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【GLEAT】田村潔司率いるGLEAT MMA旗揚げ戦。近藤有己がローキックで井土徹也の挑戦を退ける、和田拓也が田中稔をヒジ連打葬、GLEAT勢が粘るもキックルールで2連敗

2022/12/14 19:12
「GLEAT MMA Ver.0」2022年12月14日(水)東京・後楽園ホールGLEATの公式YouTubeチャンネルにてLIVE配信中 ▼メインイベント(第8試合)73kg契約 MMAルール 5分3R×井土徹也(GLEAT/BreakingDown 2021ミドル級T優勝)[判定0-3]※27-30×2、29-28○近藤有己(パンクラスイズム横浜/元PANCRASE三階級王者)  メインイベントでは、GLEAT所属で、BreakingDownミドル級(84kg)トーナメントで優勝した22歳の井土徹也が、47歳のパンクラシスト・近藤有己(パンクラスイズム横浜)と対戦する。近藤は2022年の4月大会で鈴木一史と73kg契約で対戦し判定勝ちしている。井土はリングインすると近藤を見て舌なめずりした。  1R、両者サウスポーでローを蹴り合う。ジャブで近藤の出鼻を捉える井土。ロー&インローを蹴り合い、近藤は右の三日月。井土の左ストレートがヒット。近藤は頭を振って左フックを当て、右ローにつなぐ。近藤はもう一度右フックから左ロー。井土は近藤の蹴りに左ストレートを合わせに行く。右インローを2発蹴った近藤は右前蹴り。近藤が左右フックで前へ出ると井土はそこへ右フックを合わせる。  2Rも左ローと右インローを蹴っていく近藤。井土はジャブを上下に打ち分ける。近藤は右三日月。井土は近藤のローにジャブ、左ストレートを合わせに行くが近藤の蹴り数が多い。ローを蹴られ続ける井土はパンチを返すも届かない状態が続く。近藤が右の三日月を2度突き刺し、井土は左を返していくがそこへも近藤が右三日月を合わせる。  3Rも近藤は左右ローと右三日月。井土は左フックを振り、ローに左ストレートを合わせに行く。左ストレートをもらって下がる近藤。近藤が右インローを蹴るとすぐに井土が左ストレートを返す。井土の左ストレートがまたもヒット、ジャブも当て始める。近藤はそれでもしつこく左ローと右インローを蹴っていく。井土はタックルに行くフェイント。  そして近藤の左ローでついに井土が大きくグラつく。井土も勝負を懸けてパンチで前へ出る。下がりながらローを蹴る近藤に左を狙っていく井土だが、右足がついていかない。それでも近藤がローを背うと連打を繰り出す。近藤はヒザを突き刺し、右三日月。井土が近藤にロープを背負わせてパンチで攻め込んだところで試合終了。  判定は3-0でローを蹴り続けた近藤が勝利。最後は勝負を懸けた井土だが、初挑戦は黒星に終わった。  試合後、井土は「さんざん自分がTwitterとか煽りでプロレスの強さを見せると言ってる中で、応援や期待して見てくれた方を裏切ってしまう形になってしまった。もっとガンガン行くべきだった。試合が終わってから言っても遅いけれど、倒される覚悟で前に詰めていかないといけなかった。この試合で終わらせたくない。言葉が今まで通りの負けたプロレスラーと同じになってしまうけれど、もう一度チャンスが欲しいです。もう一度GLEAT MMAをやらせてください。次はガンガン出来るので、必ずやるのでもう一度チャンスを僕に下さい。明日から、いや今からGLEAT MMA Ver.1に向けてやります。もう1回チャンスを下さい。ありがとうございました」と一気に喋って去っていった。  近藤は「戦う姿勢、目線というか感じるものがありますよね。前を見続ける、生き方がいい意味で真っ直ぐですね。もっと強くなると思います。これで井土選手はまた強くなりますよ。また試合したいです。圧力を(自分が)まだ出尽くさせなかったのはあります。でも、もっと圧力を持てる選手だと思います」と井土を評し、自分自身については「自分はまた試合をしたいです。