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【K-1】和島大海がピケオーをKO、海人との対戦をアピール!KANAも秒殺KO、93秒KOの野杁が世界強豪との対戦アピール、軍司と菅原が判定勝ち、与座が43秒KO勝ち

2023/07/17 11:07
AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 20232023年7月17日(月)東京・両国国技館 ▼第21試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇和島大海(月心会チーム侍/K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者)KO 2R 2分17秒 ※レフェリーストップ×ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym/挑戦者)※和島が2度目の防衛に成功。  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月はメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。2023年3月には最強の挑戦者と目されていたジョムトーンを延長戦でKOし、K-1では6連続KO中。戦績は19勝(16KO)4敗。  ピケオーは2015年5月に初来日し、佐藤嘉洋をKOして注目を集めた。同年7月の『K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント』では決勝でマラット・グレゴリアンに敗れるも、1回戦と準決勝はKO勝ちして準優勝。その後は日菜太、木村“フィリップ”ミノル、野杁正明といった国内強豪たちを軒並み撃破し、日本人相手に無敗を誇っていたが2020年3月に久保優太に判定負け。2016年4月に奪取したKrushスーパー・ウェルター級王座は5度の防衛に成功している。2023年3月、約3年ぶりの来日を果たし、アビラル・ヒマラヤン・チーターを3RでKOした。戦績は48勝(22KO)8敗1分。  両者は2018年9月のKrushで対戦しており、この時はピケオーが判定2-0で辛勝している。  1R、サウスポーの和島はまず左ミドル、続いて前蹴り。ピケオーも前蹴りを返す。和島は左ミドルを蹴っていき、左ストレートにつなぐ。ピケオーの蹴りをかわし、左ロー、左インローも蹴る和島。蹴りと左右フックで前へ出るピケオーに和島はクリンチ。離れると和島はジャブ、左ミドル、ヒザ蹴り。ピケオーは右ストレートを打って来るが、和島はよく見てかわす。  2R、ピケオーが一気に前へ出て左右フックとヒザで畳みかける。和島は左ハイキックとヒザで反撃。左ハイを蹴ってすぐにヒザ、さらに左ローを蹴るとピケオーの動きが止まる。このチャンスに和島は左ロー連打、ヒザ蹴りから左ハイ。そして左ローの徹底連打でピケオーは棒立ちに。  ピケオーの左右フックの反撃はかわし、和島は今度は左ストレートの連打。ロープを背負ったピケオーの腰が落ち、レフェリーはダウンを宣告。再開後、前蹴りから左右連打でラッシュする和島。一方的な展開にレフェリーがストップした。  ピケオーを相手に完全勝利を収めた和島はマイクを持つと、「メインちゃんと締まりました? よかったです、KOで。今日は海の日なんですが、僕の名前が大きな海と書いて大海(ひろみ)なので今日は大海の日ということでよかったです。海のように大きな器を持った優しくて強い人間になります。いい名前を付けてくれてお父さん、お母さん、ありがとうございます。こんだけ言ったらお小遣いもらえるでしょう(笑)。海の日のつながりで、海人選手に勝てる日本人は僕しかいないでしょう。海外でのタイトル町決まっていると思うんですけれど、ぜひ勝ってもらっていつか僕とやりましょう」と、海人との戦いをアピール。  最後は3、2、1で「ワジマックス」(腕を十字の形にする)で締めくくった。 [nextpage] ▼第20試合 K-1女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP女子フライ級王者)KO 1R 0分52秒 ※左ミドルキック×マッケンナ・ウェイド(イギリス/Millennium Martial Arts/WAKO K-1ルール世界選手権女子-52kg優勝)※KANAが3度目の防衛に成功  KANAはK-1女子部のエースとして活躍。2016年4月に第2代Krush女子フライ級王者となり、同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。2020年11月にノンタイトル戦で壽美に判定で敗れ、しばらくリングから離れていたが2022年2月に復帰。  6月のK-1女子大会でスーリ・マンフレディと倒し倒されの激闘を演じて最後はKO勝ち。12月には元Enfusion女子ストロー級王者オロール・ドス・サントスを初回KOに沈めると、2023年3月にはフンダ・アルカイエスをカーフキックでKOして2度目の防衛に成功した。戦績は21勝(10KO)3敗。  ウェイドは10代の頃からアマチュアで活躍し、WAKO K-1ルール世界選手権女子-52kg優勝、WKO K-1ルール欧州女子-52kg王座を獲得。ボクシングルールの試合にも出場している。まだ20歳で戦績は7勝(3KO)4敗。  1R、前に出てくるウェイドはジャブ、右フック、右ミドル。KANAもジャブを突いて右ミドル、ステップインしてのワンツーを当てる。それでも強気に前へ出ようとしたウェイドに、KANAは右カーフキック。これに一瞬バランスを崩すウェイド。するとKANAは前へ出て左右ボディから左インロー、一度離れると得意の右オーバーハンドを叩き込む。ウェイドは左の目じりから出血が見られる。  再び前へ出てきたウェイドは右インローを蹴るが、すかさずKANAが左ミドルを蹴り返す。この一発でウェイドは崩れ落ち、うずくまったまま立てず。完全にボディを効かせてKANAが秒殺KOで3度目の防衛に成功した。  KANAはマイクを持つと「K-1の王者はやっぱりKOじゃなければダメでしょう。自分はこのベルトと共に世界最強を目指します。世界最強のアニッサ・メクセンにめちゃくちゃラブコールを送っているので、今年の12月、大阪で実現させたいと自分は思っているので、みなさんたくさんのパワーをください。今日の試合も短い時間でしたけれど課題もあるので、しっかり次に向けてやっていきます」と、目標としていたアニッサ・メクセンと12月に戦いたいとアピールした。 [nextpage] ▼第19試合 スーパーファイト -69.5kg契約 3分3R延長1R〇野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPウェルター級王者)KO 1R 1分33秒 ※右ミドルキック×アマンシオ・パラスキフ(ルーマニア/Amansio Fight Club/SUPERKOMBAT世界ミドル級王者)  野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。  翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れるが、2023年3月にジャバル・アスケロフを1Rわずか2分でKOして復活。戦績は48勝(24KO)11敗。  1R、サウスポーに構える野杁は左ミドルを蹴るが足を滑らせてスリップ。パラスキフはジャブを突き、前へ出て右ストレートを放つが、オーソドックスに戻した野杁の右カーフに大きくバランスを崩す。