2023年7月2日(日)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)『RISE WORLD SERIES 2023 1st Round』の記者会見が、5月18日(木)都内にて行われた。
オープンフィンガーグローブマッチ-63kg契約3分3Rで、RISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リー(韓国/RAON)vs.ライト級11位・山口侑馬(道化倶楽部)が決定。リーにとって初のOFGマッチが63kg契約で行われるのは、リーが階級を上げることも視野に入れているためだという。
“韓国の鉄拳”リーは強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2018年にはKNOCK OUTアジアトーナメント(ヒジあり)に出場すると町田光、森井洋介をTKOで下し決勝戦へ駒を進めたもののヨードレックペットに敗れ準優勝。2019年3月より開幕した「RISE WORLD SERIES -61kgトーナメント」では1回戦で裕樹に勝利したが、準決勝で梅野源治に敗れた。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。今年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。戦績は29勝(15KO)12敗1分。
山口は大阪山口兄弟の弟で、Innovation、DEEP☆KICK 60kg級でタイトル獲得経験を持つ。KNOCK OUTで活躍し、兄同様の倒すか倒されるかのド突き合いファイトを展開。RISEでは2019年7月の後楽園ホール大会で、4勝4KO無敗のホープ森香津眞を2RにKOで仕留め、9月にはRISEスーパーライト級王座決定戦へ進出したが山田洸誓にKO負け。2021年5月にRISE初のOFGマッチでYA-MANと対戦してKO負けを喫し、2022年2月の『RISE FIGHT CLUB』で再起戦を行ったが、木村”ケルベロス”颯太に判定負け。8月には伊藤澄哉と対戦も偶発性のサミングによる負傷判定での勝利と不完全燃焼に終わった。戦績は20勝(14KO)15敗2分。
会見に出席した山口は「僕にしてくれる注目もこの前の試合で兄が作ってくれた注目やと思うので、その波に乗れるようにしっかりアツい試合をして、今度は勝てるように頑張ります」と挨拶。兄の裕人は3月大会にてタリソン"Crazy Cyclone"フェレイラとダウン応酬の末の壮絶なKO勝ちで、会場を大いに盛り上げていた。
リーの印象については「多分みんな思ってるのと一緒やと思います。あんなヤツにOFG付けさせたらヤバいですよね。そういうところも楽しんでもらって」と、嬉しそうに答える。
強打のリーとOFGと殴り合うのはワクワクと不安のどっちが大きいか、その問いに山口は「もちろんワクワクの方がデカいですね。不安はあまりないかな、いつも。楽しそうな相手を当ててもらって。僕はああいう選手相手の方がいいパフォーマンスが出来ると思うので、今回はけっこう期待してもらっていいかも。自信あります」と、楽しみで仕方がない様子。
その自信はOFGルールでの経験が自分の方が上だからかと聞かれると、「もちろんそこも強みやし、最近めっちゃ調子がいいです。なんか成長しました、いろいろと。それも今回の試合に出せると思うし、前までは兄が山口兄弟の名前を上げてくれたから、それに必死でしがみついていた感じがあるけれど、今のメンタル的な感じ、実力、練習の感じで今はその波に乗れる自信あるかな。けっこう勝てると思っています」と語った。 リーからは「OFGマッチは初めてなので少し心配です。OFGマッチは危険なシーンがたくさん出てきそうです。衝撃的にKOするので救急車をしっかり待機させてください。楽しくてアツい試合をするので期待してください」とのビデオメッセージが公開された。
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また、-62kg契約3分3RではRyuki(フリー)vs.イリアス・バニス(モロッコ)も決定。
Ryukiは6歳から格闘技を始め、アマチュアで130戦以上を経験して2015年にキックボクシングでプロデビュー。2017年に中国で行われた英雄伝説2017の60kg級でアジア王者に輝いた。プロデビューから18戦無敗の戦績を引っ提げ、2019年2月にRISE初参戦を果たしたが、篠塚辰樹に初黒星を付けられた。しかし、同年7月には中村寛を判定で破っている。その後はMMAに転向してRIZINにも出場し、3勝1敗の戦績をあげているが今回キックボクシングにカムバック。戦績は18勝1敗1分。
