「プロになったきっかけ? 他人が自分の経費を持ってくれる上に、ファイトマネーももらえるなんてって(笑)」
━━試合を控えた心境を教えてください。
「素晴らしい体調です。日本のファンの皆さんに素晴らしい試合をお見せしたいと思います、楽しみです」
━━「Bellatorパート」ながらRIZIN初参戦となります。日本に来たのは初めてでしょうか。
「初めてです。小さい頃にPRIDEを見ていたので、いつか日本で試合をしたいと思っていました。Bellatorにも感謝したいと思います」
━━17歳でプロを志したそうですが、プロになりたいと思ったのは、なぜですか。
「若い頃から戦うことを覚え、最初はフリーで、自分で旅費から滞在費から全て払ってやっていたんですけど、ある日、プロモーターが『金をやる』と言ってそういった諸経費を持ってくれるようになったんですね。『お金を払うから戦わないか』と。自分は『やった!』と思ってそこに乗ったわけなんですけど(笑)、それが“プロになる”という意味だと自然とそうなってしまっていました。他人が自分の経費を持ってくれる上に、ギャラももらえるなんてって(笑)。それがプロになったきっかけです」
━━なるほど。現在の練習環境を教えてください
「ダゲスタンでは、ハビブ・ヌルマゴメドフのお父さん、アブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフが作った『ヌルマゴメドフMMAスクール』で練習をしています。めちゃくちゃ強いファイターがたくさんいて、ハードなトレーニングが出来ています。今回はものすごいタフなレスラーとも練習して、対戦相手に備えてきました。日々のたゆまぬ鍛錬が今の私を作っていると思います」
━━では、今回の対戦相手のサバテーロの印象をお願い致します。
「タフファイターです。レスリングベースの選手なので、激しいスクランブルであったり、タフな試合になると思っています。たくさんのグラップリングやレスリングの展開になると思っています。日本のファンにはスタンドファイトが好まれるかと思うけど、ハイレベルなレスリングを楽しんでもらえると思います」
━━ところで、なぜこんなにダゲスタンの選手が強いのか。よろしければ秘密を教えてください。
「それは……我々の文化にのなかに流れているからです。ダゲスタン共和国は“山の民”で、街を歩いているだけでもみんな何かしらのファイト経験者だったりして、街を歩いている人にプロファイターが負けると言うことだってありえる。みんな戦い方を知っている、みんな“レッスル”の仕方を知っているんです。小さい頃からレスリングスクールに入ることも多く、そこでトップになかなか登れない選手が他の格闘技に流れたりということもあります。レスリングのバックグラウンドが多く、MMAでもそういう選手が活躍している傾向です。みんなハイレベルな競技大会を経験をしていることが多く、ディシプリン(規律)があり、ハードに練習している。そういうもことがカルチャーとして根付いているんです。みんなが格闘技に触れています」
━━Bellatorで同じバンタム級トーナメントに出ていた堀口恭司選手がフライ級に転向しましたが、マゴメドフ選手もフライ級に興味はありますか。
「堀口恭司選手はレジェンドですし、UFCはもちろん、キャリアを通して彼の戦いを見てきました。私は(今バンタムでやっているが)57kg(フライ)に行くくらいなら、66kg(フェザー)に上げる方が自分にはいいですね、57kgは軽すぎます。ともあれ、彼のフライ級での活躍を祈っています」