野杁はガードを固めて前へ出てプレッシャーを与えると、右カーフを蹴り、サウスポーになったパラスキフに右ミドル一閃。パラスキフはこの一発でマットに沈み、野杁の秒殺KO勝ちとなった。  野杁はマイクを持つと「なかなか相手が決まらない中、来日してくれて対戦してていただき感謝しています。今までは来るもの拒まずでオファーあれば誰とでも試合を受けていたんですけれど、もういいしょう。さすがに世界の強豪と戦わせてください。そして僕に選ばせてください。これからは世界のトップとしか試合していかないので、これからの野杁正明が世界に挑戦していく姿を楽しみにしていてください」と、今後は世界の強豪とした戦わないと宣言した。 [nextpage] ▼第18試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3×ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ/ウォーワンチャイプロモーション/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位)  軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。2022年2月には武尊とエキシビションマッチで拳を交え、8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では優勝。12月にはワン・ジュングァンを判定で破り、2022年を5戦全勝で終えて『K-1 AWARDS 2022』ではMVPを獲得。2023年3月にはムエタイのトップ選手ヴュー・ペッコウーソンを判定に破り、初防衛に成功した。戦績は22勝(6KO)5敗1分。  ダウサヤームは軍司より身長が8cm高く(軍司167cm、ダオサヤーム175cm)、66勝(19KO)5敗の戦績を持つ26歳。元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位で、2017年から日本で試合を行っている。計量級トップ選手たちに連勝して日本人キラーと呼ばれ、2020年にはKNOCK OUTで安本晴翔と対戦して判定2-1で敗れるも接戦を演じた。現在は石井一成と同じジムで練習を積んでいる。  1R、軍司はいきなり左ボディからワンツー、左右フック、左右ボディと倒しにかかる。ヒザを入れるとダウサヤームもヒザを返す。左右の連打を叩き込む軍司は、離れようとするダウサヤームを逃がさない。しかし、ダウサヤームも足払いで鮮やかに軍司をコカしてみせる。前に出る軍司には思い切り右ストレートを放ち、左ミドルを蹴る。軍司はステップを踏んで左インローを蹴っていき、中盤には再び左右ボディと左右フックでラッシュを仕掛ける。ダウサヤームは思い切り右フックを返し、ヒザで迎え撃つ。  2Rも距離を詰めて左ボディから右フックとアグレッシブに攻める軍司。ダウサヤームはヒザで応戦する。軍司は右ストレートを叩き込むと左右ボディ、アッパーでラッシュを仕掛け、ダウサヤームはガードを固めながらも打たれっぱなしにはならず左右フック、プッシュで突き放す。ダウサヤームが前に出てくると、軍司はカウンター狙いか下がって様子を見る。再び前に出る軍司はワンツーから右アッパー、コーナーに詰めると左右ボディとヒザ。ダウサヤームも左右フックで反撃するが、軍司ペースで進む。  3Rも前に出る軍司にダウサヤームは左右のミドル、軍司はローを蹴っていき、左右ボディから左フック。ロープを背負わせて猛攻を加える軍司だが、ダウサヤームもボディを打ち返してくる。軍司のパンチは当たってはいるが、ダウサヤームは打たれ強く必ず返してくる。軍司の強打にダウサヤームも強打で応え、軍司も打ちまくる。ダウサヤームの左フックをダッキングでかわしての軍司の右ストレートがクリーンヒット。バランスを崩すダウサヤームだが持ちこたえる。  打ち合いは最後まで続き、倒すことは出来なかったがジャッジ三者とも30-27と軍司の圧勝となった。 [nextpage] ▼第17試合 スーパーファイト K-1女子アトム級 3分3R延長1R〇菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP女子アトム級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×ディミトラ・アガサゲリドゥ(ギリシャ/IFMA世界選手権女子-45kg級準優勝)  菅原は2019年1月にプロデビュー。2020年11月の「女子アトム級王座決定トーナメント」決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就き、これまで3度の防衛に成功。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」決勝でパヤーフォンに敗れたが、2023年3月のタイトルマッチでの再戦でリベンジし、K-1王座に就いた。戦績は11勝(1KO)3敗。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。  アガサゲリドゥはキックボクシング、ムエタイでギリシャのタイトルを獲得したほか、全ギリシャボディビルおよびフィットネス連盟のフィットネス チャレンジにも出場。また、2021年のInternational MMA FestivalではMMAとグラップリングの試合にもチャレンジしている。2022年6月にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催された2022年IFMA世界ムエタイ選手権で、シニアエリート女子-48kg級でギリシャ代表として史上初の銀メダルを獲得した。アマチュアムエタイでは33勝(8KO)4敗、プロでは8勝4敗の戦績。  1R、アガサゲリドゥは出入り速くワンツーでどんどん前へ出る。菅原は距離をとって左ミドル、アガサゲリドゥが近付くとワンツー。菅原はジャブを突いて右ストレートを打つと、アガサゲリドゥも右を打ち返してくる。アガサゲリドゥが前に出るところには菅原が左右ミドル。さらに前蹴りで突き放してからのテンカオ。左ミドルやヒザを織り交ぜながら、右ストレートや左フックを打つ菅原。鋭いヒザ蹴りが何度もアガサゲリドゥのボディに突き刺さった。  2R、菅原は前に出て前蹴り、ジャブでけん制しながら前蹴りを顔面とボディに放つ。アガサゲリドゥは左フックを打つが、リーチ差はいかんともしがたい。菅原は前足重心と後ろ足重心を使い分け、前足の時はボクシング、後ろ足の時は前蹴りとミドルを放つ。前に出てくるアガサゲリドゥに前蹴りとミドル、さらにはヒザを合わせる。離れれば左右ミドルだ。ボディへのヒザ蹴り連打でアガサゲリドゥを後退させる菅原。さらには右ローを連打すると、これもアガサゲリドゥは嫌がる。完全に菅原のペース。  3R、アガサゲリドゥはジャブを出しながら前へ出ていくが、菅原に前蹴りやミドルで突き放される。どんどん前へ出てワンツーを打つアガサゲリドゥは菅原にパンチを当てる場面もあるが、菅原は右ローで後退させる。加えてジャブ、前蹴り、左ミドル。前へ出るのはアガサゲリドゥでパンチを当てる場面もあるが、菅原はバックステップでかわし、蹴りで突き放す。菅原も左フックを返す。前蹴り、右ロー、左ミドルでペースを握る菅原。アガサゲリドゥも最後まで諦めずパンチで前へ出続けた。  判定は3-0で菅原の勝利。しかし、菅原は満足のいく内容ではなかったのか、勝ち名乗りを受けても笑顔はなかった。 [nextpage] ▼第16試合 スーパーファイト -63.5kg契約 3分3R延長1R〇与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPライト級王者)KO 1R 0分43秒 ※左ミドルキック×エークモンコン・ガイヤーンハーダオ(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)  与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月のK-1でいきなり朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。8月には篠原悠人をKO、12月にはエークピカートに判定勝ち。2023年3月の朝久との再戦で勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座に就いた。6月にはアーロン・クラークにも勝利してK-1グループで負けなしの6連勝中。戦績は15勝(6KO)2敗。  エークモンコンは元ルンピニースタジアム認定フライ級王座、元プロムエタイ協会スーパーフライ級王座、元WMC世界バンタム級王座とムエタイで3つのタイトルを獲得。タイでは元ONE Championship世界フェザー級王者スーパーボン、パンパヤック、プラジャンチャイといった超一流選手たちとしのぎを削ってきた。戦績は61勝(11KO)22敗4分。  1R、与座は右ローから三日月気味の左前蹴り、また右ローから左の蹴り上げと前へ出ていく。エークモンコンは与座が足を上げると左足を上げてディフェンスの体勢。与座が左ハイのあとに放った左ミドルがクリーンヒットし、エークモンコンはダウンして動けず。与座が“一撃”KO勝ちを収めた。  与座はマイクを持つと「6月本当に悔しくてそこから倒せるようにKRESTのトレーナーさんたちとゼロから作り上げてきました。倒せてよかったです。そして今回、絶対にKOで8野杁)正明さんにつながないといけないと思っていて、つなげてよかったです。9月の横浜あるみたいなんですけれど、自分も出たいのでこの通りノーダメージなのでオファーください」と連続出場をアピールした。 [nextpage] ▼第15試合 スーパーファイト K-1クルーザー級 3分3R延長1R×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/第2代K-1 WORLD GPクルーザー級王者)KO 1R 1分53秒 ※左ボディ〇ステファン・ラテスク(ルーマニア/ISKA世界クルーザー級ジュニア王者)  K-Jeeは福岡を拠点として2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でK-1同級王者シナ・カリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いたが、2021年3月の再戦でカリミアンに王座奪還を許した。2022年4月のK-1無差別級トーナメントでは1回戦でムハマード・サッタリにKO負けを喫し、8月大会では谷川聖哉に判定負け。今回は約11カ月ぶりの復帰戦となる。戦績は21勝(18KO)13敗。  ラテスクはジュニア時代にISKA世界クルーザー級王座に就き、プロではまだ無冠だが14勝(7KO)2敗の戦績を誇る。2022年12月に初来日を果たすと、マハムード・サッタリを強烈な左フックでKOして初黒星を付け、大きなインパクトを残した。2023年3月の2戦目では谷川聖哉にローキックでダウン寸前まで追い込まれるも右フックで逆転KO勝ち。身長187cmでオーソドックス。21歳。  1R、さっそく前に出て左右フックをK-Jeeに浴びせるラテスク。これを凌いだK-Jeeはジャブを返すが、ラテスクは強烈な左ボディ。K-Jeeは左ローを狙っていくが、右フックをもらってダウン。一気に詰めるラテスクがコーナーを背負ったK-Jeeに左ボディ。K-Jeeはうずくまって立ち上がることが出来ず、ラテスクがK-1で3勝3KOをマークした。  圧巻のKO劇で歓声を受けたラテスクは「シナ・カリミアンには今回ちゃんと向き合って欲しいです。大阪でタイトルマッチやりましょう」と、クルーザー級王者カリミアンへの挑戦を表明した。 [nextpage] ▼第14試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R〇谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※30-27×3×AKIRA Jr(フィリピン/Team Aj/蹴拳スーパーミドル級王者)  谷川は第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。2017年5月にキックボクシングでプロデビューし、2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利し、2023年3月のステファン・ラテスク戦ではローキックでKO寸前まで追い込むも逆転KO負けを喫した。戦績は10勝(4KO)7敗1分。  AKIRA Jrはフィリピンと日本のハーフで、関西を中心に活躍する重量級ファイター。これまでRKSクルーザー級と蹴拳スーパー・ミドル級の2本のベルトを獲得している。2022年8月11日、K-1九州大会でK-1初参戦。K-1クルーザー級のトップ戦線で活躍するANIMAL☆KOJIをKOし、12月には加藤久輝もKO。クルーザー級で頭角を現わしていたが、2023年3月に新鋭・星龍之介にKO負けを喫して一歩後退。戦績は15勝(6KO) 9敗1分。  1R、谷川は右カーフを狙い、AKIRA Jrは左ボディ。クリンチになったところで谷川がコーナーへ押し込んでいくと、AKIRA Jrがコーナーポストに背中を強打してしまい試合中断。再開後、AKIRA Jrは右ミドルをヒットさせるが、谷川がワンツーを綺麗に伸ばして顔面を捉える。さらに右で飛び込む谷川。AKIRA Jrはクリンチが目立つようになる。谷川は右で飛び込むと、すぐに右ショートフックでダウンを奪う。谷川がワンツーで飛び込み、パンチを当てていく。  2R、AKIRA Jrはジャブを打つが、谷川は全く下がらず前へ出るためAKIRA Jrがクリンチ。谷川派は右カーフを蹴り、さらにショートの連打。谷川のカーフキックの音が場内に響き渡る。さらに谷川はショートフックからヒザを突き刺す。左インローを蹴り合うが、次のパンチの交換での離れ際に谷川が右ハイキックを放つ。AKIRA Jrはジャブ、谷川はすぐに入って左右ボディ。  3R、AKIRA Jrはワンツーで前へ出たがこれは谷川にかわされる。クリンチの離れ際にAKIRA Jrが右フックを打ち込んだが、谷川はびくともしない。右カーフ、右ミドル、左インローを蹴る谷川。最後まで谷川が優勢のまま、判定勝ちした。 [nextpage] ▼第13試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R×星龍之介(POWER OF DREAM/極真会館第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会第6位)KO 1R 0分58秒 ※3ノックダウン〇カルロス・ブディオ(ブラジリアンタイ/KTK WORLDヘビー級王者)  星は極真会館『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で第6位に入賞するなど空手で活躍してキックボクシングに転向。Krushで2連続KO勝ちし、今年1月のビッグバンでは3戦目にしてBigbangヘビー級王者・坂本英則もKOし、3月にはAKIRA JrもKOした重量級級のホープ。戦績は4勝(4KO)無敗。  