2023年6月17日(土・現地時間)オランダ・ロッテルダム・アホイ・アリーナ『GLORY COLLISION 5』の対戦カード第一弾が発表された。
メインイベントでは、ヘビー級1位アントニオ・プラチバット(クロアチア)と2位タリック・オサロ(ナイジェリア)がGLORYヘビー級暫定王座を争う。これは8年間不敗を誇る現ヘビー級王者リコ・ヴァーホーベン(オランダ)にプラチバットが挑戦するタイトルマッチが行われる予定だったが、ヴァーホーベンは膝を負傷し、2023年後半まで欠場することになったため。
プラチバットは第1回K-1グランプリで優勝したブランコ・シカティックの弟子で、2017年11月の「K-1初代ヘビー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦でK-Jee、準決勝で上原誠に連続KO勝ちして決勝ではエル・ボウニに判定勝ちして初代ヘビー級王座に就いた。2018年3月の再来日ではロエル・マナートの挑戦を受けて初防衛戦を行ったが、判定負けで王座を失っている。2018年5月にはONEに参戦するも敗れ、2019年6月からはGLORYに参戦。2022年11月にラウル・カティナスを1RでKOし、現在4連続KO勝ち中。身長193cm。戦績は22勝(16KO)4敗。
オサロはサッカーからキックボクシングに転向し、2022年3月に「Road to ONE: Utrecht」ヘビー級トーナメントで優勝したが、ONEではなく5月からGLORYに参戦。2戦目でリーヴァイ・リガーズに敗れるも、GLORYで4勝(4KO)1敗の好戦績。4月のヘビー級トーナメントを2連続KOで制し、今回の暫定王座決定戦へ進出した。戦績は24勝(12KO)2敗1分。
両者はトレーニングパートナーの間柄であるが、一晩だけ友情を捨てて、GLORYヘビー級暫定王者決定戦に臨む。
加えて3つのタイトルマッチも決定。まずミドル級タイトルマッチでは王者ドノバン・ウィッセ(スリナム)が1位セルカン・オズカグライヤン(トルコ)と対戦する。
ウィッセは2016年11月にプロデビューすると連戦連勝で2018年9月からGLORYに参戦。しかし、12月の2戦目でプロ初黒星を喫した(12戦目)。その後は再び連勝の波に乗り、2021年9月にユスリ・ベルガロイをTKOに破って王座を獲得。2022年8月には初防衛に成功した。2023年2月にはシーザー・アルメイダと防衛戦を行うはずだったが、アルメイダが体重超過のためノンタイトル戦に変更となり判定勝ち。戦績は18勝(10KO)1敗。
オズカグライヤンはK-1ヘビー級で活躍したグーカン・サキの従兄弟。45勝(36KO)7敗という戦績を持つサウスポー。GLORYには2021年10月から参戦し、3戦目でシーザー・アルメイダに敗れるも5戦して4勝(3KO)1敗。2023年2月にセルゲイ・ブラウンを左フックでKOし、タイトル挑戦をアピールしていた。
ライトヘビー級タイトルマッチでは、王者ドネギ・アベナ(スリナム)が2位タリク・カバベ(モロッコ)の挑戦を受けての初防衛戦。
アベナは2015年9月にプロデビューし、2017年のA1WCCチャンピオンズリーグトーナメントで決勝まで勝ち上がった。GLORYには2018年12月から参戦し、2019年6月にはGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦したがタイトル奪取ならず。ここからGLORYで4連敗を喫するも2022年10月に当時ライトヘビー級3位のフェリペ・ミケレッティに判定勝ち、2023年2月にセルゲイ・マスロボイエフにTKO勝ちで王座を奪取した。戦績は26勝(7KO)9敗。
カバベは2015年スーパーコンバット・ワールドグランプリ・ヘビー級トーナメント優勝の実績を持ち、2018年6月からは『ONE』に参戦。4連勝してONEキックボクシング・ライトヘビー級王座に挑戦したが、ローマン・クリクリアにTKOで敗れた。2021年1月からはGLORYに参戦し、ヘビー級でリコ・ヴァーホーベンやアントニオ・プラチバット、ライトヘビー級でマスロボイエフといった強豪たちに4連敗を喫したが、2023年3月にダニエル・トレドにTKO勝ち。今回の挑戦へと漕ぎつけた。戦績は48勝(27KO)10敗1分。
ウェルター級タイトルマッチでは、王者エンディ・セメリア(キュラソー/オランダ)が1位ジェイ・オーバーメール(オランダ)の挑戦を受ける。
セメリアは2016年キング・オブ・ザ・リングトーナメントで優勝すると、2017年からはEnfusionに参戦。2017年にEnfusion -72.5kgトーナメントでジョーダン・ワトソン、ディオゴ・カラド、モハメド・カマル、そして決勝戦ではあのスーパーボン・バンチャメークに勝利して優勝した。GLORYには2022年9月に初参戦してシュコドラン・ヴェセリにKO勝ちし、11月の王座決定戦でアリム・ナビエフを判定3-2の大接戦の末に勝利して王座に就いた。4月にマーセル・グローエンハートを判定で破り、初防衛を果たしたばかりで早くも2度目の防衛戦。戦績は34勝(17KO)1敗で唯一の黒星は2019年2月にタイフン・オズカンに判定で喫したもの。
オーバーメールは2017年10月に16人制のWFLウェルター級トーナメントで優勝すると、2019年2月にはWFLウェルター級王座を獲得。2021年11月にはエンディ・セメレールが保持するEnfusion世界ウェルター級王座に挑戦したが、判定で敗れた。2022年3月よりGLORY参戦を果たし、2023年3月にジェイミー・ベイツをTKOで破り4連勝(3KO)をマークして今回のタイトル挑戦となった。戦績は29勝(15KO)4敗。
今大会は日本ではU-NEXTでLIVE配信される。