両者が交錯した直後、目の異常を訴える神龍
2023年7月30日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された『超RIZIN.2』の前半Bellatorパートで、Bellator世界フライ級選手権試合5分5Rを争った堀口恭司(アメリカントップチーム)と神龍誠(神龍ワールドジム)。
試合は、神龍の腕をオープンハンドで払って打撃を出そうとした堀口の指が神龍の目に入り、「ずっと視界がぼやぼやしていて。(目に指が)入った瞬間から右目が見えないところがある感じで」(神龍)という状態が続いたためドクターストップ。偶発的なアイポークで試合続行不可能となったため1R25秒でノーコンテストとなった。
【写真】堀口の指が目に入ったと思われるシーン(C)RIZIN FF
試合後のコメントで神龍は「これで続行しても…と思って正直に『目が見えないです』と言って。片目が見えなくてこっち(右側)の攻撃されたら見えないんですよ。だからこのままやったらまずいのかなと思いましたね」と危機感を感じたとしたが、「観客のブーイングを聞いてとんでもない判断をしちゃった、やらないといけなかったなと思いました。『やれよ』って声が聞こえて、ヤバいと思って『やらせてください』と言ったんですが、手遅れでした。プロとして穴を空けてはいけなかったと思います」と、相手の攻撃が見えない危険な状態でもプロとして試合を続けなければいけなかったと悔いていた。
この観客からの『やれよ』との声について、ネットでは選手・関係者・ファンから様々な声があがっている。
会場で観戦していたRIZINフェザー級トップファイターの金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)は、自身のYouTubeチャンネル『金原正徳の金ちゃんTV』にてこの試合を振り返り、「しょうがないアクシデント。神龍選手の方がこの試合に懸けていたことが大きいと思うんですよ。だって堀口恭司を倒したら世界から認められる神龍誠になるわけじゃないですか。堀口選手ももちろん悔しいだろうけれど、神龍選手の方が絶対に悔しいし、やりたかったと思うんですよ。
【写真】「一番悔しい想いをし、続けたかったのは神龍」と選手の立場から話す金原(C)金ちゃんTV
俺も会場にいてブーイングがちょっと心無いなと思って。やりたくなくて流しているヤツなんて絶対にいないわけで。彼もここまで作って来て倒せる自信があってケージに入って、勝ったらベルトっていう最大のチャンスだったじゃないですか。やれればやるわけだし。でも見えないところでやっても結果は見えてしまっている。そんなハンデを背負って勝てるほど相手は甘くない。そういう意味を込めて、あのブーイングの心の無さは辞めて欲しいと思う」と、神龍が試合を辞めたくて辞めたわけではなく一番悔しい想いをしている、そんな状態で試合をやっても仕方がないことを観客に分かって欲しいと苦言を呈した。
また、同動画では『超RIZIN.2』の前半Bellatorパートでの全試合を振り返り、メインのパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)vs.ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)について「(サトシが)らしくなかったよね。らしくなかったのは間違いなく体力消耗を恐れてしまったがゆえに行き過ぎないように。絶対に練習が出来ていれば最初から行っていたし、最初から組みに行っていた」などの分析・感想を話している。