2023年5月6日(日本時間7日)、米国ニュージャージー州ニューアークのプルーデンシャル・センターにて『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』が開催された。
▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R〇アルジャメイン・スターリング(ジャマイカ)王者 23勝3敗(UFC15勝3敗)※UFC9連勝[判定2-1] ※48-47×2, 47-48×ヘンリー・セフード(米国)挑戦者 16勝3敗(UFC10勝3敗)※元UFC世界バンタム級&フライ級王者※スターリングが王座防衛
北京五輪フリースタイルレスリング55kg級金メダリストで、元UFC世界バンタム級&フライ級同時世界王者のヘンリー・セフード(米国)が、5月6日(日本時間5月7日)の『UFC 288』でMMAに復帰し、現UFC世界バンタム級王者のアルジャメイン・スターリング(米国)の王座に挑戦。
MMA16勝2敗、UFC10勝2敗のセフードは、2018年8月の『UFC 227』で、UFC世界フライ級王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦し、スプリット判定で王座奪取に成功。ジョンソンの防衛記録をUFC史上最多の11回でストップさせた。
翌2019年6月の『UFC 238』ではマルロン・モラエスとのUFC世界バンタム級王座決定戦で3R TKO勝ちでUFC史上4人目の二階級同時王者となった。
2019年12月19日にバンタム級に専念するためフライ級王座を返上。2020年5月の『UFC 249』でドミニク・クルーズに2R TKO勝ちでバンタム級王座の初防衛に成功後、バンタム級王座を返上し現役引退を発表していた。
現在セフードは、米国アリゾナ州フェニックスの「FIGHT READY」でコーチングに務めているが、ここ数年、MMA復帰も仄めかしてきた。2022年2月に米国反ドーピング機関(USADA)の管理下に復帰したことで、それが現実のものとなり、今回のMMA復帰となる。
対する現UFC世界バンタム級王者のスターリングは、2021年3月の『UFC 259』でピョートル・ヤンの反則のヒザ蹴りにより王座獲得。首の手術中に暫定王者となっていたヤンと2022年4月『UFC 273』で再戦。スプリット判定勝ちで王座の初防衛に成功した。2022年10月の『UFC 280』では元王者TJ・ディラショーに2R TKO勝ちで2度目の王座防衛に成功している。
2020年5月のドミニク戦以来、約3年ぶりの復帰となるセフードは、現在アリゾナでかつて鎬を削った元UFC世界フライ級&現ONE世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソンと練習を行っており、5月の復帰戦に向け、ハイレベルな環境でファイトキャンプに入ることになる。
36歳のセフードにとって、33歳のスターリングの王座にいきなりの挑戦は、無謀かそれとも最短ルートの頂点への返り咲きとなるか。
ブルース・バッファーのコールにいったん正座してから蹲踞で受けたセフード。スターリングのコーナーマンには盟友で同級1位のメラブ・ドヴァリシヴィリがつく。
1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるスターリングが右ハイで牽制。かわすセフードはスターリングの跳びヒザもサイドにかわす。圧力をかけるスターリングに右ローはセフード。スターリングはワンツー。右ヒザで前に出るが、セフードはボディロックからテイクダウン! フックガードのスターリングは足を手繰りに行くが、がぶるセフードに、立ち上がるスターリングが前に。左ミドルもキャッチするセフード。
