RISEクリエーション「ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2023 2nd Round」2023年8月26日(土)東京・大田区総合体育館
▼メインイベント(第14試合)初代RISEオープンフィンガーグローブマッチ -65kg級王者決定戦 3分3R無制限延長R〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA/スーパーライト級3位)KO 2R 1分05秒×山口裕人(道化倶楽部/WPMF世界スーパーライト級暫定王者)
RISEの“キングオブストリート”ことYA-MANは14歳から高校生までの6年間、ストリートファイトに明け暮れ、19歳でキックボクシングを始めた。2018年2月にRISEでプロデビューし、当初は目立たない存在だったが2021年5月にRISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると自ら名乗りをあげ、山口侑馬、北井智大にKO勝ち。11月のRISE大阪大会では中村寛とフルラウンド、バチバチの殴り合いとなる大激闘を演じて話題に。さらに大晦日RIZINに出場すると、皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。
2022年6月の『THE MATCH 2022』では芦澤竜誠との因縁の試合をKOで制するも、10月に白鳥大珠に敗れ連勝がストップ。キック戦績を12勝(5KO)4敗とした。2023年5月にはRIZINにてMMAデビューを果たし、三浦孝太を初回TKOに仕留めた。
山口は関西キックボクシング界を代表する激闘派ハードパンチャーで、大阪でプロデビューから8連勝。中央進出後は木村ミノル、東本央貴などに勝利。WPMF世界スーパーライト級暫定王座、WBCムエタイ日本同級王座、INNOVATION同級王座、DEEP☆KICK 63kg級&65kg級王座、WPMF世界スーパーライト級暫定王座など数々のタイトルを獲得している。2021年5月にRISE初のOFG戦に志願し、松本芳道と時間切れ引き分け(判定無し)に終わったが、9月大会では稲石竜弥から2度のダウンを奪って判定勝ち。2022年2月の『RISE FIGHT CLUB』ではメインで東修平から勝利を奪った。8月はタップロンにKO負けも、2023年3月のタリソン"Crazy Cyclone"フェレイラ戦でダウン応酬の末にバックハンドブローでKO勝ちして会場を大爆発させた。戦績は28勝(18KO)19敗1分。
1R、右ミドルの山口に右フックを強振するYA-MAN。打ち合いになるとYA-MANの左が当たるが山口は左右のフックを返す。一旦、離れ詰めて来るYA-MANはストレートからフック。しかし山口はそこに右から返しの左フック。これでYA-MANがダウンする。立つYA-MANはガードを固めると近づいてテンカオ、さらに離れるとストレートも出す。再び距離が詰まり打ち合いになると今度はYA-MANのアッパーが当たり山口がぐらつく。すかさず追加の左フックでYA-MANがダウンを奪い返す。
山口は立つと笑顔で来い来いと手招き。フックからアッパーのYA-MANに山口も左右のフックからボディ。するとさらにYA-MANが右をテンプルに叩き込み2度目のダウンを奪う。
すぐ立つ山口はフックが当てるがYA-MANもフックを返す。怒涛の1ラウンドが終了。オープンジャッジは10-9×2、10-8で三者ともYA-MANを支持。
2R、インローの山口にYA-MANもロー。するとYA-MANが右フックで山口をぐらつかせると飛び込んで連打。密着した状態から後ろを向いた山口へ右フックを当てダウンを奪う。すぐに立つ山口に冷静にジャブを突くYA-MAN。
山口はがむしゃらに左右のフックを振るが、YA-MANは打ち合いながらもコンパクトな打撃を当てると、最後は近距離から右フックのダブルを叩き込むと山口がまたもダウン。ここでレフリーがストップし、合計5度のダウンを奪い合う大激戦を制して、YA-MANがKO勝利で初代OFGマッチのタイトルを手にした。
試合後マイクを持ったYA-MANは、2年前OFGマッチを戦って注目される前は何者でもなかった自分が、知人の言葉をきっかけに一日一日を積み重ねた結果、ベルトを手にすることができたと振り返ると、「この中で自分の事を凡人だと思ってる人は、今日頑張れば2年後、3年後、4年後、いつになるか分かんないですけど、何か手にすることができるんで、みなさん1日1日を頑張ってください」と語り、「そして今日、シングルマザーの家庭と児童養護施設の方たちを招待させていただいたんですけど、自分もシングルマザーの家庭でこうやって育って来て、今こうやって何者かになれてるんで。生まれた環境とかは本当関係ないんで、みなさん頑張ってください。俺もこの先、みんなに背中を見せられるように頑張っていくんで、まだ成り上がってない人は俺の背中についてきてください」と観ている人へエールを送って大会を締めくくった。
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▼セミファイナル(第13試合)RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament(Bブロック)準決勝 3分3R延長1R×大﨑一貴(OISHI GYM/RISEスーパーフライ級王者)判定2-0 ※30-29、29-29、30-28〇田丸 辰(TRY HARD GYM/RISEフライ級王者)
大﨑は2020年2月からRISEに参戦し、9月に田丸辰を破ってスーパーフライ級王座を奪取。2022年10月には「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」優勝者・風音に判定勝ちして53kg最強を証明した。2023年4月、ISKA世界王座決定戦でKO勝ちし、念願の世界王者に。7月のトーナメント1回戦ではアイマン・ラマーにカーフキックでKO勝ちしている。現在19連勝中。戦績は41勝(22KO)5敗2分1無効試合。
