元RIZINバンタム級王者の朝倉海(トライフォース赤坂)が2023年1月25日、Bellatorバンタム級のフアン・アーチュレッタ(米国)がインタビューで「朝倉海をぶちのめす」と強気で試合を要求したことについて、「そんな怒らせること言ってないけどな、やろうよ」と、アンサーを送った。
本誌のインタビューで、堀口恭司についてアーチュレッタが「ホリグチが適正階級に戻ったことは素晴らしいことだと思う。と同時に、RIZINではバンタム級王座が空くだろうから、新たな選手にチャンスが巡ってくることはワクワクする。ぜひRIZINに継続参戦したい。ホリグチのスキルと挑戦をリスペクトするよ。でも、朝倉海は別だ、カイはぶちのめす!」と、対戦を要求したことについての応答を、朝倉が返したことになる。
もともと、2019年8月に朝倉が堀口に1R KO勝ちしたときから、両者は対戦を口にしていたが、2020年大晦日に朝倉が堀口にリベンジを許し、21年の大晦日に拳を負傷しGP決勝敗退となったことで、その矛先は王者へと向かっていた。
拳の怪我で2022年は試合を行っていない前王者の朝倉海は、今春復帰が示唆されている。
朝倉は大晦日出場の意思を「最後まで強く思っていましたね。12月に入ってからも迷っていました」と明かす榊原CEOは、春大会のいずれかで朝倉が復帰すると明言。朝倉と7月の沖縄大会で対戦予定だったヤン・ジヨン(韓国)が、復帰戦の対戦相手候補のひとりであることも語っている。
榊原CEOは、「去年の大晦日から試合をしていない、この1年強の時間で、いい意味でオーバーホールできて、“シン・朝倉海”として、またRIZINの舞台で活躍してくれれば。『2023年はめちゃくちゃ試合します』と言っていました」と期待を寄せるが、Bellator勢との対戦については、「先々はあると思いますけど、直近はRIZNに復帰を果たして何戦かして、その結果次第。Bellatorのハードルも高いので、“RIZINから推薦するので誰でも上がらせてくれる”というようなものではないと思うので、RIZINのなかでまずはベルトでも巻かないとちょっと届かないんじゃないか」と、朝倉海がRIZINバンタム級上位ファイターに勝利を重ねる必要があるとした。
RIZINバンタム級戦線では、2022年のMMA4戦4勝無敗の元谷友貴、2022年のMMAは1戦のみだが、大晦日の瀧澤謙太戦で著しい進化を見せた井上直樹も、王座戦線に絡んでくるだろう。
また、扇久保博正に勝利し、大晦日にアーチュレッタと激闘を繰り広げたキム・スーチョルも、日本勢にとって超えるべき壁となるが、スーチョルは韓国ROAD FCが2023年に開幕する8人トーナメントへの出場が発表されており、日本でどれだけ出場機会が残されているか。ROAD FCのトーナメントには、スーチョルおよびムン・ジェフンが出場。また外国人4選手を入れる予定だという。
堀口恭司がフライ級に完全転向を果たした後に、バンタム級の王座につくのは誰か。前王者の朝倉海にとって、怪我という前門の虎を退治しても、後門の狼たちが牙を剝いて待っている、そんな2023年の開幕となる。