四つに持ち込み、スターリングのダブルレッグをがぶり、しかしスターリングもレッスルアップで押し込み。シングルレッグから左差しに変えてあおってセフード脇を潜り、スタンドバックからヒザを突き、小外がけで崩して左足をかけようとする、その足を外して両者立ち上がったところでブザー。
2R、左ジャブを突くスターリング。右ローを当てるセフード。スターリングの長いジャブ。セフードは右前蹴りから右を突く。圧力をかけ始めたセフードが前に。右ハイをガード上に当てて、クリンチにヒザはスターリング。
右ハイは空振りも、右ローを当てるスターリング。ローシングルはセフードが切る。左の飛び込みはセフード。スターリングは組み付きは深追いせず離れる。右カーフを当てるセフード。左ボディストレートを突くスターリングに右ハイ。スターリングは左ジャブを当てて、後ろ廻し蹴りは空振り。セフードはスターリングの右をかわして右を振ると、続けて右ハイをガード上に当てる。
スターリングの左の蹴りをもらうセフード。右ローを互いに打つと、スターリングのタックルをセフードが切ってブザー。
3R、右ローから入るセフード。スターリングも長い左の蹴りのダブル。セフードは右の蹴り、さらに左の跳びヒザで前に出ると、スターリングのダブルレッグを切って、スタンド勝負。なおもダブルレッグはスターリング。切るセフードに左で差して詰めるも、すぐに体を入れ替えるセフード。ここでボディロックから崩したのはスターリング! 片ヒザ立ちから金網使い立ち上がるセフード。左で差して押し込むスターリングを突き放すセフード。スターリングのダブルレッグをがぶり、ノーアームギロチンを狙うが、放してスターリングは立ち上がり。スターリングは左右の蹴りで前に。
組んでダブルアンダーで両脇を差したセフードは大内刈でテイクダウンしてホーン!
4R、右で前に出るセフード。スターリングは左ストレートを返すと、回りながら右ロー。詰めるセフードは左で脇差し上げるが、突き放すスターリング。右ローのセフードに、足を取りに行くスターリングもスタンドに戻る。ワンツーで前に出るセフード。スターリングのダブルレッグを切って詰めるが離れて中央を取るスターリングは左の蹴り。その蹴り足を掴むセフードに片足立ちでヒジを突く、
組んで崩すセフード。首と右足を抱えて組むが、スターリングがシングルレッグから右足を挟んで尻を着かせる。
5R、最終回。中央に歩み寄り、右手を開いて互いにはたいたスターリングとセフード。詰めるセフードに左右にサークリングはスターリング。右ミドルのセフードに左の蹴りを2発返すスターリング。詰めるセフードは右ミドルハイ。スターリングは後ろ蹴り。さばくセフードに、スターリングの後ろ蹴りとセフードの右が交錯。スターリングの左ストレートを。しかし蹴り足を掴んで右はセフード! 左ミドルを当てるスターリング。
詰めるセフードにダブルレッグに入るスターリング。切るセフードは右の蹴りで前に。そこに両脇を差して組むスターリングだが四つに持ち込んだセフードが引き剥がす。
スターリングの左の蹴りを肩口まで上げて押し込みテイクダウンを奪うセフード。すぐに立ち上がるスターリングにセフードが両脇を差して押し込み、ホーン。1Rと4Rがスターリング、3Rと5Rがセフードが獲ったとすると2Rはどうなるか。
スターリングはケージ上に座り勝利をアピールする。判定は2-1(48-47×2, 47-48)に割れて、スターリングが王座防衛。次期挑戦者にショーン・オマリーを指名。赤いジャケットを着たオマリーがケージインし、ジャケットを脱ぎ捨て舌戦を展開。そのジャケットをドヴァシヴィリが羽織り、笑顔で見守った。
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▼ウェルター級 5分5R〇ベラル・ムハマッド(パレスチナ)22勝3敗(UFC14勝3敗)※UFC5連勝[判定3-0] ※50-45, 49-46×2×ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)21勝6敗(UFC14勝6敗)
