「この日韓戦で、多くの10代がMMAにハマるきっかけになったんじゃないか」(ブラック代表)
現王者、元王者、コンテンダークラスを集めて“勝ちに行った”佐伯代表は、2勝3敗で敗れた対抗戦を「悔しい……最初はトントンと勝って余裕だと思ったけど」と総括。
続けて「悔しいですけど、みんなの熱がほんとうに素晴らしいイベントだと思いました。ブラックさんの魅力が僕にも分かりました。最初に『魅力が無い』とかいろいろ言いましたけど、今回対抗戦が出来て光栄です……しかし、今度は日本で潰してやる、以上」とリヴェンジを予告した。
ブラック代表は「遠いところまで来てくださったDEEPの選手の皆さん、韓国の選手やファンの皆さんありがとうございます。いま佐伯代表が仰った通り、日韓交流において正直、悪感情は無かったですし、プロモーションのために日本との対抗戦マーケティングの役割を担いました」と挨拶。
しかし、「これが始まりなので、最後までやりましょう。言いたいことは言います(笑)。こうして私たちが勝利しましたが、現チャンピオンたちがまだここにいません。より強い選手たちで構成して、日本に侵攻したいと思います」と、第二弾は日本での対抗戦を示唆。さらに「日本のナンバーワンの団体、RIZINはDEEPと兄弟のような関係だと聞いています。弟がこうして殴られて、お兄さんが出て来ないといけないんじゃないですか? 兄が飛び掛かるか、弟と一緒に戦うか、いずれにしても日本で見事に沈没させます。選手たちと征伐に行きましょう」と、次回は日本侵攻を宣言。さらにRIZINにも宣戦布告した。
また、「ワールドカップが与えてくれたあの感動によりサッカーが好きになり、やるようになった。今度はBLACK COMBATとDEEPの日韓戦によって、多くの10代がMMAにハマるきっかけになるんじゃないかと思います。トレンドは変わる。スポーツでMMAのように最もドラマチックな結果で、映画一本を書き下ろしたような感じです。記者会見場で佐伯代表から挑発された時、嫌な気持ちもあったけど、いい気持ちもありました。なぜなら日本本土に攻め込むことができる理由になりましたから」と対抗戦の手応えと“続き”を語った。
代表選抜戦から個々の選手のストーリーを描き、対抗戦でキャラクターを際立たせ、個人競技をチーム戦としても見せた今回の「DEEP×BLACK COMBAT」。その人気は、KMMAのなかで存在感を増している。一方で、YouTubeで有名になっても実力が無ければ淘汰されるのは間違いない。
今回の対抗戦は、それぞれが階級差のあるマッチメークもあるなかで、結果としてDEEPは負け越した。日本と比較すると大会数は多くはないが増えてきた韓国のMMAで、なぜ強い選手が生まれるのか。そして、一部では反発もある、BLACK COMBATの見せ方から、今後、KMMAはどう変わっていくか。練習環境や内容、取り組みに、いま一度日本MMAが注目する必要がある「5対5 対抗戦」だった。