MMAの試合を、格闘技の試合をどんどんやりたいですね」とまだまだ現役を頑張っていくと笑顔で語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第7試合)無差別級 MMAルール 5分3R×田中 稔(GLEAT)[TKO 1R 1分37秒] ※レフェリーストップ○和田拓也(フリー)  リングス等で戦い、現在GLEAT所属の田中 稔が、「SRC15」以来12年ぶりのMMAとなる元ウェルター級キング・オブ・パンクラシストで現在はハードヒットに出場するプロレスラーの和田拓也と対戦。  1R、パンチを狙う田中が右ローを蹴ると和田がシングルでテイクダウン。ガードの中からパウンド、ヒジを次々と打ち込んでいく。田中は下からの腕十字を仕掛けるが和田はこれをかわすとパウンドとヒジの連打。一方的にヒジを打ち込まれて動けない田中を見て、レフェリーが試合をストップした。  2人はリング上で抱き合い、長らく言葉を交わしていた。 [nextpage] ▼第5試合 グラップリングルール 無差別級 10分1R×田村男児(全日本プロレス)[判定0-3]※9-10×3○関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)  田村は、プロレス前に柔道とアマチュアレスリングを経験。鹿島学園高校時代は、レスリングで2016年、2017年にインターハイ出場。2017年愛媛国体では少年男子フリースタイル96kg級ベスト8。  関根は、山梨学院柔道部出身。卒業後、静岡県警で機動隊や暴力団担当の刑事を務め、ボンサイブルテリアジムでブラジリアン柔術を習得。2009年にMMAデビュー後、7連勝で2016年12月に『ONE Championship』に参戦。世界ヘビー級王者ブランドン・ベラとの試合に向け、43歳にして警察官という安定した職を捨て、プロ格闘家に転向した。柔術、グラップリングでも実績を残しながら、プロレスのリングでも活躍。全日本、ハードヒット、リアルジャパンといったリングでも人気を博している。2020年2月にRIZINデビューでロッキー・マルティネスにTKO負けを喫したが、2021年大晦日にシビサイ頌真を2RでTKO、2022年4月にはスダリオの双子の弟・貴賢神にもTKO勝ち。DEEPでの2連勝と合わせてMMA4連勝をマークも、2022年7月の前戦でスダリオ剛に1R TKO負けを喫している。  1R、田村は脇を差して関根をコーナーへ押し込んでいくが展開がうまれず離れる。次はシングルレッグで関根をテイクダウン、パスガードを仕掛けるも関根の両足をなかなか超えられない。関根は立ち上がるとロープワークを見せ、田村は左脇を差してからの片足タックルで関根をマットに転がす。 やはり関根の両足を超えられない展開となり、関根が立ち上がろうとしたところでガブる田村。関根は前方に回転して背後の田村の足をとりに行くが、これは田村に読まれた。またも片足タックルで関根を転がす田村だが、関根は腕十字。しかし、これは腕がすっぽ抜けて両者スタンドへ。  残り3分。関根が脇を差して投げを見舞うが田村はすぐに立ち上がる。スタンドで組み合う2人だが、関根のダブルレッグは決まらず、田村も技を仕掛けられることなく終了。判定3-0で関根が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 グラップリングルール 75kg契約 10分1R×飯塚 優(GLEAT)[6分6秒 肩固め]○中村大介(夕月堂本舗/元DEEPライト級王者)  飯塚はサンボをベースに持つプロレスラー。中村は今年2月にDEEPで小見川道大の引退試合の相手を務めて“こだわりの腕十字”で一本勝ち。3月のRIZINでは山本空良とのU対決に敗れたが、7月のDEEPではユータ&ロックにプロ初黒星をつけた。  1R、中村は前転するような動きから足関節をとりにいき場内をどよめかせる。中村は背中を見せて得意のアームロックの形をとるが、足を払ってテイクダウン。亀になる飯塚のサイドバックをとると腹固め狙い。中村は起こすようにして飯塚を仰向けにさせるとマウントをとりにいくが、飯塚も両足を中村の左足に絡めてのハーフガード。中村は左足、首と狙いを変えていき、ハーフの状態で肩固めを極めに行く。中村が片足を抜いたサイドに出たところで極まり、中村が貫録の勝利。  中村は飯塚のセコンドに就いた田村の前に正座すると、深々と頭を下げた。 [nextpage] ▼第3試合 キックボクシングルール 46kg契約 3分3R×福田茉耶(GLEAT)[判定1-2]※29-30、30-29、28-29○菊地美乃里(GONG-GYM 坂戸)  GLEAT所属の女子プロレスラー・福田茉耶がキックルールで出場。