ブディオはFIGHT DRAGON BRASIL-90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者で、2018年10月のHOOST CUPで谷川聖哉に判定勝ち、2022年8月のRISEでは安ジェスにKO勝ちして2022年12月にK-1初参戦。クルーザー級王者シナ・カリミアンと対戦して1Rに強烈なパンチでダウンを奪ってKO寸前まで追い込んだものの、2Rに後頭部へのパンチを放ってしまい、反則負けを喫してしまった。今回が2度目の参戦。戦績は18勝(13KO)3敗。 1R、星がじりじりと前に出てブティオをコーナーに追い詰めたが、そこからブティオが左右フック連打で前へ出ると左フックが直撃して星がダウン。すかさず打ちに行くブティオが連打からの左ストレートでダウンを追加。左右フックでラッシュをかけるブティオに星は打ち合うが、何度も身体が泳ぎ最後は右フックで身体が泳いだところでレフェリーが試合をストップした。 [nextpage] ▼第12試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R〇斗麗(WIZARDキックボクシングジム)KO 3R 1分52秒 ※パンチ連打×ヴュー・ペッコウーソン(タイ/Petchkoson Gym/BBTVフェザー級王者)  斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。2021年2月に6戦無敗でKrushフェザー級王者・新美貴士に挑んだが、判定で初黒星を喫した。今年8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で第4代K-1フェザー級王者・椿原龍矢を判定で破り、準決勝ではワン・ジュングァンにも判定勝利して決勝へ進出したが、軍司泰斗にKOで敗れ準優勝。2022年12月に玖村修平に勝利も、2023年3月にRISEとの対抗戦で安本晴翔に敗れた。戦績は12勝(4KO)4敗。  ヴューは64勝(11KO)11敗1分の戦績を持ち、BBTVフェザー級王座、オムノーイスタジアム認定スーパー・フライ級王座、タイ国プロムエタイ協会バンタム級王座を獲得。2017年からムエタイの2大殿堂のひとつであるルンピニースタジアムに上がり、2020年からはテレビマッチ=7チャンネル(BBTV)でも戦っている。コンペットとの直接対決では3勝1敗と勝ち越し。現代ムエタイ軽量級の最高峰に位置している。2023年3月、K-1初参戦にしてフェザー級王者・軍司泰斗に挑戦したが、判定で敗れている。  1R、両者サウスポー。前に出る斗麗にヴューは打ち抜くような左ストレート、斗麗は左フックを打つ。ヴューの右ローには斗麗が左ストレートを合わせた。それでもヴューは右ローを蹴っていく。  2Rも前に出るのは斗麗。その斗麗を左右の連打で下がらせるヴュー。下がりながら右ミドルや右ボディを打つヴューに、斗麗は前蹴りから入ってパンチにつなぎたいが、ヴューが右ミドルや右ローを蹴って来る。ヒザ、左ミドルと前に出るヴュー。  3R、ここでヴューが仕掛ける。左ミドルからの右ストレート、右フック。前に出て右の蹴りを放っていくヴューに斗麗は左ストレートを打ち、右ボディを叩くが、ヴューは下がらず右フックからの右ヒザ。残り40秒、斗麗の右テンカオが鋭く突き刺さり、後退。斗麗が連打をまとめてヴューをコーナーへ追い込み、スタンディングダウンを奪う。  一気に勝負をかける斗麗がさらにパンチをまとめると、ヴューは防戦一方となり、斗麗が見事なKO勝ちを飾った。  斗麗はマイクを持つと「僕はデビューした時から世界一の目標は何も変わってないので、こんなところで満足せず軍司チャンピオンのところまで行こうと思っています」と。ムエタイトップ戦士を撃破したことにも満足せず、K-1王者・軍司を目指すと宣言した。 [nextpage] ▼第11試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R〇篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND)KO 延長R 0分46秒 ※右ストレート×佑典(月心会チーム侍)  篠塚はボクシングでアマチュア時代にインターハイベスト8の戦績を残し、プロ転向後はA級ボクサーとして3勝(2KO)1敗の戦績。2018年2月にキックボクシングに転向し、TEAM TEPPEN所属として2018年2月にRISEでプロデビュー。2019年5月の森本”狂犬”義久戦は因縁の対決として話題となったが、延長戦の末に敗れた。2021年3月にK-1初参戦を果たし、延長戦で小澤海斗に判定2-1で勝利。2021年12月にはKrushフェザー級王座に挑戦したが、新美貴士にKOで敗れる。2023年3月の復帰戦で林勇汰をKO。戦績は9勝(8KO)3敗。  龍華はK-1甲子園の-65kgで2019・2020と連覇。プロデビューは2018年11月で、2019年6月から2021年9月まで破竹の8連勝(5KO)を飾るが、2022年2月に里見柚己に延長戦の末に判定負け。今回が1年5カ月ぶりの再起戦となる。戦績は8勝(5KO)2敗。  1R、佑典の攻撃が立て続けにローブローとなってしまい、佑典には減点1が宣告される。篠塚は前へ出てプレッシャーを与えていくが、サウスポーの佑典は回り込みながら右フック、左ストレート。スーパーマンパンチの左も当てる。今度はお互いに出たところでバッティングが発生。再開後、篠塚がワンツー、右の三日月。佑典は下がりながらもしっかりパンチを当てていった。  2R、佑典は左の三日月、左インロー。篠塚が前に出てくるところへ左ストレートを合わせる。しかし、篠塚のワンツーで佑典は仰け反る。じりじりとプレッシャーを与えていく篠塚は右を狙い、佑典は左を狙う。互いのパンチが当たる距離で戦っているため、いつどちらの強打が当たってもおかしくない。じりじりと前へ出る篠塚は右を打ち、佑典はスーパーマンパンチ気味の左ストレート。佑典は左三日月を突き刺すが、すぐに篠塚が右を強打。緊迫感のある展開が続く。  3R、セコンドの平本蓮からのアドバイスを聞き、リング中央に歩み出る篠塚。佑典は左インローで前足重心の篠塚を狙う。互いにボディを打ち合った後、篠塚が右を当てていく。篠塚が勢いに乗るかと思われると、今度は佑典が左を当てる。篠塚が左ボディから右ストレートをヒットさせるが、同時に佑典の蹴りがローブローになってしまい中断。再開後、篠塚がワンツーで前へ出る。佑典も負けじと左ストレート、右フックを返す。さらにヒザも蹴り合う。篠塚が右クロスを当てれば、佑典もすぐに左ストレートを当てる。仕留めようと前に出る篠塚だが、佑典もしっかりパンチを当てて試合終了。  判定はドローで延長戦に。ジャブを突く篠塚に佑典はヒザ。篠塚は強いジャブ、左フックをヒットさせていき、一気に詰めた篠塚がワンツー、左フックからの右ストレートでダウンを奪い、佑典は立ち上がることが出来ず篠塚のKO勝ちとなった。  篠塚はマイクを持つと「まさか延長に行くとは思わなかったんですけれど。今回の相手弱くてつまらなかったんですけれど、次は強い相手に勝てるように頑張りまーす」とアピールした。 [nextpage] ▼第10試合 K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇☆SAHO☆(闘神塾/S1レディース世界バンタム級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)  ☆SAHO☆は軽快なステップを駆使し、回転の速いパンチにローキック&前蹴りを上手く織り交ぜるパワフルなファイタータイプ。2017年9月にミネルヴァ・スーパーバンタム級王座を奪取し、2019年5月にはWMC日本同級王座との二冠王に。