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【Bellator】ライト級WGPでパトリッキー・ピットブルがサトシをTKO「朝倉未来に感謝」、フライ級王座戦・堀口vs.神龍はノーコンテストに。渡辺華奈がアルテイガに辛勝。マゴメドフがサバテーロをギロチン葬! コレシュコフがラーキンにリヴェンジ

2023/07/30 11:07
Bellator MMA vs. RIZIN 2:  Pitbull vs. Souza 速報 2023年7月30日(日)さいたまスーパーアリーナ U-NEXT配信→夜の部「RIZIN」パート速報 ▼第5試合 Bellagtorライト級ワールドGP1回戦(※この試合のみ73kg契約)5分5R〇パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)2位 25勝11敗 ※元ライト級王者[3R 0分49秒 TKO] ※右カーフキック→パウンド×ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)15勝3敗 ※現RIZINライト級王者※AJ・マッキーが欠場でサトシは4日前参戦  パトリッキーは、元Bellatorライト級王者で現在2位。2019年のRIZINライト級トーナメント準優勝者。実弟パトリシオが返上したライト級のベルトを、2021年11月の「王座決定戦」でピーター・クウィリーを2R TKOに下して腰に巻き、兄弟王者となった。  2022年11月のウスマン・ヌルマゴメドフ戦で判定負けで王座陥落している。今回、ライト級ワールドGP1回戦でAJ・マッキーと対戦するために、20日前に日本入りし、朝倉未来らとファイトキャンプを行ってきた。  サトシは、2020年8月の矢地祐介戦から5連続一本勝ちで2度の王座防衛に成功。2022年大みそかのBellatorとの対抗戦でAJ・マッキーに判定負けで3年2カ月ぶりの黒星を喫した。  2023年5月の再起戦ではAJ・マッキーを苦しめたことがあるスパイク・カーライルに判定勝ち。今回、AJの欠場により、試合4日前の緊急参戦を決めた。  中央でグローブタッチ。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取るのはパトリッキー。金網背にサークリングする形になったサトシの右ローは空振り。左の蹴りの後、右ローの相打ち。サトシの右フックは空を斬る。  右ローを当てるサトシ。さらに左前手のフック。さらにサトシは右ハイ。ブロックするパトリッキー。慎重な立ち上がり。サトシはシングルレッグに入るが、パトリッキーは切る!  右カーフを当てるサトシ。圧力をかけるパトリッキーに右前蹴りで押し戻す。右跳びヒザはサトシ! ブロッキングするパトリッキーもワンツーの左右から右ロー。さらに詰めての左右も防ぐサトシにお返しの跳びヒザ。  ブロックするサトシは右ロー。パトリッキーは左ハイから右の後ろ廻し蹴り、左右で飛び込むが、サトシはさばいてゴング。パトリッキーのラウンド。  2R、先に中央を取るパトリッキー。サトシは右ローをかわすパトリッキー。ダブルレッグのサトシをがぶるパトリッキー。サトシは引き込むが離れるパトリッキー!  スタンドで圧力をかけるパトリッキー。サトシも接近戦で右を狙う。左ジャブを突くサトシ。かわすパトリッキーは、右ロー。かわすサトシとともに右が交錯も当たらず。左から右ストレートを伸ばすパトリッキー。スイッチからオーソに戻す。  左アッパーを突くサトシ。右カーフを当てるパトリッキーが前に。カーフをカットせずに左に回るサトシは遠間からダブルレッグも、素早い反応で両足を後方に飛ばすパトリッキー。サトシの右に合わせて右跳びヒザをアゴにヒット! ダウンしたサトシにパウンドも離れてグラウンドを徹底して避ける。  3R、サトシの左ジャブに左ハイを合わせるパトリッキー。さらに詰めて右カーフキック! 片足になり倒れたサトシに、パトリッキーはパウンド。レフェリーが間に入った。  危なげなくサトシを下し、GP1回戦を突破したパトリッキーは、2回戦のアレクサンドル・シャブリー戦に向け「ただ自分の仕事をして勝利するのみ。朝倉未来に感謝したい」と語った。  試合後、スコット・コーカー代表は、「サトシが不利な状況で試合を受けてくれて感謝したい。彼としても残念だったと思う。