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レポート

【PFL】“絶対女王”ケイラ・ハリソンが16戦目の初黒星、UFCから転向アスペン・ラッドが、元Bellator王者ジュリア・バッドにスプリット判定勝ち

2022/11/27 02:11
 2022年11月25日(日本時間26日)、米国ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソンスクエアガーデン内Huluシアターで『PFL 10: 2022 Championships』が開催された(※メイン以外の各階級決勝)。  2022年のシーズン・フィナーレ。レギュラーシーズンで各階級総当たりのリーグ戦を行い、トップ8のファイターがトーナメント形式で優勝を争う、今回の決勝大会で、各階級の優勝者は賞金100万ドル(約1億4千万円)を獲得する。  メインイベントでは、ロンドン五輪&リオ五輪柔道78kg級金メダリストで、PFL女子ライト級トーナメント2019年&2021年覇者、MMA15勝無敗のケイラ・ハリソン(米国)と、MMA18勝4敗で2019年のハリソン戦の敗戦後5連勝中のラリッサ・パシェコ(ブラジル)が、ライト級決勝で戦った。両者は3度目の対戦で、2019年に2度、ハリソンが判定勝ちしている。 ▼PFL女子ライト級決勝 5分5R〇ラリッサ・パシェコ(ブラジル)[判定3-0] ※48-47×3×ケイラ・ハリソン(米国)※パシェコが女子ライト級優勝、新王者に   8月の準決勝では、マルティナ・ジンドロヴァを1R 肩固めに極めているハリソン。対するパシェコは、オレナ・コレスニクを1R 左フックからパウンドアウトしている。ハリソンのセコンドにはATTのマイク・ブラウン、ブラジルのパシェコにはジュカオンがつく。  1R、オーソドックス構えのパシェコに、サウスポー構えのハリソンは左ミドルをかすめる。じりじりと詰めるパシェコは右オーバーハンドを見せる。  ハリソンは左ミドルを2度ブロック上に当てる。しかし3発目は右ストレートを合わせに行くパシェコ。左を振ってニータップで右でヒザ裏を掴むハリソンだが、右で差し上げて左足を引いたパシェコが切ると、いったん首を抱えて、その首を抜いて上体を立てたパシェコに、ハリソンは奥襟を抱える形で、大外刈り!  投げられたパシェコは、すぐに足を効かせてハリソンをクローズドガードの中に入れる。ハリソンはインサイドガードから右ボディ、右顔面とパウンド。足を解いて距離をとろうとするパシェコだが、ハリソンのパスのプレッシャーに再びクローズドに組むと、下から鉄槌。ハリソンも強い右を打ち下ろす。しかしパシェコも下からの手数を出すと、ハリソンは金網まで押し込み、パシェコの首を殺して右のパウンドを打ち込む。パシェコは下から腕十字狙い、蹴り上げ。  いったん体を離したハリソンは、上から蹴り。さらにパウンドの飛び込み。パシェコは後転しながら背中を見せて立とうとするが、そこにハリソンは右足をかけて細かくパウンドでゴング。  2R、先に左ローを突くハリソン。続く右ローで片足となったところにパシェコの右ローで足を払われたハリソンは尻餅を着くと、すぐに立ち上がったところを詰めるパシェコは右ハイ。回って体勢を整えたハリソンは左オーバーハンドをヒット! さらに左ハイをテンプルにかすめる。  右回りで外足を取るハリソンは、左のダブルで前進。左ハイで牽制する。前に出て来たパシェコにニータップから、続けてダブルレッグに入るハリソン。金網までドライブし、首相撲からヒザ。さらにシングルレッグに移行し、テイクダウンに。そこにギロチンを合わせたパシェコ! ケイラは前転して抜けようとするが、上四方で抑えたパシェコがサイドへ。  ハリソンは左で差して起き上がり。そこにダースチョークを合わせようとするパシェコ。しかし、組ませないハリソンはシングルレッグから立ち上がり、押し込み。左は差したまま、金網に押し込み、四つから小外のアウトサイドトリップ、大内刈も狙うが崩れないパシェコの押し込みに、右で小手に巻き直し、内股で投げるハリソン。これも残したパシェコが詰めると右をヒット! すぐに距離を取るハリソン。  残り1分40秒、先に右ローはパシェコ。ハリソンは左のダブルに左ローもスピードが落ちる。さらに左ローに、パシェコはワンツーをまとめると、下がるハリソン。前に出るパシェコは右ストレート! さらに右ミドル。この蹴り足を掴んだハリソンだが、足を抜くパシェコが前へ。  下がりながらのダブルレッグも右で差し上げるパシェコ。