SHOOT BOXING 2023 act.12023年2月12日(日)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信
▼第8試合 SB日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 55.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R×植山征紀(龍生塾ファントム道場/王者)KO 5R 1分49秒 ※左フック○山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級1位/挑戦者)※山田が新王座に就く。植山は2度目の防衛に失敗。
植山は27勝のうち14のKO勝ちを誇るハードパンチャー。2018年11月のSB日本スーパーバンタム級王座決定戦では当時無敗だった笠原友希を3R TKOで葬りベルトを獲得。SBだけでなく、RIZIN、RISEといった他団体のリングでもその強打者ぶりを爆発させてきた。2021年12月の初防衛戦では、タフな竹野元稀を3RKOで葬っている。今回は2度目の防衛戦。前戦は2022年12月、体重超過の減点もあり大﨑孔稀に判定で敗れ再起戦となる。
挑戦者の山田ツインズの弟・虎矢太は前戦となった昨年12月の『RISE WORLD SERIES / SHOOTBOXING-KINGS 2022』ではRISEのスター候補選手、有井渚海と対戦すると下馬評を覆して2R KO勝ちを収め、大会一ともいえる強烈なインパクトを残した。現在、9戦9勝と無敗街道を驀進中。兄の彪太朗も昨年11月にフェザー級次期挑戦者決定トーナメントを制覇してタイトル挑戦権を獲得しており、弟が先にベルト獲得なるか。
1R、まずはジャブとローの交換。フェイントをかけながら攻撃を繰り出すのは植山、山田はその攻撃にしっかり返していく。植山は右カーフを蹴り、左フック。木々ストレートも繰り出す。両者様子見のラウンドとなった。
2R、植山が入ってくるところに左フックを合わせる山田。植山も山田の左ボディに左フックを合わせる。山田の右ローには右ストレート。植山の右フックをかわした山田が右フックを強打。右フックからの左フックで攻め込むのは植山だが山田のガードも堅い。ヒット数で山田が上回ったか。
3R、山田の右ボディストレートに植山が左フック。さらに前へ出ての右フックを見舞うが、山田は組み付くと首投げ。これはシュートならず。右フックを2度空振りした山田が、バランスを崩したかに見せてバックハンドブローをヒットさせる。植山はバックに回ってリフトアップしてのバックドロップを放つが、山田が腹ばいの状態で投げられたため不十分と判断されシュートならず。立ち上がった植山は左目上から流血し、ドクターチェックを受ける。再開後、かなり流血がひどい植山へ山田はジャブ。
4Rもジャブを突く山田。植山はアタックするがそこへ山田が右を合わせる。流血のため早く仕掛けたい植山はバックハンドブロー。山田はジャブを突き、植山が仕掛けてくるところへ左フックを合わせる。山田は徹底してジャブで誘い、植山がパンチを出すところへ右フックか左フックのカウンターを狙う。植山のワンツーがヒットすると山田も打ち合いに応じ、植山は“来い”とカモンゼスチャー。前へ出る大流血の植山が左右フックの連打。
5Rも前に出るのは植山。山田にロープを背負わせて右フックを見舞う。組み付くとバックに回って投げを狙う植山に山田は腰を落として防ぐが、植山はバックチョーク。山田が逃げる。前へ出て左右フックを打つ植山に山田はジャブを突き続け、植山が打ち合いを仕掛けてきても乗らない。ステップワークで距離をとる山田がアウトボクシングに徹するのかと思われたが、山田はいきなり前へ出ての右フックから左フック。バッタリと倒れる植山は“やられた”という表情を浮かべ、身体を起こそうとするが起き上がれない。レフェリーが即、KOを宣し、山田の劇的なKO勝ちとなった。敗れた植山は立てず、担架で運ばれた。 山田はマイクを持つと「植山選手は僕がプロデビューする前から王者としてこのベルトを保持していて他団体でも活躍していて、そんな強い王者に挑戦出来て心から感謝しています。SBを始めた頃から(弟の)虎太郎とSBを観に行っていて、王者という存在が輝いていて。ここまでやってこれたのも応援してくれる皆さんのおかげです。ずっと憧れていたベルトなので実感が沸かない、似合っているかどうか分からないですが(場内からはカッコいいぞなどの声)僕にしか似合わないと言われるような強い選手になっていくので、これからもよろしくお願いします」と王者として最初のスピーチをした。
