名勝負を制したラウネーンがフェザー級優勝。(C)PFL
2022年11月25日(日本時間26日)、米国ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソンスクエアガーデン内Huluシアターで『PFL 10: 2022 Championships』が開催された。
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2022年のシーズン・フィナーレ。レギュラーシーズンで各階級総当たりのリーグ戦を行い、トップ8のファイターがトーナメント形式で優勝を争う、今回の決勝大会で、各階級の優勝者は賞金100万ドル(約1億4千万円)を獲得する。メインイベントでは、ロンドン五輪&リオ五輪柔道78kg級金メダリストで、PFL女子ライト級トーナメント2019年&2021年覇者、MMA15勝無敗のケイラ・ハリソン(米国)と、MMA18勝4敗で2019年のハリソン戦の敗戦後5連勝中のラリッサ・パシェコ(ブラジル)が対戦。
さらに、コ・メインのフェザー級決勝では、MMA25勝4敗のブレンダン・ラウネーン(英国)と、19勝5敗のバッバ・ジェンキンス(米国)が対戦した。
ラウネーンは、2021年8月にモヴィッド・ハイブラエフにスプリット判定負けするまで7連勝。ハイブラエフ戦後も2022年4月に工藤諒司戦のテクニカル判定勝ち以降、6月にアゴ・フスキッチに判定勝ち、8月にクリス・ウェードを判定に下し、決勝進出を決めた。
対するジェンキンスは、5連勝後の2021年8月にウェードに判定負けも、2022年4月にカイル・ボニアク、6月にレイナルド・エクソンに判定勝ち、8月に工藤を1R リアネイキドチョークで極め、決勝に駒を進めている。
▼フェザー級決勝 5分5R
〇ブレンダン・ラウネーン(英国)
[4R 2分38秒 TKO] ※右ストレート→パウンド
×バッバ・ジェンキンス(米国)
「USA」コールの中、両手を広げ右手で胸を叩いたジェンキンス。英国マンチェスターのラウネーンも両手を広げて咆哮。
1R、サウスポー構えから入るジェンキンス。左ミドルハイから右ジャブ、ダブルレッグに入るも深追いはせず、ヒザを触る。切るラウネーンもサウスポー構えにスイッチして左ロー。見せてからオーソに。ジェンキンスは左ハイ、右ミドルも空振り。左カーフキックを突くラウネーンに、ジェンキンスは若干バランスを崩す。
ジェンキンスは右ジャブもかわすラウネーン。細かくスイッチし、ジェンキンスの右ハイをかわす。ジェンキンスは右インロー。ジャブからのワンツーをスウェイでかわすラウネーンはなおも左カーフ、右ジャブ。
ジェンキンスは右アッパーを見せながら遠間から低いシングルレッグも走って抜けるラウネーン。右ボディストレートから右フックを当てて詰めたジェンキンスはダブルレッグから金網に押し込みヒザ。左足踵を引き上げテイクダウン狙いも足を抜き立ったままのラウネーン。
ジェンキンスは今度は右足にハイクロッチしたまま右手でクリンチアッパー。肩足立ちで突き放すラウネーン。ジャブの刺し合いから左ローを2発ヒット。ジェンキンスのワンツーをかわして体を入れ替え、オーソにスイッチしての右を当てるラウネーン。さらに左カーフを当てる。
左ボディから右フックのラウネーンの打ち終わりに左を返すジェンキンス。さらに左フックにラウネーンの上体が一瞬泳ぐもすぐに立て直すとワンツーをガード上に打ち込む。ジェンキンスのラウンドか。
Exciting 1st Round so far!
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2R、ともにスピーディーなジャブの刺し合い。鼻を赤くさせるラウネーン。右を振りテイクダウンのフェイクを見せるジェンキンスに、ラウネーンは左ロー。ワンツースリーを上下に散らす。
ジェンキンスの左ローをかわして蹴り返しの左を当てるラウネーン。ジェンキンスの大きな左を2度かわすと、なおも左ローをヒット。ジェンキンスは左ジャブを返す。左カーフを当てるラウネーン。1R同様に右アッパーからの組みはジェンキンス。金網まで押し込みシングルレッグからアンクルピックでスタンドバックに一瞬つくも、すぐに左肩を入れて正対するラウネーン。なおも下に入るジェンキンスの頭を押さえて離れる。
ジェンキンスのワンツーをかわすも右を被弾したラウネーン。ジェンキンスは左ボディ。右ストレートを届かせる。スイッチしての右ハイはブロックしたジェンキンス。ラウネーンはみたび左カーフをヒット。ジェンキンスも左の蹴りを軽く返す。
ジャブを当てた後、一瞬、足が止まったジェンキンスに左ローからワンツースリーフォーと4連打はラウネーン! 右前蹴りを腹に突き、踏み込んでの右ミドルハイも。ブロックするジェンキンスも前蹴りを返すが、その足を掴んだラウネーンが後ろ蹴り。ラウネーンの右前蹴りがローブローとなり中断。ジェンキンスはしゃがみこむ。再開、右ジャブから強い右ミドルを入れたヒットさせたラウネーン。ゴング。ラウネーンのラウンドに。
We head to the 3rd round!
