(C)RIZIN FF
『超RIZIN.2』で、Bellator現フェザー級王者パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル)にKO勝ちした鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が7日、RIZINの『榊原社長に呼び出されました』に生出演。視聴者からの「朝倉未来と対戦してほしい」の声に、「なんでいま朝倉選手となの? ピットブル選手に勝ってそれじゃ、上がらない」と、拒絶した。
番組内で「今後の対戦相手」について問われた鈴木は、アンバサダーのくるみがリアルタイムで紹介した視聴者からの「朝倉未来と対戦してほしい」の声が多いことについて、「あー、そういうことですね。でもこれもちょっと……嬉しいですけど、みんな分かるじゃないですか」と、微妙な心境を吐露。
「だって、(朝倉は)クレベル選手にやられて、ピットブル選手とはやってなくて分からないですけど、“なんでピットブル選手に俺は勝ったのにそっちとやるんだ? なんでいま朝倉選手となの?”ってなるじゃないですか。僕もピットブル選手に勝って、それ(朝倉)じゃ上がらないですし、ピットブル選手に勝ったんだから、ピットブル選手以上か、ピットブル選手が相手じゃないとエンジンかかんないですよね」と、Bellator世界二階級制覇王者をKOしたいま、朝倉未来と対戦することは後退になると、疑問を呈した。
その言葉を受けて、榊原信行CEOも、「未来と、というのではないと思うね。未来もまったくそういう(鈴木と戦う)気持ちではないと思うし。ひょっとしたらピットブルが“待ってられない、RIZINでももう1回、チャンスくれ”となるかもしれないし」と、鈴木の次戦の相手に朝倉未来は、双方が望んでいないとした。
鈴木と朝倉には因縁がある。
鈴木は、RIZINで山本空良、平本蓮を下した後、2022年9月の萩原京平戦の前に、1年前に萩原と対戦経験のある朝倉未来がいるトライフォース赤坂へ出稽古。朝倉と肌を合わせ、「実際に練習をして自分の手札と萩原選手の手札を見比べたときに、未来選手から『千裕はこういう手札を持っているからこうすれば勝てる』というワンポイントアドバイスをもらった」ことを明かしている。
その後、萩原京平に一本勝ち、今成正和、中原由貴にも勝利し、5連勝を飾るなど進化を遂げた鈴木だが、クレベル・コイケに一本負けを喫すると、出稽古当時の感触からか、朝倉はカメラに向かって、「僕、ずっと言ってましたよね。(鈴木は)中堅選手だって」と、鈴木が過大評価されているとした。
上から目線で「中堅選手」とバッサリ斬り捨てられた鈴木は、パトリシオを70kg契約の互いに緊急参戦ながら完全KOしたことで、「ピットブル以下」である朝倉未来といま対戦するモチベーションが沸かないと、当時とは立場が変わったことを語っている。
そして、目指すは互いにベストコンディションでのパトリシオとの再戦と明言。その熱い思いに、榊原CEOも「千裕の熱意は届くと思う。ほんとうは9月大会で鈴木千裕の相手を決めていたけど、リセットする」と、新王者のヴガール・ケラモフと計量ミスで王座を剥奪された前王者のクレベル・コイケの「2強」に続く、フェザー級勢のなかで鈴木が“飛び級”を成し遂げたと評価した。