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【Krush】佐々木大蔵がスーパー・ライト級王座を返上、8選手で王座決定トーナメント。小嶋瑠久が弟を亡くした悲しみを乗り越えて出場

2022/12/16 22:12
【Krush】佐々木大蔵がスーパー・ライト級王座を返上、8選手で王座決定トーナメント。小嶋瑠久が弟を亡くした悲しみを乗り越えて出場

(左から)塚本(パネルが大野)、小嶋、松本、中村プロデューサー、東本、稲垣、寺島、蓮實

 2023年1月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.145』の対戦カード発表記者会見が、12月16日(金)都内にて行われた。

 第8代Krushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が「K-1のベルトを獲ることに専念したい」とのことから王座を返上。今大会から「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」が8人参加で開幕し、4月大会で準決勝・決勝が争われる。

 大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)は小学生で始めた糸東流空手から、極真空手、キックボクシング、総合格闘技と様々なジャンルに挑戦。2021年3月、34歳にしてKrushデビューを果たした。近藤拳成と斉藤雄太にKO勝ち後、大和哲也にKO負け。蓮實光に判定勝ちするも2022年9月の不可思戦ではKO負け。普段は郵便局に務め、勝っても負けてもKOなことから“KO配達人”と呼ばれる。戦績は22勝(10KO)12敗。


 塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)はK-1アマチュアを経て、2018年9月にKrushでプロデビュー。2019年10月から2021年6月まで3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦から2022年11月の松岡翔大戦まで4連勝と波に乗る。戦績は5勝(2KO)3敗2分。


 小嶋瑠久(ARROWS GYM)はフルコンタクト空手出身で、K-1甲子園2017 -65kg準優勝を経て2017年5月のKHAOSでプロデビュー。加藤虎於奈、平山迅、堀井翼らに勝利を収めるも、近藤魁成、山崎秀晃、不可思ら上位陣には阻まれている。2021年9月の「第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメント」では1回戦で寧仁太・アリに判定負け。前戦は2022年9月に林健太にKO負けを喫した。戦績は8勝(4KO)7敗。


 松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)は東京大学を卒業して厚生労働省に入省した“戦う官僚”。2015年2月からKrushに参戦し、2019年9月まで6戦負けなしだったが、2020年10月に鈴木勇人にKO負け。2021年7月には寺島輝にも判定負けで連敗を喫したが、2022年2月の斉藤雄太戦で勝利した。戦績は8勝4敗1分。


 東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)は2012年9月のKrush初参戦でHIROYAをKOしたことで注目され、Krush・K-1のトップ選手たちと拳を交えてきたベテラン選手。4連敗を喫したが2020年1月に川崎真一朗をKOして復活の雄叫び。3月のK-1では蓮實光の剛腕でマットに沈んだが、8月のKrushではラウェイの金子大輝をKO、12月には鈴木孝司も初回KOに沈めた。2021年3月のK-1で瓦田脩二にTKOで敗れ、連勝がストップ。7月に弘輝、2022年4月に竜樹に敗れて3連敗となって引退も考えたが、11月に大月晴明を延長戦の末に破り連敗を脱出。戦績は15勝(8KO)19敗。


 稲垣柊(K-1ジム大宮チームレオン)は極真空手出身で少年時代に数々の大会で優勝・入賞を果たす。中学・高校はバレーボールで全国大会に出場するなど活躍。高校卒業後に格闘技に戻ると「格闘代理戦争」出演を経て2019年9月にプロデビュー。2戦目で瓦田脩二にKO負けを喫したが、その後は5連勝。前戦は2022年4月、ヴィトー・トファネリに判定勝ち。戦績は7勝(3KO)1敗。


 寺島輝(TANG TANG FIGHT CLUB)は極真空手と伝統派空手を学び、2019年4月にKrushでプロデビュー。そのデビュー戦から3勝3KOを達成し、2019年11月には初の国際戦で韓国人選手から判定勝ち。4戦無敗で2020年3月のK-1に出場し、山崎秀晃に挑んだがKO負けで初黒星を付けられた。12月の斉藤雄太戦でもTKOで敗れて連敗を喫するが、2021年7月の松本篤人戦で判定勝ちして再起を飾った。11月には第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人にも勝利して、2022年6月に第8代王者・佐々木大蔵に挑戦したが3R TKO負けで王座奪取ならず。戦績は6勝(3KO)3敗。