2020年11月、S1レディース バンタム級ジャパントーナメント優勝。2022年11月にはホームリングのNJKFでS1女子世界バンタム級王座決定戦に勝利し、世界王者となった。K-1には2021年12月から参戦し、2勝1敗。前戦は4月にイ・ドギョンと激闘を展開して判定勝ち。戦績は14勝(1KO)2敗。  鈴木は空手のバックボーンを持ち、2016年にキックボクシングでプロデビュー。MMAでは2勝3敗の二刀流ファイターとして活躍し、エキシビションマッチながら中井りんとも対戦経験を持つ。流血もいとわない激しいファイトを信条とし、付いたキャッチフレーズは“流血のマドンナ”。そのルックスも含めて多くのファンからの人気を集めている。K-1 GROUPには2022年3月から参戦し、2戦2勝。前戦は2022年6月に櫻井梨華子に判定勝ち。クロスポイント吉祥寺に移籍し、今回が1年1カ月ぶりの試合となる。戦績は11勝(3KO)5敗。  1R、☆SAHO☆は前蹴りと左ミドルで様子を見える。鈴木は右ローを強く蹴る。じりじりと前に出る☆SAHO☆は右ストレートから左フック、前蹴りで止めてからの左右連打を見舞う。鈴木はワンツーを当てるも、すぐに☆SAHO☆が右ストレートを当て返す。その後も共に右を当て合った。  2R、☆SAHO☆がワンツーと前蹴り、鈴木もワンツーを返す。☆SAHO☆が左右フックを放ってくると、鈴木もすぐに左右フックを打ち返して一歩も退かない。☆SAHO☆は右ミドルから左右の連打で前へ出ると鈴木も足を止めて打ち合うが、ヒットは☆SAHO☆が奪った。負けじと鈴木が右フックで前に出るが、☆SAHO☆はすぐに連打で前へ出る。  3R、☆SAHO☆は前蹴り、ミドルと左右フック。さらにヒザ蹴り。圧力を強める☆SAHO☆が右ストレート、左フックをヒットさせる。勢いが出てきた☆SAHO☆の技が回転する。鈴木は前に出て右クロスを打つも、☆SAHO☆のパワフルな左フック、右ストレートに下がってしまう。☆SAHO☆のワンツー、さらに右ストレートもクリーンヒット。鈴木が下がる。それでも右フックで前へ出るが、☆SAHO☆は左右ストレートの連打で前へ出てパンチをまとめてダメ押し。  判定はパワフルな攻撃をヒットさせていった☆SAHO☆の勝利。打ち合いでの強さも見せつけた。鈴木は涙を流し、リングを降りた。 [nextpage] ▼第9試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R延長1R×晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Krushバンタム級王者)KO 1R 1分45秒 ※左ボディブロー〇岩尾 力(POWER OF DREAM/WINDY MUAYTHAIバンタム級王者)  晃貴は2017年1月からK-1 GROUPに参戦し、2019年1月に第4代Krushバンタム級王座決定戦で同級王座を獲得。同年6月のK-1両国大会のK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントにも出場を果たした。2020年からは本格的にスーパー・バンタム級に転向し、2021年はKrushで2連勝も9月のK-1では金子晃大にKO負け。2022年3月に小倉尚也に判定勝ちした後、2023年3月に一航にKO勝ち。戦績は12勝(4KO)8敗1無効試合。  岩尾は2014年7月にK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、亀本勇翔、西京春馬に勝利したが2015年5月に朝久泰央に敗れた。その試合を最後にWINDY SUPER FIGHT、蹴拳、Bigbangなどの他団体に出場。バイク事故で大怪我を負い、2022年8月のKrushで約4年半ぶりの復帰を果たすと、小倉尚也を1RでKOに仕留めてみせた。2023年4月には愛瑠斗を秒殺して連勝。武居由樹が「マジの天才」と評価する。戦績は13勝(7KO)3敗1分。  1R、前に出ていくのは晃貴。その前に出てくるところへ岩尾は左右のミドルを蹴る。そして鋭い左ボディでダウンを奪う。立ち上がった晃貴に岩尾はジャブ、ワンツー、左ミドル。そして高速の左右のボディが鋭く突き刺さり、晃貴が2度目のダウン。ここで岩尾のKO勝ちとなった。  解説の佐藤嘉洋は「階級は違うけれどバダ・ハリに見えましたね」と岩尾の戦いぶりを評した。  岩尾はマイクを持つと「僕はK-1初参戦で事故からの復帰で、3戦目でK-1に出させていただいてこうやっていい形で勝てて嬉しいです。復帰して3戦とも1R KOで勝ててK-1のリングに立てて嬉しいです。次の試合も1Rで倒せるように頑張っていきます」と、次も1Rで倒すと語った。 [nextpage] ▼第8試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R〇ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム/ラジャダムナンスタジアム4階級制覇)判定3-0 ※30-26×2、30-27×寧仁太・アリ(K-1ジム総本部チームペガサス/Krushウェルター級王者)  寧仁太はガーナ人の父と日本人の母を持ち、184cmの長身を誇る。プロサッカー選手を目指していたが、K-1ジム総本部に入門。第25回K-1アマチュアAクラス -70kgで優勝し、2019年8月にプロデビューして5連勝を飾るが、2021年9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」準決勝で野杁正明に初黒星。2022年2月、松岡力を判定で破り第10代Krushウェルター級王者となり初防衛にも成功し、2023年3月にはRISEとの対抗戦で實方拓海に判定勝ちして3連勝。戦績は9勝(4KO)1敗。  ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座を14歳で獲得すると、フェザー級、スーパー・フェザー級、ウェルター級の4階級制覇を達成。WBCムエタイでも世界フェザー級、世界スーパー・フェザー級、世界スーパー・ライト級と3階級を制覇。WMCでも世界フェザー級王座を獲得し、これまで獲得したベルトは16本という超一流選手。日本では2004年11月に初来日して以来、菊地剛介、大和哲也、日菜太、増田博正、T-98、アトム山田と各団体トップ選手に勝利。2022年9月にK-1初参戦を果たすと、アビラル・ヒマラヤン・チーターに初回KOち、12月には森田奈男樹にも2RでKO勝ち。2023年3月にK-1スーパー・ウェルター級王者の和島大海に挑戦したが、延長戦でKO負けを喫した。戦績は208勝(48KO)43敗4分。  1R、サウスポーのジョムトーンは右前蹴りからスタート。寧仁太は少し長めの距離をとり、左右のローを蹴っていく。ジョムトーンは左ミドルを蹴りながら前へ出ていく。寧仁太がワンツーを繰り出すと、ジョムトーンもすかさず左ストレートを当てに行く。ジョムトーンは左ミドルをしっかり当てていき、一気に前へ詰めての左ストレート。寧仁太も右ハイを返すが、ジョムトーンが左ミドルを当てて快音を発していく。さらにコーナーへ詰めてのhぢアリストレートの連打も  2Rもジョムトーンは前へ出て左ミドル。寧仁太は左へ回り込み左ジャブを突く。ジョムトーンの左ミドルが面白いようにヒットし、寧仁太は右腕を蹴られるため右のパンチが出せない。  3Rも左ミドルを当てながら前へ出ていくジョムトーン。その左ミドルにジャブを合わせた寧仁太だが、すぐにジョムトーンが前へ出て左ボディストレートで寧仁太の身体をくの字にさせると、続く左ストレートでダウンを奪う。