キックボクシング
インタビュー

【岡山ジム】麗也「優勝賞金で新婚旅行」vs.HIROYUKI「格段に強くなっているのは間違いない」

2023/05/21 00:05
 岡山県のキックボクシングジム・岡山ジムが創設50周年記念大会を、5月21日(日)東京・豊洲PITにて開催。NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント準決勝戦で対戦する麗也(治政館)vsHIROYUKI(RIKIX)の試合直前インタビューが、主催者を通して届いた。  優勝賞金は100万円。ルールはヒジ打ちあり、首相撲無制限の純キックボクシングルールで行われるこのトーナメントは2月11日の『NO KICK NO LIFE』で開幕。麗也は空手とジュニアキックを経て2012年1月に新日本キックでプロデビューし、2015年5月に日本フライ級王座を奪取。そこから8連勝を飾り2017年5月にはISKAインターコンチネンタル王座も獲得するが、2017年11月に瀧谷渉太に敗れた。その後、拳の怪我による2度の手術を経て、2019年9月に復帰戦を行ったがKO負け。引退を発表するも2021年2月のNKNLで復帰し、石井一成をヒジで流血させ追い込んだ。1回戦では神助に延長戦の末に判定勝ち。  対するHIROYUKIは目の良さと身体能力の高さを活かし、打たせずに打つ試合が持ち味。時折、派手な蹴り技も見せる。新日本キックボクシング協会の第6代日本フライ級王者&第12代日本バンタム級王者。RIKIX移籍後は様々な団体に参戦して活躍している。1回戦では國本真義に判定勝ち。  麗也とHIROYUKIはアマチュア含めて1勝1敗3分、生年月日も一緒だという宿命のライバルで、今回は8年ぶり6度目の対戦になるという。 今大会では準決勝、決勝戦の1日2試合を行うワンデートーナメントとなり、麗也とHIROYUKIの勝者は、反対ブロックの山田航暉(キング・ムエ)vs.花岡竜(橋本道場)の勝者と決勝戦で戦うことになる。 麗也「タイミングが合えば倒して勝ってはっきり決着を付けたい」 ――2月のトーナメント一回戦の神助戦は延長判定勝ちでした。 「余裕で勝てるとは思っていなかったのですが、未知な部分が多く初っ端に食らってしまったりと、凄く強い相手でした。延長戦まで行って競り勝てたことは凄く自信になりました」 ――一度引退されてますが、調子は戻ってきてますか? 「引退してからの復帰戦が石井一成戦(2021年2月24日)になり、そこから膝を手術したことで1年間ブランクがあるのですが、今回復帰5戦目になります。引退する前の状態に戻ってきましたし、コンスタントに試合ができていて時間が経つにつれて感覚は戻っているので、どんどん仕上がりも良くなっています」 ――トーナメント準決勝が近づいてますが、調整具合はいかがですか? 「順調に進んでいてこのまま怪我なく体調は崩さずにしっかり調整できれば、過去最高な状態で臨めると思います」 ――4月10日にはSNSで元キックボクサーの佐藤伶南さんとの入籍も発表されていましたね。 「背負うものができたことで力にもなってますし、彼女は精神的な支えにもなっていることも好調の大きな要因です(照)。試合前は自分勝手になってしまう部分もあるのですが、彼女は元格闘家だけにそういうことも理解していただけたり、食事面もバランスよく作ってくれるのも助かっています」 ――2月にトーナメントが開幕し、トーナメント途中でこのような発表したことでプレッシャーは大きくなると思うのですが、逆に優勝する自信があったからですか? 「特に意識することはなかったのですが、タイミングが重なってしまいました。絶対に負けられないと思いますし、優勝する自信もかなりあります」 ――ファンも知りたいと思うので聞きたいのですが、いつから佐藤さんとはお付き合いを始めたのですか(笑)? 「それまで所属していたBeWELLキックボクシングジムを辞めて引退して、JSKキックボクシングジムに身体を動かす程度で通っていたら、2年半前ぐらいに彼女が出稽古に来てそこで出会い、彼女のハキハキしているところ、よく笑うところに惚れてしまいました(笑)。付き合いたいと思って僕から告白したところ、すぐに返答をもらえず3時間ぐらい待たされました。伶南はまだ現役選手だったので、業界的に考えることもあったようで、僕に対しての興味は『NOではないけど、YESとは言えない』感じだったみたいですが、3時間後にようやくOKの返事をいただきました。交際していく中で同棲も始めて結婚も考えるようになりました」 ――プロポーズの言葉は何でしたか? 「笑。『結婚したい』と毎日のように自分の気持ちを言い続けていたので、ちゃんとした言葉やサプライズ的なものは特になかったです」 ――ジャブをひたすら出し続けてフィニッシュブローはなかったと? 