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2023年8月26日(土)、シンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムで開催される『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』(U-NEXT配信)のフェザー級にて、ギガ・チカゼ(ジョージア)が1年7カ月ぶりの復帰戦で、2連勝中のアレックス・カサレス(米国)と対戦する。
▼フェザー級 5分3R
ギガ・チカゼ(ジョージア)14勝3敗(UFC7勝1敗)146ポンド(66.22kg)
アレックス・カサレス(米国)21勝13敗(UFC16勝11敗)145.5(65.99kg)
メインイベントを戦う8位の“コリアンゾンビ”ジョン・チャンソンに続く9位につけているチカゼは、フルコンタクト空手と伝統派空手、さらにプロキックボクシングで38勝6敗22KOの戦績を持ち、GLORYでも活躍した。
2015年にプロMMAデビューし、14勝3敗。2019年9月にUFCに参戦し、カブ・スワンソン、エジソン・バルボーザをいずれもTKOに下すなど7連勝をマークも、2022年1月の前戦でカルヴィン・ケイターに判定負け、オクタゴン初黒星を喫した。
対する15位の“ブルース・リーロイ”カサレスは、2019年2月のUFCでクロン・グレイシーに一本負けも、その後、5連勝。2022年3月にソディック・ユサフに判定負けで連勝が止まるも、ジュリアン・エローサを左ハイTKO、2023年6月の前戦では、ダニエル・ピネダに「ファイト・オブ・ザ・ナイト」の激闘の末、判定勝ち。2連勝中だ。
“ギガキック”チカゼが再び勝ち星を積み重ね、フェザー級のチャンピオン候補に名を連ねるか、それともカサレスがUFC13年目にしてキャリア最大の勝利を手にするか。
アレックスがスタンドで俺に立ち向かって来る事はないと思う。自分はまるで種類が違う
──今回、約1年ぶりの試合となります。
「ここに戻ってくる事ができて嬉しい、色んな事を逃してきたと思うよ」
──アレックスは現在ランキング15位。ランキング下位の選手と戦う事を嫌がる選手もいるが、これまでの相手が怪我で、前回(2022年9月)のソディック・ユサフ戦もキャンセルになり、対戦相手が下位の選手でも受け入れた事になりますか。
「そうだね。前の試合(2021年8月のバルボーザ戦)から時間も経っていて、5、6回キャンプをしたけど、毎回対戦相手が離脱していった。だから今の状況でランキング15位の選手と戦える事は良かったと思っている。カサレスも自分との試合を希望してくれたし、自分は5月からずっと準備ができていて、ずっと試合をする事を望んできた。ようやく戻って来れたと思う」
──アレックスはショーマンでエンターテイナーでもありますが、彼に合わせてそのような試合展開も考えられますか。
「彼の戦略は分かっているよ、メディアの前では言わないけど。ただ、今回スタンドで俺に立ち向かって来る事はないと思う。アレックスはストライカーでエンターテイメントな選手だけど、自分はまるで種類が違うファイターだ」
──前回の敗戦から今日まで時間が空きましたが、何が一番上達したと思いますか。
「全てにおいて上達したと思う。レスリングも、レスリングコーチのマイケル・パレスとクリス・ロドリゲスには感謝をしないといけない。この1年半、レスリングのトレーニングをかなりハードに続けてきた。ストライキングについてはコーチのマスター・ハファエル・コデイロ(※元シュートボクセ)とKings MMAで共に更に細かく詰めていった。そして柔術のレオ・ヴィエラがチームに加わって有難いし、彼との練習でグラウンドの攻防を上げていけていると思う」
──レオジーニョとのトレーニングについて教えてください。
「まず、どう彼と出会ったか教えてあげるよ。自分の娘と彼の娘が同じバレーボールチームで一緒にプレーしていて、トーナメントの時に隣りに座って一緒に応援していて、お互い耳が割れていて、ん? お前は誰だ? ってなって、お互いの事をあまり知らなかったんだけど、話を聞いたら彼は柔術のレジェンドだし、彼も俺の事をリスペクトしてくれて、去年から急激なスピードで繋がったんだ。自分にとって彼はコーチという存在を越えてもう友人のような感じだよ」
──自分が完全なMMA選手になる為に彼との出会いは運命的なものだったと思いますか?