寧仁太は右ストレートで逆転を狙うが、ジョムトーンの左ストレートに大きく後退。寧仁太はようやく飛びヒザを出すが、ジョムトーンは全く動じず。  ほぼワンサイドで完封したのはジョムトーン。寧仁太は判定を聞く前から肩を落としていた。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーファイト K-1女子アトム級 3分3R延長1R×パヤーフォン・SWタワン(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/初代K-1 WORLD GP女子アトム級王者)判定0-3 ※9-10×3〇松谷 綺(ALONZA ABLAZE)※本戦の判定は30-29、29-30、29-29  パヤーフォンは20歳にして68勝(11KO)15敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。2017年11月に初来日するとムエタイの試合で3連勝。2019年10月にKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、延長戦の末に敗れたものの高梨を苦戦させた。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の1回戦でMIO、決勝では菅原美優を破り、タイ人女性初のK-1王者に就いたが、2023年3月の初防衛戦で菅原美優にリベンジを許し、王座を失った。従姉妹は大人気の韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」のメンバーであるLISA。本人もタレントの岡田結実に似ていることが話題となった。  松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年2月には豊嶋里美に判定勝ちし、デビューから無敗を誇っていたが、6月のK-1初代女子アトム級王座決定トーナメントの1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星。11月に優を判定に破ると、2023年4月にはウォン・ガヨンに勝利。戦績は7勝1敗2分。  1R、松谷は右カーフ、パヤーフォンがパンチで前へ出てくるとバックステップでかわしていく。松谷は接近しての左ボディ、パヤーフォンが返そうとするとバックステップ。ならばとパヤーフォンは左右ミドルを当てに行き、松谷も左ミドルを返す。松谷は顔面前蹴りも。パヤーフォンがジャブから右ミドルを当てると、すぐに松谷は前へ出てパンチを連打。右ストレートをヒットさせた松谷は一気に間合いを詰めて左右フックを繰り出し、印象付ける。  2R、パヤーフォンはミドルの空振りからバックハンドブロー。右ミドル、前蹴りを当てると松谷が前へ出てヒザを突き刺す。松谷は右足を上げて、パヤーフォンがミドルをブロックしようと左足を上げたところに軸足へ左ローを蹴る。このトラップが何度も決まった。パヤーフォンは左ミドルをヒットさせていくが、もらうと松谷は必ず前へ出てパンチを連打する。  3Rも松谷は左ローを狙い撃ち。パヤーフォンは右ストレートから左ミドル、さらに前へ出て左ミドルを蹴るが、松谷は左ローを返していく。パヤーフォンの強烈な右ミドルが快音を発する。しかし、松谷の左ローに足が流れる場面も。松谷のフェイントに引っかかって左足を上げて右足にローをもらうパヤーフォン。ならばとヒザを突き刺すが、松谷は右フックで迎え撃つ。さらに前へ出てワンツー。残り10秒で松谷が前へ出てパンチとローをまとめる。  本戦の判定は三者三様のドローで延長戦へ突入。松谷がワンツー&ローで前へ出ていく。パヤーフォンは右ストレート、松谷が入ってくるとヒザ。松谷は左ロー連打、パヤーフォンは右フック。バッティングがあり中断。再開後、パヤーフォンが右ストレートを当てると、松谷はその倍の連打を放っていく。ミドルを蹴るパヤーフォンに松谷は右フック、接近するとヒザの連打。松谷のパンチ、ローでパヤーフォンがクリンチに逃れる場面が目立ち始める。パワーと手数で押していく松谷へパヤーフォンは前蹴り。松谷の突進をパンチで迎え撃つパヤーフォンに、松谷はラッシュを仕掛けて手数で圧倒。  判定は3-0で前へ出て攻めていった松谷が勝利。歓喜する松谷に対し、パヤーフォン陣営は判定に納得がいかなかったか、さっさとリングを降りていった。 [nextpage] ▼第6試合 K-1ライト級 3分3R延長1R〇篠原悠人(DURGA/第6代Krushスーパー・ライト級王者)判定3-0 ※30-27×3×龍華(ザウルスプロモーション/K-1甲子園2019・2020 -65kg王者)  篠原は幼少期から空手・キックボクシングを学び、2015年にK-1甲子園優勝。2016年4月にプロとしてK-1デビューを果たすと、2018年8月に第6代Krushスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはライト級世界最強決定トーナメントの1回戦でゴンナパーに勝利して名を挙げて準優勝。2020年6月、Krushライト級タイトルマッチで王者ゴンナパーに挑むも、判定で敗れてKrush2階級制覇はならず。その後、3連敗を経験するも3連勝、2022年8月に与座優貴に敗れたが、12月には弘輝から勝利を収めた。戦績は17勝(6KO)7敗。  龍華はK-1甲子園の-65kgで2019・2020と連覇。プロデビューは2018年11月で、2019年6月から2021年9月まで破竹の8連勝(5KO)を飾るが、2022年2月に里見柚己に延長戦の末に判定負け。今回が1年5カ月ぶりの再起戦となる。戦績は8勝(5KO)2敗。  1R、サウスポーの龍華は相手が前へ出ようとしたところへヒザへの前蹴り。篠原はジャブからワンツーを繰り出したいところだが、龍華が蹴りで迎え撃つ。  2R、龍華の右前蹴りで篠原がダウンするが、映像判定が行われローブローと判断されてダウンは取り消しに。再開後、龍華は前へ出てくる篠原にカウンターのテンカオ。篠原はサウスポーにスイッチしての左フックを繰り出すが、龍華のカウンター狙いに慎重だ。しかし、残り1分を過ぎたところでサウスポーにスイッチして思い切り振った左フックがヒット。龍華がフラつく。さらにスイッチしての左ストレートを打つ篠原。  3R、篠原は左フック狙い。龍華は左ローと膝への前蹴り、篠原が出てくるのを待ってのカウンター戦法だが、ヒザ蹴りにいこうとしたところに篠原が右を合わせてスリップ気味のダウンを奪う。龍華は前へ出ていくが篠原がコンビネーションパンチを回転させ、龍華に攻めさせない。逆転を狙っての龍華のハイキックは空振り。篠原がジャブを当てて試合を終えた。 [nextpage] ▼第5試合 -59kg契約 3分3R延長1R×龍斗(team NOVA)判定0-2 ※30-30、29-30、28-30〇久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王者)  龍斗は現Krushライト級王者・里見柚己の盟友で、2021年からBigbangにも定期参戦。2022年11月に第6代Bigbangフェザー級王座に就くと、今年2月のKrush後楽園で岡嶋形徒に判定勝利、6月のBigbangで神田賢吾に左ハイキックでKO勝利と連勝を続けている。  久井はKNOCK OUTアマチュア・アダルト65kg優勝(2022年2月)、同60kg優勝(2021年8月)、同55kg優勝(2021年3月)の実績を持ち、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ちし、わずか3戦目でKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年3月には元山祐希に勝利し、プロ戦績を4勝(3KO)1敗としている17歳。