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【UFC】ペレイラとの再戦が決定、王座奪還を目指すアデサニヤ「決着させる」──べストアニメから“ザ・ラスト・スタイルベンダー”の秘密も明かす

2023/01/30 18:01
 2023年4月8日の『UFC 287: Pereira vs Adesanya 2』にて「UFC世界ミドル級選手権試合」(5分5R)が決定。11月の米国MSG大会でアレックス・ペレイラ(ブラジル)に敗れ、ミドル級王座から陥落したイスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)が、王座奪還を誓った。  前戦では、キックボクシング時代に2度敗れている元GLORY二階級王者ペレイラを相手に、1Rに右ストレートと左フックでぐらつかせ、グラウンドの攻防でも優位に立ったものの、最終5Rに左フックを効かされ追撃のラッシュで逆転のTKO負け。王座から陥落し、ミドル級で初黒星を喫した。  アデサニヤは28日、#UFC287 とともに「このゲームでは、スコアを記録するのではなく、決着させる」とツイート。ベルトを腰に戻すべく意気込みを記している。  そんなアデサニヤが25日、本国『GQ』のインタビューで、自身のファイトスタイルにも影響を及ぼしている「好きなアニメトップ5」を語っている。「放課後、子供たちはみんな『ドラゴンボールZ』を見ていたと思う。次の日学校に戻ってきて何が起こったかを話すんだ。僕はその一人だった」という前ミドル級王者が選んだベスト5は以下の通りだ。本誌取材の言葉とともに紹介したい。 5位『スプリガン』 「近未来的だった。御神苗優が着ていたオーバーパワードスーツのようで好きだ。大量の血を流していた。血も出ず、誰も死なない戦闘ではなく、“やばい、こんな戦闘が起きてる”というような、切り刻まれる戦いを見たいんだ」 4位『呪術廻戦』 「まだ見てるんだ。5カ月くらいブランクが空いたけど『呪術廻戦』をまだ見ている。魔法使い、魔女のため、いや呪術師のための学校だ。彼らは邪悪な力や悪魔のようなものと戦っていて、それを互いにぶつけ合う。やはり戦闘シーンが好きなんだ。僕はトップアニメの鍵は戦闘シーンにあると思う。その実行の仕方に、アニメーションの流動性がある」 3位『DEATH NOTE』 「誰かに勧められて見た。最初のエピソードから見たよ。学校にいて、ノートを見つけるところからね。少しずつ、僕の中で広がっていったんだ。僕は良いスリラーが好きなんだ。考えさせられる作品が好きだ。枠にとらわれずに考えさせてくれるものがね。“シニガミ”がどこからともなく現れるのも好きだ。本当に美しい物語で、そのストーリーはとてもうまく作られていた。毎話、興味をそそられ続けたよ。次に何が起こるか知りたくなる。  自分の試合にはいつもテーマみたいなものがあるんだ。ロバート・ウィテカーのファイトネームは“The Reaper(死神)”だった。だから、僕は本当の死神は誰なのか、見せてやろうと思った。すべて意図してやったんだ。オクタゴンに足を踏み入れ、彼の名がコールされたとき、彼の名前をデスノートに書いた(※2R KO勝ち後、「ノートのルールを知っている人なら分かると思うけど、ちゃんと時間通りだったよ」とコメント)。いつもはそこまで世界観に入り込まないけど、たまにはそれを利用したいと思う。どっちが本物の死神かって。僕が本物の死神さ。それがあの戦いのテーマだったんだよ。 “L”はカッコよかった。僕は外向的になれるけど、基本的にすごく内向的なんだ。家にいるときはよりLに近い感じだ。ソファに自分の居場所がある。そこで、テレビを見たり、ゲームをしたり、計画を立てたりしている。何時間もくつろいでいられるんだ。Lみたいに(ヒザを立てて座って)紅茶を飲んで考えて“実に面白い”ってね」 2位『NARUTO』 「僕にとって、最初にアニメのようなものに夢中になったのは『少年ジャンプ』の『NARUTO』48話だと思う。我愛羅vs.ロック・リーの戦いだった。その後、720のエピソードを全部見たんだ。  2019年にアンデウソン・シウバと戦ったときも見返していて、時々、キャラクターやテーマを模倣するのが好きなんだ。試合でもね。