白幡と壬生狼が舌戦を展開
その前に、白幡はK-1初参戦で今回戦う壬生狼をクリアーしなければならない。壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。高校卒業時に福岡を離れ、力道場静岡に入門。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、同年11月のK-1福岡大会で元Krushバンタム級王者・晃貴を撃破。2021年3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得した。しかし、5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では決勝へ進出するも黒田斗真にKO負けで初黒星。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」でも準決勝で黒田に敗れた。戦績は14勝(2KO)4敗。
白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にはMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取した。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを再三の偶発的なローブローがあったものの判定で破った。戦績は13勝(1KO)4敗1分。
なお、白幡は元々チームドラゴンに所属し、小学生の時からKrushを観に行っていて、「小中学生チケットを作ってください」との意見を出したところそれがきっかけで小中学生チケットが出来たというエピソードを持つ。
会見では壬生狼が『熱中時代』の主題歌を熱唱し、「今日は白幡選手にK-1の厳しさを教えに来ました」と早口言葉勝負を仕掛けたが、白幡はこれを「つまんないよ、カラオケでも行ってこいよ」と無視。壬生狼は「なんじゃ、お前」と白けた様子で切り上げた。
続いて互いの印象を聞かれると、白幡は「さっきのとかもありましたが、記者会見で面白くしようとすることに頭を使いすぎて、試合では頭を使えていないバカかなと思いますね。黒田選手に3回負けているのも全部拝見したんですけれど、1回目以外はほぼ同じ負け方をしているので頭悪いなって感じです」と壬生狼をバカ呼ばわり。
これに壬生狼はややムッとした感じで「別に印象はないわ。って言うか、お前さっきK-1王者とKrush王者は華がないとか言うとったけれど、お前が一番華ないわとわしは思ったわ。お前誰? って話し」と返したが、白幡は「お笑い芸人でもやってろよ」と吐き捨てる。
バンタム級4試合の中でどんな試合をしてアピールしたいかとの問いには、白幡は「前回勝ちはしたんですけれどしょぼい試合になったので、今回は上手さやテクニックは捨ててリスクを背負って倒しに行こうかなって感じです」と倒しに行く姿勢を見せるとする。壬生狼は「白幡選手は他団体の王者で、Krushに思い入れがあるのか知らんが、2年前から身体はってバンタム級を盛り上げてきたのはわしらじゃけん。いいとこどりはさせん! 邪道の生き様を見せてやるよ」と、初期からバンタム級を盛り上げてきたメンバーの一人として新参者にデカい顔はさせないとした。
では、今後さらにバンタム級を盛り上げて行くためにどうするつもりかと聞かれると、白幡は「自分が圧倒的な力の差を見せて行けば盛り上がっていくと思う。バンタム級では石井一成選手が一番強いと思っていて。この試合で圧倒的に勝って石井選手に挑戦したいなというのがありますね」と、石井に勝ってK-1王者になった黒田がいる前で言い放った。
これに石井とは練習仲間で兄弟のように仲がいい壬生狼は「おい、白幡。お前じゃ一成くんは無理じゃ。無理無理」と石井には勝てないと答え、「わしがK-1王者になったら自然と盛り上がるじゃろう」と自分こそが王者になった方が盛り上がると話した。