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【UFC】ストリックランドがミドル級新王者に!アデサニヤに判定勝ち。武芸百般ヴォルコフがトゥイバサに一本勝ち、マネル・ケイプがUFC4連勝! カラ・フランスに「次はお前だ」

2023/09/10 11:09
【UFC】ストリックランドがミドル級新王者に!アデサニヤに判定勝ち。武芸百般ヴォルコフがトゥイバサに一本勝ち、マネル・ケイプがUFC4連勝! カラ・フランスに「次はお前だ」

(C)Zuffa LLC/UFC

 2023年9月9日(日本時間10日)、豪州シドニーのクドス・バンク・アリーナで『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』が開催された。

 前日計量では、メインの「UFC世界ミドル級選手権試合」(5分5R)を戦う王者イスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)は184.8ポンド(83.82kg)、挑戦者ショーン・ストリックランド(米国)も184.9ポンド(83.86kg)でパス。

 公開計量では、黒のハットに白Tシャツ姿のままスケールに乗ったストリックランドに対し、“ザ・ラスト・スタイルベンダー”アデサニヤは、ナイジェリアカラーの首飾りをつけて周囲にキスを投げて合掌。フェイスオフでは上衣を脱ぎ捨てて“Fワード”で中国でのキャリアを皮肉り笑顔のストリックランドに対し、アデサニヤは無言で挑戦者を見つめた。

 先にストリックランドがシドニーの観客からのサポートに感謝の言葉を述べ、「お前らのためにウォーに行く。いくつか脳細胞を失ってくる」とマイクで語ると、続けてアデサニヤは今日の成功について、「それは僕のことではなく、僕たちの後ろに素晴らしいチームがいて素晴らしい文化があるということ。明日があるのでもう十分だ」と語り、ステージを後にした。

 また、フライ級で3連勝中のマネル・ケイプ(ポルトガル/アンゴラ)と、欠場したカイ・カラ・フランスの代役として19日前オファーでケイプと緊急対戦するフェリペ・ドス・サントス(ブラジル)も計量をパス。

 7日の会見では、会場客席にカラ・フランスの姿を見付けてペットボトルを投げつけ、「目の前に弱虫がいる。3週間も時間があったのにお前は有罪だ。お前のせいで日曜は殺人事件が起こる」と言い放ち、カラフランスのチームメイトのアデサニヤから「敬意を払う必要がある」とたしなめられ「黙って座ってろ、お前の相手はストリックランドだ」と、言い返すなど乱闘騒ぎを起こしたケイプは、この日もテンション高め。

 大ブーイングの中、公開計量に登場したフライ級10位のケイプは、黒のサングラスをかけてシャドーボクシングをしながら檀上に上がり、126ポンド(57.15kg)でパス。125.4ポンド(56.88kg)だったフェリペ・ドス・サントスのもとに歩み寄り、握手をかわすとそのまま大きくスタンスを広げてドス・サントスに近づき下から煽るように顔面を近づけた。その挑発的行為にドス・サントスも咆哮。ダナ・ホワイト代表がケイプの右ヒジを掴んで分ける場面も見られた。

 なお、アーリープレリムのフェザー級のシェーン・ヤング(ニュージーランド)が149.75ポンド(67.92kg)の体重超過。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のミランダに報奨金の30%を支払う。

 大会の模様は、日本時間10日(日)7時30分にスタート予定のアーリープレリム3試合、9時開始のプレリム4試合、11時に始まるメインカード5試合を含む全試合が『UFC FIGHT PASS』ならびに『U-NEXT』でライブ配信されている。

『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』速報

【メインカード】

▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5R
×イスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)24勝3敗(UFC13勝3敗)184.8lbs/83.82kg
[判定0-3] ※46-49×3
〇ショーン・ストリックランド(米国)28勝5敗(UFC15勝5敗)184.9lbs/83.86kg
※ストリックランドが新王者に

 ミドル級タイトルマッチ。王者アデサニヤに、5位のストリックランドが挑戦。

 アデサニヤは5度の王座防衛に成功後、アレックス・ペレイラに逆転をKO負けも、2023年4月のダイレクトリマッチで2R KO勝ちで王座奪還。

 ストリックランドは2022年に4位まで上げて王座挑戦に近づくもペレイラに1R KO負け。2022年12月にはジャレッド・キャノニアにもスプリット判定負けで連敗。しかし、2023年1月にケルヴィン・ガステラムの代役のナッソーディン・イマボフに判定勝ちすると、7月にはアブス・マゴメドフに2R KO勝ち。当初は、アデサニヤの挑戦者として、ロバート・ウィテカーをKOしたドリカス・デュ・プレシが決まっていたが負傷欠場により、ストリックランドにチャンスが回ってきた。

 1R、ともにオーソドックス構えから。スイッチするアデサニヤは左前蹴り。さばくストリックランドは前手を払う。左ミドルもはたくストリックランド。詰めて左ジャブ、インロー。かわすアデサニヤも左インロー。前手を触角にして伸ばすアデサニヤは右ロー。上体を立てるストリックランド。アデサニヤの左ミドルを掴むが、深追いせず。

