“人獣”の異名を持つ中村は超アグレッシブファイター
2019年7月21日(日)エディオンアリーナ大阪・第1競技場で開催される、RISE初の関西大会『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』。
その第1試合で18勝1敗の戦績を誇る英雄伝説2017年-60kg級アジア王者Ryuki(RKS顕修塾)と対戦するのは、プロデビュー以来、8戦8勝(8KO)と無敗の快進撃を続けるDEEP☆KICK-60㎏級王者・中村寛(BKジム)。
6月2日の『RIZIN.16』では現HOOST CUP日本フェザー級王者・元RISEフェザー級王者の一刀(モンスタージャパン)に2R18秒でKO勝ちを収めた。7月21日にRISEデビュー戦で組まれたRyuki戦について聞くと、“人獣”は「対戦相手のことは全く気にしていない。敵は減量だけ」と不敵に笑った。(取材・撮影 スポーツライター 布施鋼治)
敵は減量で試合はショー、減量に勝ったら勝ったも同然
──6月2日の「RIZIN.16」ではホーストカップ王者の一刀を相手に会心のKO勝利を飾りました。いまの気持ちは?
「普通ですね」
──やったという気持ちはない?
「それは大会前日に計量会場で来ました。毎回減量が大変なので。いつも14㎏落とすんですよ。今回はまだちょっとスパンが短かったので、11kg落としました」
「減量が敵です。試合はショー。減量に勝ったら、勝ったも同然です」
──リングインしたら、声援を送ってくれるお客さんに手を振っていました。大会場(神戸ワールド記念ホール)でもそれだけ余裕があった?
「ハイ。余裕があったというか、あまり会場を気にしないタイプなので。とりあえず檻の中に放たれたら相手を倒すだけ。ド突き回せるだけなので」
──戦いはリングだったけど、自分のイメージではケージの中で闘っている感じ?
「檻の中ですね」
──RIZIN特有の長い入場ゲートを歩いた感想は?
「自分のルーティーンというか、ダラダラしながら。リングの中では集中したいので、『どんな感じなのか』をチェックしながら。とりあえず尺だけ合うようにしていました」
──腕をダラダラさせながら、独特のモーションで入ってきました。いつもあんな感じ?
「あれはただ見せているだけ。いろいろ考えているんですけどまだ定まっていない。人獣とか言われ始めているので『今から行くで』という感じで若干イメージしています」
──人獣といういわれていることについては?
「人の形をした獣。そのままかな。自分のイメージに合っているのでいいかなと。そういう風に言われるならそういう闘い方をするし。あんまり気にしないですね」
──試合開始のゴングが鳴ったら、どういうスイッチが入る?
「ゴングが鳴る前に入っていますよ。獣みたいに四足歩行をしているでしょ? あん時に完全に入っています。『殺しにいったろ』と思っています。だから僕、全部の試合でしゃがんでいるんですよ」
──しゃがんでいる=人獣モード?
「それはもう、好きなように解釈してもらいたい」
──自分を獣に見立てたら、どんな猛獣?
「ライオン。胸にも、ライオンのタトゥーを入れました。4月7日のDEEP☆KICKのタイトルマッチが終わったら人獣と言われていたので、そのイメージで。このシャツもライオンです」
──今日(インタビュー日は6/2)3回ダウンを奪いました。最も印象に残っているダウンは?
「3回、奪ったんですか? 全然覚えていない。覚えていないのは初めて。(傍らにいるセコンドに確認して)1Rに何回とったの? あっ、ストレートでとったんだ。僕、1Rはあんまり倒すつもりがなかったんですよ。1Rの3分間は一切手を出さないで踊っていようと思ったけど、途中から我慢できなくなった」
──今回は相手の一刀選手の方がキャリアは格段に上。それにも関わらず自分のリズムや距離で戦い続けていました。
「俺の方が強いですから。みんなもそう思っていたんじゃないですか」
──相手のキャリアや年齢は関係ない?
「そうですね。100%、自分の方が強いので」
──試合が決まったら、不安要素は一切なくなるタイプ?
「不安要素は、もともと持っていない。あるならプロでやらない。計量の前日までは減量で不安はありますけどね。落ちていなかったら、どないしようかなと思うことはある。なので対戦相手は関係ない。檻の中に放り込まれたらやるだけなので。ホンマ、気が済むまでド突き回すだけです」
─今回はRISEデビュー戦。対戦するRyuki選手(RKS顕修塾/中国英雄伝説2017年-60kg級アジア王者)についての印象は?
「(強調して)全く知らない。事前に試合映像を見なかったら怒られるので見ようと思いますけど、たぶん見ないんじゃないですかね(微笑)。たぶん見ても一回だけでしょう」
──相手の戦力分析は?
「全然しないです。減量だけ心配していてください(微笑)」
──どんなところに注目してほしい?
「いつも通り、絶対相手は倒れる。それだけです」
── 一刀戦後は試合を見て衝撃を受けたと思われるファンからサインと写真撮影を求められていました。知名度はどんどん上がっていると思うけど、もっと有名になりたい?
「なりたいというより、自然にそうなるでしょう。僕の試合を見ていたら、アンチファンも含めて、騒ぐ闘い方をしていると思うので」
──入場テーマ曲には「スーパースター」というフレーズがありました。関西発のスーパースターになる?
「う~ん、あんまり何にも考えていない。とりあえず1~2年後には有名になっているやろなというビジョンは描いています。全部妄想かもしれないけど。ハハハッ」