田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫し、2020年9月の2度目の防衛戦で大崎一貴に敗れて王座陥落。2021年7月の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」でも1回戦で政所仁に敗れるなどスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成した。7月の1回戦ではペッシラーを初回KOで破っている。戦績は15勝(3KO)3敗1無効試合。
1R、オーソドックスの大﨑に、サウスポーの田丸。最初から近い距離での戦い。プレッシャーをかける大﨑は右のインロー、ハイ。田丸は外を回りつつ左ストレートを返す。互いの頭がつくような近距離から大﨑は細かいパンチ、右ボディを叩く。田丸はワンツーを飛ばすが下がる場面が多い。
2R、またもすぐに詰める大﨑。近い距離でフックからボディ、インローへつなぐコンビネーションを当てる。足を引っかけてバランスを崩すようなインローは大﨑。田丸も左ストレートを当て、左ハイも出す。前手の右フックを当てる田丸に大﨑は中に入り込んでショートのパンチ、さらにヒザも出す。互いに間断無く攻撃を出し合う中、田丸のアッパーで大﨑の顔が跳ね上がる場面も。
3R、左右の細かいパンチからテンカオの大﨑。田丸は左右のパンチから左ミドルを返す。互いに前傾姿勢で頭を突き合わせる体勢が多くなり、3発、4発の連打を出し合う。テンカオ、顔面ヒザを打ち分ける大﨑だが、距離が離れたところで田丸が左ストレート。これが顔面を打ち抜き、大﨑がぐらつく。ラッシュをかける田丸に大﨑はすぐ持ち直してパンチを返すがダメージはあるか、試合終盤、田丸のフックが当たり大﨑の顔が何度も跳ね上がる。
判定は2-0で田丸。一進一退の攻防の中、左ストレートを打ち抜いた田丸がリベンジに成功し、19連勝の大﨑をストップしてクマンドーイの待つ決勝戦へと駒を進めた。
試合後マイクを持った田丸は、開口一番「めっちゃ疲れた!」と言うと、「今日はトライハードジムは4人出場してみんな勝って、最後メチャクチャプレッシャーで。ひとまず勝ってほっとしているのと、大﨑選手にリベンジできたってことが本当にうれしいです」喜びを語り、「ちょっと暗い話になっちゃうんですけど、実は前回のペッシラー戦が終わった後に自分のお母さんが亡くなってしまって。本当トーナメントを棄権するか迷ったんですけど、自分自身もそうなんですけどチームのみんなだったり僕の家族だったりが、自分が世界一になることを望んでくれていたんで。ここで勝って絶対世界一になろうと決めて頑張りました。急に大切な人っていなくなっちゃうんで、身近にいる人を大切にして日ごろの感謝を伝えるようにして下さい」試合前にあった葛藤と決意を告白。
そして迎える決勝戦について「必ずこのトーナメント優勝するって決めてて、僕の望んでるクマンドーイ選手が勝ってくれたんで、決勝は最高に盛り上げて必ず僕が世界一になるのでみなさん注目してください。応援お願いします。最後に、僕絶対もっともっと有名になってスーパースターになるんで、インスタフォローしてない人はフォローしてください。お願いします」と決勝への意気込みを語った。
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▼第12試合 RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament(Aブロック)準決勝 3分3R延長1R×志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE世界バンタム級王者)判定3-0 ※30-28、29-27、30-27〇クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王者)
志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2022年4月には江幡塁をハイキックでKOしたが、6月の『THE MATCH 2022』では玖村将史にダウンを奪われて敗れる。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。7月の1回戦ではルベン・セオアネに判定勝ち。戦績は29勝(12KO)5敗4分(タイの試合は除く)。
クマンドーイは2020年大晦日に『RIZIN.26』で那須川天心に判定で敗れるも思い切りのよいパンチと重いミドルキックで場内を沸かせた。過去にはロッタン・ジットムアンノンに勝利している。これまでオムノーイスタジアム認定フライ級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、True4Uスーパーフライ級王座、ラジャダムナンスタジアム認定同級王座を獲得。4月の来日では福田海斗にダウンを奪われて敗れている。7月の1回戦ではモハメッド・カルーアに判定勝ち。
1R、右ローで入る志朗。クマンドーイは強い右ミドル、右ローを蹴ると左右のフックを強振する。志朗のローに合わせて左フックはクマンドーイ。左のミドルを蹴るクマンドーイに志朗はワンツーを当てる。ガードの隙間にジャブを突き刺す志朗。クマンドーイのミドルにローを返す。
2R、速い左ミドルを2連打するクマンドーイ。すると志朗が右ミドルを返したタイミングに合わせ右ストレート。これで志朗がダウンする。立った志朗は強いワンツーを振ってプレッシャーをかけ、クマンドーイをコーナーへ詰めてボディを当てる。左右のミドル、左右のフックと全ての攻撃に威力があるクマンドーイ。志朗はクマンドーイの蹴り足を掴んで左右のボディを入れると、終盤には右フックも当てる。