5分5Rのウェルター級戦。5位のバーンズが緊急参戦。4位で8連勝中ベラル・ムハマッドと対戦する。バーンズは4月8日のUFC287でホルヘ・マスヴィダルに勝利してからわずか1カ月の連続参戦。
1R、ともにオーソドックス構え。左右スイッチするムハマッドは左ハイ。ブロックするバーンズは左ジャブ。右オーバーハンドをガード上に突く。
左ジャブのムハマッド。バーンズは右ミドル。その蹴り足を取ろうとするムハマッドだがバーンズは抜く。左ハイのバーンズに、同じく左の蹴りはムハマッド。続く左ミドルにテイクダウンを合わせたバーンズだが、ムハマッドはすぐに立ち上がる。
左右足を入れ替えるムハマッド。バーンズは左ミドルを当てるが、その打ち終わりにムハマッドは左ストレートでバーンズに腰を落とさせる。左ローのムハマッド。さらに左ハイは肩口もバーンズがバランスを崩す。
2R、互いに慎重な中盤。左ミドルのムハマッド。バーンズは右前手のフックをかすめる。左右の前足を変えながら左ミドルはムハマッド。そこに右を打って組もうとするバーンズだが、ムハマッドは突き放す。
3R、右ストレートを突くバーンズ。左構えでミドル。的が絞りにくいバーンズは組みつけないか。ムハマッドは左ミドルハイ。右オーバーハンドをガード上に当てる。さらに今度は右ハイのダブルを上腕に当てる。バーンズは右オーバーハンドのダブルで押し戻すがガード上。ムハマッドは左ミドルをジャブのように返す。
左前蹴りから左ミドルハイと打ち分けるムハマッド。ガードするバーンズだが、その入りはかわされ、左ミドルをガード上にもらう。上腕に蹴りをもらうバーンズは得意の右の手数が減る。
4R、左ミドルを腹に突くムハマッド。バーンズの右ストレートのダブルもムハマッドはバックステップ。さらに左ミドルのムハマッドは左ジャブも。バーンズはジャンピングの右ハイをガード上に当てる。詰め返すバーンズはワンツー。さらに右前足にシングルレッグで足首を持ち上げるが足を抜くムハマッド。続くシングルレッグもバーンズは深追いしない。
右ローを当てるバーンズに、右ハイはムハマッド。サウスポー構えになったところにバーンズは右オーバーハンドヒットするとムハマッドも左の連打で押し返す。バーンズは鼻から出血。
5R、左ミドルハイのムハマッド。ワンツーからシングルレッグもムハマッドがこらえると足を外すバーンズ。ムハマッドはワンツー、左ミドル。バーンズは右カーフキック、さらに右ミドルを当てるが、ムハマッドは詰め返して左ボディストレート。バーンズの右は単発。バックステップでかわすムハマッドはその右手を掴んで右を上下に突いて、左ミドル。そのままホーン。
判定は3-0(50-45, 49-46×2)でムハマッドが勝利。試合後、「8週間あればジョン・ジョーンズだろうが誰とでも戦う。直前のオファーでバーンズが怪我していようが強いから余裕はなかった」と語った。
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▼女子ストロー級 5分3R〇ヤン・シャオナン(中国)17勝3敗(UFC8勝2敗)[1R 2分20秒 TKO] ※右フック→パウンド×ジェシカ・アンドラージ(ブラジル)24勝11敗(UFC15勝9敗)
女子ストロー級4位のアンドラージと、6位のシャオナンの対戦。
アンドラージは、前戦でタイラ・サントスの代役としてフライ級でエリン・ブランチフィールドと緊急対戦も一本負け。ストロー級では2019年8月に現王者ジャン・ウェイリーに1R KO負けしている。
シャオナンは、エスパルザとロドリゲスに敗れるも。2022年10月の前戦でマッケンジー・ダーンに判定2-0で勝利した。
1R、ともにオーソドックス構え。長いジャブを突くシャオナンに、左右フックで前進はアンドラージ。シャオナンは右ストレートを当てると、右ローを2発。左のダブルで前に出て来たアンドラージに右に回りながら右フック! 後方にダウンしたアンドラージに鉄槌3発でレフェリーが間に入った。