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▼第7試合 65.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R○笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)延長3回 判定3-0 ※10-8×2、9-8×ラムナムムーンレック・ティーデット99(タイ/2022年RWSライト級リーグ戦優勝)※本戦の判定は29-29×3。延長1回と2回は10-10×3。
笠原はフェザー級・スーパーフェザー級・ライト級とSB史上初の三階級制覇を達成し、前口太尊、スアレック、重森陽太など他団体の王者クラスを相手に10連勝だったが、昨年12月にチャド・コリンズに判定で敗れ連勝が途絶えた。これまでタイ人選手には3戦全勝の笠原が復活の狼煙をあげるか。
ラムナムムーンレックは兄のラムナムムーンとラムナムコーンの影響を受け、7歳でムエタイを始めた。2019年9月にS-1スーパーフェザー級王座を獲得し、2022年にはWMC世界ライト級王座も獲得。さらに2022年はラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)ライト級リーグ戦で優勝した。2021年にはタイのスポーツ局が選定するファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)にも選ばれている。
現在タイのビッグマッチに欠かせない一流のトップ選手であり、人気も絶大。テクニックはもちろん、力強さと旺盛なファイティングスピリットがあり、笠原は2023年初戦から大変な強敵を迎えることになった。
1R、サウスポーのラムナムムーンレックが左ローを蹴ると2度続けてローブローに。笠原が右ボディストレートを打つとラムナムムーンレックは左ミドル。その後も左ミドルを蹴っていくラムナムムーンレックだが、ラウンド終了間際には左ストレートをヒットさせ、さらに右フック、左ストレートと猛攻を繰り出してガッツポーズ。
2R、強烈な左ミドルで場内をどよめかせたラムナムムーンレックだが、笠原は左カーフを徹底的に狙い撃ち。これが何度も決まり、ラムナムムーンレックはあからさまに嫌がる。ラムナムムーンレックのジャブや左ミドルにも左カーフを返していき、ラムナムムーンレックは下がる一方に。
3R、ラムナムムーンレックは左ミドルや前蹴りを出して下がるが、笠原は左カーフで追い込む。さらにロープへ詰めると必殺の左ボディ。ラムナムムーンレックも左ストレートで応戦する。笠原の投げを抱き着いて防ぐラムナムムーンレック。笠原は蹴り足をキャッチしての左フック連打の猛攻。最後にラムナムムーンレックが首投げを見舞い、笠原がロープをつかんで防いだため協議対象となったが、「協議したが、つかんでいなかったとしても投げれないとの結論になったので判定に影響はない」との説明があり、判定はドロー。
延長戦はラムナムムーンレックが左ミドルを蹴ってロープをリングを大きく回り込み、笠原がそれを追う展開。ラムナムムーンレックが左ストレートからの打ち合いを仕掛けると笠原もこれに応じて一歩も退かない。判定は再びドローで2度目の延長戦へ。
ラムナムムーンレックは下がって笠原が来るところへ左ストレート、左ミドル。笠原は右フックと右ミドルで応戦し、両者一歩も譲らない展開。クリンチが増えたため差がつかず、判定はまたもドローに。
3度目の延長戦、ラムナムムーンレックはパンチを的確に当てる作戦に切り替えたか、左ストレート、アッパー、左ボディストレートをしっかり当てては離れる。そのままラムナムムーンレックの逃げ切りかと思われたが、ついに笠原のバックドロップが炸裂! 高く持ち上げられ大きな弧を描いてラムナムムーンレックは投げられ、シュートポイント2が入った。その後のミドルの蹴り合い、パンチの打ち合いでも笠原は譲らず、判定3-0で強敵を退けた。
マイクを持った笠原は「ヤバかった、ありがとうございました」とマイクで語った。
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▼第6試合 61.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R○笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×TAaaaCHAN(PCK連闘会/元INNOVATIONフェザー級王者)
笠原は2019年6月に国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じ、2020年7月に那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就いた。2021年2月に『REBELS』の栗秋祥梧に完勝、4月にはRISEランカーでDEEP☆KICK 57.5kg王者の宮崎就斗に勝利、そして12月にスーパーフェザー級王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。