3R、左ミドルで距離を取るクマンドーイ。志朗はじりじり詰めてパンチで入っていく。クマンドーイはロープを背負わされながらも左ミドル、右ローと蹴りを返す。ジャブから左ボディを叩いていく志朗。下がるクマンドーイは左右どちらでもミドルを蹴りつつ、志朗のパンチはしっかりガードして試合を終えた。
判定は3-0でクマンドーイ。2Rにはダウンを奪い、攻撃力・機動力・テクニックと全てにおいてレベルの高さを見せたクマンドーイがトーナメント決勝進出を果たした。
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▼第11試合 秀樹 Final Match ライト級(-63kg)3分3R延長1R×チャンヒョン・リー(韓国/RAON/第5代RISEスーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3〇秀樹(新宿レフティージム/同級2位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)
長くライト級トップランカーとして活躍した秀樹が引退試合を行うこととなった。秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでは準優勝を果たした。2020年1月、原口健飛とRISEライト級王座決定戦を争ったが、1R2分23秒、KO負けを喫して悲願だった王座獲得ならず。2021年1月には直樹とRISEライト級王座決定戦を争うも判定3-0で敗れている。そこから2連勝を飾ったが2022年4月、白鳥との再戦に臨み延長戦の末に惜敗。戦績は21勝(11KO)6敗。
最後の相手に選ばれたのは現スーパーフェザー級王者で、ライト級でも戦う“韓国の鉄拳”リー。強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破してきた。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。今年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。7月には初のオープンフィンガーグローブマッチで山口侑馬と対戦し、衝撃の一撃KO勝ちを飾っている。戦績は30勝(16KO)12敗1分。
両者は2018年2月に対戦し、この時は秀樹が判定勝ちを収めている。約5年半ぶりの再戦で秀樹はリーを返り討ちにし、有終の美を飾ることが出来るか。秀樹は妻で元WPMF世界フライ級王者いつかの歌の熱唱の後に入場した。
1R、細かいジャブで距離を測る秀樹に、詰めてワンツーのリー。すると秀樹のバックブローが当たりリーの動きが止まる。さらに秀樹がハイキック。しかしリーはそれでも詰めてボディから左フックのコンビネーション。秀樹はジャブでリーの手足を止めると入ってきたところへ左フックも当てる。後半は左ミドルも当てて秀樹が前へ出る。
2R、インローからジャブを突いて前へ来るリー。秀樹はリーの打ち終わりにフックを当てる。秀樹の左ハイがリーの首元へ当たるが、リーは構わず詰めてくる。秀樹は下がりながらの左フックも当て、詰めてくるリーと常に一定の距離を保つ。右ストレートで強引に前で出てくるリーに秀樹はハイキックからバックハンドブローも当てる。
3R、左のミドルを当てる秀樹は飛び込んでのテンカオも見せる。さらに左右のストレートでリーの顔を跳ね上げる。リーはボディからストレートを当てるが秀樹もバックブローを当てる。秀樹は左ミドルで距離を取り、近づくと完全に密着してパンチを防ぐ。さらに左ハイキックも当て攻め続ける秀樹。リーもパンチを振るが最後まで秀樹がペースを握ったままゴング。
判定は3-0で秀樹。文句なしの判定で現王者チャンヒョン・リーのリベンジを退け、キャリア最終戦で有終の美を飾った。
試合後マイクを持った秀樹は「最後、何とかRISEの上位ランカーの意地を見せられてホッとしております。仲間の力で今日勝ちました。追い込み期間中は本当に孤独との戦いで苦しい日々を過ごして今日に臨みました。それを仲間たちの力で勝利することができました。みなさんも環境を理由に一歩止まってしまうこともあるかもしれませんが、今できることは何かベストを考えて、やり尽くして乗り越えて行ってもらいたいなと思います」と語り、家族、チームメイトと共に大きな拍手に包まれながら最後のリングを降りた。
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▼第10試合 Super Fight!ライト級(-63kg)3分3R延長1R―中村 寛(BK GYM/RISEライト級王者)ノーコンテスト ※アクシデントによる肩の脱臼―アリシェル・カルメノフ(カザフスタン/Nural sports school)
中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。10月のチャンヒョン・リー戦では2RにTKO負けするも、12月の再起戦で伊藤澄哉を2RでKOすると、2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取した。戦績は14勝(11KO)5敗。
カルメノフはフルコンタクト空手で様々な大会に出場して活躍、現在は空手と並行してキックボクシングの試合にも出ているという。ローキックとパンチを得意とし、特に右フックには自信がありそう。カザフスタンの空手選手は頑丈な身体を持ち、パワフルなパンチ&ローで前へ出るタイプが多く、空手家特有の攻撃力で中村撃破を狙う。戦績は5勝1敗。