伝統派空手の剛柔流の世界大会ジュニアの型部門で優勝、組手で2位と3位の実績を持つ。リングに登場すると空手の形を披露した。  対する菊地は、2021年9月の「RISE GIRLS POWER.5」で坂田実優に判定負けも、愛知のシュートボクシング「YOUNG CAESER CUP CENTRAL」で戦績を重ね、2022年3月にはほのかに判定勝ちを収めている。  1R、右ローを蹴って左右フックで前に出る菊地に福田はステップを使って離れながら右フック。菊地は一気に左右フックをまとめるが福田はもらいながらもよくパンチを見ている。菊地の右ローに右ストレートを合わせに行く福田。離れると右ミドルを蹴り、菊地は連打で前へ出る。菊地は右カーフを蹴っていき、福田はそれに右ストレートを合わせに行く。  2R、福田は右ローから右ストレートを当てるが、攻撃が1発で終わるため連打で攻める菊地にパンチをまとめられると下がってしまう。離れると福田がワンツー、左ヒザを当てるが、菊地に連打されると手が出ない。ステップで離れて仕切り直す福田に菊地は右ローと右フック。福田はワンツーで応戦する。  3R、出会い頭の打ち合いで福田の右ストレートがヒット。前に出て詰める菊地に福田は左右フックをもらい続けるが、離れると右ストレート、強い前蹴りを蹴る。菊地の突進にはバックステップで回り込む。離れて蹴る福田に菊地は右フックを当てていく。攻撃されると受けっぱなしになってしまう福田。  判定は2-1と割れ、菊地が勝利。敗れた福田はリング上で涙を流した。 [nextpage] ▼第2試合 キックボクシングルール 75kg契約 3分3R×渡辺壮馬(GLEAT)[判定0-3]※25-30×2、24-30○有村脩也(U-FILE CAMP)  渡辺壮馬は、W-1出身のプロレスラー。マスクマンペガソ・イルミナルとしても活躍し、「GLEAT」設立時に渡辺壮馬として所属を発表した。  対する有村脩也は“Uの修行僧”。MMA11勝11敗2分けでZST、Fighting NEXUS等で活躍。2019年7月の笹川JP戦の判定負け以来の復帰戦をキックルールで戦う。  1R、右ローを蹴っていく渡辺に有村は右ストレート。一発もらうと渡辺は一気にラッシュをかけるが、有村が狙いすました右のカウンターをドンピシャのタイミングで決めてダウンを奪う。思い切り右を打つ渡辺だが有村はよく見てかわす。右を大きく振る渡辺だがジャブ、右ストレートを当てるのは有村だ。ノーガードの渡辺に面白いように有村のパンチが当たり、コーナーに詰まる渡辺。それでも諦めず右を大きく振る。  2R、右ローを蹴っていく有村に渡辺はジャブ、右ストレートをヒットさせる。左ボディ、左アッパーは有村。さらに右ボディストレートも。多数のパンチをもらいながらもタフな渡辺は何とか右を当てようと繰り出すが、なかなか有村を捉えることが出来ず。かなり息もあがっている様子。  3R、渡辺のガードの隙間にジャブをねじ込んでいく有村に渡辺は右ローを蹴っていく。さらに右のパンチを全力で振って羅種を懸けるが、有村の右ストレート、右ボディをまともにもらう。右ボディでダウン寸前の渡辺だがそれでも前へ出る。もはや立ってるのがやっとの渡辺は有村のパンチを浴び続け、ついにスタンディングダウン。ワンツー、右フックで一太刀浴びせようと粘る渡辺だが、右ボディをもらって身体を丸める。試合終了のゴングと同時に、渡辺は自軍のコーナーに倒れ込んだ。セコンドに就いた田村潔司は“よく頑張った”とばかりに何度も背中を叩いた。  判定は大差をつけて有村の勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 MMAルール 52.2kg契約 5分2R○榊原 徹(U-FILE CAMP)[1R 1分10秒 ※三角絞め]×長谷川暢哉(T-Pleasure)  1R、長谷川が組みに行き、ボディロックからテイクダウン。榊原が上になるもすぐに長谷川がリバーサルして上になる。榊原は三角絞めをセットし、長谷川を逃さず極めてタップを奪った。
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