「はい、自分のファイトスタイルと同じで技を散らしまくって勝つパターンと同じでした(笑)」 ――貴重なお話をありがとうございました(笑)。次戦についてお聞きしたいのですが、HIROYUKI選手とはアマチュアでの対戦も含めて1勝1敗3分と五分、生年月日も同じなんですよね。 「プロデビューした日も同じです(笑)。僕は一度引退してもう戦うこともないだろうなと思ってましたが、まさかですよね。HIROYUKI選手はRIKIXに移籍してからKO勝ちも多く、自分よりもかなり上にいっていたので、復帰してからももうやることもないとは思ってました。トーナメント出場メンバーが発表された時に、できればやりたくなく、もしやるとしたら決勝戦がいいなとは思ってましたが、いざ決まってからは複雑な気持ちになりました。同じ日に生まれているからなのか、ファイトスタイルとか関係なく、なんかすごくやり辛いんですよね。向こうも同じことを言っていました」 ――5回もやって向こうの手の内を知っているだけにやりやすい部分はないですか? 「最後にやったのが8年前(2015年5月17日、新日本フライ級タイトルマッチで麗也が5RKO勝ち)で年月経っていてお互いに成長しているのですが、人ってそんなに変わらない部分はあると思うので対策、試合のイメージはしやすいですね。僕はKOするタイプではありませんが、タイミングが合えば倒して勝ってはっきり決着を付けたいと思います」 ――決勝戦には花岡竜選手と山田航暉選手のどちらが勝ち上がってくると予想しますか? 「結構予想は難しいのですが、順当にいけば花岡選手だと思います。誰もが優勝予想は花岡選手で対抗馬はHIROYUKI選手。伶南からも僕が優勝すると思われていませんが、自分が優勝しているイメージができてますし、家でも「オレ、優勝すると思うよ」と毎日のように言ってます」 ――優勝賞金で奥さんに何をプレゼントしますか? 「新婚旅行したり、フォトウェディングを撮りたいと思います」 ――最後にファンにメッセージをお願いします。 「自分を優勝予想している人は少ないと思うのですが、準決勝でライバル対決を制して、決勝戦で花岡選手を倒して自分の評価を上げて優勝します! 頑張ります!」 [nextpage] HIROYUKI「最終決着戦として相応しいのかなと思う」 ――2月のトーナメント一回戦で対戦した國本真義選手とは、2018年3月に新日本キックのリングで対決し引き分けて以降、5年ぶりの再戦でしたがいかがでしたか。 「一回やった時から凄くやりづらい選手だなとは思っていましたが、やはりやりづらかったですね。周りからは國本選手のカーフキックが効いていたと思われてますが、全然効いてなくて、僕がインローを出した時に相手の膝の変なところに当たってそれで痺れてしまいました。なかなか踏み込めない状況になったことで後手に回る戦い方になってズルズルと判定までいく戦い方になってしまいました。トーナメント一回戦で一番しょぼい勝ち方をしたかなと。それまで『NO KICK NO LIFE』では全試合KO勝ちしていたので、力みすぎてしまいました」 ――準決勝が近づいてますが、調子はいかがですか? 「だいぶ仕上がってきているので試合が楽しみです」 ――今回ワンデートーナメントで勝ち上がれば2試合になりますが、過去何番目ぐらいに練習してますか? 「ずっときつい練習をしているので分からないです(笑)。2試合やる意識で練習してますが、いつも通りの練習で特別にやっているメニューもありません」 ――練習嫌いで有名でしたが、意識も変わりました? 「今でも嫌いですよ(苦笑)。嫌いですけど、練習をやらなきゃ勝てないし、倒せないです。練習しないで勝ってもやり切った嬉しさがなく、ラッキーだと感じていました。移籍後のRIKIXで練習して倒せるようになってからは、練習してきたことが報われたと思うようになったので全然違います」 ――ずっと真面目に練習しておけば良かったと後悔はないですか? 「練習の大切さを知ったことで逆に今で良かったのかなと思います。ずっと練習をしてきて結果も出なかったら、僕の性格的にも辞めていたと思いますし。今年28歳になるのですが、今これだけ練習をしているんだから負けたらしょうがないと思えるぐらい練習しています」 ――今までに1日2試合の経験は初ですか? 「一度、昨年3月の岡山ジム主催興行で「ZAIMAX MUAYTHAI53kg賞金トーナメント」に出たのですが、初戦で花岡(竜)選手に負けてしまったので2試合こなすことになれば初めての経験になります。ただ花岡選手とやった時はダウンをしてしまいましたが、体力的にはできると思いました。