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3R、ジェンキンスは右ジャブのダブルから左ローで前に。右回りで避けるラウネーンは、左ロー。ジェンキンスのジャブは届かない。ジェンキンスがオーソに構えると、ラウネーンもオーソにスイッチして右ロー。サウスポーに戻すとラウネーンもサウスポーに構え直し、スイッチして右インローを当てる。
オーソのラウネーンにワンツーを当てたジェンキンス。サウスポーに戻したラウネーンは左ロー。テイクダウンのフェイクから上体を起こすが、そこにジェンキンスは右ジャブを突く。
詰めるジェンキンスは左オーバーハンドを見せて右ジャブをヒット。右回りからワンツー&右ローまで繋ぐラウネーン。ジェンキンスもジャブを伸ばしラウネーンは鼻から出血。前手の右フックはダックしてかわすラウネーンは左カーフをヒット。ジェンキンスがオーソに前足を変えると今度は右ローを当てる。
組みが減ったジェンキンスに、素早い踏み込みでワンツーはラウネーン。左ロー、前蹴りと蹴りも繰り出す。ジェンキンスの前蹴りを掴んで右を打ち込むラウネーン。ジェンキンスも右ジャブを返すと、ラウネーンも左ジャブから左ローまで繋ぐ。右前蹴りを腹に2発突くラウネーン。ジェンキンスも左ミドルの蹴り返し。
3R残り1分41秒でダブルレッグに入るジェンキンス。金網までドライブし頭を下げてアンクルピックを狙うが、そこに鉄槌を連打で落とすラウネーン。ここも頭を押して回転して足を抜き離れる。追って右ジャブを当てるジェンキンス。ラウネーンは右前蹴りを腹に突いて右インロー。オーソからアッパー、ワンツーの右をヒット。
後退したジェンキンスに左カーフを当てワンツー、さらに右ヒザ! 金網に詰まるジェンキンスに左カーフからガードの上に左右から左ボディ! さらに右ヒザを突き上げる。ジェンキンスは金網に釘付け。押し戻すジェンキンスの突進を左にかわして左右を打ち込みゴング。ジェンキンスと視線が合い、笑みを浮かべたラウネーンのラウンドに。
Brendan Loughnane unleashes an offensive attack!
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4R、ジャブで前に出るジェンキンスに、オーソから右インローを当てるラウネーン。さらに再三の前蹴りを腹に突く。サウスポー構えから互いのジャブがヒット。右ローを突くジェンキンスに、左カーフを効かせるラウネーン。オーソになれば右ロー。さらにジェンキンスの入りにカウンターの右前蹴り。その蹴り足を掴んで組むジェンキンスが金網までドライブ。その頭に鉄槌を落とすラウネーン。
We go to the Championship Rounds for the 2nd time tonight!
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ここもジェンキンスの下の組みは切られ、足を抜いて離れるラウネーン。その背中についていけないジェンキンスは少し経ってから立ち上がり、疲労の色が濃い。立ち合いから右を伸ばしてきたジェンキンスにカウンターの右インローで崩すラウネーン!
回るラウネーンを追うジェンキンスだが、そこに左カーフを被弾する。踏み込んでの右ジャブを当てるジェンキンス。しかし、オーソから右インローを当てたラウネーンはワンツーの右! 下がるジェンキンスにさらに右インローでジェンキンスの身体が流れる。
ジェンキンスの右ジャブにワンツーからローまで繋ぐラウネーン。さらに右インローをこつこつと当てる。右ストレートに後ろ足を滑らせたジェンキンスはダウン! すぐにラウネーンがサイドバックからパウンド! さらに立たせて右ヒザを突くと、くの字のまま打たれるジェンキンスにレフェリーが間に入った。
4R TKO勝ちしたラウネーンがフェザー級優勝。ベルトを肩に100万ドルを獲得。勝利者インタビューの最中に、ケージを降りようとしたジェンキンスを「バッバ、バッバ」と呼び止めハグ。顔を腫らしたジェンキンスも「おめでとう」と勝者を称えた。
BRENDAN LOUGHNANE HAS DONE IT! HE IS THE 2022 PFL FEATHERWEIGHT WORLD CHAMPION!!!!!! #ANDNOW
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試合後、ラウネーンは、「ベルトや100万ドルのことは忘れて、2人のハイレベルなレスラーを破った僕は、他のプロモーションも含めてベストのフェザー級ファイターの1人だと今夜証明できたと思う。最もハードな大会だった。どの試合でも傷ついた。(ケージに駆け付けた家族の人生が変わる?)エモーショナルになっている、マンチェスターからここに来てくれたみんなありがとう」と涙声で語った。