2022年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りで初回TKO勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではKrush王者の中島千博から勝利を奪ったが、9月にRISEランカーの常陸飛雄馬にKO負けを喫した。12月は石月祐作に大差の判定勝ち。戦績は21勝(10KO)3敗のサウスポー。
TAaaaCHANは聖域統一ライト級王座、聖域統一スーパーライト級王座、INNOVATIONフェザー級王座を獲得した三冠王。東北を拠点として活動しており、2022年5月のNJKF『DUEL.23』ではナカノ・ルークサラシットに3RでTKO勝ち。11月のKNOCK OUTではバズーカ巧樹に判定2-0で敗れるもバズーカを手こずらせた。
1R、TAaaaCHANが右ミドルで先制し、笠原が左ミドルを蹴る。TAaaaCHANは笠原の一発に対し、必ずもらいっぱなしにはならず攻撃を返していく。TAaaaCHANの右オーバーハンドがヒットするも、笠原は冷静。
2R、笠原の左ミドルに対して必ず右ローを返すTAaaaCHAN。ならばと笠原は右フックからの左ロー。この左ローを嫌がるTAaaaCHANに笠原の左ストレートも決まり、バランスを崩すTAaaaCHAN。TAaaaCHANは左ローにバックハンドブローを合わせて笠原をヒヤッとさせる。その後も左ローを狙う笠原にTAaaaCHANは蹴られないように前へ出てパンチを繰り出していった。
3R、笠原は左ハイを意識させておいてのバックキックと左ボディ。TAaaaCHANは前へ出て左右フックを打っていくが、顔面前蹴りで大きく仰け反る。ジャブ、左ミドルとしっかり技を当てていく笠原に、TAaaaCHANは突進しての左右フックで勝負をかけるが笠原は左ハイ。さらに足払いでコカすなどテクニックを見せて笠原が判定勝ち。
笠原はマイクを持つと「僕にあこがれて子供が付いてくるような選手になりたいので、小学生、手を上げて」と子供を呼び出すと、麦わら帽子をプレゼントした。
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▼第5試合 58.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R○川上 叶(龍生塾/SB日本フェザー級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-27×ガオパヤック・ワイズディー(タイ/Y’ZD GYM)
川上は、2019年11月にSB日本バンタム級王座決定戦で佐藤執斗を2RKOで下して新王者に輝き、2022年4月には魁斗を判定に破り、SB日本フェザー級王者となり2階級制覇を達成。昨年12月に両国国技館で開催された『RISE WORLD SERIES/SHOOT BOXING KNGS 2022』では、当時15連勝中とノリに乗っていた安本晴翔と対戦し、下馬評を覆しての判定勝利。川上を鍛え上げ太鼓判を押していた“名伯楽”吉鷹弘の期待に応えてみせた。今回がムエタイ戦士とは初対戦となる。
ガオパヤックはスイッチしながらローキック、パンチ連打でKOを狙うアグレッシブなムエタイファイターだという。
1R、両者サウスポー。川上は右カーフを蹴り、左のオーバーハンドへつなぐ。この左オーバーハンドが何度もヒット。ガオパヤックもローを蹴って左フックを打つが、川上が頭を振ってカウンターを合わせてくるため当たらない。
2R、川上はガオパヤックの蹴りにパンチを合わせるだけでなく、蹴り足をキャッチしてすかさず左右ボディ。このキャッチしてからのパンチが有効だ。ガオパヤックは左ミドルから右フック、川上の左ストレートに右フックを返す。川上の左オーバーハンドはこのラウンドも何度もガオパヤックを捉えた。
3R、好戦的なガオパヤックは左右フックから組んでのヒザ蹴り。川上はガオパヤックの蹴りに左ストレートを合わせ、左フックから必ず返す右フックで何度もヒットを奪う。ガオパヤックも前へ出て打ち合いに行くが川上のパンチが的確に当たる。ガオパヤックも最後まで倒しに行ったが、判定3-0で川上が勝利した。
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▼第4試合 67.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R○村田義光(シーザージム/SB日本ウェルター級1位)判定3-0 ※30-28、30-29、30-28×有馬伶弍(龍生塾)
10勝(7KO)4敗のSB日本ウェルター級1位・村田は、昨年6月からの連敗をストップするべく有馬と対戦。有馬は3勝2敗で、昨年12月の『SHOOT BOXINGヤングシーザー杯2022 THE・CARNIVAL ~Road to Korakuen Hall~』で伊藤要に判定3-0で勝利している。
