チェンロンには「正直、勝てると思わなかった」けど、シアーコーチは「7週間あればいける」と。カピタンとは心構え、準備の差が出た
──チャンピオンになるまでタフな相手との試合が続き、アンダードッグ扱いをされてきたことが多かったと思います。それでも自分の強さを証明してきたと思うのですが、ご自身では、このONEでの道のりをどう感じていますか。
「正直言うと、ジャン・チェンロンとの1戦目の話をもらった時に勝てるとは思わなくて。シアー・バハドゥルザダ コーチと話して、7週間あればいける。7週間あれば勝つところまでいける、って。そういう状況の試合をたくさん(ONE)でやってきたからこそ、僕は一気に成長できたと思います。試合が決まった時は自分の方が弱かったかもしれない、でも試合をするまでに越えて、しっかりと試合で勝ってきたというのは自分の中のプライドです。やってきた自信がある。そういう厳しい相手と戦ってきたからこそ、自分が成長させてもらったと思っています」
──タイトルマッチを組まれた時も、秋元選手がアンダードッグという声もあった。それはどう感じていましたか。
「自分としては、カピタンとタイトルを賭けて戦うっていうのは、彼がチャンピオンになった時から思っていたんで。(自分が戦うまでチャンピオンが)変わることはないだろうと。そう思っていたので、まさかカピタンが(自分との)試合でああいう風な姿を晒すっていうのは誰も予想していなかっただろうし。ただ自分は、カピタンとやるっていうのはずっと、1年以上前から思っていたので、その準備の差が顕著に出たのかなと思います。もちろんアンダードッグって思われているのは理解していたんですけど、でもしっかりと準備してきたことがあったので、“見とけよ”っていうか、“ここで自分の強さを見せつけてやる”っていうのはすごく思っていました」
──前回の世界タイトルマッチでご自身が証明できたことはなんだと思いますか。
「本当に自分の試合っていうのは、見ているとそこまで分からないと思うし、見ているだけだとポイントを稼ぐファイターって思われるかもしれません。でも、どの試合でもしっかりと相手にダメージを与えているんです。正直、ONEで階級を上げてから4戦して、相手から攻撃されたダメージってほとんどなくて、自分が攻撃したダメージしか今までない。
カピタンもその前に戦った選手たちもそうですが、みんな僕と試合をした後、抱えられてサークルから降りていったり、サークルから降りたら車椅子で退場していく選手がいたり、やってみて初めて(僕の攻撃の強さに)気づいたんじゃないかなと思います。僕は攻撃をもらっていなかったりとか、攻撃のもらい方がうまいっていう部分を見てほしいなって思うし、そういうところに中々気づいてもらえないと思うんですけど、これからもそういう自分の強さを見せていって証明したいですね」
──カピタンとの試合は、キックボクシングの試合では一番タフな試合でしたか。
「5ラウンドっていうのもありますけど、今までで一番蹴ったし、一番パンチも打ったし、一番攻撃した試合だなと思います。一番タフな試合でしたけど、しっかりとそこを自分が勝ち取ったからこのベルトを取れたと思います」
──ここで世界王者になり、タイトルを防衛する意味というのはどう考えていますか。
「ONEスーパーシリーズ、キックボクシングもムエタイもそうですが、ここが本当に世界最高峰で、このベルトが本当の世界一だと自分は思っています。自分は、SNSで自分のことをアピールするのとかは苦手だし、これからもそういうのをしていくつもりはないですけど、このタイトルを守っていってしっかりと自分の強さを試合で証明できるように、これからも頑張っていきたいなと思います」