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インタビュー

【UFC】シンガポール決戦直前! 中村倫也×鶴屋怜「世界と戦うために」(前篇)

2023/08/23 21:08
【UFC】シンガポール決戦直前! 中村倫也×鶴屋怜「世界と戦うために」(前篇)

(C)Wakahara Mizuaki/GONG KAKUTOGI

  2023年8月26日(土)にシンガポールで開催される『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』のバンタム級に中村倫也(フリー)、翌27日(日)『ROAD TO UFC(RTU)シーズン2 準決勝』のフライ級に鶴屋怜(パラエストラ千葉ネットワーク)が出場する。

 昨年のRTUで頭ひとつ抜けた強さで優勝し、UFCとの契約を決めた中村と、2023年のRTU2で圧倒的な強さで準決勝に勝ち進んでいる鶴屋は、ともにレスリングをバックボーンとし、中村が大学時代に、高校レスラーの鶴屋が出稽古で顔を合わせたときからの親交がある。

 互いにMMAデビューしてからも、出稽古で肌を合わせた両者は、いかに「世界」と戦おうとしているのか。『SAMURAI TOP TEAMプロジェクト』の0期生として海外武者修行も経験した2人に聞いた(※後編はこちら)。

中村「怜選手のVクロスに『うわ、出た!』と」、鶴屋「中村選手は滑らかで動物的な動きをしている」

──ともにレスリングベースで、8月26日の「UFC Fight Night」と27日の「Road To UFC」に出場するお二人です。練習で接点があったと思いますが、最初の出会いは?

中村 レスリングを通じてなのですが、出会ったのはというと、大学の道場ですかね。

鶴屋 はい。自分が高校生の時に、大学に練習に行った時ですね。

中村 専修大学に、柏日体の生徒が出稽古に来ていました。柏日体は日本で一番強豪校だから、大学側も「うっわぁ、柏来るよ、今日……」みたいな、ハハハハ(笑)

鶴屋 (苦笑)

──めちゃくちゃ嫌そうですね(笑)。

中村 はい。柏以外の高校だったら「ふーん」なんですけど、「えっ1? 今日、柏来るじゃん」って。急に決まったりするんです。

──23回インターハイを制したという大澤友博監督と元全日本王者の森下史崇コーチという環境で、HPにも「どの学校にも負けない練習!」といきなり書いてありますが、とはいえ高校レスリングと大学レスリングとでは随分違うのでは?

中村 違うんですけど、やっぱ食い込んでくるくらいの感じの子がそのなかにもいるんです。

──その一人が鶴屋怜選手だったと。その頃から「いい選手だな」と意識した?

中村 みんないい選手ですが、総合格闘技の話とかもチラチラ聞いたりというのがあったので……。

──「あの鶴屋浩代表の御曹司か」と?

鶴屋 いやー(苦笑)。

中村 そういうのもあったし、うちの大学にも格闘技やりたいっていう後輩もいっぱいいたので。特にこう特別扱いすることはないし、ちゃんと話すようなこともなかったんですけど、食い込んでくる。

鶴屋 自分からしたら中村選手はレスリング界で言ったらめちゃくちゃ活躍していて、全然、上の存在だったんです。

中村 それはー! いやいやいやいや。

鶴屋 いや、本当に。

──どんな練習をしていたのですか?

中村 その時はスパーリングはガンガンやってはいなかったですけど。

鶴屋 はい。

中村 全部のメニューを一緒にこなすような感じでしたね。

鶴屋 大学生と高校生でめちゃくちゃ人数いるので、見たりとかそういうじゃなくて、全体でやっている感じです。

中村 お互いが必死にやっているような感じでしたね。2面で40、50人ぐらいがやっていて。入らない人は壁に張り付いて。

──2面で40、50人! そこで大学生に鶴屋選手も食らいついて行ったと。そんなレスリング時代から関係はあって、2人ともMMAファイターになってからも練習はしたことがありますよね。

中村 一度「EX FIGHT」ジムに来てくれて……。

鶴屋 いや、何回か行っています(笑)。2、3回くらいですが。

中村 あれ、ごめんなさい(笑)。あの頃の記憶が……(苦笑)。

──鶴屋選手にしてみれば、パラエストラにも先輩・後輩も多く、良い練習環境だと思うのですが、そこからあえて外に出て行こうと思ったのは?

鶴屋 その頃からちょこちょこ出稽古に行き始めていたのですけど『どこに行こうかな?』となったときに、『中村選手がいるから行きたい』とお父さん(鶴屋浩代表)と話して行けることになって、一緒に練習することになったんです

──柏日体のあの子が来るのか、と?

中村 いえ、“あの時の”っていうか、その時はその時で“MMAファイターの鶴屋怜選手”が来るのだと、確定している人物がいるわけじゃないですか。『鶴屋怜選手が来るって!』って。僕ら側もMMA界の若手が集まって、その中で鈴木崇矢は同じ階級だから、ハァ…、ハァ…って、すぐに息が荒くなってたから(笑)、「オマエ、ケチョンケチョンにやられてこい!」みたいな感じで(笑)。すごいいい練習になったのは覚えていますね。

──そして、階級は違えど2人も組んだ。

中村 組みましたね。

鶴屋 自分も今まで出稽古で何人か練習したことをあるんですけど、中村選手はやっぱりレスリング面というより身体能力として、普通の選手とちょっと違う部分があって、動きが滑らかで動物的な動きをしているというか。これが試合だったらかなりやりにくいんだろうなって。5Rとか長いラウンドだとかなりやりにくそうだと感じていました。


(C)Zuffa llc/UFC

──動物的……レスリング自体がワイルドだと言われますが、鶴屋選手の動きも野生的だと思いますが。

中村 間違いないですね。びっくりしたのは腰が超重たかったです。なんかもう、“ああ、これはもう普通にはこかされないんだな”みたいな。腰の重さとそこからのズン! っていう瞬発力のある投げ。『RTU』一回戦でもあった組み投げとか、縦回転の。ああいうのが急に思い切り良く出てくるから、すごい、こう、ゆっくりの展開のなかでも気は抜けないし、しかも僕サイドを取られたとき、RTU一回戦で相手が極められた、あれ(Vクロス)、極められているんですよ、練習のときに。“うわ、出た!”と思って。基本もすごいなかでの派生の跳び技みたいなものにもやっぱりキレがあるので……“すごいな”って感じました。

──外に出ていくことで、いつもの練習と違う緊張感がありますか?

鶴屋 今回はロータス世田谷などにも行っているのですが、ジムでやっていると同じメンツと毎日同じことやって、相手の得意なことも分かってきて、練習にはなるのですけど、だんだん刺激は無くなってくるので、外の人とやると初めての相手と出来るので、かなり刺激的な練習ができるのでいいと思っています。

──コンディション作りも含め、出稽古の塩梅は難しいでしょうけど、必要だと。

中村  絶対いると思いますね。

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