だから、シウバと戦ったとき、2人の太極拳の達人が戦っているような気がした。僕のキャラクターはロック・リーだった。ブルース・バッファが僕の名前をアナウンスしていたとき、両手を広げてウェイトを外すと、あんな風に『ドーン』って(爆発する)。 『NARUTO』は間違いなく僕のお気に入りの一つだ。というのも、そこから学んだ教訓もあるから。そして戦闘シーンが本当に重要だった。空間全体も。アカツキ(暁)のメンバーもみんなとても深みがあった。これらの登場人物の裏表のストーリーを教えてくれることで、キャラクターに本当に感情移入することができる。“何が彼らをそうさせたのか”“なぜそのような人物になったのか”を知ることができる。そして、親近感も湧く。善人も悪人にもね。ナルトにはたくさんのキャラクターがいるから720話を見るのに、4年かかった。その間に映画も見た。このシリーズから多くのことを得ることができる。でも、僕が本当に好きだったのは、戦闘シーンがメインだったんだ。戦闘シーン、戦術も好きだ。うちは一族の幻術をかけられたときや、たまにバンドウがやるようなのも微妙に違う。久々に練習してみようかな(※アデサニヤは腹部に八卦封印のタトゥーを入れており、選手コールの際に口寄せの術のポーズをとったこともある)。自分のビデオを持っているのを思い出したよ。(手を合わせて)初めてやったときのビデオがある。古いビデオで本当に遅かった(笑)。いつかまた戻ってくるよ」  このようにアデサニヤが挙げた2位から5位までは、言わずとしれた日本のアニメだが、1位に挙げたのは、米国の『アバター 伝説の少年アン』、原題 『Avatar: The Last Airbender』だった。アデサニヤのニックネーム「The Last Stylebender」もここに由来する。 [nextpage] 1位『アバター 伝説の少年アン』 「『ああ、それはアニメですらない、日本で作られたものでもない』という人がいるけど、黙れ。どこで作られたかは関係ない。アニメのスタイルがアニメを作るんだ、わかるか? アラスカで作られたものであろうと、どこの国であろうと関係ない。僕のお気に入りのアニメの一つだ。物語から多くの教訓を学んだ。トフ・ベイフォン──僕は彼女の物語にも共感した。彼女の生い立ちに共感したんだ(※土のベンダー。生まれつき盲目だが、地面を伝わる振動を感知できるため、地面と接触している時のみほぼ「見る」ことができる。両親に内緒で土の国の地下闘技場で開かれるトーナメントで連続勝利)。  アバター状態を解除し、それをコントロールする方法、7つのチャクラすべてについて──『アバター』の中で最も重要なエピソードの一つだ。本当に過小評価されていた。史上最高の作品の一つだと感じている。あと、戦闘シーンも美しい。アニメーターもまた、そのようなものを使っているという事実。実際の武術のスタイルが使われているんだ。エアスクーターも楽しそう(笑)。でも、俺は“スタイルベンダー”だから、どんなスタイルも好きなんだ。  主人公のアンは、自分の運命を実現しなければならなかった。すべてのエレメントをマスターしてアバターになることで、自分の運命を実現しなければならなかった。そこで僕が感じたのは、自分の世界では、自分がプレイヤー1なんだということ。僕にとっては、武術のすべての要素を習得しなければならないと思ったんだ。このゲームのアバターとしての、僕の運命を実現するために、ね。アバターであり続けることを主張し続けなければならないこの物語は、とても親近感の湧くものだった。だから僕は“スタイルベンダー”という造語を作ったんだ。だって、オクタゴンの中にいるときは、どんなスタイルにも適応できなければならないから。僕はそれが出来る。  アニメが好きで、子供の頃『鉄拳』のようなビデオゲームさえも好きだった。漫画やアニメで見た人を真似て、実生活でそれをするのが好きだ。クールなことをするのが好きなんだ。その意味で、自分は本当にいい仕事をしていると感じるよ。僕は本物の忍者なんだ、実際に。僕はこれらのキャラクターからインスピレーションを受けて、それを別の戦いに取り入れるかもしれない。自分の好きなことを楽しみ、人にいろいろ楽しんでもらう。これは自分にとって意味があることだと思う」
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