いったん小手に巻くも抱え込まず、低いダブルレッグに入るハリソンだが、切ったパシェコ。その頭を下がったところを上からがぶろうとしたハリソンだが、なんと目の前の足を掴んだパシェコは脇に頭を入れ、肩にハリソンを乗せて水車落としで後方に投げ!  下になるハリソンは腕十字を仕掛けるも右足も頭にかからず。反転させて上になるパシェコが左のパウンドを連打しゴング。パシェコのラウンドか。  3R、シングルレッグに入るハリソン。頭を押さえて足を抜こうとしたパシェコは鉄槌連打! それを受けながらもハリソンはなおも足を手繰りテイクダウン! すぐに下からパウンドを突くパシェコ。動きが止まったハリソンをフルガードに入れる。単発ながらパウンドを落とすハリソンに、下のパシェコは鉄槌。  それを嫌って足をさばこうとするハリソンに三角絞めへ! ヒザ裏で組んだパシェコだが、ハリソンの左手は外に。三角に固めたパシェコは下から鉄槌、腕十字狙いも上体を立てて抜くハリソン。オモプラッタ狙いのパシェコを外してサイドバック、バックマウントへ! ここは正対してハーフを譲ったパシェコ。ハリソンはパスからマウントを奪い、上からパウンド連打! しかし、パシェコも下から鉄槌を返し、マウントのままゴング。  4R、先に中央に歩み寄るハリソンを、押し戻すパシェコ。ハリソンは左ストレートを突くが、前に出るパシェコも右を返す。ハリソンの左ヒザに右ストレートを合わせに行くパシェコ。ハリソンの組みを切る。ハリソンは左ハイをガード上に当てるとパシェコの右にカウンターのダブルレッグへ! そのままドライブに足を着地しながら耐えるパシェコは金網背にしてギロチンチョーク。  ハーフから首を解き、金網を使って立ち上がったパシェコ。ハリソンは低いダブルレッグを仕掛ける。スプロールしたパシェコは、亀になったハリソンのバックに! 両足をフックするが、腰をずらしているハリソンが正対するとそこに三角を狙ったパシェコ。ここはすぐに察知し、足を組ませないハリソンが上から押さえ込みに行くが、頭を押さえて足を抜き柔術立ちしたパシェコ。  その立ち際をすぐに着いて行き、頭をがぶるハリソン。手をマットに着いて中腰のままヒザ蹴りを防ぐパシェコは頭を上げに行くが、引き落とすハリソンがスタンドバックに。一転、シングルレッグに切り替えると、すぐにパシェコもスイッチからシングルレッグ合戦!  後方に投げたハリソンだが、金網で返されなかったパシェコが上に! 腰を切って上を取るとサイドに。背中を着かされるハリソン。脇を開けさせ肩固め狙いも、下のハリソンはディ-プハーフで潜りからすかさず足を手繰りシングルレッグで立ち上がりへ。足を掴むハリソンの頭に鉄槌を落とすパシェコ。ハリソンの立ち際に右ストレートを当てる!  下がるハリソンを追うパシェコは右オーバーハンドを拳を換えs手打ち込むと、さらにガードの間に右ストレートも突く。歩きながら右ミドルも蹴るパシェコに、その蹴り足を掴んでダブルレッグに入るハリソンだがゴング。  5R、開始前に咆哮するパシェコはスタミナも余力か。ジャブの突き合いから左を見せてのニータップはハリソン。これを切るパシェコ。ワンツーの右を見せる。再びのニータップから組むハリソンだが、金網際で体を入れ替えたパシェコ。ハリソンは、右で小手に巻き投げるが、いったん片ヒザをマットに着くもすぐに立て直したパシェコ。バックを許さず正対して立ち上がると、ハリソンは四つから下のタックル、ダブルレッグに切り替える。  両足を開いて束ねさせないパシェコは、左足を手繰ろうとするハリソンの頭に鉄槌連打。いったんは足を上げようとしたハリソンを再び頭を押さえつけて鉄槌! 潰されたハリソンは亀に。バックマウントのパシェコは、ハリソンがパウンドを浴びながら亀から巻き込みを狙うとすかしてバックテイク、両足をフックしてボディトライアングルを狙うが、ズラして横に落としたハリソンが上に。足を効かせるパシェコは、インサイドガードにハリソンを入れると、ハリソンの左腕を後方に流して三角絞め狙い。そのリストを外して左のパウンドを打ち込むハリソン。  足を戻してニーシールドから鉄槌を連打するパシェコ。ハリソンの右の飛び込みをかわすと下から右の鉄槌を打ったところで、最終ラウンドのゴング。互いに座り込んだままハグをかわすと、そのまま正座して座ったハリソンに、すぐに立ち上がったパシェコをジュカオンが肩車する。  5R判定は3-0(48-47×3)でラリッサ・パシェコの左手が挙げられ、ライト級優勝&新王者に。  レイ・セフォー代表からライト級のベルトを肩にかけられ、100万ドルの目録を手にしたパシェコは、「アップセットを成し遂げたが、あなたにとってサプライズではない?」