試合後、シャオナンは、チームアルファメールのユライア・フェイバーらに感謝の言葉を述べると、「ウェイリーも私もトップファイターの一員だと思う。ダナ、実現してほしい」と、同朋の現王者ジャン・ウェイリーとの中国対決をアピールした。
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▼フェザー級 5分3R〇モフサル・エフロエフ(ロシア)17勝0敗(UFC 7勝0敗)[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ディエゴ・ロペス(ブラジル)20勝6敗(UFC 0勝1敗)
フェザー級10位のエフロエフは当初11位のブライス・ミッチェルとの対戦が組まれていたが、ミッチェル欠場でブラジルのロペスが緊急参戦。ロペスはコンバット柔術でも活躍する柔術黒帯。2021年のコンテンダーシリーズでジョアンダーソン・ブリトに判定負けしている。
1R、ともにオーソドックス構え。エフロエフの右からのアンクルピックにダウンしたロペス。パウンドも被弾したロペスだが、下から三角絞め狙い、腕十字に一瞬、エフロエフのヒジが伸びるが、ずらしたエフロエフ。
2R、右オーバーハンドを振るエフロエフ。ロペスも左右フックで押し戻し。ワンツーの右をエフロエフが当てると、ロペスの右の打ち返しをかわす。手数が減ってきたロペス。エフロエフは金網に詰めてダブルレッグテイクダウン。下のロペスはクローズドガードもパウンドに足を開き跳ね上げを狙うが、残すエフロエフが上からパウンド。ボディ打ちから顔面と打ち分けれ、ロペスは削られる。
3R、左フックを振るロペス、エフロエフは圧力をかけるとロペスが後退。左で差して押し込むエフロエフは右ヒジ、さらにダブルレッグテイクダウン。立ち上がるロペスをボディロックから崩してヒザ蹴り、背後から胴をクラッチして右ふくらはぎに右ロー。
腕をクラッチしたロペスは後方にストレートアームバー! 一瞬腕が伸びるが前転して外したエフロエフ。スタンドバックでなおもロペスは背後のエフロエフにストレートアームバー! それを外そうとするエフロエフにロペスは足を手繰り、ニーバーへ! ヒザが伸びるが、エフロエフは表情を変えず右手をクラッチの部分に差し込み耐えてホーン。
判定は3-0(29-28×2, 30-27)でエフロエフが勝利。MMA17勝無敗、UFC 7戦全勝としたエフロエフは、「ロペスには直前のオファーを受けてくれて感謝している。ラマダンもあったからすべてスムーズだったわけじゃないけど、たいていのことは経験している。サブミッションも何があっても僕はタップしない。コリアンゾンビと戦えたらいいね。ATTとパルンピーニャコーチに感謝したい」と語った。
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▼フェザー級 5分3R〇シャルル・ジョーデイン(カナダ)14勝6敗(UFC5勝5敗)[判定3-0] ※30-27×3×クロン・グレイシー(ブラジル)5勝2敗(UFC1勝2敗)
フェザー級戦。3年7カ月ぶりにオクタゴンに復帰するクロン・グレイシーは、ネイト・ディアズらとモンタナの自身のジムで今回の試合に向けてキャンプ。
日本のREAL1でMMAデビュー後、RIZINでアーセン山本、所英男、川尻達也に連続一本勝ち後、2019年2月にUFCデビュー。アレックス・カサレスに1R リアネイキドチョークで勝利し、2戦目のカブ・スワンソン戦では打撃で打ち負け判定で敗れた。
ジョーデインはUFC4勝5敗1分け。アンドレ・イーウェルに判定勝ち後、ランド・ヴァナタにギロチンチョークで一本勝ちも、シェーン・バーゴスに判定負け。2022年9月のナサニエル・ウッドに判定負けで2連敗中。左ストレート、ハイキックだどの打撃とギロチンを得意とする柔術黒帯のストライカー。
