(C)GONG KAKUTOGI/Oda Shunichi
2023年6月24日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催される『RIZIN.43』のメインイベントにて、5連勝中の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)の挑戦を受ける、RIZINフェザー級王者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)が、タイ合宿から帰国。
公開練習で、鈴木が『パワーの前には技術は無意味』とボブ・サップ殺法でクレベルの寝技を封じると発言したことに対し、「ボブ・サップは何に勝った?」と反論。「テクニックは常に力に勝つ。一番大事なのはテクニックと自信」と語り、王座防衛の自信から「ベルトは家に置いていく」と北海道に持って行かないとした。
力には終わりがある。テクニックが無かったらそれで終わり
タイのプーケットファイトクラブで約1カ月間のファイトキャンプに臨んだクレベルは、帰国後、ボンサイ柔術にて“磯部師範”らとYouTubeを収録。
大晦日にパトリシオ・ピットブルに判定負けしたことで、「この負ける気持ちをもう1回感じたくない。もっと強くなりたい、もっと自信がほしいという気持ちになったことが一番良かった。もう1回試合をしたい、チャンピオンベルトを守りたい」と奮起したといい、タイでの練習により「レベルアップして、スタミナやテクニックを信じられる。半年くらい試合に出ていないけど、“もっと戦いたい”という気持ちがある」と心身ともにタイトルマッチに向けて自信を持てたと語った。
【写真】現地では“ブシェシャ”ことマーカス・アルメイダとも道衣で肌を合わせた。(C)kleber_koike
海外修行中には、挑戦者の鈴木千裕の公開練習での言葉が、格闘技界に議論を巻き起こした。
そこで鈴木は、ボブ・サップが2002年にプロデビューした年に国立競技場で開催された『Dynamite!』で、“柔術マジシャン”アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの三角絞めをリフト、マットにスラムで叩きつけて外したシーンを引き合いに出して、サップの言葉『パワーの前では技術は無意味だ』を引用。「ぶっちゃけ、寝技には力」と、クレベルにパワーで対抗すると語っていた。
その発言を聞いたクレベルは、「ボブ・サップは何に勝った? 皆ボブ・サップの何を覚えている? ボブ・サップは世界チャンピオンじゃない、力だけ。前、ミノタウロ(ノゲイラ)が戦ったときは、ミノタウロが彼に一本勝ちしている」と、サップのパワーを凌ぎ、最後にノゲイラが腕十字でタップを奪っていると指摘。
続けて、「私はテクニックのエネルギーを信じている。なぜなら力には終わりがある。力を使い果たしたらどうする? もしテクニックが無かったらそれで終わり。テクニックは常に力に勝つ。力が重要なのは最初だけ。その後は“どうしよう”となる。一番大事なのはテクニックと自信です。柔術がそれを教えてくれた」と、テクニックがパワーに勝ると断言した。
「皆パワーがある。でもパワーが終わったらSorte──あとはラッキーだけ。柔術にラッキーはない。柔術は最初から最後(フィニュシュ)まで自分は出来る」と、ラッキーパンチはあっても、ラッキー一本は無く、そこには理屈があると語った。