もう一度、Bellatorに招待して試合を組めればと思う」と語った。また、スクランブル参戦のサトシも試合後に、序盤に拳を痛めて、パンチもクラッチも出来なかったことを明かしている。 [nextpage] ▼第4試合 Bellator世界フライ級選手権試合 5分5R─堀口恭司(アメリカントップチーム)31勝5敗1NC[1R 0分25秒 ノーコンテスト] ※堀口の偶発的なアイポークにより神龍が続行不可能─神龍 誠(神龍ワールドジム)16勝1敗1分1NC  5分5Rの初代Bellator世界フライ級王者決定戦。  32歳の堀口は、UFCフライ級で世界王座挑戦後、Bellatorバンタム級で日本人初の世界王者となる。初代・第4代RIZINバンタム級王者。2022年大晦日の前戦でフライ級に戻し、扇久保博正に判定勝ちしている。  23歳の神龍は、10連勝中のDEEPフライ級王座&CFFCフライ級王座の二冠王。レスリングベースで高い身体能力を持ち、ギロチンチョーク、ニンジャチョークなどのがぶりからの首系の極めを持つ。  1R、サウスポー構えの神龍に、オーソドックス構えの堀口。中央を取る堀口。右ハイをガード上に当てる。さらに堀口の左の飛び込みから右、避ける神龍も右を振るが、堀口の左指が目に入り、中断。  神龍がドクターチェック。「偶発的なアイポークにより試合を継続できない」として、1R 25秒ノーコンテストとなった。神龍はタオルを頭にしゃがみ込む。堀口はその神龍に歩み寄り、握手をして別れた。  試合後、スコット・コーカー代表は「近いうちに同じ試合を米国のBellatorケージで出来ればと思う」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 女子フライ級 5分3R〇渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)2位 12勝2敗1分[判定3-0] ※29-28×3×ヴィタ・アルテイガ(米国)7位 7勝6敗  Bellator女子フライ級3位にランクされる渡辺は、柔道時代に全日本指定強化選手としてオリンピック選考会に3度出場するなど社会人柔道で活躍。  2017年にMMAデビューするとDEEP JEWELS、RIZINを主戦場に活躍。2021年にBellatorと契約し、初戦でイララ・ジョアニに3R TKO勝ち。2戦目でアレハンドラ・ララにスプリット判定勝ちで連勝。2021年6月に現王者のリズ・カムーシュに1R TKO負けを喫するも、2022年5月のデニス・キールホルツ戦で三角絞めによる一本勝ちで復活を遂げた。  しかし、2023年4月の前戦ハワイ大会では、地元のイリマ・レイ・マクファーレンにスプリット判定負け。今回は、Bellator女子フライ級王座に挑戦経験もある強豪アルテイガを相手に3カ月ぶりの再起戦に臨む。  日本での試合は、2019年12月の『BELLATOR JAPAN』でのジョアニ戦以来、3年半ぶり。ホームでの試合となる渡辺は、「身近な人に生で試合を見てもらえる」と言い、柔道時代には挫折した世界の頂きに、三十代でMMAで挑戦する姿で勇気を与えたい、と語っている。  柔道衣を着て入場の渡辺は、ケージに入って前転。コールに右手で胸を叩く。アルテイガは両手でハートマーク。  1R、サウスポー構えの渡辺と、オーソドックス構えのアルテイガ。遠間から右で差して押し込む渡辺。首相撲ヒザ。右奥襟を掴もうとするが、剥がすアルテイガ。  右前手を突く渡辺。右を返すアルテイガにじりじりと詰めて左ストレート! そこに右を返すアルテイガに組んでスタンドバックについて右足をかける渡辺だが、右手首を掴んで正対するアルテイガ!  なおも左を突いて詰める渡辺。そこに近い距離で左フックはアルテイガ。左前蹴りを当てる渡辺だが、前に出ると右を被弾! さらに左フックも。  ダブルレッグで詰める渡辺は右で差して内股狙いも凌ぐアルテイガ。離れて渡辺は左ハイをガード上に当てる。左右を果敢に突く渡辺だが、頭の位置が変わらず、打ち終わりにアルテイガの右もヒット。  ダブルレッグから差して右足技でテイクダウンは渡辺! 最後にパウンドで初回を終えた。  2R、前手の右フックから詰めてスタンドバックを奪った渡辺だが、正対するアルテイガ。打ち合いからダブルレッグ、シングルレッグに切り替える渡辺に足を抜くアルテイガ。 ここも退かずに左右を突いて前に出る渡辺はシングルレッグでテイクダウン! 