クロンのコーナーにはデミアン・マイアの姿。
1R、サウスポー構えのクロン、オーソドックス構えのジョーデイン、喧嘩四つでジャブの突きあいからジョーデインが左右をガード上から当てる。
押し込み組むクロンを突き放すジョーデイン。差し上げ投げに飛ばされるクロン。ジョーデインは右アッパーも突き、クロンから離れる。
ガードを固めて近づくクロンは奥襟を取って引き込み! クローズドガードの中にジョーデインを入れると、ジョーデインは両手をマットに着かず伸ばさず中央にステイ。一気に身体を離す。
シッティングガードで近づき、立ち上がるクロンは右を振って前に。金網に押し込み左クリンチアッパーもジョーデインは離れる。左インローのクロンにジョーデインは出入りで左右をまとめる。
2R、ジャブから右を突くジョーデイン。クロンは右を伸ばして組みに行くとクリンチから引き込み。金網側に頭があるクロン。腰を切り腕十字狙い。腕を引くジョーデインに下からクローズドガードでヒジを突く。しかし上のジョーデインは脇腹への細かいパンチから立ち上がり。
ガードを固めるクロンに右アッパーから左とまとめるジョーデイン。頭を下げて前に出るクロンに右アッパーを突く。詰めて組んで引き込むクロンに場内からブーイング。中央にステイするジョーデインに下からヒジと細かいパンチはクロン。
3R、左ジャブをガード上に当てるジョーデインは右ボディストレートも。クロンは半身から右ジャブを突き、頭を後ろを掴むとジャンピングガードを狙うが、突き放すジョーデインは右ボディ! 右手を伸ばすクロンにクリンチアッパーを突く。追って組んでクローズドガードに引き込んだクロン。足を開き、下から細かいパンチも、ガード固めるジョーデインはすくっと立ち上がる。
シッティングガードで近づくクロンの足を蹴るジョーデイン。レフェリーにスタンドを要求されて立つクロンだが立ち上がりが重い。前に出るクロンに右アッパー、右ストレートのジョーデインに下がるクロン。ホーン。
オクタゴンでは、ほとんど見られなくなった引き込みで勝負したクロンだが、そこから仕掛けられず。ジョーデインはガードの中ではリスクを冒さず、スタンド勝負し、判定は3-0(30-27×3)でジョーデインが勝利。「しっかり仕事を果たせたと思う。ワクワクした試合にできず申し訳ないが、チームで対策を練ったおかげで勝利した」と語った。
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【プレリム】
▼ライト級 5分3R〇マット・フレボラ(米国)11勝3敗(UFC5勝3敗)※UFC3連勝3KO[1R 4分08秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×ドリュー・ドーバー(米国)26勝12敗(UFC 12勝8敗)
1R、サウスポー構えのドーバー。オーソドックス構えのフレボラは思い切りとよく右ストレート右ミドル、右スーパーマンパンチと攻め込む。ブロッキングのドーバーは左で詰めると左ハイは空振り。フレボラは右インロー。しかし、ドーバーの左ボディストレートにくの字になるフレボラの右ハイは空振り。続く右スーパーマンパンチはヒット。
ドーバーは左ハイから右後ろ廻し蹴りで詰めて左から右を打ちこむも、そこにフレボラはカウンターの右ストレート! 後方にダウンしたドーバーは、パウンドの連打を浴びながらも上体を立てて脇の下に頭を置こうとしてからフルガードに入れようとしたが、レフェリーが間に入った。
UFC3連勝3KOを決めたフレボラは、「ドリューのことは尊敬しているが、今日は俺の日だった。パディ・ピンブレット、UFCでは試合を選べない。俺とやろうぜ」と語った。
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▼ライトヘビー級 5分3R〇ケネディ・エンジーチュクー(ナイジェリア)12勝3敗(UFC6勝3敗)※UFC3連勝2KO[2R 2分28秒 ニンジャチョーク]×デビン・クラーク(米国)14勝8敗(UFC8勝7敗)
