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【UFC】王者アレックス・ペレイラが自身のルーツ・パタソ族にチャンピオンベルトを持ち帰る「自分がどこから来たのかを思い出せば、行きたいところに行けるはず」

2023/01/10 12:01

「ポー・アタン」は現地の言葉で「石の手」を意味する


(C)Zuffa LLC/UFC

 ペレイラが育った地域では、先住民の伝統や遺産はあまり話題には上がらなかった。しかし、彼が初めてキックボクシングのジムに入会したとき、そこは偶然にもブラジル人選手で構成されたチームだった。そこで彼は、自身のルーツと、アイデンティティに初めて向き合うことになった。

「僕は100%生粋のブラジル人だ。ヨーロッパ系ブラジル人でも、アフリカ系ブラジル人でもない。僕の両親は、他の誰よりも早くブラジルに住んでいた先住民の出身なんです」(GLORY公式より)

 ペレイラの父親はブラジル北部の出身で、発展した工業地帯である南部に比べて人口がまばらだった。仕事と生活を求めてサンパウロに移り住み、そこでペレイラの母親と出会った。アレックスは3番目の子供だった。

 GLORYと契約時には、MMAルールで年に2回出場することが許されていた。それはメジャープロモーションではまだ戦えないことを意味していた。5年ぶりのMMAキャンプに向かうとき、米国でグローバー・テイシェイラとの出会いがあった。Jungle Fight3連勝から、UFC登竜門のLFAで左フックで1R KO勝ち。2021年11月、初めてオクタゴンに立った。


(C)Zuffa LLC/UFC

 イスラエル・アデサニヤを下した左の拳。その左手の甲には小石のタトゥーが掘れらている。彼のニックネーム「ポー・アタン」(Po Atan)とは現地の言葉で“石の手”を意味する。

 兄の背中を追い、実妹のアリーネ・ペレイラもキックボクサーとして活躍し、GLORYに参戦。2021年にはスーパーバンタム級王者ティファニー・バン・ゾーストに挑戦し判定負けしたが、2022年11月にはLFAフライ級でMMAデビューを果たしている。

 格闘技によりペレイラ家の人生を切り拓き、今回、両親の、そして自身のルーツであるパタソ族に帰還したアレックスに、パタソ族のコミュニティはSNSで、「困難を乗り越えて勝利を収めたことに感謝し、幸せを感じるとき、それは常に神に感謝する多くの理由を与えてくれます。私たちを代表するこの戦士をいつも私たちの居留地に迎えることは、なんと光栄なことでしょう。この神聖な場所にいつでもようこそ」と歓迎。

 ペレイラは「自分がどこから来たのか、それを思い出せば、行きたいところに行けるはずです。欲しいものを手に入れるために、自分がどこから来たかを思い出してください」と記している。

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