1R、ローの蹴り合いからハイを蹴っていくカルメノフ。中村もハイを返す。左のローを蹴る中村に思い切り飛び込むようなパンチはカルメノフ。そして中村がパンチに行って距離が詰まると、もつれるように2人が倒れる。すると中村はなかなか立ち上がれない。倒れる瞬間にカルメノフが中村の腕を抱える体勢になっており、倒れた拍子に腕を痛めたようだ。ドクターチェックとなり、しばらくするとアナウンスが入る。肩を脱臼したが肩が入ったとのことで試合続行となる。
再開後、ステップを踏む中村にカルメノフは飛び込んでパンチ、さらにヒザ。中村はローを放っていくがやはり腕が回復していないのかパンチが出ない。ラウンド終盤にパンチに行く中村だが距離が詰まったところでカルメノフのヒザがローブローとなってしまう。中断となり、しばらくするとドクターチェックが再び入り、レフリーが試合終了を宣言。ローブローのダメージよりも肩の脱臼が続行不可能なレベルと判断され、試合はノーコンテストとなった。
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▼第9試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R×常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/同級2位)延長判定3-0 ※10-9×3 (本戦は1-0 ※30-29大雅、29-29、29-29)〇大雅(TRY HARD GYM/同級9位)
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに8連勝を飾り、2023年1月にはRISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーに挑戦したが、延長Rで敗れタイトル奪取ならず。YA-MANと同門の強打の持ち主。戦績は9勝(7KO)3敗1分。
大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。2018年9月からRIZINに参戦。RISEには2019年3月から参戦し、連敗を喫したが梅野源治、奥平将太に連勝して調子を取り戻すと2023年6月にはフランスでポール・カーポウィッツに判定勝ち。当初は3月に一馬との対戦が決まっていたが、計量後の体調不良でドクターストップがかかった。戦績は26勝(6KO)13敗2分。ここで勝てば王者チャンヒョン・リーへの挑戦も見えてくる一戦となった。
1R、頭を下げた前傾の構えの常陸はじわじわ詰めるとボディへのジャブ、ローを出していく。ロープを背負う大雅はあまり手数を出さないが隙を見てジャブやワンツーを放っていく。ジャブ、ストレートとまっすぐのパンチを突いていく常陸に、引っ掛けるような左フックやオーバーハンドの左は大雅。
2R、左のリードを出して距離を測る常陸はパンチに加え左の三日月蹴りも出す。大雅は左ストレートで飛び込むが常陸はバックステップでかわす。ショートのフックを振る大雅、常陸がワンツーで前へ出てきたところへ飛びヒザも見せる。終盤は互いにパンチを振り合う。
3R、ワンツーからローへつなぐ大雅は左のハイも蹴っていく。常陸は右ボディやボディストレートも混ぜながら顔面へもストレートを飛ばして上下に打ち分ける。左ストレートを当てた大雅が近い距離からワンツー、常陸も打ち返し激しい打ち合いとなったまま試合終了。判定は30-29大雅、29-29、29-29と2者ドローになり延長へ。
延長R、左のミドルハイで入る大雅。さらに遠い距離から飛び込むような左ストレート。常陸のパンチにカウンターの左フックも当てる。前に出てロープを背負わせるのは常陸だが大雅はステップを使って詰めさせず、ミドル、ワンツーでペースを握る。それでも追い続ける常陸はパンチを振るが大雅はローも混ぜ多彩な攻撃を見せて試合を終えた。延長判定は三者とも大雅。延長ラウンドの激戦となるも、老獪なテクニックを見せてしっかりと勝利をもぎ取った。
試合後マイクを持った大雅は「よかったー!」と叫ぶと「今日(同門の)トライハードジムから出場した2人ともKOしてて、セミで後輩の田丸(辰)がトーナメントの決勝進出懸けて試合するんで、おい繋げたぞ!」とセミファイナルで大﨑一貴と対戦する田丸にエール。
そして「伊藤(隆・RISE代表)さん、次タイトルマッチやらせてください。田丸が今日勝って、トーナメント決勝の日にチャンヒョン・リーとやりたいと思ってるんで。絶対(タイトル)獲るんで任せてください」と現王者・チャンヒョン・リーへの挑戦を表明した。
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▼第8試合 RISEバンタム級(-55kg)王座次期挑戦者決定戦 3分3R無制限延長R〇大﨑孔稀(OISHI GYM/同級1位)判定3-0 ※30-29、29-28、29-28×加藤有吾(RIKIX/同級4位)
大﨑はパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザいずれでもKOできる破壊力を持ち、タイ人と渡り合うテクニックも持っている。特にボディブローは強烈。様々な団体で活躍し、RISEには2019年11月から参戦。2022年3月に一気にフェザー級に階級を上げて龍翔に判定勝ち、5月に55.5kgで加藤有吾にTKO勝ち、7月に56kgでJyoseiにKO勝ちと3連勝を飾ったが、10月に志朗と対戦して延長戦で敗れた。12月にはSB王者・植山征紀から勝利を奪って再起、2023年5月は2月に無効試合となった寺山遼冴との再戦を2R KOで制した。戦績は30勝(19KO)7敗1分1無効試合。
