NKB日本キックボクシング連盟「2022 喝釆シリーズFINAL」2022年12月24日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第12試合)バンタム級 3分5R○藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット)KO 4R 2分02秒 ※3ノックダウン×則武知宏(テツジム)
藤原は全日本学生キックボクシング連盟バンタム級王者になると、大学卒業後の2002年1月に全日本キックでプロデビュー。2004年11月に全日本バンタム級王座を獲得すると、2005年には各団体の王者が集った55kg級最強決定トーナメント『MACH 55』で優勝。2007年10月には当時日本人トップ選手を総なめにして4年間無敗を誇ったワンロップに勝利。
2009年9月にWPMF世界スーパーバンタム級王座を獲得、2010年9月にWBCムエタイ日本統一バンタム級王座を獲得。国内バンタム級で最強の座に君臨し、2014年10月と2015年4月にはルンピニースタジアム王座にも挑戦したが王座獲得ならず。左ミドルキックを軸に、右ストレートとヒジ打ち、そしてローキックでKO勝ちも多い。1月のNKNLではHIROYUKIにTKO負けを喫し、5月には麗也JSKとドロー。今回が97戦目となる43歳の大ベテラン。
同じサウスポーの則武は2017年2月にデビューした岡山県出身の28歳で戦績は8勝(4KO)6敗2分。
1R、前に出る藤原に則武は左ミドル、左ストレート。藤原は組み付いて転倒させる。藤原は左ローを蹴るが打撃が少なめで、組み付いては則武を転倒させていく。
2Rも同様に前へ出る藤原が左ローを蹴り、組み付くとねじ伏せて転倒させる。則武は左ボディをヒットさせ、藤原が組んでくるところへ左フックを合わせる。徹底した左ローで則武はバランスを崩し始めた。
3R、藤原は左ローを連打。則武は右ミドルを蹴るが組まれて組み倒される。離れると左ローでダメージを与えていき、組むとヒザも蹴る藤原。首相撲からのヒザが連打で突き刺さる。首相撲からヒザ、そして投げと削っていく藤原。投げられた則武は立つのがしんどそうだ。
4R、則武はパンチで反撃しようとするが、藤原が左ローと首相撲でのヒザ蹴り連打。藤原は首相撲からの右ヒジでダウンを奪うと、ジャブの連打からヒザを突き刺し、首相撲で引き倒すと則武は立てずにダウン。そして最後は藤原が首相撲からのヒザ蹴りを連打でボディへ突き刺し、最後のダウンを奪ってKO勝ち。
63勝目をKOで飾った藤原は「NKBがもっと盛り上がるために自分も頑張りたいと思います。NKB最高!」とマイクで叫んだ。
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▼セミファイナル(第11試合)フェザー級 3分5R×TAKERU(GET OVER/WBCムエタイ日本統一フェザー級8位)判定0-3 ※47-50、45-50×2○勇志(テツジム/NKBフェザー級3位)
TAKERUは2021年1月に小笠原瑛作の兄・裕典に判定勝ちしてKNOCK OUT初戦を飾ると、3月大会では龍聖との新鋭対決に臨んだが1Rに左肩を脱臼するアクシデントもあり判定負け。その後、長期欠場からの復帰を機にリングネームを本名の大脇武(おおわき・たける)からTAKERUに変えて、今年7月に栗秋祥梧と対戦。3倍以上のキャリアを持つ実力者を相手に完勝を飾っている。9月には小笠原瑛作と第2代KNOCK OUT-REDフェザー級王座決定戦を争ったが、TKO負けで王座を逃した。戦績は15勝(7KO)7敗。
勇志は7勝(3KO)1敗1分の好成績を持つNKBのランカーで、7月にはメインイベントで郁弥をKOしている。
1R、サウスポー同士。ローの蹴り合いから有氏がワンツーで切り込むがこれはTAKERUがかわす。その後も空振りが目立った勇志だが右ジャブをヒットさせると徐々に距離をつかんだかパンチを当て始める。TAKERUは右フックからの左ロー。
2Rも左ローを蹴っていくTAKERU。勇志はワンツーで何度も切り込み、思い切った左右フックを振り回して左ミドルまでつなぐ。TAKERUは右ミドルと左ロー。
