2023年4月8日(日本時間9日)、米国フロリダ州マイアミのマイアミデードアリーナにて『UFC 287』が開催され、メインイベントの「UFC世界ミドル級選手権試合」(5分5R)で、王者アレックス・ペレイラ(ブラジル)が、前王者のイスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)を挑戦者に迎え、初防衛戦に臨んだ。
両者は、2022年11月の『UFC 281』以来の再戦で、前回は、初回に当時王者のアデサニヤが左フックでペレイラをKO寸前まで追い込んだものの、最終5Rにペレイラがショートレンジの打撃で反撃。アデサニヤを金網に詰めての左フックで5R TKO勝ちで新王者となった。さらに、両者はキック時代にも2度対戦し、2度ペレイラが左フックを効かせて勝利している。
キックも含め“4度目”の対戦だった今回の試合は、ペレイラの圧力にアデサニヤがケージを背に詰まると、ペレイラは必殺の左フックに。そこにアデサニヤは乾坤一擲の右ストレートを内側に2度振り抜き、ペレイラをKO。王座を奪還した。
倒れた“ポアタン”に、ペレイラの入場時のポーズである弓矢を引く動きで、これまで敗れた3本の矢を放ったアデサニヤは、ケージの中で、歓喜の言葉を語っている。
「ここにいいる人も、テレビで見ている人たちもこのくらいの幸せを知ってほしい。人生で一度だけでいい。俺がいまどれだけ幸せかを感じてほしい。でもみんなが人生において挑戦することを止めてしまったらこういう幸せは味わえない。これはすごく甘いんだ。
アレックスは最高のチャンピオンだ。俺は悪者のストーリーかもしれないけど、今日は俺の日だった。俺を倒してくれてありがとう。なぜなら俺は一皮むけてもっといいファイターに、より良い人間になれたから。
Do the math 🏆✌️ #UFC287 pic.twitter.com/6ZcOkAzHof
— UFC (@ufc) April 9, 2023
最後は神からの一撃だった。何度やられても、酷く言われて立ち上がれなくなっても、落ち込んでいるだけじゃ良い結果は得られない。心を強く持ち、幸せが来るように感じるんだ。一生に一度でいい。俺はこの幸せを感じているんだ。何回も何回も何回も」。
同じ相手に3度も敗れたなかでの復活劇は、その後のバックステージでも新たなストーリーを生んでいる。