ライトヘビー級のエンジーチュクーは、2連勝中。2021年11月に元HEATライトヘビー級王者のチョン・ダウンにTKO負け、2022年3月にニコラエ・ネグメレアヌにスプリット判定負けも、7月にカール・ロバートソンに、11月にイオン・クテラバにいずれもTKO勝ちしている。
クラークはUFC8勝7敗。2022年8月にアザマト・ムルザカノフにTKO負けも、2023年2月の前戦ではチョン・ダウンに判定勝ち。
1R、先にクラークから組むが、体を入れ替えるエンジーチュクーは右手首をコントロールして左でパンチ。離れたクラークは右ストレートを返してラッシュ! しかしガード固めて凌ぐエンジーチュクーは一転、体を入れ替えるとクリンチボクシングで攻め込み、左ヒジを連打する。
2R、詰めるエンジーチュクーは左ストレート、金網際で首相撲ヒザ。右で差して左パンチ、ヒザ! 効かされながらも右を返すクラークだが単発。シングルレッグのクラークにニンジャチョークを極めに行くエンジーチュクーはクラークを絞め落として「誰とでも戦う」と語った。
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▼ウェルター級 5分3R〇ケイオス・ウィリアムズ(米国)14勝3敗(UFC5勝2敗)[判定2-1] ※29-28×2, 27-30×ローランド・ベドヤ(ペルー)13勝2敗(UFC0勝1敗)
1R、ともにオーソドックス構え。ウィリアムズの左右のラッシュを凌ぐベドヤ。ワンツーの右を被弾すると右後ろ蹴り。サウスポー構えにスイッチし左前蹴り。ウィリアムズは組みで押し込み。
2R、右カーフを打つベドヤ。ウィリアムズも右ローを返して左右で詰めるが手打ちに。ワンツーを返すベドヤ。ウィリアムズの組みも突き放し、ベドヤが右ロー。
3R、左右から組むウィリアムズを突き放すベドヤが右カーフ、ワンツーとまとめて組みもここはウィリアムズが突き放す。ベドヤは近い距離で右ストレート、ヒジ・ヒザ、カーフとこつこつ打つ。足が出なくなるウィリアムズ。さらに右カーフのベドヤ。ウィリアムズの打ち終わりに組むも離れる。ウィリアムズは左右も手打ちに。そこに右カーフはベドヤ。ウィリアムズは右インロー。しかしベドヤは右オーバーハンド。ウィリアムズのスーパーマンパンチをかわしてホーン。
判定は2-1でウィリアムズが辛勝。中盤からカーフを軸に攻め返したベドヤはUFC初陣を飾れずMMA13勝2敗に。
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▼女子ストロー級 5分3R〇ビルナ・ジャンジローバ(ブラジル)19勝3敗(UFC5勝3敗)[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×マリナ・ロドリゲス(ブラジル)16勝3敗(UFC6勝3敗)
女子ストロー級5位のロドリゲスと、9位のジャンジロバがプレリムに登場。ジャンジロバはInvicta FCで魅津希、UFCで村田夏南子に勝利している柔術ベースのグラップラー。UFC4勝3敗でカーラ・エスパルザ、マッケンジー・ダーン、アマンダ・ヒバスにいずれも判定負けも、2022年5月の前戦でアンジェラ・ヒルに判定勝ち。
ストライカーのロドリゲスはUFC4連勝後の2022年11月の前戦でアマンダ・レモスにキャリア初のKO負け。
1R、開始早々、ファーストコンタクトでダブルレッグで足を刈り上げテイクダウンするジャンジロバ。上体はケージ背に座るロドリゲスにジャンジロバは両足で左足を挟み、頭を顔につけて左手でパウンド。バックテイクへ。ハーフに戻して正対するロドリゲスだが背中を着かされる。細かくヒジを突き、キムラを狙うジャンジロバ。しかし手を解除しての鉄槌のスペースで片足を戻すロドリゲス。
