立ち技からの転向組には「5、6倍やらないと追いつかない」
近年、立ち技競技から、平本蓮、久保優太、芦澤竜誠、皇治とMMAへと転向する選手が増えているが、中学生時代から総合格闘技を習い、2017年2月のPANCRASEでプロデビューを果たしている鈴木は、立ち技出身選手の転向について、「各々、好きにやればいいと思うんですけど、MMA選手の5、6倍くらいやらないと追いつかないんじゃないですか。みんな同じように練習しているわけで、マイナスから穴を埋めるというのはやっぱり難しいこと。才能とかも関係すると思うんですけど……もしその人たちがチャンピオンになっていたら、自分は世界チャンピオンになっていると思うんで。そんな甘くないですよ」と、「簡単ではない」という。
立ち技も並行し、RIZIN5連勝で掴んだMMA6年ごしのベルト挑戦を成功させた後は、「世界」と戦うつもりだ。
「年末のBellatorとの対抗戦でRIZIN、日本側が全敗してすごく悔しかったんで。やっぱりやり返さないと。日本最高峰を謳うなら、やっぱり1勝を取らないと負けてらんないんで、チャンピオンになったらパトリシオ・ピットブル選手とか、Bellator勢に乗り込むというのが面白いと思います」と、目標を見据える。
鈴木は二刀流のなかで“本物のチャンピオン”になりたいという。
「“本物”というのは誰とでも戦う選手。デビュー数戦で挑戦とかじゃなく、ある程度、スジはあると思うんですけど、“この人と戦いたくないな”って選択をするのは、チャンピオンとしてどうなの? って。誰が来ても“いいよ、やろうよ、俺はチャンピオンだから負けないよ”っていう構えられる強さが本物だと思う。自分が納得したうえで逃げない。総合でチャンピオンになっても“キックでは勝てないでしょ”とか、そういう文句がつかないよう“キックでもムエタイでも総合でも全部で勝てるよ”というのが本当にかっこいい選手、本物だなって。何でも黙らせられるのが一番かっこいい本物の選手」と、外野に文句を言わせない強さを獲得したいと語る。
その意味で、欧州KSW、RIZINでの連戦でパトリシオとも戦ったクレベルは、鈴木が目指すべき“本物のチャンピオン”だ。
鈴木は最後に、「やっとここまできたので、しっかりKOして二刀流を体現して。キックでチャンピオンになったので、第1章は終わり。第2章の最終章を楽しみにしてください。絶対KOして、RIZINを世界へ持っていけるように頑張るので、皆さん応援よろしくお願いします」と第2章の集大成として、KOでの王座奪取を誓った。