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【Bellator】堀口恭司に2度敗れたコールドウェルがまさかの判定負けで復活ならずも「こんなことで挫けたりしない」

2023/02/06 18:02
 2023年2月4日(日本時間5日)の『Bellator 290: Bader vs. Emelianenko 2』(U-NEXT配信)でのダリオン・コールドウェル(米国)の戦いが話題となっている。  米国カリフォルニア州ロサンゼルスのキアフォーラムにて開催された同大会の第1試合では、かつて堀口恭司とBellator世界バンタム級王座を争ったダリオン・コールドウェルが1年1カ月ぶりの復帰戦に臨んだ。  対するはこの日のメインイベントで引退試合を迎えるヒョードルチームのニキータ・ミハイロフ(ロシア)。2020年4月にバンタム級GPワイルドカードに出場したが、エンリケ・バルゾラに判定負け。ミハイロフにとっても再起をかけた試合となった。  コールドウェルは、堀口に負けて王座陥落後はフェザー級に転向し、同級ワールドGPで、現在1位のアダム・ボリッチに一本勝ちするなど準決勝まで勝ち上がったが、AJ・マッキーに一本負けすると、バンタム級に戻して、レアンドロ・イーゴとバルゾラに敗れ、3連敗。  試合前の会見とインタビューでは、「実はここ数年、怪我と戦っていたから手術をした。今回のファイトキャンプで健康でいられたのはいい気分だった」と復帰にかける思いを語っていた。 自分のプライドを飲み込むのは難しい。でも、長く世界最高峰にいる男たちはそうしている 「バルゾラに敗れた後、キルクリフFCのコーチたちと難しい話をすることになり、すべてを見直すことになったんだ」とコールドウェルは明かす。 「それは、自分ではほとんど気づかないことのひとつなんだ。グレッグ・ジョーンズやヘンリー・フーフトのようなコーチが、必ずしも自分が聞きたい心地よいことではなく、ありのままの自分を教えてくれたから。  僕の中では、ただジムに現れるだけで、すべてがうまくいっていると思っているけど、他の人と同じように自分を追い込むことができていなかった。グレッグ・ジョーンズから『君は最大限の努力をしていない』と告げられ、自分では良かれと思っていたコントロール方法を手放さなければならなかった。  これまで自分のやり方に固執してきたから、どうすれば再び良いコーチングを受けられるようになるか、それが自分がすべき調整だった。『君はここでこうしているのに、実際の試合ではこうなって、諦めてしまっている』と言われ、そういうことを実感できるようになるには、みんなが本気になってくれることが必要なんだ」。  レスリングでNCAAディビジョン1王者となり、Bellatorではエドゥアルド・ダンタスを破り、バンタム級王座戴冠。防衛にも成功している。  自分のやり方にコールドウェルは決して自信がないわけではなかったが、コーチと話し、プロMMAファイターとして、気持ちを入れ替え、キャリアの次の章への基礎を築く前に、基本に立ち戻ることになったという。 「それは本当にひどいものだった。本当に屈辱的だった」とコールドウェルは説明する。 「自分のプライドを飲み込むのは難しい。でも、長く世界最高峰にいる男たちはそうしているんだ。ある人はそれを“天啓”と呼ぶけど、僕は“復活”と呼ぶ。以前負けたときと同じように負けることはできない。今の僕には何の感情もない。ただ、仕事に打ち込み、ロックオンしているだけだ。また生まれ変わり、自分が何者であるかを理解することが出来た。そして、あらためて自分らしくいられることを知り、周囲もそれに共感してくれる。僕はそうしてきた。2月4日の試合では、それが証明されるはずだ」  堀口恭司に2連敗し、2連勝後の3連敗のなかで、このようにして、コールドウェルは「復活」を掴もうとしていた。  その試合は、コールドウェルとミハイロフの激しいレスリングマッチとなった。 [nextpage] 自分は勝つために生まれた。炎のなかで作り上げられたんだ  ミハイロフのセコンドにはライトヘビー級王者のワジム・ネムコフの姿。コールドウェルにはフーフトとジョーンズがつく。  1R、サウスポー構えのコールドウェルは右ヒザを突くと左ヒザも。その蹴り足を掴むミハイロフだが、コールドウェルは残すと、ミハイロフのすくい投げを切り返してバックを奪取。正対したミハイロフからトップを奪う。背中を着かせられるミハイロフ。腕十字狙いもコールドウェルは察知し、足をかけさせず。下からミハイロフは細かいヒジ打ち。コールドウェルは時折パウンドも強打は出来ず。  2R、ワンツーのミハイロフにカウンターのダブルレッグテイクダウンからすぐにシングルバックを奪うコールドウェル。リアネイキドチョークを狙うが後ろ手を剥がすミハイロフは正対を試みる。そこを押さえ込むコールドウェル。ブレーク、スタンド再開。再びダブルレッグテイクダウンは、コールドウェル。  3R、右インローのミハイロフ。コールドウェルも喧嘩四つからインロー。ダブルレッグからヒザ着き脇を潜るミハイロフ。金網使い立つコールドウェルは正対して立つ。四つから投げを外してワンツースリーのミハイロフ。  ともに左差しで四つ組みからコールドウェルは大外刈を狙うが、それを残したミハイロフは脇をすくい上げて後方に投げると、コールドウェルの立ち際にスタンドバックについてゴング。  判定は3-0(29-28×3)でミハイロフが勝利。驚きの表情のミハイロフは飛び上がってマットに横たわり歓喜。コールドウェルは勝者を称えてマットを降りた。  1、2Rのコールドウェルはテイクダウンもダメージを与えられなかったか。厳しい判定で4連敗となった。  試合後のコールドウェルは周囲から、「こんなことを言ってもしょうがないが、君が勝っていた試合だ」と声をかけられるが、「いや俺は勝てなかった」と返答。  しかし、復活の光明を掴んだ元王者は、下を向くことはなかった。 「また負けの記録がついたけど、だからといって自分をそう決めつけられるつもりもない。自分は勝つために生まれたんだ。炎のなかで作り上げられたんだ。こんなことでへこたれたりしない」  かくして、CBSに放送されなかったプレリミナリーの第1試合でコールドウェルは4連敗を喫したが、前戦でバルボーザに心を折られた敗者のままではない、その姿はファイトスポーツのファンから大きな反響を得ている。
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