1R、両者サウスポー。ワンツーで顔面とボディを打ち分けていく有馬に村田は左ミドル。両者様子見。
2R、村田は前に出るが手があまり出ず、そこへ有馬が左ストレートと左ロー。終盤になると村田が得意の首相撲からヒザに持ち込んで挽回した。
3R、パンチの的確さは有馬が上回るが、村田は首相撲に捕まえるとヒザ蹴りを連打。離れるとボディへのパンチ、前蹴りとボディを攻める。村田が首相撲からのヒザを連打し続け、その間有馬は防戦一方。離れてパンチにいくもすぐに首相撲に捕まってヒザをもらい、判定3-0で村田が得意技で勝利をもぎ取った。
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▼第3試合 63.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本ライト級2位)延長R 判定0-3 ※9-10×3○田中佑樹(HAWK GYM)※本戦の判定は30-29、29-29×2
1R、サウスポーの基山は左の三日月蹴りと左フック、田中は左フックを中心に回転の速いフックを叩きつける。ラウンド終了間際、基山の左ストレート強打がヒット。
2R、基山の左の三日月に田中も負けじと右の三日月を蹴り返す。基山は左ストレートの強打を連続ヒットさせて田中をコーナーへ追い込むとスタンディングの肩固め。しかし、これは決まらず右フックを打って離れる。
3Rは両者が強打で激しく打ち合う。田中が右ストレート、左フックをヒットさせれば、基山も負けじと左ストレート。互いにクリーンヒットを奪い合う。基山がのけ反ったかと思えば田中ものけ反り、最後も足を止めての激しい打ち合い。場内は大きな拍手に包まれた。
本戦はドロー。延長戦に突入。基山は左の三日月を多用するが、田中は基山の動きをよく見て右フックを的確にヒットさせていく。田中のヒットが目立っていたが、終盤になると基山が打ち合いに行き、またも両者足を止めての激しい打ち合い。その中でも基山の攻撃をかわしながら当てていったのは田中だ。判定3-0で田中が基山を振り切り、大きな拍手を浴びた。
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▼第2試合 70.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×竹山和貴(NEXイチムエ)KO 3R 3分00秒 ※スタンディングフロントチョーク○風間大樹(橋本道場)
1R、サウスポーの竹山はロー、風間はボディへのパンチでまずは様子見。徐々に手数を増やしていくのは風間でワンツーを繰り出して前へ出る。風間は左ストレートで迎え撃ち、ローへつなぐ。
2R、竹山は組んでの投げを狙い、バックを奪ってのジャーマンは失敗。しかし、首投げに成功してシュートポイント1を奪う。その後もパンチから投げを狙った竹山だが、なんと風間が逆に大腰で投げてシュートポイント1を奪い返した。
3R、左右フックから組み付いての投げを狙う竹山に風間はヒザ蹴りからまたも大腰でシュートポイント1を獲得。その後は右ストレート、左フックで攻める風間だが、竹山が組み付いてきたところでなんと今度はスタンディングのフロントチョーク。これに竹山がタップし、シュートボクサーをキックボクサーの風間が見事なシュートボクシングで破ってみせた。
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▼第1試合 62.0kg契約 フレッシュマンクラスルール 3分3R延長2R○仲田光大(SANDA CLUB Mz)KO 2R 1分32秒 ※右ローキック×相内 誠(K26)
“プロ野球選手が格闘家に転向!”と話題になった元西武ライオンズ投手の相内の再起戦。相内は2020年2月にRISEでプロデビューするもKO負け。2021年11月に『BreakingDown』でKO勝ちするも、2022年2月のRISEでは元Jリーガーの安彦考真にKO負けした。今回は体重を減量し(前回の安彦戦は65.65kg)、山田虎矢太とプロデビュー戦で対戦した仲田と62kg契約で対戦する。
1R、序盤からハイキック、前蹴り、右フックをヒットさせるなどの猛攻を見せた相内。まるで投球フォームのような大きく振りかぶってのフックが強烈にヒットする。出鼻をくじかれた仲田だが、中盤からミドルとローを蹴ってペースを取り戻す。
2Rになると仲田は右ローを狙い撃ち。これに相内は右フックをフルスイングして仲田をグラつかせるが、仲田のローに失速。棒立ちとなって右ローをもらい続け、右フックでマウスピースが吹っ飛んでのダウンを喫する。
立ち上がった相内だがすでに戦意喪失気味。仲田の右ローをもらって再びダウンし、立ち上がることが出来なかった。