「もちろん、神はいつも計画的だよ。出会いはただの偶然ではないと思っている。全てにおいては意味があると思う。皆、自分がマスター・ハファエルに出会った時のストーリーは知っているかな。2014年に米国に行っていた最終日、自分が当時住んでいたアムステルダムに戻る時、チェックアウトをしている時にマスターに出会ったんだ。その時から彼は自分の父のような存在だし、家族の一員だと思っている。同じように、神から与えられた出会いだと思っているよ」
──あなたはブラジル人ファイターに近い戦い方をすると思いますが、そんな繋がりも関係しているかもしれませんね。
「僕にはちょっとブラジル人の血が入ってるよ。DNAに組み込まれている(笑)。ギガは俺の名前だけど、ブラジルでも同じ名前があるんだ。ただ“ジガ”って呼ぶらしいけど。俺のブラジル人の知人たちは皆、“ジガ”って呼ぶけど、全然問題ないよ。そうだね、ブラジルに行ったことはないけど、自分のチームメートはほぼブラジル人だ。親友は一人ブラジル人だし、コーチもそうだし、チームメートも。ブラジルのアサイーや食べ物も楽しんでいるよ」
──今回メインを戦う“コリアンゾンビ”と戦いたいと、常にSNSで発信されましたが、実現をしていないことについては?
「正直に言うよ。前回の試合の後、誰かがコリアンゾンビのツイートのふりをして投稿した。その投稿の内容が自分の家族、そして10年前に亡くなった母親をとても侮辱する内容だった。そういうものを見たら、相手が誰であれ、どこの国の人であれ、対応をするのが俺だ。だけど、その後、彼からメッセージがきて『あの投稿は俺じゃない』と。数日前会った時も話して、その時も彼はまず最初に『あの投稿が自分ではなく、誰かが自分の真似をして投稿した』と言った。自分としてはそれで以上だ。
彼は素晴らしいファイターだし、レジェンドでもある。それ以外の感情はないよ。だからこの件に関してはもう決着がついている。ただ、彼はフェザー級のトップ10ファイターだ。だから将来戦う事になってもおかしくはない。でも、まずは自分の試合があるし、彼には彼の試合が今週末ある。自分はまず復帰する事が重要だ。だから、彼との試合はその後また話せばいいかなと思っているよ」
──今回2人とも会場にいるという事は、今週末あなたがきちんと任務を完了したらもうそれは次の試合がコールアウトされるイメージですか?
「うーん。分からないね。どうなるか待ってみないと。まず今は自分のカムバックが大事だから。自分の全ては今アレックスに集中しているし、彼は経験もたくさんあるからね。トップ15から自分を対戦相手に選んだ最初の選手でもある。自分にとって今回の試合はただの試合ではない。彼を止めるべきだと思っているよ」
──ショーン・オマリーに敗れたアルジャメイン・スターリングが階級を上げてヴォルカノフスキーと対戦したいということですが、そのことについては関心を持っていますか?
「もちろんだよ。こういった事には大金も絡んでくるし。アルジャメインは長い間チャンピオンだった。先週負けたけど、ファンにとっても、MMAを好きな人にとっても凄くワクワクする事をリスクを承知でするという事だ。アデサニヤも同じ事を試みたが残念ながらうまくいかなかったが、とても理解できる事だと思う。彼の階級で彼は絶対的なチャンプだったし。階級を上げるのは簡単ではない。勝っても負けてもリスクがある事だと思う。
ただ、まずは自分の仕事を片づけないと、他の選手に対戦要求はするべきではないな。アルジャメインもノックアウトされてしまったし。自分はまず今自分がやるべき事をやる。今は今週末の試合に向けて集中をしている。常に大きな計画は立てているし、叶えたい夢もある。だからまずは今週末の自分の任務を遂行してから考えていきたいと思う」
──今回のメインもフェザー級で、マックス・ホロウェイとコリアンゾンビが対戦しますが、あなたの予想は?
「マックスはこの階級で長い間戦ってきたし、チャンプの期間も長かったから、この階級で誰と戦ってもフェイバリット選手であると思う。ヴォルカノフスキーとの第2戦は皆も見ていると思うが、とても接戦だった。マックスが勝ったと皆思っただろう。その後、ヴォルカノフスキーとコリアンゾンビとの試合を見るとあまり彼のパフォーマンスは良くなかったから、マックスが勝つと予想する人は多いだろう。自分もいつかメインイベントで戦うポジションにいると思うが、まずは自分の事をやってカムバックをする事を楽しみにしている」
──ファンにメッセージを。
「ファンの皆に前回の試合から待っていてくれた事に感謝したい。皆のことが自分がカムバックしようと思えるモチベーションになった。今までの自分よりベターな自分になっている事を証明できたらと思う。スポンサーとチームにも感謝を」