いつも試合後には酸欠でヘトヘトになることもないので、問題ないと思います」 ――今回の相手、麗也選手とはアマチュアでの対戦も含めて1勝1敗3分と五分、生年月日も同じなんですよね。 「もう親戚みたいな感じです(笑)。この前、アマチュア大会の会場で会ったのですが、対戦相手として意識することもなく、麗也君は結婚したばかりなので「おめでとう」とは伝えました。所属していた団体が分裂したり、向こうは怪我もあって試合から離れたりしていた時期もあったのですが、麗也君のことはずっと気になっていたし、また試合をすることもあるのかなと思ってやはり気になる存在でした。こうやってトーナメント組み合わせ抽選した上でまた対戦することが決まってこれも運命なのかなと。決勝戦で当たっても面白かったのでしょうけど、お互いに怪我もなくベストコンディションで戦えるのは最終決着戦として相応しいのかなと思います」 ――ここまで何度も対戦してお互いに手の内を知っているだけに、やり辛さはないですか? 「最後にやったのが8年前(2015年5月17日、新日本フライ級タイトルマッチで麗也が5RKO勝ち)ですし、当時の練習量と比べても今は何十倍も練習しているので、その時の僕と同じ感覚で戦うと麗也君はビックリすると思いますよ。ただ、麗也君も戦略を立てることが長けた選手なので、自分の弱点などを研究してくるんだろうなと思っています」 ――前回戦った時と比べて今は何倍強くなっていますか? 「あの時の自分が今の自分とやっても相手にならないと思いますし、格段に強くなっているのは間違いないです」 ――決勝戦が控えているだけに短期決着は狙いますか? 「そこはもうノリで決めますね。倒せるなら倒すし、無理に攻めて深手を負って決勝戦に万全な状態で行けないと思います。準決勝で勝つことがゴールではないので、そんな甘い相手ではないと分かってますが、決勝戦を見据えて勝ちたいと思います」 ――麗也選手は一度引退していますが、一度引退している選手に負けられないという気持ちはないですか? 「特にそういうのはないですね。引退しているとは思わないですし、ただ長期離脱、怪我で休養していただけで今凄く練習していると思うのでそこまで気を抜いてないですし、倒しに行くつもりでやります」 ――麗也選手は結婚したばかりでさらに負けられない理由が増えました。 「結婚したからといってどうなるわけでもないですし、僕にとっては関係ないことです(笑)」 ――決勝戦にはどちらが勝ち上がってくると予想していますか? 「大本命の花岡君が上がってくる想定はしているのですが、山田選手も一筋縄では行かない選手だと思います。僕は花岡君に負けているのでせっかくならリベンジしたいですね。勝てるかどうかはやってみないと分からないですが、100%勝てないわけではありません」 ――過酷なトーナメメントになりそうですね。 「決勝戦が5R制なんですよね。それを聞いた時に『マジかよ!?』と思いました(笑)」 ――優勝したら賞金は何に使いますか? 「特に何を買いたいという物欲もなく、奥さんが財布を握っているので僕には関係ないですね(笑)。優勝賞金を獲って家族が幸せになるのなら、獲る価値はあるのかなと思います。賞金以上に地位、名誉が付いてきて、過酷なトーナメメントを制したという肩書きにもなると思いますので、そっちの方が大きいと思います」 ――トーナメント優勝後に考えていることはありますか? 「今はベルトを持ってないですし、次で50戦目になります。これから何戦できるかは分かりませんが、せっかくなのでヒジありの世界タイトルに挑戦したいですね。あと、現役最後の方で一度でいいのでめちゃくちゃ強いタイ人とやってみたいですね。どれだけ自分が通用しないのかを肌で感じてみたいです」 ――どれだけ自分が通用しないのか、ですか!? 「あっ、間違えました。自分がどれだけ通用するか、ですね(笑)」 ――どれだけ通用すると思いますか? 「通用しないと思いますが(笑)、恐怖以上に自分がどこまで行けるのかに興味はあります」 ――石井弘樹さん、緑川創さんといった先輩方が強豪選手とやったようにHIROYUKI選手も『NO KICK NO LIFE』で引退試合は決定ですかね。 「いや、しれっと引退したいので引退試合といってかしこまった形でやりたくないです(笑)」 ――最後にファンにメッセージをお願いします。 「日本の強い選手が集まったトーナメントということで凄く注目度の高い中、そこで僕がインパクトある勝ち方で優勝します。会場に来てもらった方に『次もHIROYUKIを応援しよう』と思ってもらえるような試合をするので応援よろしくお願いします」
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