と問われ、「今日はケイラだけでなく、ここにいるみんなとも戦っていた。(ベルトと100ドルを獲得したが)キャリも夢も、このスポーツに身を捧げてきた。偉大なキャリアに向け、このベルトがよりモチベーションとなり、もっとハードに練習できる。ケイラが私をより強いコンペティターにしてくれた。だからこの瞬間がある」と語った。 [nextpage] UFCから転向、ラッドが元Bellator王者バッドにスプリット判定勝ち  元Bellator世界女子フェザー級王者のジュリア・バッド(カナダ)が、元UFC4勝3敗のタイトルコンテンダー=アスペン・ラッド(米国)と対戦。 ▼女子フェザー級 5分3R〇アスペン・ラッド(米国)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジュリア・バッド(カナダ)  MMA16勝5敗のバッドはBellatorでクリス・サイボーグに敗れた後に2連勝。PFLに参戦し、2022年5月の前戦でジナ・ファビアンに判定負け。ライト級から今回はフェザー級に戻しての参戦。夫のランス・ギブソンがセコンドにつく。  対するMMA10勝3敗のラッドは、2022年4月の前戦「UFC273」でラケル・ペニントンに判定負け。PFL初参戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るバッドに、右回りのラッド。バッドは左ジャブから右ハイをブロック上に当てる。さらに左前蹴り。これを掴んだラッドが肩口まで持ち上げテイクダウン。ここに首投げを合わせたバッドだが、ラッドはバックを奪うと両足をフック。  クロスに組んだ足をアンクルロックを狙うバッドだが、すぐに解いたラッドに、腰をずらして正対を試みるバッドは亀に。バックマウントから殴るラッドに、中腰になり前に落とそうとするバッドだが、その足も抱え込んで落とされないラッド。  身体を伸ばされないように亀のままのバッド。背後の右腕を掴み前に落としたバッドが残り1分で上になるが、ラッドがバタフライスイープで上を取り返し! サイドから上四方で抑え込みながらヒザを突き、ゴングでラッドが初回をモノにした。  2R、圧力をかけるバッドはワンツーも、その打ち終わりに組んだラッドが右を差して押し込み。体を入れ替えるバッドは四つからヒザ蹴り。さらに首相撲から左右のヒザを突く。左で差して押し込むラッドに体を入れ変えるバッド。なおも入れ替えるラッドがシングルレッグに切り替える。  掴まれた右足をラッドの身体の横に出してあてて、右で小手に巻いて片足立ちで崩されないバッド。右足をマットに着くと左足でヒザを腹に突く。  離れたラッドが右ボディ、左フック、クリンチのバッドは首相撲からヒザを突く。声を挙げて右フックを突くラッド。バッドは首相撲ヒザで応戦する。  3R、先に中央に出て右から左ボディ、ワンツーで前に出るラッド。バッドは左前蹴り、右フックを当てるが、ラッドは下がらず、声を挙げながらボディから顔面と連打で前進。その首を掴み首相撲&ヒザ蹴りのバッド。  ラッドはダブルレッグも、切ったバッドは離れる。ラッドの入りに首相撲を狙うバッド。ラッドはバックフィストが空振りも構わず前に出る。  金網背にするバッド。ラッドがダブルレッグも差し上げるバッド。左を当てるラッドはそのまま金網までドライブも、クリンチからヒザを突くバッド。ラッドのスピニングバックフィストは空振りに。  ラッドの伸びる左に金網を背にするバッドも首相撲からヒザ蹴り、ワンツーで応戦。打ち合い後のゴングに両者が揃って勝利をアピールした。判定はラッドが2-1のスプリットでバッドを破り、PFL初陣を勝利した。 [nextpage] 無傷の7連勝! ダコタ・ディチェバが1R KO勝ち ▼女子フライ級 5分3R〇ダコタ・ディチェバ(英国)[1R 4分20秒 KO]×キャサリン・コーロジンス(米国)  英国のディチェバは、ここまでMMA6戦無敗。UAE Warriorsを経て、2022年8月にPFLデビュー。ハスナ・ギャバーに判定勝ち。米国のコーロジンスはMMA2連勝でPFL入りを果たした。  ボディロックでコーロジンスを崩したディチェバ。前蹴りをキャッチしたコーロジンスは金網に押し込み。しかしディチェバが、首相撲&ヒザ。離れ際にも右を打ち込む。  後退したコーロジンスにディチェバは首相撲ヒザ。離れるコーロジンスにさらに右ローから、右ストレート! コーロジンスがダウン、ダコタ・ディチェバが1R 4分20秒、KO勝ちした。
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