左足を挟んで腰を抱いて引き寄せるが、アルテイガは頭を押して足を抜く。  スタンド。アルテイガの右が減るなか、渡辺は右を突いて足払い。シングルレッグから押し込み、アンクルピックから奥足の足首を掴んで寝かせようとするが、立ち上がるアルテイガ。なおも右足首を掴む渡辺に、細かい右を突くアルテイガが立ち上がりゴング。  3R、解説のジョン・マッカーシーのジャッジは1Rを互いに取り合うイーブン。グローブタッチ。右を先に入れる。右を返すアルテイガにシングルレッグからスタンドバックにつこうとする渡辺だが、正対するアルテイガ。  右を突いて、ダブルレッグは渡辺。金網に尻を支点に倒れないアルテイガ。詰める渡辺はまたも足元を手繰るが、そこにヒジはアルテイガが切る。  スタンド。右を当てるアルテイガに、渡辺は右ジャブ、ダブルレッグも切るアルテイガに左ストレートの渡辺。右を返すアルテイガにダブルレッグも、そこをがぶり首をとらえて寝かせたアルテイガ!  下になる渡辺は背中を着かされ、下になり腕十字を狙うが、パスしたアルテイガに亀になる渡辺。パウンドするアルテイガにヒザを立てて立ちあがった渡辺が立ち上がりゴング。終盤に厳しい展開を強いられた渡辺。  判定は3-0(29-28×3)で渡辺が勝利。厳しい戦いを前に出ることで勝利を掴んだ渡辺は、「タフな戦いになることは、一本取ると言っていましたが、シーソーゲームになることは分かっていました。一本取れずすみません。(カモーシェとのリマッチ)もちろん狙っています。ベルトを獲って、男子のフライ級と(あわせて二階級を日本にとどめたいです」と語った。  試合後、スコット・コーカー代表は渡辺のタイトル挑戦について「次のタイトル戦の勝者と戦わせることはあると思う」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 5分3R×ダニー・サバテーロ(米国)5位 14勝3敗[1R 3分55秒 ギロチンチョーク]〇マゴメド・マゴメドフ(ロシア)4位 20勝3敗  注目のバンタム級戦(5分3R)。  アメリカンフォークスタイルレスリングと、ダゲスタンレスリングの猛者同士の戦い。ともにバンタム級ワールドGP準決勝進出者で、今回は事実上のGPの“3位決定戦”となる。  サバテーロはアメリカントップチーム(ATT)で堀口恭司の盟友。WGPでは、2022年4月大会のワイルドカードで、8戦無敗のジョネル・ルゴに判定勝ち。6月のレアンドロ・イーゴとの準々決勝で、イーゴにテイクダウンを決め続け、判定3-0で勝利。  バンタム級GP準決勝では、同級暫定王者のラフェオン・ストッツと判定1-2に割れる僅差で惜敗。組みも強いストッツをケージレスリングでは上回っていたとの声も高く、2023年4月にはマルコス・ブレノにリアネイキドチョークで一本勝ちし、再起を遂げている。  対するマゴメドフは、サバテーロ同様にストッツに判定負けも、エンリケ・バルゾラに一本勝ち。GP準決勝ではパッチー・ミックスのギロチンチョークに敗れている。  ダゲスタンで散打をベースにレスリングも習得し、北米ヒカルド・アルメイダ&マーク・ヘンリーにも師事するマゴメドフは2011年にプロMMAデビューし、19勝3敗。  サバテーロは高校レスリングでイリノイ州王者に2度輝き、パデュー大学時代にはNCAAディビジョン1で活躍。フォークスタイルレスリングをベースにATTでMMAに取り組み、2018年にプロMMAデビューし、14勝2敗の戦績を残している。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央に詰めるのはマゴメドフ。セコンドにはマゴメドシャリポフがつく。右カーフのマゴメドフ。左ハイでけん制したサバテーロ。遠間からダブルレッグ。がぶるマゴメドフだが、脇を潜り、スタンドバックにつくとリフトして両手を着かせてシングルバックへ。  背後からリアネイキドチョーク、肩固め狙い。さらに片足をかけてチョークを狙うが、中腰で前に落としたマゴメドフ! しかしすぐに立ってシングルレッグはサバテーロ。  スタンドに戻っても右を振って前に出るサバテーロ。金網まで押し込むが、その組みにマゴメドフは、引き落としから頭を下げさせて、ニンジャチョーク気味のフロントチョークで仰向けにさせて押さえ込み、アームインギロチン! クローズドガードに入れて絞ると、サバテーロがタップした。  