MMA
インタビュー

【修斗】藤井伸樹「自分の展開に持ち込むだけ」×ONEから修斗に帰還の竹中大地「バンタム級戦線に割り込んでいけるように」=7月23日(日)後楽園

2023/07/23 12:07
 2023年7月23日(日)東京・後楽園ホールで開催される「プロフェッショナル修斗公式戦 2023 Vol.5」のセミファイナルにて、修斗最激戦区の“黄金のバンタム級”にONE Championshipで活躍した竹中大地(パラエストラ和泉)が帰還。激闘の連続で“最も戦いたくない男”の異名を取る現環太平洋王者・藤井伸樹(ALLIANCE)とのノンタイトル戦が行われる。 ▼バンタム級 5分3R藤井伸樹(同級環太平洋王者/ALLIANCE)60.8kg竹中大地(パラエストラ和泉)※元同級環太平洋王者 61.0kg  松根良太、外薗晶敏、上田将勝、扇久保博正等、その時代毎に最強と呼ばれる歴代王者の中でも最強と呼び声が高い堀口恭司の後に台頭してきたのが、竹中大地。  竹中は2013年のプロ修斗デビュー戦から無敗のまま新人王を獲得。岡田遼、エダ塾長こうすけ、金海裕輝、佐藤将光、小蒼卓也を相手に5連勝を飾り、VTJでも土肥 聖帝 潤、ジョン・チュンイル、アラン・フィルポットに勝利している。  修斗で一気に環太平洋王者に駆け上がり、その後は主戦場をONE Championshipに移し、ONEバンタム級(※水抜き禁止の65.8kg)初戦で元コンテンダーのキム・デファンを下すと、レアンドロ・イッサをTKO、その後、ユサップ・サーデュラエフにスプリット判定で敗れてONEフライ級(※61.2kg)に変えてイヴァニルド・デルフィノにリアネイキドチョークで一本勝ち。  コロナ禍で試合が減るなか、2021年10月の『Road to ONE』で和田竜光と熱戦の末、スプリット判定負け。今回、約2年の沈黙を破り約7年ぶりに修斗のリングに上がることになった。 竹中「藤井選手の映像を見続けて、いまではちょっとファンになりそう(笑)」  前日計量で竹中は、61.0kgでパス。ONE時代とは異なり「水抜き」を行った上でも張りのあるバンタム級の身体を見せた。  計量後に話を聞くと、「久々の“水抜き”やったんですけど、で絶対にミスらないようにして、欲張ったらもっと水抜き量を増やすことも出来たんですけど、コンディションよく動けるようにしてきました」と、ぎりぎりの水抜きはせずに身体を作ってきたという。 元環太平洋王者として、約7年振りに修斗に復活する試合が、現環太平洋王者になったことについて、「いきなり熱いカードが決まったな、という感じです。2年ぶりの試合で、どういうマッチメークで来るかな、肩慣らし的なカードになるんだろうか、とも思ってたんですけど、そんなぬるい話はなくて、よかったです」と、気合を漲らせた。 “格闘ゾンビ”ともいわれるタフファイターの藤井の印象は、「最初は“激闘してる選手だな”という感じだったんですが、映像を見るたびに“いい選手だな”という気持ちがつのり、いまではちょっとファンになりそうなくらいです(笑)。藤井選手を、藤井伸樹を体感したい、そういう気持ちで試合がもう楽しみです」と目を輝かせる。  昨年11月に藤井は王者・石井逸人とのフルラウンドの死闘を制して環太平洋のベルトを巻いた。そのスクランブルに対して、サウスポー構えの竹中はいかに戦うか。 「相手がスクランブルできないようなゲーム展開なら普通に勝てるし、スクランブルになっても競り勝つのがMMAの面白さ。どちらでもいける準備はできています」と、スクランブルを断ち切ること、スクランブル戦でも競り勝つことの両方の自信を見せる。 「いろいろなタイミングもあり、この2年間、試合をしていないし、その前も試合が多かったわけでもないので、4年近くで2試合しかしていない現状なので、とりあえず試合をしていきたい。この試合後も出来るならコンスタントに試合をして、33歳ですが、キャリアはまだまだこれから。身体も心も元気なんで、自分は“若手”の気持ちです。どんどんコンスタントに試合をしていきたいです」と、失われた時間を取り戻すつもりだ。  バンタム級の環太平洋王者は藤井、世界王者には現在ONE FFに参戦中の安藤達也がいる。さらにRIZINも含め、層の厚い階級のひとつだ。「まずは、7年ぶりの修斗ということで、強くなった姿を修斗ファンの皆さんにお見せしたいと思います。バンタム級は国内でも盛り上がっていますし、そこに割り込んでいけるような活躍をしていきたいです」と、日本復帰戦で勝利し、その先も見据える。 [nextpage] 藤井「タイトル戦と変わらない大きな一戦」  対する王者は“全ての試合が激闘”の藤井伸樹だが、それを可能にさせるトレーニングと進化がある。  後藤丈治、加藤ケンジとサウスポー構えのストライカーを攻略している藤井は、テイクダウンにおいてもシングルレッグから小外の得意パターンに加え、ダブルレッグテイクダウンなどバリエーションも見せており、2022年11月に行われた石井逸人との環太平洋バンタム級王座戦では、目まぐるしく攻守が入れ替わる、全ラウンドフルスロットルの大激戦の末に、スプリット判定を制している。  2022年度「ベストバウト賞」を獲得した藤井は今回、スタンドからグランドワークまで全ての局面で穴のない竹中を相手にどう戦うか。 「ものすごく強い選手だとは知っていて“どうなるのかな”という楽しみな気持ちもありますし、最後まで集中力を切らせられない戦いになるだろうなと思っています。プレッシャーもありながらも、楽しみな気持ちもあるという感じです」と、世界と戦ってきた強豪相手との試合を「楽しみ」と語る。  実は“春高バレー”にも出場したアスリート。そのフィジカルの強さを聞くと「高校時代には(バスケットボールの)リングを掴めました」と明かしてくれた。今回の竹中戦に向けても、もっとも苦しい練習から逃げずに取り組んできた。 「全体的に強化してきたつもりですが、フィジカルの部分、打撃の部分、自分の持ち味であるスタミナを強化──そこはしっかりやってきました」という藤井は、竹中の2試合6Rに対し、4試合12Rを戦ってきた。 「今回、ノンタイトル戦ですけど、ほんとうタイトル戦と変わらない大きな一戦だということは間違いないです」と、コンテンダーと認める相手に「とにかく自分の展開に持ち込むこと──それをやるだけだと思っています」とシンプルに力強く語っている。  真夏の修斗・後楽園で最後に立っているのは竹中か? それとも“ゾンビ”藤井か?
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