加藤は元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・石井宏樹の愛弟子でジュニア時代から石井の指導を受け、プロデビューすると持ち前の強打で頭角を現し2019年12月にWMC日本スーパーバンタム級王座を奪取。2021年1月には元山祐希と壱・センチャイジムを破って岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント優勝を果たした。2022年8月に翔真、12月に大森隆之介、2023年2月に京谷祐希も破り、6月には鷹介にも勝利して4連勝3連勝。戦績は24勝(11KO)5敗。
前述にあるように、両者は2022年5月の『NO KICK NO LIFE』にてヒジありキックボクシングルールで対戦しており、この時は4Rに大﨑が右アッパー、右フック、左ヒジの連続攻撃でダウンを奪い、5Rに大﨑がヒジで加藤を大流血に追い込んでのTKO勝ちとなった。
1R、ワンツーからアッパーへつなぐコンビネーションは加藤。大﨑は加藤の打ち終わりに左フックを当てる。ボディも混ぜて上下へパンチを散らす加藤に、大﨑はガードを固めてローを返していく。大﨑のガードの隙間を狙うようにジャブ、アッパーをねじ込んでいく加藤。大﨑は打ち終わりのタイミングを狙って左フック、ハイも蹴っていく。
2R、左ミドルを蹴っていく大﨑に、加藤は中へ入って近距離からパンチのコンビネーション。飛び込んでテンカオを当てる大﨑。加藤が左ボディを当てると大﨑もすぐに左ボディを返す。ボディ、アッパーで攻める加藤だが大﨑も怯まずパンチを返し、終盤は打ち合いとなる。
3R、ワンツーで前へ出る加藤。ほぼパンチで攻める加藤に対し、大﨑はパンチを返しつつテンカオなど蹴りも使っていく。詰めてフックを振ってくる加藤に大﨑も打ち返しパンチが交錯する。ラスト1分、大﨑のワンツー、フックが顔面を捉えるが加藤は全く退かない。互いに前へ出るため組みの展開が多くなる。最後まで互いに打ち合って試合終了。
判定は3-0で大﨑。ノンストップの打ち合いを制して時期挑戦者の権利を手に入れた。試合後、王者である鈴木真彦がリングに上がると「大﨑選手と加藤選手の試合、最高でしたねみなさん。僕もメチャクチャ楽しみになりました。でもこのベルトの重さと、RISEバンタム級チャンピオン鈴木真彦が一番強いってことを証明するんで楽しみにしていてください。全力で叩き潰します」とコメントした。
続いてマイクを持った大﨑は「今回加藤選手と再戦で、強いのも分かってたし、今回の試合もバチバチになるだろうと思ってて、お互いがベルトに挑戦したいっていう気持ちがフルに出た試合だったんじゃないですかね」と試合の感想を語ると、タイトルマッチについては、「正直今の試合内容じゃ鈴木選手にはなかなか勝てないと思うんですけど、絶対に僕がベルトを奪い取るんで、間違いなくバチバチの試合になるので会場で見てください」とタイトルマッチへの想いを語った。
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▼第7試合 Super Fight!アトム級(-46kg)3分3R延長1R〇宮﨑小雪(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級王者)KO 1R3分×ジュムリアット・スラーターニー・ラーチャパッド(タイ/PETCHSEEMUEN)
宮﨑は小学3年生から空手を学び、アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受け、2021年1月「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」で優勝。3月にはRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑戦し、判定2-0で破り第2代王座に就くと、9月に伊藤紗弥から延長戦で勝利、2022年5月には小林愛理奈に大差の判定勝ちで初防衛に成功し、10月にはペットルークオンに判定勝ち、12月にはシュートボクシング日本女子アトム級王者MISAKIとの女王対決を制し、2023年3月にはビョン・ボギョンに初のKO勝ちで9連勝。戦績は11勝(1KO)1敗1分。
今回対戦するジュムリアットは19歳、タイ南部のベルト保持者だという。戦績は20勝4敗。RISEの絶対女王として君臨する宮﨑を相手にどこまで戦えるか。
1R、いきなり前蹴り、右ミドルを出すジュムリアットは蹴りで前へ出て距離が詰まると組み。宮﨑はワンツー、インローを出していく。ミドルで距離を取るジュムリアット。宮﨑は詰めてパンチに行くがジュムリアットは近づくと組みにく。組みの多さにレフリーから注意が与えられる。そして再開すると宮﨑が右から左ボディ! これでジュムリアットはうずくまるようにダウンし立ち上がれず。宮﨑が鮮烈なKO勝利で10連勝を達成した。
試合後マイクを持った宮﨑は「今日で10連勝、2連続KOすることができて本当にすごくうれしいです。そろそろ相手もいなくなってきちゃったので他団体の強い選手とやりたいです」と外敵との対抗戦へ打って出る意向を示した。
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▼第6試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R〇魁斗(立志會館/同級1位)判定3-0 ※29-28、29-28、29-27×安本晴翔(橋本道場/同級5位)
魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されている21歳のテクニシャン。2020年2月のSB後楽園大会で笠原友希に再延長戦で惜敗するまでは負けなしの8連勝を記録。11月のRKSスーパーフェザー級タイトルマッチで王者・兼田将暉に勝利し初戴冠。2021年7月にはRISEで門口佳佑からも勝利を収め、10月にはHOOST CUP日本フェザー級王座に就いて二冠王に。しかし、2022年4月のSB日本フェザー級王座決定戦では川上叶に敗れた。今年2月、前RISEフェザー級王者・梅井泰成に勝利し、トップランカーに踊り出るなどvs.RISEで強さを発揮している。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。2022年7月からはRISEに参戦し、12月にSBとの対抗戦で川上叶に敗れるも2023年3月のK-1との対抗戦では斗麗に勝利。5月21日の岡山ジム興行では髙橋聖人に判定勝ち。戦績は28勝(15KO)2敗2分1無効試合。
