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2023年5月6日(土)、東京・有明アリーナで開催される『RIZIN.42』でフライ級の57kgで、伊藤裕樹(ネックス)と対戦する、山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)が4月17日、所属ジムで公開練習を行なった。
【写真】オーソからスーパーマンパンチを見せたアーセン(C)RIZIN FF
山本美憂の長男のアーセンは、レスリング時代に2013年世界カデット選手権グレコローマン69kg級で金メダルを獲得後、2015年大晦日のクロン・グレイシー戦でプロデビュー。以降、MMA3勝5敗で、今回、2020年の加藤ケンジ戦での1R KO負け以来、2年9カ月ぶりの試合に臨む。
復帰戦の相手はMMA13勝4敗の伊藤裕樹(ネックス)。2022年8月から開幕したDEEPフライ級GPで準決勝まで勝ち上がるも、本田良介に判定負けで決勝進出ならず。RIZINでは杉山廣平、中村優作、宮城友一をいずれもKOに下している3戦無敗のストライカーだ。
サウスポーの難敵・伊藤との試合を前にアーセンは公開練習で本来の右利きのオーソドックス構えを披露。かつて所英男をスイッチからダウンさせた武器の右ストレートをより活かす形にしていることを明かし、『K-1 AWARDS 2022』ベストトレーナー賞受賞の秋元僚平氏との打撃練習、現UFCファイターで幼馴染の中村倫也との練習、そして今大会を欠場ながらメインコーチとして見守る母・美憂を含むKRAZY BEE勢とのプロ練習が生きているとした。
公開練習の最後は、反り投げのスープレックスを5連発。パワフルな動きで締めたアーセンは、今回初のフライ級(57kg)戦に向けて、「57kgは小学生以来。1回、どんなものなのか近くまで落としてみて、力は全然出てました。正直、自分は怪物になれると思いました」と、自信の表情。
試合から遠ざかっていた時間も「身体で覚えるんじゃなくて脳みそで──“格闘IQ”を上げられた。いまはもう勝つための材料、気持ちを揃える材料、すべて答えを知っているから、それが試合でどう出るか、楽しみ」と目を輝かせた。
カード発表の会見後には、榊原信行CEOが「今回の試合がアーセンが覚醒するラストチャンスになる」と発言しているが、「そうなんですか、なら、そうだと思います。パカーンと(負けたら)もうチャンスはない。でも、俺はそれを考えてしまうと動きが悪くなるし、それを意識してしまうと、クソつまんない試合になりそうだから、悔いのないように自分の好きなように自由に戦う」と、状況や相手にとらわれずに戦うという。
今回の試合のテーマを「絶対勝つ。勝ちしか狙っていない。でも勝ちにいくと負けるかもしれないから、殺しにいきます」と、相手を仕留めに行くとし、勝負のポイントを、「根性じゃないですか。ほんとうに今回の相手は気持ちの強い選手で、どっちの気持ちが先に折れるのか、あるいはどっちの骨が折れるか、どっちの意識が断たれるかの勝負」と、完全決着になるというアーセンは、2年9カ月ぶりのリングでどんな姿を見せるか。
アーセンとの一問一答の全文は以下の通りだ。