 詰めて右を突くが、アークリングでかわすアデサニヤは左ロー。ボディストレート。さらにこつこつと右カーフを打つ。アゴもとのガードを固めてL字ガードで前に出るストリックランドはワンツー! ブロッキングしたアデサニヤは左ボディストレート、オーソからガード上に左ミドルも当てる。

 追うストリックランドに回るアデサニヤ。左ハイで距離を作るが、アデサニヤの左フックに右ストレートを当てたストリックランド! 崩れたアデサニヤを詰めて左を連打するが、ケージ際で凌ぐアデサニヤ。

 2R、長丁場の5R戦。前足を上げて歩いて詰めるストリックランドは左ジャブ。その圧力に左右から左ハイで押し戻すアデサニヤだが、間合いが近くハードヒットしない。

 ワンツーで押し戻して右ローはアデサニヤ。多量の発汗もストリックランドは落ち着いて前に。アデサニヤの右をブロッキングするストリックランド。左右に回るアデサニヤを常に詰めていくと、アデサニヤは右カーフ。ワンツーの右をボディに突くアデサニヤ。左ジャブ、さらに右ストレート。しかしそこにストリックランドも右を合わせに行く。

 アデサニヤのフェイントには乗らずに詰めるストリックランド。左肩を前にさばいて右を打ち込むが、アデサニヤもスウェイでかわす。

 3R、オーソから入るアデサニヤ。左ジャブをさばくストリックランドは左回りのアデサニヤを追う。カーフから左ミドルを下がりながら打つアデサニヤ。ストリックランドも前蹴りで詰める。打撃の精度はストリックランドの数字。

 右ストレートで押し戻したアデサニヤは、右ボディストレート、さらに左の蹴りのコンビネーション。ストリックランドはジャブのダブルで前に。常にケージを背にさせられるアデサニヤは今度は右ハイも空振り。アデサニヤの右をかわして右を打ち込むも、両者かわす。

 左ジャブ、フックで前に出たストリックランドだが、見切るアデサニヤが大きな右。これをかわしたストリックランドが左をかすめる。左ジャブからワンツーの打ち合いで最後の左をかすめるストリックランド! 金網に詰めるが、サークリングのアデサニヤ。ストリックランドは右前蹴りで詰めてホーン。2、3Rの手数はアデサニヤが盛り返した。

 4R、チャンピオンシップラウンドへ。左ジャブをダブルで突き、右ストレートを打つアデサニヤ。追うストリックランドに左ボディジャブ、右カーフ、ハイと強打ではなくとも当てるアデサニヤ。左ミドルも。ストリックランドは追い足で圧力をかけると、右からの左でかすめ、ワンツーの右! しかし、スウェイするアデサニヤも左を返す。

 ジャブ、右を突くアデサニヤ。ストリックランドは近い距離でガード上に左右。固めて受けて離れるアデサニヤは、ストリックランドのジャブにカウンターの右を狙う。

 右カーフを打つアデサニヤ。チェックしながら王ストリックランドだが、とらえきれない。回るアデサニヤに追うストリックランドの構図は変わらず。回りながらもアデサニヤは左。ストリックランドは左前蹴りで詰めると、右から左フックもガードの上。

 5R、前蹴りから詰めるストリックランド。左の蹴りに、ラウンドを落とせないアデサニヤも左右の蹴りの打ち返し。詰めるストリックランドに回るアデサニヤ。ストリックランドの右のダブルをスウェイでかわし右ストレート。ストリックランドもかわす。

 ワンツーから左ミドルのアデサニヤ。オーソに戻して左ハイも手数はどうか。詰めるストリックランドに左フックをガード上に当てるストリックランドはさらに右でアデサニヤにバランスを崩す。前蹴りで距離を取るアデサニヤ。

 左の相打ちは胸に。左ジャブのダブルにアデサニヤはブロッキング。回るアデサニヤに右ストレートもかすめるとアデサニヤは左右のフックも軸がぶれる。左前蹴り、さらに前に淡々と詰めるストリックランド。さらに右のダブル! 左回りのアデサニヤに左前蹴りも! アデサニヤは最終Rの流しなのか。手数が出ない。ストリックランドは左を振って前に出たところでホーン。

 5R通じて圧力をかけ続けたストリックランドはホーンに両手を挙げて歓喜。アデサニヤはケージに両手を乗せて顔を下に向けた。判定へ。

 判定3-0(49-46×3)でミドル級のベルトを巻いたストリックランドは、ケージの中で、「これは夢か? 誰か殴ってくれ。泣きたくないからしっかりしないとな。アデサニヤはすごいKOファイターだが、豪州のファンの声がすごいモチベートになった。毎日、脳神経を失って頑張って来たんだ。だから言葉にならない……。俺みたいな人生でもここに来れたんだ。みんなありがとう!」と涙目で語った。

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