両者は7月の『RISE WORLD SERIES 2023 1st Round』での対戦が決まっていたが、安本の怪我で中止となっており、仕切り直しの一戦となった。伊藤隆RISE代表は「試合内容によりますが、この試合を次期挑戦者決定戦と考えてもいい」としており、フェザー級王者・門口佳佑への挑戦を見据えた戦いとなる。
1R、左ミドルを蹴る安本に、魁斗はワンツーで前へ出て右ストレートを当てる。近距離でパンチが交錯すると互いにフックが当たる。左ミドルで魁斗の前進を止める安本は左右のボディフックも当てるが、魁斗は効いてないとばかりに首を振る。
2R、ジャブからローへつなぐ魁斗に、安本はボディ、さらに左右のフック。スイッチも見せる安本だが、魁斗はどちらの脚にもローを蹴っていく。ボディからミドルの安本。魁斗のワンツーをバックステップでかわす。ガードを固めてじりじり詰める魁斗は安本の打ち終わりにコンビネーションを返していく。
3R、安本のワンツー、右ミドルをガードして右ストレートを返す魁斗。安本のローがローブローとなり試合中断。再開後、奥脚へローを蹴っていく安本。魁斗は近い距離でパンチのコンビネーションを放っていくが、安本がさらに奥脚ローを蹴ると魁斗の動きが鈍る。ローのフェイントを見せてパンチを狙う安本だがそこへ魁斗がワンツー。右がテンプルに当たり安本がダウンする。立った安本が逆転を狙い打ち合いに来ると魁斗も応じてパンチが交錯。互いに攻め続けて試合終了となった。
判定は3-0で魁斗。ハイレベルな一戦を、ダウンを奪ってしっかりと制した魁斗は試合後のマイクで王者・門口との一戦をアピール。解説席の門口も対戦の意欲を示し、フェザー級王座戦が動き出した。
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▼第5試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R〇チャド・コリンズ(オーストラリア/Strikeforce/同級2位)KO 1R1分13秒 ※左ハイキック×チョ・ギョンジェ(韓国/JUNG WOO GYM/MAX FC -65kg王者)
コリンズはタイ在住のオーストラリア人選手でこれまでにセクサン、パコーン、サックモンコンといったムエタイのスター選手を次々と撃破。2019年2月の『KNOCK OUT』で初来日し、KNOCK OUTスーパーライト級王者・不可思から右ヒジでダウンを奪い、判定勝ちした。4月にはSBに参戦し、海人にも判定3-0で勝利。RISEには8月の大阪大会に初参戦を果たし、RISEウェルター級王者・中野椋太から1RでTKO勝ちを奪うと、10月にはRISEライト級王者・直樹にも2RでKO勝ち。12月には笠原弘希にも勝利した。2023年5月には『KICKBOXING WORLD CUP』にてムエタイルールでラーチャシンから延長Rで勝利を収め、日本では負け無し。戦績は57勝(28KO)16敗2分。
昨年12月以来のRISE参戦となる今回のコリンズの相手は、2018年に初来日、シュートボクシング世界トーナメント『S-cup2018』の1回戦で海人と対戦しているギョンジェ。海人には敗れるも、2019年9月に現RISEウェルター級王者の中野椋太を判定で下し、今年に入ってからは4月に高橋幸光に判定負けしているが、吉田凛汰朗、小川翔に勝利している。小川戦では強い蹴りを上中下に散らし、小川のパンチにはテンカオで対抗。打ち合いでも小川からヒットを奪っていた。戦績は35勝5敗1分。
1R、いきなり右ミドルのギョンジェにコリンズもミドルを返す。インロー、さらに右ハイからそのままバックブローも見せるコリンズにギョンジェもインローを返すがコリンズは右ストレートを当てるとギョンジェをコーナーへ詰めてボディ、フックの連打を浴びせる。何とかコーナーから抜け出したギョンジェだがコリンズはすぐに詰めると右からの左フックでダウンを奪う。立ったギョンジェだがコリンズはさらにボディ、フックを当て、最後は左ハイでアゴを打ち抜くとギョンジェがばったりとダウンしレフリーストップ。圧倒的な強さを見せてコリンズが1RでKO勝利を挙げた。
試合後マイクを持ったコリンズは「エキサイティングだった。3ラウンド戦うと思ってたけど早く終わったな。今僕は28歳で一番強いと思っている。ベストファイターと戦いたい。原口(健飛)やペットパノムルンと戦ってベルトを手に入れたいんだ」と次戦への意欲を語った。
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▼第4試合 RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament リザーブマッチ 3分3R延長1R×ルベン・セオアネ(スペイン/Muay Sapein)KO 2R1分54秒 〇政所 仁(魁塾/スーパーフライ級4位)
セオアネは10勝(3KO)2敗とキャリアは浅い21歳だが、K-1にも来日したISKA世界王者アクラム・ハミディに勝利している。ISKAの推薦を受けて7月の1回戦で志朗と対戦し、1Rからアグレッシブに前へ出てコンビネーションを回転させる好戦的なスタイルで志朗を苦しめ、判定で敗れるも最後まで諦めない姿勢で高評価を得ての再登場。