2R、右バックフィストの回転のまま組みに行くジャンジロバを切るロドリゲス。なおもジャンジロバはシングルレッグで押し込み、右で差して崩してパウンド。左で小手に巻くロドリゲス。ジャンジロバは引き込み後ろ袈裟の形から足関節狙い。さらに向き直り上に。
腰を抱き、額を着いてケージを支点にサイドにパスするジャンジロバはノースサウスチョーク狙い、さらにヒジを落としてホーン。
3R、サウスポー構えから入り、オーソに戻すジャンジロバ。ロドリゲスは細かいステップから捕まらないようにワンツーの出入り、左ヒザ、さらに跳びヒザも。ジャンジロバはシングルレッグで押し込み左足を持ち上げてテイクダウンする。頭を押して突き放そうとするロドリゲスだが、ジャンジロバは両足を束ねて徐々に頭を上げてハーフから肩固め狙い。
ヒジ打ちに移行するジャンジロバの頭に下からパウンドするロドリゲスは体を離したジャンジロバに蹴り上げ。最後はジャンジロバがパウンドで飛び込みホーン。判定は3-0(29-28×2, 30-27)でドミネートしたジャンジロバが勝利した。
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▼ヘビー級 5分3R〇パーカー・ポーター(米国)13勝8敗(UFC 4勝3敗)[1R 2分10秒 TKO]×ブラクストン・スミス(米国)5勝2敗(UFC0勝1敗)
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▼ミドル級 5分3R〇イクラム・アリスケロフ(ロシア)14勝1敗(UFC 1勝0敗)[1R 2分10秒 KO] ※右ストレート×フィル・ハウズ(米国)12勝5敗(UFC 4勝3敗)
ダゲスタンのアリスケロフはMMA13勝1敗で今回がUFCデビュー。コンバットサンボでは現Bellator世界ウェルター級王者のヤーソラフ・アモソフに2度勝利し、世界王者となっている。2019年4月にBraveCFでハムザト・チマエフに1R アッパーでKOされ初黒星も、以降も6連勝。2022年9月のコンテンダーシリーズでマリオ・ソウザに1R キムラで勝利しUFCとの契約を決めた。
対するハウズはレスリングベースでMMA12勝4敗でUFCでは4勝2敗。UFCデビューから3連勝後、クリス・カーティスに1RKO負けもデロン・ウィンに2R TKO勝ち。2022年10月の前戦ではロマン・ドリーゼに1R KOで敗れている。
1R、ともにオーソドックス構え。ハウズはスイッチしての左ミドルで前に。さらに右前手フック、左ミドルで圧力をかける。アリスケロフの右ミドルハイに右フックを合わせるハウズ。さらに左ミドルに、右回りのアリスケロフはハウズのサウスポー構えからの右フックを左にかわして左前蹴り。しかし、そこにハウズはすぐに右をかぶせる。
ワンツーは遠いが歩いての左ミドルを当てるハウズ。アリスケロフもワンツーで前に。右ハイはハウズにブロックされバランスを崩すが、すぐに立ち上がり詰めて首相撲ヒザ、さらにハウズの前手右フックに、ワンツーの右ストレート! ハウズは失神ダウン。
試合後、アリスケロフはボー・ニコルを指名した。
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▼ミドル級→189ポンド契約 5分3R〇クラウディオ・ヒベイロ(ブラジル)11勝3敗(UFC1勝1敗)[2R 3分21秒 TKO] ※右ヒザ×ジョセフ・ホームズ(米国)8勝4敗(UFC1勝3敗)
ホームズの押し込みを突き放したヒベイロが右カーフ、左ジャブから右ストレートから左を振って組んで押し込みがぶりからヒザ蹴りでダウン奪い鉄槌・パウンド。
【中止】体重管理の問題により、ハファエル・エステバムとジャルガス・ジュマグロフの一戦は中止に。またダニエル・サントスが負傷のため、ジョニー・ムニョスとのバンタム級戦も中止となっている。