪い流れを止めてもらえたらと思います」と託した。
中原由貴「何とか踏みとどまったので、上位を突き上げにいきたい」
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「ホッとしました。それに尽きます」
──試合前に苦戦すると考えていた等、何か要因がありますか。
「“連敗は許されないな”とはずっと考えていて、前回負けた時から。周りには見せないようにしていましたけど、自分ではそこが一番の引っ掛かりだったので。そういう感じです」
──対戦相手の印象は、試合前にイメージしていたものと戦った後では違うところはありましたか。
「やっぱり2年前とはまたちょっとスタイルも、あんなに蹴ってくるんだなと、もっとパンチで作ってくると思ったけど蹴りも使ってきて。ただ一応想定はしていたので。今回は何より自分に集中していたので相手どうこうはあまりないです」
──どういうプランで戦おうと思っていましたか。
「打撃でも戦うつもりではいたのですけど、とにかくひとつのことにこだわらない、展開を次々、打撃・組みという風に変えていこうと思っていました」
──前回の鈴木千裕戦で作戦を遂行しきれなかったということでした。今回はいかがでしたでしょうか。
「やってきたことをしっかりやれたなというふうには思います。やっぱり白川選手もうまくて全部思い通りにはさせてくれなかったですが、やるべきことはやれたかと思っています」
──目の下が腫れていますが、攻撃をもらった感覚は?
「(右ヒザを受けた)リプレイを見たのですけど、あんなに尻餅ついて立ち上がっていると思わなくて。ちょっとヒザが折れたくらいだと思っていたんですよ、目の前が真っ白になった時に。“危なかったなあ”と(笑)。頭の中に、彼はダウン取ったらサッカーキックくると思っていたので」
──9カ月ぶりの試合で期間が開きました。今後はスパンをどのように考えていますか?
「できれば大晦日雪辱を果たしたいので、今年オファーを待ちたいなと思っています」
──フェザー級の試合が多い大会で生き残りマッチのような大会でした。どういう選手と戦いたいというビジョンを持っていますか。
「勝ち星のある選手、かつ僕の持っている引き出しを全部開けられるような強い選手とできればなっていう風には思っています」
──フェザー級のトップどころと戦っていきたいということですが、トップと戦う中で、自分の中の課題や、伸ばしたい強みはありますか。
「今日みたいな試合でも打撃で勝つことが多かったですが、正直、当てて勝っているのか当たって勝っているのか、打撃はそういうところがあるじゃないですか。そうじゃなくて今日みたいな展開でもフィニッシュまでしっかり作れるように、というのが課題として見えたかなと思っています」
──今回勝利しました、今後の目標・展望を教えていただけますか。
「何とか踏みとどまったので、上位を突き上げにいきたいなと。フェザー級のトップどころに一回で行かせてくれるかどうか、RIZINさん次第ですけど、突き上げてかき乱してやっていけたらと思います」
──ベルト争いに加わることに自信を持っていますか。
「それはそうですね、RIZINに出場始めたときからずっと思っているのでブレずにやっていきたいと思っています」
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白川陸斗「まだもっと強くなれる。またDEEPからになるのか、タイミングで」
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「まず、故意ではないとはいえ(ロープ掴みの)イエローカードで不快な思いした方もいると思うのですけど、そのことはすみませんでした。全然僕もちょっとあまり分かっていなかったのですけど。で、まあちょっと復帰戦で率直な感想は、まあ悔しいんですけど、こういう素晴らしい舞台でまた試合できたことが素直に楽しかったなと思いました。苦しかったですけど、試合は。いや、でも弱すぎましたね、自分が」
──どのようなプランで試合に臨みましたか。
「コーチのエリーと作戦決めて、3カ月前にオファーがあったので、3カ月前からエリーと作戦決めたりとか、今回、僕がRIZINで一番蹴りを見せたと思うんですけど、そうやってキックメインで組み立てて行ったりとか、いつもみたいなボクシングスタイルをあまりせずに、中原選手にマッチングしたような戦い方をしていこうという感じですね」
──対戦相手の印象は試合前にイメージしていたものと戦った後では違うところはありましたか。
「関(鉄矢)選手や鈴木(千裕)選手とやった中原選手とは違って、やっぱり鈴木選手とやったときにポカやったと言っていたじゃないですか、中原選手。攻めてこない。しっかりと距離をキープしてタックルで潰してきたりとか攻めてこない感じがやっぱりちょっともどかしかったですね、もっとこう、攻めてくるプランで僕も計画立ててやっていたので。ちょっとそこら辺ですかね、印象が違ったのは」
──2年ぶりの試合で、負傷具合への心配は?
「負傷具合とかは全然大丈夫です。コンディションとしては今の100%を持って臨めた試合です、作り込んできたので」
──ぶつけられるものはぶつけたと。
「説明は難しいけど心と身体のバランスがスレているというか。“もっとここで動かないと”と思っているところで身体がついてこないシーンがあったので、そこら辺から鍛え直さないといけないと思いました」
──試合勘ということでしょうか。
「どうなんでしょうね。分からないです、自分が未熟なだけだったと思います。組みの展開でも、対処が分かっいてるけど動けなかったところが本当に何個もあったので、そういうところも含めて、そこら辺をもっと強化していこうという感じです」
──蹴りで尻餅をつかせたシーンなどは自信になりましたか。
「5分3Rの中で、必ずああいう展開のチャンスには絶対なると思って取り組んだ試合だったので、そこでやっぱり仕留めきれない自分の未熟さ、タックルのタイミングとかも中原選手は本当に上手かったので、お見事だなと」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えていただけますか。
「まあ、本当に負けてここ負けたらもうマジで僕は後がないなと思っていたのですけど……まあまあ、後がないんですけど、まだ今年30歳にもなってあれですけど、まだまだやれるなって、まだもっと強くなれると思ったのが実際の感想・思いなので、まだまだもっと強くなりたいですし、今回の試合で見えた課題にまたすぐ取り組んで、またすぐ戻ってこれるか分からないですけど、またDEEPからになるのか、またタイミングだと思いますけど、そのときは今よりも今日の僕なんかよりももともっと強くなった姿を、そして試合をもっと盛り上げられるように頑張りたいと思います」
──10月1日の名古屋大会のヒロヤ選手(vs.中村優作戦)に託す思いも?
「試合終わってすぐLINEが入ってて、会場に見に来てくれていたのですが、『もっと練習からみんなでやれることがありましたね』と。『これはもう1人の負けじゃないです、チームの負けだと思っているので』と。でも最後に『僕が必ず来週勝ちます』と。本当に繋げたかったですけど、ヒロヤ君に悪い流れを止めてもらえたらと思います」