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『超RIZIN.2』で、Bellator現フェザー級王者パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル)にKO勝ちした鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が7日、RIZINの公式YouTube『榊原社長に呼び出されました』に出演。パトリシオとの再戦を呼び掛けた。
鈴木はAJ・マッキーの代わりにパトリッキーと対戦だと思っていた
AJ・マッキーの直前の欠場により、試合1週間前に代替カードを模索し始めたRIZINの榊原信行CEOは、「サトシvs.パトリッキー」と併せて、パトリシオに参戦を交渉。その相手として「千裕しか思いつかなかった」という。
鈴木が所属するクロスポイントの山口元気代表は、RIZINからの打診に「自分ならやらないですね。一応、聞いてみます」と確認。AJ欠場のニュースを知っていた鈴木は緊急参戦の要請に、「“AJの代わりにトーナメント、やってやるぞ!”と思って」と当初は、なんとライト級GPに出るつもりだったという。
しかし、オファーは、Bellatorの二階級制覇王者の「パトリシオ・ピットブルと対戦を」というもの。これも鈴木は既報通り、「やりましょう!」と即答していた。
「(クレベル戦で敗れた)むしゃくしゃを晴らすなら、勝つしかない。正直、相手は誰でも良かった」鈴木は、ピットブル兄弟のことをしっかり把握できていなかったことを明かす。
会見で「僕、どっちとやるんですか?」とピットブル兄弟を把握できず。「めちゃめちゃ見た」動画は「お兄ちゃん(パトリッキー)のだった──」からの開き直り
「会見のときに『僕、どっちとやるんですか?』って聞いて『手前の人です』と言われて『ああ、あの人ね!』と」とスタッフに確認していた鈴木は、榊原CEOに「顔も一緒だし、(どっちが相手でも)関係ないですよ!」と豪語したものの、その後、実は「今回、勝負だから試合動画をめちゃくちゃ見て、“よし、対策ばっちり、作戦ばっちり”」と試合動画もチェックしていたという。
しかし、その動画は鈴木の対戦相手ではなかった。
「それお兄ちゃん(パトリッキー)の動画で“ヤベー、やっちまった”って。“もういいや! 思い切り行こう!”」と開き直り、最終的に「前回できなかったことをやろう。マジで『負ける勇気を持って勝ちに行け!』ですよ」と、CEOの言葉が刺さって、今回の戦いのテーマにしたという。
試合は、1R 2分32秒、鈴木の右ストレートによるKO勝ち。二刀流の“クレイジー・ダイヤモンド”は、まさに狂気の力で、大金星を挙げた。
「右ストレートの感触は忘れない」とフィニッシュを振り返る鈴木は、大歓声に包まれたリング上で、「言ったよな、俺が『超RIZIN』で稲妻落としてやったぜ!」と興奮の口調で叫んだが、観客席はほとんど聞き取れず。榊原CEOは「もっとちょっとゆっくり喋れないの?」と苦笑する。
「これ含めてスイッチオンなんです」という鈴木は、試合後にSNSでパトリシオから、「あなたは昨日の一夜でタイトルマッチの権利を得ました。今度はベラトールで会いましょう」「私のタイトルをかけて戦うのに、これ以上ふさわしい人はほかにいません」と、再戦を呼びかけられた件についても即答だった。
「もちろんやりますよ。じゃないとあっちだってチャンピオンなんで、望んでいると思うんで。僕もその気ですし、やっぱ格闘技って強い人に勝ったら、さらに強い人と出来る、それが格闘技の醍醐味なんで。ピットブル選手も同じ気持ちだと思うんで。思いっきり行きますよ」と、準備万端のチャンピオンともう1度戦いたいという。
Bellator勢に勝つことは、昨年末からの鬱憤を晴らすことでもあった。
「去年から対BellatorでRIZINが全敗していたから、『僕がゼッテェ、あそこで黒星をつけてやる』ってやってきたんで、対抗戦ではなかったですけど、“日本人ナメんなよ”って」