3R、左ローを狙い撃ちするTAKERUに思い切った左右フック、左ミドルを放つ優志。TAKERUは前に出るが優志の思い切りのいい攻撃をもらってしまう。
4R、スイッチしての右ストレートを強打する勇志。左ローには右ミドルを返す。飛び込んでの攻撃を当てていく優志だが、TAKERUは左ローを蹴り続ける。勇志の左ミドルでTAKERUの右わき腹は真っ赤だ。
5R、左ローを連打するTAKERUに右フックを合わせに行く勇志。TAKERUは右ハイを蹴り、右ボディ。TAKERUの打ち終わりにフックを合わせ、右ヒジでカットに成功。勇志はドクターチェックを受ける。再開後、前に出て打ち合いに行くTAKERUだが、勇志の迎え撃つ右をもらう。さらに左ヒジのカウンターでダウンを奪う勇志。
思い切りのいい攻撃を見せていた優志が最終ラウンドにダウンを奪い、勇志が大差の判定でTAKERUを降した。
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▼第10試合 NKBウェルター級王座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R○笹谷 淳(team COMRADE)TK0 2R 0分47秒 ※セコンドからのタオル投入×ゼットン(NKジム)※笹谷が決勝へ進出。
1R、サウスポーから左ミドル、左インローと左の蹴りを蹴っていき、前へ出ると左ストレートを繰り出す笹谷。この左ストレートがゼットンを捉える。しかし、笹谷が左ストレートを出したところへゼットンが左フックを合わせ、ダウンを奪う。それでも前へ出る笹谷をゼットンの右フックが襲うが、笹谷が左ストレートで大きく吹っ飛ばしてダウンを奪い返した。
2Rも前に出る笹谷だが、ゼットンが下がりながらも左フック合わせる。笹谷は組み付くとヒジと顔面ヒザ。ブレイク直後、笹谷渾身の左ストレートがヒットし、真後ろにダウンするゼットン。セコンドからタオルが舞い、笹谷がTKO勝ちでトーナメント決勝進出を果たした。
両者は2月に決勝戦を争う。笹谷は「パンチが効いた。とにかく勝ってよかったです。僕、47ですけれど今が一番強いと思っています。2月に2年前に負けたCAZ選手にリベンジしてベルトを巻きます」とアピール。CAZは「2年前にNKBに初めて上がった時に戦ったのが笹谷選手でした。笹谷選手が勝つと思う人は拍手してもらえますか? 自分が勝つと思う人は拍手してもらえますか? この答えは2月に5Rで決着を付けましょう」と語った。
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▼第9試合 NKBウェルター級王座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R○CAZ JANJIRA(JANJIRA GYM)判定3-0 ※30-28×2、30-27×Hiromi(拳心館)※CAZが決勝へ進出。
1R、サウスポーのCAZは左ミドルからワンツー、Hiromiは前へ出て右を当てに行く。左ミドルをしっかりと当てるCAZはそこからワンツー連打を叩き込み、Hiromiは攻撃されるとガードを固めて防戦に。
2R、CAZはよく見てHiromiのガードの間に左ストレートをねじ込み、左ミドルを蹴る。自分が攻撃した後は密着して相手に攻撃をさせないCAZ。Hiromiは先手をとられて防御する場面が目立つ。
3R、CAZは左ミドルと左ストレート、さらにヒザ蹴りとたたみかけ、Hiromiを押していく。右ストレート、左フックを繰り出すHiromiだが単発で、CAZに打たれると組み付かれてしまう。最後はCAZが左ミドルをヒットさせて試合終了。
パワーで押し込んだCAZが判定3-0でトーナメント決勝進出を決めた。
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▼第8試合 59kg契約 3分3R○皆川裕哉(Kick Box)判定3-0 ※30-26×3×半澤信也(Team arco iris)
1R、サウスポーの半澤に右ミドルを命中させていく皆川。皆川は左へポジショニングしての左フックも多用する。ワンツーを打つ半澤だが、皆川の右ミドルからの右ストレートをもらってアゴが上がる。