K-1には今回が初参戦。  K-1のリングでBigbang王者vs.KNOCK OUT王者という一戦が実現した。  1R、ゴングと同時に相手コーナーへ飛び込んでいった久井。サウスポーからジャブ、左ボディ、右フックと攻める。龍斗も左右ローを蹴るが、久井がすぐに飛び込んで左右フック、離れると左三日月。久井の左ボディが何度も龍斗を捉える。  2R前のインターバルでは、KNOCK OUTの宮田プロデューサー、ぱんちゃん、龍聖の姿が映し出された。久井はジャブから飛びヒザ蹴り、龍斗が右ミドルを蹴るとすぐに右ストレートを返す。ジャブ、左インロー、龍斗の蹴りに合わせた左ストレートと距離をとった攻撃を放つ久井。龍斗の攻撃には必ず攻撃を返す。さらに飛びヒザ。久井は接近すると左右フックの連打をまとめてすぐに離れる。龍斗が前に出てくると胴廻し回転蹴りと久井は多彩な技を繰り出す。久井の左ストレートからの後ろ蹴りでラウンド終了。  3R、久井が左ミドルハイを連打、龍斗の右ストレートへすぐに左ストレートを返す。突然前へ出たり、バックステップで外したりと距離を支配する久井。龍斗は前へ出ていくが久井に回転技やコンビネーションで押し戻される。左ストレートをしっかり当てる久井。そして連打をまとめて印象付ける。久井の鋭いヒザが突き刺さり、久井は前へ出ていく。龍斗もパンチを返すが、久井の攻撃の手数が圧倒的かつ多彩。久井が左ハイから右フックを繰り出して試合終了。  距離の支配、手数と回転力、技の多彩さで上回った久井が判定2-0で勝利。久井がKNOCK OUTに勝利をもたらした。 [nextpage] ▼第4試合 -64kg契約 3分3R延長1R〇大沢文也(ザウルスプロモーション/第7代Krushライト級王者)判定3-0 30-28×2、30-27×東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2022年4月に瓦田脩二を破り、第7代王座に就くと8月のK-1ではデンサヤームに判定勝ち。2023年6月の初防衛戦では1月に無効試合となった里見柚己との再戦に敗れ、王座を失った。戦績は29勝(3KO)20敗3分1無効試合。  東本も長らくライト級でキャリアを重ね、昨年11月のKrush後楽園大会で大月晴明に-64kg契約で勝ったことをきっかけにスーパー・ライト級に挑戦。今年1月のKrushスーパー・ライト級王座決定トーナメント1回戦では、そのトーナメントを制した稲垣澪とダウンを奪い合う熱戦を繰り広げ、4月の中国遠征では元K-1ライト級王者ウェイ・ルイとも拳を交えた。  1R、東本はサウスポー。大沢はいつも通り両腕を下げた構えで前後のステップを踏む。両者ともローを蹴り、大沢はサウスポーのスイッチして左ローを蹴る。ローを蹴り合い、両者様子を見た。  2R、東本はジャブ、さらに右手を大きく伸ばしてけん制。大沢はサウスポーからの左ロー、オーソドックスに戻ると右三日月。東本は圧をかけていくが、大沢は自分からロープを背負っているようだ。東本は左ローを蹴り、さらにもう一度蹴ろうとしたところで大沢のカウンターの右ワンツーを合わされ、ダウンとなる。  2R,前に出る東本が右ロー。大沢も右ローを返す、東本が左右フックを振り、前へ出て行っての左フック。大沢は左ボディ。最後までカウンターを狙う大沢、攻める姿勢を見せ続ける。  判定は3-0で大沢が勝利した。 [nextpage] ▼第3試合 K-1ライト級 3分3R延長1R〇伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)判定3-0 ※30-29×、30-28×ティントーン・SEIKENKAI(タイ/SEIKENKAI)  2014年11月の新生K-1旗揚げ戦のプレリミナリーファイト第1試合を務めた伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)が約5年ぶりにK-1参戦。与座と同じくタイのティントーン・SEIKENKAI(タイ/SEIKENKAI)とライト級3分3R延長1Rで対戦する。  伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。戦績は12勝(3KO)12敗4分。  ティントーンは元ルンピニースタジアム2階級王者で、現在は日本に活動の拠点を移し“ムエタイの生ける伝説”ジョムトーン・ストライカージムとも練習を続けている。伊藤にとってはキャリア初のvsムエタイ戦となった。  1R、伊藤は右ローを蹴っていき、ジャブを突く。右ボディストレートも。ティントーンは右ローを蹴るが、1Rは様子見か。伊藤は前へ出て左ミドル、右ロー。ティントーンは伊藤の左に右フックを合わせてくる。左フックからの右ストレートも。  2R、伊藤は右ストレートと左ローで距離をとっての戦い。ティントーンは伊藤の距離が近くなるとフック&アッパーを繰り出す。伊藤は左インローを連打、右ローも蹴る。ティントーンは右ボディストレート。互いに左右フックを返し合う。ティントーンは右ボディから右ストレート、伊藤は右ローを蹴る。  3R、伊藤は前に出て左右フック。距離が詰まって伊藤は左ボディも叩く。ロープを背負うティントーンは動きが緩慢だ。伊藤は左右ボディと右ローでどんどん前へ出ていく。伊藤は右ストレートから左フック、左ボディから左フックとクリーンヒットはないが攻撃の手数を出す。ティントーンはヒザで迎え撃ったが、最後はパンチを回転させた伊藤にティントーンは疲労困憊の様子。  判定3-0で前へ出た伊藤が勝利をつかんだ。 [nextpage] ▼第2試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R〇鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者)KO 1R 2分28秒 ※左ストレート×デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/M-1 JAPANスーパー・ウェルター級王者)  鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。佐々木大蔵にタイトルを奪われたが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。その後は泥沼の3連敗を味わったが、崖っぷちで臨んだ2022年4月の林健太戦で元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得ると、8月には近藤魁成に先制のダウンを奪われるも延長戦で大逆転KOに成功した。11月にはヴィトー・トファネリも破って3連勝を飾ったが、2023年3月のK-1でパコーンに敗れている。戦績は13勝(8KO)8敗1分。  デンサヤームは20歳ながら78勝(8KO)26敗3分の戦績を持つムエタイの猛者。175cmの長身サウスポーで、ロングリーチを活かして蹴り技を得意とする。2019年、タイのテレビ局が主催するムエタイイベント『True 4U』のバンタム級トーナメントで優勝。2020年3月の『K'FESTA.3』でK-1初参戦を果たし、判定負けも武居由樹を長い手足から繰り出すパンチと蹴りで苦しめた。2022年から日本に移住し、ウィラサクレック・フェアテックスジム三ノ輪で練習を続けている。武居戦から3階級上げての参戦となった2022年8月の大沢文也戦では組み付きを多用したため減点となり、判定負け。デンサヤームはウィラサクレック会長を含むセコンド陣と陽気に踊りながらの入場。  1R、両者サウスポー。