バニスはアーネスト・ホースト、ギルバート・バレンティーニ、イワン・ヒポリットら歴史に残る名キックボクサーを輩出したオランダの名門ジムであるボスジム所属。フック&ローの対角線コンビネーションを駆使し、右ロー、右フック、右アッパーに威力を持つ。特に下から潜り込むようにして打つ右アッパーは怖い武器。二回転回し蹴りといった派手な技も持っている好戦的なファイターだ。ENFUSIONを主戦場とする選手で、2022年12月のRISEにアブデラ・エズビリの欠場を受けて緊急参戦。-65kg契約の試合だったにも関わらず白鳥大珠と熱戦を展開し、判定で敗れるも「ベストウェイトだったらどれだけ強いんだ」と言われた。今回は本来の階級での出場となる。戦績は24勝(12KO)7敗2分。ISKA欧州ライト級王者。
Ryukiは「4年ぶりにRISEに上がること感謝します。4年前にRISE大阪大会で与えた衝撃(中村戦)を超すくらいの試合をしたいと思います」と挨拶。バニスについては「まだ映像を見ていないので分かりませんが、写真で見る限りでは強そうですね」とした。
キックボクシングの試合をするのは「MMAの練習をしているにあたって、打撃の感覚がめっちゃ良くなってきて。今キックボクシングの試合をしても面白いと思ったのと、僕の格闘技人生もそんなに長くないと思っているので、最後はあと何年かは分かりませんが悔いがないように楽しいことをしたいなと思って参戦を決めました」との理由からだという。
伊藤RISE代表からはOFGマッチに挑んでもらいたいとのリクエストがあり、Ryukiは「いい相手がいればやってみたい」と乗り気だった。
また、Super Fight!のウェルター級(-67.5kg)3分3R延長1RでRISEウェルター級王者・中野椋太(誠至会)vs.イ・ソンヒョン(韓国/RAON)も決定。
中野は2018年12月にNJKFウェルター級王者になった左フックを得意とするアグレッシブファイター。RISE初参戦となった2019年7月、憂也に初回KOで勝利。10月には65kg級のS1ジャパントーナメントで優勝。RISE2度目の参戦となった2020年2月にはスーパーライト級王者・山田洸誓に判定負けを喫するが、11月のRISEでは山口裕人から左フックでダウンを奪って勝利した。2021年7月にはWBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。2022年3月、5月の「第3代RISEウェルター級(-67.5kg)王座決定トーナメント」を制して王座に就いたが、8月にチャド・コリンズに初回TKO負けを喫した。今回はそれ以来の試合となる。戦績は21勝(10KO)7敗。
“コリアンモンスター“ソンヒョンは日本ではRISEで活躍、世界を股にかけて試合をするトップファイターで、戦績は67勝(17KO)10敗2分。ブアカーオ・バンチャメーク、佐藤嘉洋とも対戦経験があり、RISE三階級制覇の裕樹、シュートボクシング世界王者の鈴木博昭、HOOST CUP王者の麻原将平など国内トップファイターを次々と撃破。2019年7月には松倉信太郎と第4代RISEミドル級王座決定戦を争い、第2代ライト級王座に続いての2階級制覇を達成。2021年11月には北アイルランドでWKN世界ウェルター級王座も獲得している。今年3月、RISEミドル級王座の初防衛戦に臨んだが、海人に敗れて王座を失った。4月には韓国でKO勝ちし、KTK-70kg王座に就いている。今回からウェルター級に階級を下げて臨む。
<決定対戦カード>
▼スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R数島大陸(及川道場/RISEフライ級1位)松岡宏宜(H・K・A gym/第3代KOSスーパーフライ級王者)
▼スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R塚本望夢(team Bonds/RISEフライ級3位、初代DEEP☆KICK -51kg級王者)山川敏弘(MaynishKickBoxingGym)
▼バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R京谷祐希(TEAM TEPPEN/同級8位)翔磨(多田ジム/第6代DEEP☆KICK-55kg級王者、HOOST CUP日本バンタム級王者)
▼オープニングファイト スーパーライト級(-65kg) 3分3R将太(KSS健生館/2022年RISE Nova 全日本大会 -70kg級トーナメント優勝)剣心(誠輪GYM)
▼オープニングファイト フライ級(-52kg) 3分3RHotaru(Continue)河埜留奈(TEAM TEPPEN)