見事、得意のギロチンチョークで一本勝ちしたマゴメドフは、「チャンスが来たら絶対、逃さないようにした。サンキュー、ジャパン! イタリアン・ギャングスターをダゲスタン・ギャングスターが倒した! タイトルマッチがしたい」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 ウェルター級 5分3R〇アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)7位 27勝4敗[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ロレンツ・ラーキン(米国)8位 25勝8敗2NC  ウェルター級トップ10ランカー対決。  2019年の『Bellator JAPAN』で、中村K太郎に判定勝利しているラーキンは再来日。元同階級王者のコレシュコフとの2019年10月以来の再戦に臨む。3年前に初対戦した時は互いにダウンを奪い合う一進一退の攻防の末、スプリット判定でラーキンが勝利を収めている。  コレシュコフは、ラーキンにスプリット判定で敗れた後、アドリアーノ・ロドリゲスに腕十字で一本勝ち、サバ・ホマシに判定勝ち、チャンス・レンカウンターに1R、右後ろ廻し蹴りでTKO勝ち、2022年6月の前戦では「Shlemenko Fighting Championship 4」でレオナルド・シウバに2R TKO勝ちで4連勝を飾っている。  対するラーキンは、K太郎戦でBellator4連勝をマーク後も、ハファエル・カルバーリョにスプリット判定勝ち、カイル・スチュワートに2R、グラウンドヒジでTKO勝ち、2023年2月の前戦ムハメド・ベルハモフ戦では1Rに右ヒジで失神KO勝ち。当時15勝1敗のベルカモフに9年半ぶりの黒星をつけて7連勝をマークしている。  1R、ともにオーソドックス構え。右を振って前に出るラーキンに、コレシュコフは前手の左フックを狙う。右ロー、右後ろ廻し蹴りを見せるコレシュコフ。右ローをヒット。左ボディ、右ハイをガード上に当てる。右アッパー、左フックで前に出るラーキンをさばくコレシュコフ。  右カーフを当てるコレシュコフに詰めるラーキンは左ミルハイ。さらに右フックも、かわしたコレシュコフがダブルレッグテイクダウン!  両足で束ねて腰を抱くコレシュコフに上体は金網に立てて座るラーキン。右足を抜くが、再び足で両足を束ねるコレシュコフ。残り10秒で放し際に左右を狙うが、さばくラーキンが前に。  2R、右ロー、左ジャブから右フックのダブルで前に出るラーキンは右ヒジも。ガードし金網背にさばくコレシュコフは右後ろ蹴りを腹に突く。  右バックヒジを突くコレシュコフ。ラーキンは右ロー。コレシュコフも右ローを当ててダブルレッグに。差し上げたラーキンに左で差して金網に押し込むコレシュコフ。  ラーキンは肩パンチ。右で差しに変えたコレシュコフはシングルレッグも金網背に耐えるラーキン。コレシュコフはバックヒジで離れる。前に詰めるラーキンは左フック。さらに右ヒジ! 下がるコレシュコフに詰めるラーキンは金網まで前進も左で差し返したコレシュコフが体を入れ替える。  押し込まれるラーキンは金網背に右で小手巻き。離れ際に右ヒジを突く。  3R、左ジャブ&右ローで詰めるラーキン。左回りでさばくコレシュコフは右ロー。左フックをヒット。さらに右ロー。大きく踏み込んでのダブルレッグでテイクダウン! ここも金網背に上体を立てるラーキンは腰をつかむコレシュコフの頭にヒジ。腰を抱くコレシュコフの頭を押し込み、スイッチ狙いから立ち上がり!  左ミドルハイのラーキンは、ボディから左、右ヒジで前に。さらにコレシュコフの頭を下げた入りに左ヒザ! しかしもらいながらもコレシュコフはダブルレッグテイクダウン。みたび金網背に上体を立てるラーキンは背中を譲って立ち上がり。肩を入れて正対して金網背にするラーキンにコレシュコフは足を手繰って押し込みゴング。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)でテイクダウンを仕掛けたコレシュコフが勝利。ラーキンもスムーズな打撃と巧みなテイクダウンディフェンスを見せたが、コレシュコフが粘り強い戦いで4年前のリヴェンジを果たした。
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