鈴木は左ミドルを蹴り、ジャブを伸ばす。デンサヤームは左ミドルを返し、右フック、hぢアリアッパー。デンサヤームは単発だが一発一発が重そう。鈴木が距離を詰めるとデンサヤームはアッパーやフックを強振。さらに左カーフを蹴る。  デンサヤームの攻撃が増えてきたところで、デンサヤームが左のフェイントから右を打とうとしたところへ鈴木がカウンターの左ストレート。これが直撃し、デンサヤームは半回転するようにしてダウン。レフェリーが即座に試合終了を宣言した。  鈴木はマイクを持つと「言いたいことは一つだけで。この階級の65kgのチャンピオン、大和哲也選手。自分と試合してくれませんか。自分は全然負ける気はありません。よろしくお願いします」と、大和への挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R△不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)ドロー 負傷判定1-1 ※29-30、30-29、30-30△ジン・シジュン/韓国/チームサイコピットブルス/大韓キックボクシングCKSミドル級王者)  不可思は様々な団体で試合を行い、合計5本のベルトを獲得。2019年6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、2019年12月には大和哲也にKO勝ち。2020年3月にK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也に挑戦したが判定で敗れ王座奪取ならず。2022年は4月に小嶋瑠久をTKO、9月に大野祐志郎をKOに破ったが、12月に林健太に敗れた。2023年3月にはKNOCK OUTに参戦し、バズーカ巧樹をKOで破り再起。戦績は44勝(21KO)18敗2分。  シジュンは2010年にプロデビュー、大韓キックボクシングCKSミドル級王者、TAS7チャンピオンシップ優勝などの肩書きを持ち、凶暴なファイトスタイルから“コリアン・サイコ”の異名を持つ。日本でも定期的に試合を行っており、2013年7月に新日本キックで斗吾を1Rわずか21秒でKO。2014年1月に日菜太に判定負け、12月はJ-NETWORKで武田一也にTKO負け。2019年11月には岡山ジム興行で行われたトーナメントに参戦し、1回戦で小川翔に判定で敗れた。他にもムエロークやHEATなどでも試合を行っている。2020年2月には『GLORY』にも参戦を果たし、ヴィンセント・フォシアーニとダウン応酬の末に判定負け。70kg前後で多く試合をしていたが、今回はスーパー・ライト級(-65.0kg)での参戦となる。戦績は19勝(9KO)8敗1分。  1R、不可思は右ストレートを軸に右ロー、ジャブ、左アッパーを繰り出す。シジュンは前蹴りで突き放しての右ロー。不可思はジャブを突き、パンチを見せながら右ローをしっかり蹴っていく。不可思の右へ回り込みながらの右フックが決まる。軽やかなステップを踏んで動き回る不可思にシジュンは右ローと左インロー。不可思は上体もよく動かす。  2Rも上体を動かし、軽やかなステップを踏む不可思。そこへシジュンは右フック。この右フックが何度か不可思を捉える。さらに右ロー。不可思はジャブを突き、右ローを蹴る。しかし、ダッキングしたところでシジュンの右ハイをもらってバランスを崩す。前に出ていくシジュンが蹴りで不可思に畳みかける。  3R、前に出る不可思はヒザ蹴り、ジャブ。不可思がボディを打ちにいったところでバッティングがあり、シジュンは眉間から出血し、ドクターチェックとなる。ここで試合はストップ。アクシデントによる試合続行不可能のため、ここまでの判定に。  判定は三者三様のドローとなり、両者とも納得のいかない表情で首を横に振った。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1ライト級 3分3R×井上修一(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)KO 2R 2分59秒 ※レフェリーストップ〇上野空大(K-1ジム大宮チームレオン)  上野はフルコンタクト空手で通算70大会優勝を果たしている“フルコンタクト空手70冠”。『K-1 AWARDS 2022』アマチュアMVPで、今年3月に判定勝ちでプロデビュー。今回がプロ2戦目となる。対戦相手の井上はKrush-EXを主戦場に戦い、ウルトラマンティガのテーマ曲&ウルトラマンティガをモチーフにしたキックパンツでリングに立つ名物ファイターだ。戦績は2勝4敗1分。  1R、サウスポーの井上は右へ回り込むが、そこへ上野が右ハイキック。もらった井上は一瞬腰が落ちる。井上がワンツーで前へ出ると、上野は下がらず左ストレートを打つと右ミドルへつなぐ。上野はパンチと前蹴りでボディを攻めつつ、左ローと右ミドルも蹴る。さらに二段飛び蹴りで右ミドルが命中。上野の右ボディに気を取られたか、井上は続く左ストレートをもろにもらってしまった。  2Rも上野はパンチと蹴りでボディを攻めていき、ハイキックとローも蹴る。井上は前へ出て左右フックを打つが、上野の右ローをもらって足を上げる。すると今度は上野が前蹴りとハイキック、そして右ロー。足払いのような右ローで上野がダウンを奪う。右ローで畳みかける上野はカカト蹴り、さらに二段飛び蹴り。足を掛けるようにして2度目のダウンを追加。上野の右ロー連打で井上はダウン寸前、ここでレフェリーがストップした。  上野の多彩な蹴り技と攻撃の振り分けが目立つ試合となった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1フェザー級 3分3R×山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※26-30×3〇松本海翔(TAD)  山本vs.松本はともに第12回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラスで優勝(※山本は-65kg、松本は-55kg)。K-1アマチュアのトップ選手同士による一戦となった。山本の戦績は2勝(2KO)無敗1分、17歳・松本の戦績は1勝無敗。  1R、松本はサウスポー。前に出てくる山本に松本が右ストレートにカウンターの左ストレートでさっそくダウンを奪う。立ち上がった山本は右ミドル、松本は右へ回り込みながら左のパンチを狙う。右フックと左ストレート、左ローでゆさぶりをかける山本。左ハイ、三日月、左ローと蹴りも多用し、右ボディから左ストレート。松本の攻撃を受けながらも山本は前へ出て攻撃を仕掛ける。  2R、ワンツーと右インローで前へ出る山本だが、右ストレートには山本が左ストレートを合わせに来る。左フック、右フック、左ストレート、右ボディとパンチを叩き込み、強烈な左ローを蹴る松本。左フックに山本が仰け反る。さらに左フックでグラつく山本に松本が畳みかけるが、山本は耐える。  3Rも松本は左ストレートを軸に、左ロー、左三日月、左ハイと蹴りも織り交ぜて翻弄。山本はヒザを突き刺すが、松本の強烈な左ローが連続して決まり、山本は大きくバランスを崩す。流れるようなコンビネーション、パンチと蹴りの上中下の振り分けなど、テクニシャンぶりを発揮する松本。しかも、その全てが強烈だ。山本は左右フックで前へ出ていくが、そこへ松本の右フック、そして左ボディ。下がる山本を松本が追っていく。松本がパンチ&ローで攻め込み、試合終了。 松本が大差の判定勝ち。今後が楽しみな勝ちっぷりだった。  松本が大差の判定勝ち。今後が楽しみな勝ちっぷりだった。
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