団体の垣根を越えた、アマチュア異種格闘技戦
ルール・団体の枠を越えて、格闘競技の裾野を広げ各競技の魅力を見せることを目的とした「マーシャルアーツルール」では、他の大会では見られないような異種交流戦ならではの試合模様が展開された。
キックボクシング、空手、伝統派空手、テコンドーに加えて、今回はレスリング、相撲と、異種格闘技戦が組まれた。マーシャルアーツルールはオープンスコア、下段蹴りは禁止。ヘッドギアと武術面とクンフー用オープンフィンガーグローブを使用。ブルースリーが着用していたことで有名な5本指のグローブを採用することでパフォーマンスの幅は広がった。他に変更点として、今回から攻撃に対して腕でブロッキングをしても、その攻撃は加点対象になった。「マーシャルアーツルール」は、あくまでも安全面を考慮したポイントの加点を競うポイント制競技。
【写真】「マーシャルアーツルール」 相撲vs.キックボクシング
そして組まれたカードの相撲vs.キックボクシングは異種ならではの様相に。相撲の鈴木海希は持ち前の突進力と張り手の連打技で相手を押し込み、一切の反撃を許さない。キックボクシングにはない圧力と張り手の強打で、相手のあごを何度もかちあげて圧倒し、勝利を収めた。
そして、テコンドーの技量を発揮して勝利した三留空也(岡澤道場)は、今大会MVPに輝いた。
【写真】「マーシャルアーツルール」キックボクシング vs.テコンドー
他にも伝統派空手の攻め込むスピード感、攻撃をかわしパンチを撃ち抜くボクシングの技術など、各競技の持ち味を見せつけた試合が目立ち、マーシャルアーツルールの可能性をさらに感じさせた。
アクション俳優としても活躍している水野大絆も初参戦。水野は詠春拳(ブルース・リーの考案したジークンドーの元となった中国武術)の使い手だという。パンチを主体とする武術・詠春拳らしく、威力あるパンチで1ラウンドにダウンを奪取。パンチのコンビネーション、ボディへの打ち分けで確実に相手の体力を削り、水野が判定勝ちを収めた。
【写真】アクション俳優・水野大絆も出場
水野は「スタミナがなくなってしまい詠春拳の動きにならなかった、理想の動きは全く出来なかった。セコンドと『始めは相手の動きを見て』と話をしていたので、相手もガンガン前に来たので自分も前にいきました。ダウンをとったけれども、相手に体力があったので全然余裕は生まれなかったです。(今日の戦い方に)反省しかない。格闘技でも人を殴るのは好きじゃありません。でもボクシングもキックボクシングもしているし、今日の経験をまた現場(演技の場)に持って帰れたらいいなと。人の前でリングに立つことはとても勇気がいること。勝ち負けにこだわらず、試合出場を迷っている人は挑戦することで次の道につながり、弱い自分を乗り越えるきっかけになります。大会に挑戦することはお勧めします」とコメントした。