 蓮實光(パラエストラ栃木)は学生時代に柔道を学び、卒業後は総合格闘家として活躍。ミャンマーラウェイ挑戦を経て、2018年6月からKrushに参戦した。強打を武器に東本央貴、大沢文也をKOで撃破したが、2020年12月の朝久泰央戦から2022年9月の稲垣柊戦まで6連敗中。戦績は5勝(3KO)8敗。

 1回戦は大野vs.塚本、小嶋vs.松本、東本vs.稲垣、寺島vs.蓮實で行われ、中村拓己K-1プロデューサーは「K-1スーパー・ライト級のトップ選手は盤石。そこに他の選手がどう絡んでいくのがテーマだと思っている。1回戦では若い選手とキャリアがある選手がそれぞれぶつかる。並べてみてあとで気付きました。キャリアと年齢を重ねてベルトを目指す選手と、若くて野心を持った選手が1回戦でぶつかる」と説明した。


 大野は会見を欠席。「本日は本職・郵便局での業務が年末の繁忙期ということもあり忙しく、出席できないことを関係者の皆さま、また対戦相手の塚本選手には大変申し訳なく思います。このトーナメントについて簡潔にひとこと言わせていただきます。王者になるのは僕です。Krush=壊しの舞台で全員ぶっ壊します」とのコメントが読み上げられた。

 その大野と1回戦で対戦する塚本は「自分はここまで4連勝して来たのですが、その前に3連敗していてどん底を味わってから死に物狂いで4連勝してここまで来ました。あと3つの壁がデカいのは分かっているんですけれど、あと3つ獲れば念願の王者を獲れるってことで、何が何でも絶対に優勝して。下馬評では自分が一番ベルトには遠いかもしれないですけれど自分の中では自分が優勝候補だと思っているので、しっかりこのトーナメントを獲って王者になりたいと思います」と番狂わせを起こすとコメント。


 松本は「大野選手が仕事でお休みという中、自分も相当忙しいと言えば忙しいんですが、今日は久しぶりにこれだけのために時間休をもらって、終わったらまた仕事に戻ります。毎回試合の間隔が空いてしまうので試合が出来るっていうのが嬉しいです。他の選手と比べると間隔が空いているので自分なりにタイトルまでという形でアピールしてきたんですけれど、なかなか難しいところがあって。今回こういう機会をいただけていい機会だと思ったので頑張りたいと思います。試合が出来る事を嬉しく思いながら準備していければと思っています」と、多忙な中でチャンスが巡って来たことを喜ぶ。

 その松本と1回戦で対戦する小嶋は「私事ですが11月18日に弟の良羽将が亡くなりました。弟も来年からプロを目指して格闘技を頑張りたいと言っていた矢先に亡くなってしまったので、王者になることは弟の夢でもあるし、僕がK-1のリングで活躍することを一番喜んでくれるので、必ず今回のトーナメント1個1個しっかり勝ってチャンピオンベルトを巻きたいと思います。良羽将も代理戦争に出ていてK-1にもお世話になったので、あと良羽将とかかわってくれた選手もいると思うので生前はお世話になりました。ありがとうございました」と、亡くなった弟のためにも優勝したいと語った。


 稲垣は「デビューして3年、ようやくベルトをつかむチャンスが来たなという想いと、キックボクシングで人生を大きく変える第一歩となるトーナメント3試合にしたいと思っています」と静かに挨拶。

 その稲垣と1回戦で対戦する東本は「ちょっと前に試合があって、終わった時に中村プロデューサーの65kgに上げてもいいんじゃないかってコメントを直接見た時に、上の階級も挑戦していければいいなとずっと思っていました。それでこのトーナメントの話をいただけたので、心のどこかで準備は進めていました。階級を上げても自分の試合は変わらず、お客様に心響かせる試合をしたいと思っています」と、ライト級からひとつ階級を上げてもやることは変わらないとする。


 蓮實は「このトーナメントに選出していただいたことに感謝しております。憧れのK-1の舞台に立てて目標はベルトだったので、今回こういうチャンスをいただけたので格闘技人生の進退を懸けて死に物狂いでベルトを獲りに行きます」との決意を話す。

 そしてオランダのマイクスジムで武者修行を積んできたという寺島は「前回タイトル(奪取に)失敗しちゃって、次の試合がまたトーナメントでベルトを懸けた試合ということは、どういう意図なのかを自分で考えて試合をしたいと思います。しっかりベルトを獲ります」と意気込んだ。

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