政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表を付く技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。2023年7月のリザーブマッチでは親友・風音との再戦でリベンジを果たし、今回もリザーブマッチに臨む。戦績は17勝(4KO)10敗1無効試合。
1R、序盤は遠い距離から互いにローを蹴っていく。右ローを飛ばす政所に合わせてセオアネは右ストレート。パンチの打ち合いになるとセオアネは左右のフックを思い切り振る。ジャブを突いてコーナーに詰めて政所がワンツー。セオアネも打ち返していく。
2R、ガードを固めて前へ出てくるセオアネに政所は右ロー。セオアネは打ち終わりにワンツーを返すが政所はしっかりガード。飛び込んで右ボディを当てる政所。さらにロープへ詰めるとセオアネのフックをガードして左フック! これがアゴを打ち抜きダウンを奪う。立ったセオアネだが政所はすぐに詰めて左フックでダウンを追加。それでも何とかセオアネが再び立ったところへ、政所がさらに左を打ち抜くとセオアネが崩れ落ちレフリーが試合をストップ。バルカン砲の異名に相応しい怒涛のKOで政所が圧勝を収めた。
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▼第3試合 -54kg契約 3分3R延長1R〇花岡 竜(橋本道場/スーパーフライ級3位)判定3-0 ※30-27×3דWeedy”ニコラス・リヴァース(Fight Center one/RING OUT-54kg級王者)
花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月の『INNOVATION』でフライ級王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた。2021年9月にはトーナメントで空龍と濱田巧を破り初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座を獲得。2022年3月には岡山で開催されたオープンフィンガーグローブ着用トーナメントで優勝。6月からはRISEに参戦して2連勝も10月の翼戦で負傷判定ながらもプロ2つ目の黒星を付けられた。2023年は「NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント」に出場し、優勝を果たしている。戦績は19勝(8KO)2敗1分。
リヴァースは13勝(1KO)5敗の戦績で、昨年6月には『Ring Out challenge 4』でRING OUT-54kg級のタイトルを獲得。2023年4月、RISEに初来日して大﨑一貴とISKAオリエンタルルール世界フライ級(-53.5kg)王座決定戦を争い、唸り声をあげながら左右フック&ローを叩きつけ、1Rからアグレッシブに攻め続けたが4Rに大﨑の上段後ろ蹴りでマットに沈んだ。
1R、速いジャブ、インローを放っていく花岡に、リヴァースはガードを固めて詰めるとボディ、ワンツーを振っていく。左右のローにカーフも当てる花岡が強烈な左ボディをヒットさせるとリヴァースの動きが止まる。チャンスと見て前へ出る花岡は連打を浴びせるがリヴァースは強気に打ち返す。花岡はさらにロー、ボディを効かせる。
2R、左ミドルを三連打する花岡。リヴァースはガードを固めながらも距離が近づくとチャンスを見て左右のフック。花岡も左右のフックからミドルと、パンチから蹴りのコンビネーションで攻勢。ガードの上からでも強い右ハイを蹴っていく。リヴァースはかなり攻撃をもらいながらも前へ出てフックを振ってくる。
3R、肩口へ左のミドルを蹴る花岡。そしてリヴァースが詰めてきたところに合わせてショートの右フック。これが入りリヴァースがふらつく。ラッシュを仕掛ける花岡だが、異常な打たれ強さを見せるリヴァースはすぐに持ち直してパンチを返して来る。ローも効かせる花岡はリヴァースをコーナーへ詰めて連打。防戦一方となるリヴァースだが、終盤は気合の声を発し、前へ出て最後までパンチを振ってくる。
判定は3-0で花岡。タフなリヴァースを相手にダウンこそ奪えずも、花岡が全局面で圧倒して完封勝利を手にした。
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▼第2試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R〇麻火佑太郎(PHOENIX/同級4位)判定3-0 ※30-29、30-28、30-27×KENTA(HAYATO GYM/同級9位)
麻火は元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。KNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2022年2月のRISEではチャッピー吉沼から勝利。5月には木村“ケルベロス”颯太に判定で敗れたが、12月に北井智大から殊勲の勝利を収めた。2023年5月、KNOCK OUTなど他団体で活躍してきたマサ佐藤をヒザ蹴りで初回KOに破っている。戦績は12勝(2KO)8敗。
KENTAは長身を活かした豪快な攻撃が武器で、2021年9月の山畑雄摩戦から4連勝を記録していたが昨年10月のRISE大田区大会で小川翔に判定負けを喫し連勝がストップ。『DEEP☆KICK』では2022年3月にDEEP☆KICK-63kg王座を獲得し、12月には足利也真登を判定で下し王座を防衛している。今年3月には元Jリーガーの安彦考真に勝利し、4月には山畑を再戦で返り討ちにした。戦績は19勝(6KO)4敗1分。
