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2023年4月1日(土)の『RIZIN.41』で、新たにベルトの新設が予定されているフライ級の2試合が行われ、大会後、榊原信行CEOが、あらためてフライ級でのGPの可能性に言及した。
【写真】大晦日の扇久保戦で勝利し、4月23日にBellatorハワイ大会に出場する堀口。
「今回の神龍の試合、5月6日の竿本樹生とジョン・ドッドソンの試合もそうだし、フライ級は日本の中にもまだまだいい選手がたくさんいるので、そういった選手たちの出場の機会を増やして、RIZINの中でのプレゼンス(存在感)を高めて、堀口恭司・神龍という2人のトップコンテンダーがいれば、フライ級のGPに打って出てもいいかなと思っています」──そんな手応えを得た大阪大会。フライ級では2試合が行われた。
ひとつは神龍誠(神龍ワールドジム)が北方大地(パンクラス大阪稲垣組)に2R、肩固めで一本勝ち。もうひとつは、アゼルバイジャンのメイマン・マメドフ(Olympus Club)が中村優作(TEAM FAUST)に左フックでダウンを奪っての23秒 TKO勝ちで、同級で存在感を示している。試合後、会見の言葉とともに、紹介したい。
▼第7試合 フライ級(57.0kg)5分3R
〇神龍 誠(神龍ワールドジム)57.00kg
[2R 1分17秒 肩固め]
×北方大地(パンクラス大阪稲垣組)57.00kg
▼第3試合 フライ級(57.0kg)5分3R
〇メイマン・マメドフ(Olympus Club)56.95kg
[1R 0分23秒 TKO] ※左フック→パウンド
×中村優作(TEAM FAUST)56.90kg
バンタム級王者の堀口恭司(アメリカントップチーム)がベルトを返上し、フライ級に転向。バンタム級GP優勝の扇久保博正(パラエストラ松戸)もフライ級に戻すなか、元UFCコンテンダーのジョン・ドッドソン(米国)がRIZINに参戦し、所英男に103秒 TKO勝ちと、着々とフライ級戦線が活発化している。
そんななかDEEP&北米CFFC二冠王者として、北方を失神させる一本勝ちを極めた神龍は、「(堀口とドッドソンについて)僕より上って言われてる選手が多分その二人だと思うので、そこをしっかり倒せば、それ以上、上はいないと思うので、やっつけたい」と、2強を倒しての王座獲りを宣言している。
◆神龍「(堀口に)ジェラシーはあった」
「(1Rのハーフからのヒジ打ちで北方が出血し)あれで終わると思ったけど、カットマンが優秀で血が止まって。“もう1Rあるんや”と思って。“じゃあ極めちゃおう”と思って(肩固めを極めた)。今のところ全部フィニッシュがグラップリングになってるけど、オールラウンダーで何でもできるところを見せられた。フライ級に最強は僕だけでいい。(堀口恭司とジョン・ドッドソンは)僕より上って言われてる選手が多分その二人だと思うので、そこをしっかり倒せば、それ以上、上はいないと思うので、やっつけたい。(堀口は)昔から見ていて、僕に近い階級であれだけ注目されててずっとジェラシーはあった。僕がやっつけて僕が一番て言われるようにしたい」
一方の敗者は、神龍のサブミッションのなかに強烈なヒジ打ちが織り交ぜられたMMAとしての極めの強さがあったと振り返った。
◆北方「ヒジを落とされるか・サブミッションを極められるかの2択でどんどん道を狭まれた」
「(額のカットは)動けば動くほど血が出てきているのが分かっていて、両目が血で色が変わってたので、ヤバいかもっていうのはあったんで止まったらアカン、まとめられたらアカンとは意識していた。(あれほどの出血は)初めて。サブミッションは想像しているよりかはそんなに恐怖はなかったけど、サブミッションのディフェンスに、さらにあのヒジのディフェンスをすることが、今回は追い付かなかった。ヒジを落とされるか・サブミッションを極められるかという2択でどんどん道を狭くしてくるというスタイルで、最後は落ちちゃってて覚えてないけど、僕はギロチンとネルソンを仕掛けて、その後“抜けちゃった”と思った後にはもう夢の中やったんで。だから彼のヒジとサブミッションとの二刀流のプレッシャーの中で、泳がされていたのかな、と」
また前戦では、寝技師・手塚基伸の三角からのヒジにレフェリーストップで苦杯を舐めた“アゼルバイジャン第三の男”は、今回、中村優作を左フックでわずか23秒でTKOに下し、強打者ぶりを発揮。フライ級のベルト獲得を視野に入れた。
◆マメドフ「フライ級でベルトを獲りたい」
「RIZINで2回目のチャンスをもらったことに感謝したい。来日前にビザでトラブルがあり、アゼルバイジャンの日本国大使の尽力のおかげで試合に間に合うように来日することができた。今回『なるべくスピーディーに終わらせたい』と、言っていた通りになって嬉しい。RIZINは自分がファイターとして戦う前もケラモフのセコンドで来日していたので、会場の雰囲気は知っていたけど、自分自身が戦って勝利を収めて見る景色は格別。今後、特に戦いたい相手はこの方というのはおらず、RIZINが選んでくれた相手と喜んで戦いたい。フライ級のGPがあればぜひ参加したい。(神龍誠については)名前を言われてもすぐには分からないけど、顔は知っているかもしれない。最終目標としては、フライ級でベルトを獲りたい。あと何回か対戦して経験を重ねて勝利を重ねる必要はあるとも思っている」
◆中村「ジャブの後に頭ずらして打ってくるのは分かっていたけど……」
「すごい身体も強いしタフな選手だろうなって思って、僕も研究してきたけど、相手もしっかり僕のことを研究してて、一枚上手やったと思う。ジャブの後に(マメドフが)頭ずらして右打ってくるの分かってたので、僕もそこに合わせに行って。思ったよりももっと相手が頭をずらしてたので、ちょっとかすったけど、もうあと拳1つ分、右やったなって。それでお互いパンチが交差して、その後のアッパー(左フック)は、ホンマに見えんかったっす。あれは。全く見えてない。たぶん僕の癖を見抜いて、そこに持ってきてた感じかなと。(今後は)もう悔しいしかないけど、今後はちょっと分からない。何も考えられないです」
これで4月1日の『RIZIN.41』では、神龍誠がフライ級のトップ戦線にいることをあらためてアピール。メイマン・マメドフも高いポテンシャルを持っていることを示した。