2R、半澤は前蹴りとワンツーで前へ出るが、皆川の右ストレートでダウン。右インロー、右ミドルを蹴っていく皆川は半澤が組み付くと投げをうつ。右ミドルで皆川が試合を支配。
3Rも皆川が右ストレート、左フック、右ミドルでヒットを奪う。半澤は右を合わせにいくが手数が少ない。皆川に組まれてマットに叩きつけられる場面が多く、半澤の左フックに皆川が右ストレートを合わせてダウンを奪う。皆川が組み付いてきた半澤に左フック、右ストレートを浴びせて試合終了。
2度のダウンを奪った皆川が大差をつけて判定勝ちした。
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▼第7試合 59.0kg契約 3分3R×鎌田政興(ケーアクティブ/NKBフェザー級5位)判定0-2 ※29-30、30-30、29-30○田中大翔(不死鳥道場)
鎌田は左右の大きなフックをパワフルに叩きつけ、サウスポーの田中は左ミドルと左ストレートで反撃。2Rになると互いにボディを打ち合うが、鎌田がパワーで田中をコーナーやロープ際に追い詰めていく。
そして3R、田中は前に出てくる鎌田を左ストレートで迎え撃ち、首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む。鎌田はこれにヒジで対抗。田中の左ミドルとヒザ蹴りに下がる鎌田だが、右ストレート、右ボディで対抗。かなりの消耗が見える鎌田を田中が攻め込み判定2-0で勝利を得た。
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▼第6試合 女子54kg契約 2分3R○Mickey(PIRIKA TP GYM)判定3-0 ※30-26×3×アリス(フリー)
アリスこと高橋アリスは現在18歳。日本人の父とイスラエル人の母を持つハーフで、4歳から伊原道場で練習を積み、2019年3月にプロデビュー戦を勝利で飾った「ミスセブンティーン2018」の美少女モデル。9月のプロ2戦目でERIKOに判定負けを喫し、2020年10月の上野hippo宣子戦では身長170cmの長い脚から繰り出すミドルキック、ヒザ蹴りでプロ2勝目をあげた。しかし、2021年4月の武内紗耶香戦は判定負け、2022年3月のNA☆NA戦でも判定で敗れ2勝3敗に。その後、15年間所属した伊原道場から離れ、フリーとなって今回が9カ月ぶりの復帰戦。
Mickeyは女子キックボクサーとして活躍したPIRIKAの弟子で、2022年4月にプロデビュー。積極的に前へ出て攻撃を仕掛けていくアグレッシブファイターだ。6月の2戦目ではTKO勝ち、3戦目は9月に5Rムエタイルールの試合で戦って判定勝ちと3戦負け無し。アリスにとってはかなり手強い相手が用意されたと言えるだろう。
1R、Mickeyが右ストレートをクリーンヒットさせて前へ出る。アリスはこれに下がってしまい、さらに首相撲からのヒザ蹴りももらう。
2Rは序盤から首相撲に捕まり、徹底したヒザ蹴りの連打を一方的に浴びてアリスはスタンディングダウンをとられる。パンチの打ち合いではアリスもワンツーを繰り出して反撃に転じる。
3R、アリスはジャブを突いて右ストレートで迎え撃つが、Mickeyは下がらず前へ出て首相撲からのヒザ蹴り。さらに右ストレートで前へ出るとまたも首相撲からのヒザ蹴りで完全にハメる。アリスは焦りからか、スリップして倒れたMickeyに蹴りを見舞ってしまう。首相撲で組まれると動きが止まってしまうアリス。最後は打ち合いとなったが逆転には至らず、大差の判定でMickeyが勝利した。
▼第5試合 ミドル級 3分3R△鹿津真二(ハイスピードジム)ドロー 判定0-1 ※29-29×2、28-30△土屋 忍(kunisnipe旭ジム)
▼第4試合 65.0kg契約 3分3R×ちさとkiss Me!!(安曇野キックの会)判定0-3 ※28-30×2、30-27○YUYA(クロスポイント吉祥寺)
▼第3試合 ライト級 3分3R○蘭賀大介(ケーアクティブ)TKO 2R 0分43秒×鷹也(ストライプル茨城)
▼第2試合 田中美宇引退試合 女子56kg契約 2分3R○寺西美緒(GET OVER)判定3-0 ※30-28×田中美宇(TESSAI GYM)
▼第1試合 バンタム級3R×笠見璃伊(team O.J)KO 2R 1分34秒○雄希(テツジム関西)