1R、サウスポーの麻火にオーソドックスはKENTA。ガードの上からでも強い左ハイを蹴っていく麻火。さらに飛び込むようなジャブも突いていく。KENTAはガードを固めてじっくりと見つつ、麻火の攻撃にミドル、さらに右フックも返す。麻火の頭がKENTAの顔面に当たりバッティングにより中断。麻火にイエローカードが与えられる。再開後、ジャブとローで距離を測るのはKENTA。麻火は掛け蹴りなどトリッキーな技も見せる。
2R、互いに前手でけん制し、ローを蹴り合う。プレッシャーをかけるのはKENTA。だが麻火はロープに詰められたところから飛びヒザを放つ。前に出てくるKENTAを麻火はサークリングなどステップでさばきつつ左のミドルやテンカオで迎撃。さらにワンツーも当てる。
3R、すぐに前へ出てロープを背負わせるKENTA。麻火はジャブや前蹴りで突き放しつつ、KENTAの打ち終わりにワンツー。バックステップも駆使してKENTAに詰めさせない。KENTAはそれでも追い続け、前足へのローからワンツー、右ミドルも放つ。来い来いと言うようなポーズはKENTA。それでも麻火はリングを一杯に使ってKENTAの前進をさばき続けて試合を終えた。判定は3-0で麻火。多彩な蹴り技に加えて、巧みなステップワークでKENTAの圧をいなし、テクニックの差を見せて勝利を挙げた。
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▼第1試合 フライ級(-51.5kg)3分3R延長1R〇那須川龍心(TEAM TEPPEN/同級5位)判定3-0 ※30-28、30-28、30-27×JIN(楠誠会館/MA日本バンタム級王者)
那須川は2021年RISE Nova全日本大会-55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55kg級優勝、2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝などアマチュアで経験を積み、2022年4月のRISEでプロデビュー。笠原直希に判定勝ちして白星で初陣を飾った。しかし、6月の『THE MATCH 2022』ではK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星。8月の平山龍馬戦からフライ級に階級を下げ、TKO勝ちで再起を果たすと続く10月の吉田亮汰朗戦は判定勝ち、12月にはKOUJIROにも判定勝ちと3連勝を飾ったが、2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れた。6月にアマチュア時代のライバルだった相沢晟に判定勝ちで再起を飾っている。戦績は5勝(1KO)2敗。
JINは元ICOライト級王者の元氣が代表を務める楠誠会館所属の17歳で、DEEP☆KICKなど関西を中心に活躍中。昨年11月にジャパンカップバンタム級王座、今年7月23日にはMA日本バンタム級王座を獲得した二冠王。
1R、じりじりとプレッシャーをかけていくJINに、那須川は細かいフェイントから飛び込んでワンツーを放っていく。ボディストレートや、左ボディなど腹への攻撃を当てる那須川は終了間際顔面へのストレートも当てる。
2R、バックブローからバックキックを放つJINだが蹴りがローブローとなり中断。再開後、詰めて左フック、ワンツーのJINに那須川は下がってかわす。距離が詰まるとJINが蹴り足をつかんでこかすように投げてしまい警告が与えられる。JINのパンチをくぐるようにして飛び込み何度もボディを当てる那須川。JINは那須川の打ち終わりにパンチを返すが那須川のバックステップは速く当たらない。
3R、詰めて行くJINはいきなりバックキック。さらにパンチの交錯から左フックを当てる。強いフックを振っていくJINに那須川はガードを固めつつ、カウンターの左も当てる。自分の距離をしっかりと保つ那須川、ジャブを突き、ワンツーや左フックを的確にヒットさせていく。それでもJINは前へ詰めストレートを振っていくが。最後は近距離での打ち合いとなり試合終了。
判定は3-0で那須川。兄・天心譲りのディフェンス能力の高さとカウンターのセンスを見せて危なげなく判定を勝ち取り、17歳同士の対決を制した。
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▼オープニングファイト第3試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R×東 蒼馬(MONSTAR GYM)KO 2R1分57秒 ※左ハイキック〇戸田 龍(TRY HARD GYM/2022年 RISE Nova 全日本大会-65kg級優勝)
空手出身同士の一戦はプロデビュー戦の野田が東の左フックに左ハイを合わせて前のめりに倒し失神KO勝利。
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▼オープニングファイト第2試合 アトム級(-46kg)3分3R△坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)判定1-1 ※30-29坂田、29-28小林、29-29△小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)
序盤はスピードで上回る小林が遠い距離から飛び込んでコンビネーションを当てるが、スタミナ切れとなった3Rに坂田が蹴りを中心に盛り返し、三者三様のドローに。
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▼オープニングファイト第1試合 -53kg契約 3分3R×Hotaru(Continue)判定2-0 ※30-29、29-29、30-28 〇加藤乃々夏(全真会館)
3Rを通して互いに手数を出し続けるタフな戦いは、序盤に左フックを的確に当てた加藤がHotaruを振り切りプロデビュー戦を白星で飾った。