貧民街で生まれ、アルコールに溺れた。人生に何の期待も持っていなかった
サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポのファベイラ(貧民街)出身のペレイラは、20代前半までアルコール依存症だったことをファブリシオ・ヴェウドムのポッドキャストで明かしている。
「僕は貧民街で育ったから、自分の人生に何の期待も持っていなかった。タイヤ屋に務めながら“いつかバイクを買えるんじゃないか”といつも考えていたし、可能だとも思っていた。“でも、クルマはどうだろう?”と疑っている。“家を持つ? まさか”それは僕にとって現実離れしすぎていた。
その頃、僕は本当に迷っていて、16歳くらいまで1日に1リットル近く飲んでいた。一種の儀式をしていて、朝からカシャーサ(サトウキビから作られるブラジルの蒸留酒)を3杯飲むんだ。午前10時、11時、そして正午にもう1杯……ビールが好きだったけど、お金が無かった。給与として現金より酒をもらうこともあったが、あの場所で働くライフスタイルだった。僕は何も知らなかったんだ。
最近まで、このことを語るのが怖いというか、恥ずかしいというか。でも、今は、それを語る必要性を感じている。だって、どれだけの人がアルコールや薬物の問題で苦しんでいることか。当人だけでなく、その家族も。だから今日、人々は自分がどこで救われるかを知る機会があると思っている。スポーツで。キックボクシングでも、MMAでも、サッカーでも、何でもいいんだ」
多くの先住民族にとって問題となっているアルコール依存症だが、ペレイラも「止めようと思っても止められず、4回目の挑戦でようやく立ち去ることができた」という。アルコール依存症を改善するために大きく役に立ったのが、格闘技のトレーニングだった。
21歳のとき、初めてキックボクシングのジムに足を踏み入れた。それは彼の人生を変える決断だった。
「酒を止めなければ目標を達成できないと悟ったんだ。その時、決心して酒を止めた。それ以来、アルコールは一滴も飲んでいない」
ペレイラは、今でも他人が飲んでいるのを見ると飲みたい衝動に駆られることを認める。しかし、自分は1杯や2杯では止められないことを知っているので、近づかないようにしている。「僕はコントロールできている。中途半端なトレーニングをするためにジムへ行くことはない。ジムに行くなら、一生懸命トレーニングするんだ」